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封筒の中には一枚の紙と写真が数枚入っていた。紙には、ただ一言、『殺せ』と書いてあり、写真には、緑の黒髪で、透き通る程色白な肌の和装をした少女が、写っていた。ただ、写真全てが少女の写真だったかというと、そうでは無い。たった一枚、いや二枚別の写真が、入っていた。

「ファミレスと廃墟かな、ん?」

ファミレスの写真の裏に、走り書きで、次の様に記されていた。

 

"12日(日)19:00 クラウド"

 

 

 

12(日)18:55 ファミレス

 

5分前行動という訳ではない。ただ、目的地があまりにも近過ぎただけである。なんて言ったって、100mしか離れていないんだから。ちなみに、爺さんから聞いた話によると、この町と俺の住んでいた町との距離は、かなりぞっとする程離れているのだそうだ。

回想終了。いま、俺の前には"クラウド"と名乗った長身の細い男がいる。"いる"と言っても、"立っている"のではなく、"座っている"のだが、それなのに、長身と分かる程の大きさなのだ。

 

「君が、依頼を受けてくれるのかい?」

「どうやら、そうらしいな。一体どういう内容か、説明してもらうとしよう。」

「そうだな。しかし、ここでは場所が悪い。少し移動するよ。」

「何処に行くのさ?」

「個室だよ。このファミレスは、世にも珍しい個室完備なのだよ。」

 

 

そんなわけで、個室

 

「用件は、その封筒の中に入っているとおりだ。」

「いやぁ、そう言われましても。」

当然困る。いきなり封筒通りと言われても。一体何が目的なんだ?

「分かってる。前払いで100万。何か不満かい?」

俺が、不満とも困惑ともとれる顔をしていたからであろう。

「いえ、不満というわけではありません。ただ、目的は一体何かと。」

「目的?ああ、目的ね。そうだね。君は、物事を、最短で片付ける方法は、何だとおもう?」

そう言って、男は、立ち上がり去って行った。会計はしてあるから、払わないでいい、とも言っていたが、この際関係ない。一体、あの男は、何を企む。何かが、おかしい。そんな疑問を、抱えながら帰路についた。

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