リリカルなのはSFIA
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 第八話 傷だらけの獅子隷従化計画

 

 

 

 アリサ視点。

 

 「く、くそっ。本当にAMFが効かない!それなのに我々以上に動けるとか貴様本当に人間か!?」

 

 「人間よ!この銀色ウサギ!」

 

 列車の上で私はフレイム・アイズの機能。

 炎の鞭をリボンのようにまわしながら、全身をダイバースーツのような服を着た少女に向かって突進する。

 小さなガジェットT型は炎の鞭の渦に巻き込まれて爆散し、U型は大蛇が巻きつくかのように締め上げて破壊する。

 

 「ちぃっ、対AMFは伊達じゃないというわけか!」

 

 いける!

 銀色ウサギは明らかに勢いを失って後手に回っている。

 このまま押し通して、はやくなのはに合流してフェイト達のフォローに向かう!

 

 「くぅっ!」

 

 「な、なんだ?!この黒い魔力は!?」

 

 「・・・炎の鳥?」

 

 「なんなの?!まるで生きているみたいに!?」

 

 そう考えていると、複数のガジェットの陰から((黒い炎|・・・))が襲い掛かってくる。

 と、同時に私の後ろで列車を囲んでいたガジェットの排除をしていたティアナ達の悲鳴も聞こえた。

 

 まさか!

 

 考えたくはないが確かめずにはいられない!

 フェイトとリニスさんが戦っていた宙域をフレイム・アイズに命じて画面を視界の隅に出してもらうとそこにはボロボロになったフェイト。

 フェイトの髪をまとめていたリボンは解け、バリアジャケットもマントの部分が無くなってレオタードのようになっていたが、その姿もボロボロといった状態。

 ただでさえ薄い装甲を削り、速さを上げる真ソニックフォーム。

 その素早さに追いつける人は管理局の仲にはいない。

 無論、ゼクシスにもいない。

 この状況で、フェイトに攻撃を加える人物は一人しかいない。

 

 「・・・やはり、足手まといになったね。チンク」

 

 私とチンクと呼ばれた銀色ウサギの間に一際大きな炎が立ち上がる。

 小さい頃は少しの間だけ。

 画面越しに見たことは何度もあるけどやっぱり怖い。

 

 「・・・アサキム」

 

 私は最も得意とする自分の間合い。((中距離|ミドルレンジ))を保つためにチンクとアサキムから距離をとる。

 スバルやティアナ達の事も気になるけど今、アサキムから目を離せば一瞬でやられる!

 

 「くっ」

 

 先程の黒い炎の鳥にレリックの入ったトランクを取られたティアナは悔しそうにアサキムを睨みつけるがアサキムはそれに興味がないのか。それとも気が付いていないのか行動を再開する。

 

 「まあ、いいさ。ジェイルの欲しがっていたレリックも手に入れた。そして、サンプルの実力も見ることができた。ここは退くよ」

 

 ザンッ!

 

 チンクと言われた少女はアサキムに抱きかかえられると二人を包むかのように黒い炎が燃え上がるが、その炎の中から紫色の一線の光がアリサ達の足元を走る。

 

 「・・・っ、・・・?」

 

 私はフレイム・アイズの障壁を展開しながら、一瞬目を閉じてしまった。

 そして、まぶたを上げるとそこにアサキムとチンクはいなかった。が、すぐに異変が訪れる。

 

 ・・・ずっ。

 

 足元が一瞬動いた感触を感じた。

 

 そして、轟音を立てながら私達の足場になっていた列車の天井と滑車部分がずれ落ちた。

 それがアサキムの放った斬撃によるものだと知るのはこの事件の後になる。

 

 ズガガガガガガガッガガッガガガガガッガガアンッッ!!

 

 「うわああああ!?」

 

 「あ、足場がずれて…」

 

 「これって、ティアナの瓦礫攻撃?!」

 

 「いつも瓦礫で攻撃しているわけじゃないわよ!」

 

 斜めに切り落とされた列車の天井ごと落とされた私は慌てて空を飛ぶ。

 一直線に飛ぶのは得意でもなのはやフェイトみたいに飛べない。だからと言って落ちていくあの子達黙っているわけにもいかない。

 

 「フレイム・アイズ!剣の形態から鞭に変更!」

 

 スバルは魔法で空中にアーチを描くような水色の滑走路のようなレールを引く。

 ウイングロード。ローラスケートのようなデバイスには最適ともいえる。

 彼女はそれで足場を作り、着地。ティアナもスバルの作り出したウイングロードに着地する。

 エリオの方もや槍型のデバイス。ストラーダの随所から圧縮された空気を吐き出しながら空中でくるくると曲芸のように回転しながらも列車が通り過ぎた後の線路の上に降り立った

 

 [了解だぜ!]

 

 やや、ガサツな男っぽい声を出したのは私の相棒フレイム・アイズ。

 だけど、ちょっと乱暴な私には丁度いい相棒だ。

 空中に投げ出されたメンバーの中で一番とろいキャロを炎の鞭でからめ捕りなんとか地面に叩き落とされるのを防ぐ。

 危ないところだった。あのまま、勢いよく落ちたらいくらバリアジャケットを着こんでいるとはいっても大怪我。下手したら後遺症が残っていたかもしれない。

 

 「はっ!あ、アリサさん!列車が!」

 

 何かに気が付いたスバルが指さす方向には私達を振り落していった列車があった。

 暴走は止まらず、それどころか勢いを増して終着駅のある方に走っていく。

 このままだと人が住んでいる街中に暴走列車が飛び込んでしまう!

 この中で唯一長距離砲の撃てるなのはも砲撃が届かない位置にいる。

 ティアナの魔法弾もあの暴走している列車には間に合わない。それでも何とか追いつこうと後を追おうとしたその時だった。

 

 『ゼクシスより入電!ゼクシスより入電!この警報を聞いている全員に次ぐ!ただちに指定した宙域から離脱せよ!繰り返す!ただちに指定した宙域から離脱せよ!』

 

 私はふと嫌な予感がしてその宙域を確認する。

 

 「・・・は、ははは」

 

 そして口から出たのは乾いた笑い声だった。そして、すぐに叫ぶ!

 

 「撤退ぃいいいいいい!皆、急いで撤退するわよぉおおおおお!」

 

 「あ、アリサさん?列車の方は?」

 

 「そうです!あのまま列車を行かせたら町の人達が…」

 

 スバルとティアナが反論してくるけどそれは即座に却下する。

 そんな心配はしなくてもいい。

 列車は丸ごと綺麗に消滅するからだ。

 

 「全員、死にたくなければすぐに下がりなさい!アリシアの砲撃が来るわよ!!」

 

 あれはなのはのスターライトブレイカーにも勝るとも劣らない。いや、((化学兵器|Dエクストラクター))故にAMFという障壁も意味をなさなくなるので、なのはよりも上かもしれない

 

 離脱宙域にはこう書かれていた。

 

 ≪ツイン・エクセリオンバスター・キャノン射線軸進路≫と、

 

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 ジェイル視点。

 

 アサキムとチンクが無事にレリックを回収してきてくれた。

 今回、『揺れる天秤』と『知りたがる山羊』のぶつかり合いを見たかったんだがどうやらそれは叶わないみたいだ。

 それにしてもアサキムは凄い。

 あのプロジェクトFの残滓。フェイトの超スピードをいともたやすくいなしてしまうのだから。私の娘達の中で一番素早く動けるトーレですらも凌駕するスピード。それを攻略する彼は流石としか言えない。

 アサキム曰く、どんなに速くても攻撃の来る場所が分かればどうとでもなる。と言っていたがわかっていたとしてもそれに((反応|・・))することが出来る彼の技量は凄まじいものがある。

 

 「…ドクター。チンクとアサキム様が帰られました」

 

 「丁重にもてなしてあげてくれウーノ。さて、これなら『白歴史』とやらも塗り替えることが出来るかな?」

 

 まあ、もっともアサキムがいてくれるのならね。

 しかもこちらにはまだ切札のD・エクストラクターがある。

 出力だけならこちらの方が上だ。これならいける。そう確信した時だった。

 私が見ている画面に赤いアイコンが映し出された。

 そこは暴走する列車が走っている線路の上。ちょうど町に入る手前、約五十キロほどの直進の線路上にポツンと置かれたかのような存在だった。が、それに反比例するほどの出力を叩き出す。

 

 「・・・!((超|・))高エネルギー反応を感知!そ、そんな、これは魔力値SSクラスです!」

 

 「…SS?まさか、あの八神はやてか?」

 

 機動六課のエース三人組のなかで唯一見かけない隊長は彼女だけだ。だが、彼女ではない。かといって高町なのはでもない。

 

 「映像来ます!」

 

 「…フェイト・テスタロッサ・ハラオウン?」

 

 とてもよく似ているが違う。

 彼女はアサキムにやられて満身創痍だ。動けるはずがない。それにスピード重視の魔導師だ。足かせになることこの上ない((二門の大砲|・・・・・))のような物を担ぐような真似はしない。

 

 「・・・大砲?」

 

 全長三メートルは超えるのではないかと思われる巨大な機械で出来た大砲。

 しかも、それで自身が倒れてしまわないようにするためか四本のアンカーで自身を固定している。しかも、その大砲を補助するかのように黄色と黒の入り混じった機械装甲を纏った者もいた。

 

 

 

 『ツイン・エクセリオンバスター・キャノン!発射ぁあああ!!』

 

 

 

 少々舌ったらずの口調でその大砲を担いだ女性が叫ぶと同時に青白い閃光。いや、エネルギーの奔流が私達の見ているモニターを埋め尽くし、直後に八割近い画面が砂嵐とノイズだけになった。

 それを見て私は思った。

 …ああ、どうやら『白歴史』とはなかなかに強い呪縛らしい。

 生き残っている偵察用のガジェットの映像を見て私は軽い落胆と科学者としての高ぶる対抗心に火がついたのだ。

 

 プレシア・テスタロッサ。

 

 D・エクストラクターの発案者は伊達じゃない。

 何故ならその砲撃は質量兵器、魔力砲撃の歴代最長射程のゆうに三倍以上。しかも、あのエースオブエース(リミッター解除状態)のフルドライブ状態の砲撃を超える砲撃だったのだから・・・。

 

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 高志視点。

 

 そこに広がっていただろう線路沿いの自然豊かな森林は跡形もなく蒸発していた。

 そこに広がっていただろう雄大な渓谷も、まるでプリンのように抉られていた。

 そして最後に、青空に散らばっていただろう白い雲も欠片もなく散っていた。

 目標の列車?そんな列車、塵も残さず消滅したよ!

 

 プレシアさん。…あんた、なんちゅうもんを作ってくれはるんやぁあ〜。

 

 明らかにガン○ムダブルエックスのツイン・サテライト・キャノンでした!

 しかもその反動で自分がひっくり返らないように打ち出されたアンカーはビッ〇オーのファイナルステージのアンカーだろ!

 絶対これMAP兵器だ!しかも障壁を無効にする『直撃』が絶対に混ざっているだろう。

 アリシアは特大の砲撃を撃つと聞いていたから精々なのはのエクセリオンスマッシャーかと思いきや、スターライトブレイカーをも凌ぐ砲撃をぶちかましてくれた!

 更に恐ろしいのはここからアリシアは俺にそのキャノン砲を神輿の様に担ぐように指示して狙いをつけて発射した。

 大砲が重すぎて狙いが定まらないとかで・・・。

 味方が射線軸付近にいたというのに!あの赤い彗星さんだって大体のロックオンはするのに!スコープの中には敵しかいないことを確認して発射するのに!

 アリシアのやつってば・・・。

 

 『ええい、ままよ。直撃させる!』

 

 味方ごとじゃないよな!?なのはやフェイト達が射線軸上にはいないよな!確認したよな?!

 

 「・・・ふぅ。消滅確認。任務、完了」

 

 絶対○イングじゃない!あれはダブルエッ○スです!

 あんな凶悪な砲撃をバカスカ撃ててたまるか!

 

 「さて、お仕事も一応終了。でも、私にとってはここからが本番」

 

 ゴリィッ。

 

 と、ガンレオンの装甲に押し付けられる砲身。

 アリシアさんとそのDエクストラクターは大砲をダブルからシングルに。大砲からライフルに切り替えができるようで、その筒先をゴリゴリとガンレオンの後頭部に押し当てる。

 うん、いまならウイ○グを名乗ってもいいだろう。武器はね!

 

 「ついてきてくれるよ、ね」

 

 とても優しい笑顔で微笑むアリシアさん。

 それは幼少期。ロリコンな人達が見たら誰もが悶絶する少女の笑顔ではない。

成長し、大人になったアリシアの笑顔。それは老若男女の誰もが見惚れるかのような女神の微笑みだった。

 それ故に恐ろしい。

 

 そんな女神が、ゴリゴリと、ライフルで、俺の後頭部を、抑え込んでいたから。疑問符がついていなかったから。

 

 だけど、俺を舐めるなよアリシア。

 『放浪者』になって十年。

 クロノやフェイトの執務官としての評価を上げるためにこなしてきた過酷なミッション!十年前に比べて少ししか成長していないと思ったら大間違いだ。

 

「・・・はい。ついて行きます」

 

 あれ?おかしいな?

 肉体的にも、魔力的にも、精神的にも成長したはずなのに俺は逆らえずにいた。

 

 そして、気がついた。自分がいつの間にか土下座をするようにアリシアの前に伏していた事に…。

 

 いくら『放浪者』になっても俺だって命は惜しい。

 

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 そして、俺は未だに気づかずにいた。

 

 プレシア監修の元で『傷だらけの獅子隷従化計画:破』が順調に進められていた事に。

 『序』は十年前に完了していたらしい。『Q』まで事が運んだ時、俺は一体どうなっているんだろうか?

 今はまだ誰も知る由も無かった。

 

 

説明
第八話 傷だらけの獅子隷従化計画
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コメント
そういえばどの作品かは忘れたけどツインサテライトキャノン(MAP)の射程が∞になってるやつあったような…(人吉善吉)
あれ、さっくり触っちゃったね、直で触んなけりゃ平気なんだっけ?スティグマ(GDGD3)
ガンダムネタが多いなぁwwww俺得ですけどw  アリガロードwwwプレシアがティファ役なのだろうか???てか物騒すぎるw射程距離が長すぎるMAP兵器とかww(孝(たか))
あー…これはスティグマ確定か?早かったなぁ(緋詩)
・・・どっからマイクロウェーブを充填したんだ?そして、そんなモノを高志に撃ち込もうなんて、殺す気なんだろうか?コレで高志の事が好きって事らしいけど信じられない。(俊)
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