魔法少女リリカルなのは 四天王始めました |
季節は移り変わり既に夏真っ盛りとなった。
学校は終業式を終えて、夏休みに入り俺達は今、管理不能世界にいる。
「いや〜それにしてもあんな生物初めて見たよ」
「うむ、実に奇っ怪であった」
そう言うのはレオンとシアだ。
「ああ、確かに奇っ怪ではあったな……でも弱かった」
「しょうがないわよ、ヴァルド。あの生物はこの世界の中では下の下なのよ。弱いのも仕方がないわ」
リゼットが言うあの生物とは、地上を移動するイソギンチャクの事だ。
大きさは大体二メートル前後で頭部に付いている触手から毒液を吐き出して相手を弱らせた後、頭部にある口へ相手を触手で運んでから食べるそうだ。
この世界にいる理由は戦闘訓練を積む為だ。主に俺以外の……。理由としてはカートリッジシステムが搭載できないからなのだ。
デバイスマイスターがいないからデバイスにカートリッジシステムを搭載できない。原作でクロノはカートリッジシステムを使わずに守護騎士とある程度渡り合えていたので訓練次第ではどうにか出来ると践んでいる。
「訓練なんだし、そこまで強い相手だと全力戦闘になるから体力的にキツいんじゃない?弱い相手の時は動作の確認や連携の練習用にすればいいし」
「まあ、そうなんだがな」
ヴァルドが頭を掻きながら空を見上げる。
俺も同じように空を見上げると……。
そこには……………………クラゲがいた。それも沢山空をプカプカと飛んでいた。
あ、今度はワニだ。しかも双頭の。いや〜不思議生物が多いな……てか、俺も含まれるんじゃ……不思議生物達に……アッハッハッハ!……嫌だな……それは。
「何一人で急に笑ったり、落ち込んだりしてるの?」
「ああ、うん。俺もあん中に含まれるんじゃないかと思ったらね……」
「何を言って…………ああ、済まん……否定出来んな」
「確かに否定出来ないわね……」
「個性的だから良いんじゃない?でも、沢山いたら嫌だな〜」
「何を今さら」
……皆……酷いや……。特にシア……今さらって……。
少なくとも俺はあんな不思議生物じゃない!
結局俺は不思議生物に認定されてしまった……。それはもう覆らないからしょうがないが。俺よりも今、目の前にいる生物の方がずっと不思議生物なのだが……。
蛙の手足に百足の胴体、頭はクワガタと言う何とも気持ち悪い生物が出てきた。……何か体が滑ってるし、それに……光沢を放ってるからなおのこと気持ち悪さに拍車が掛かっている。
「気持ち悪いわぁぁぁ!余の前から消えろぉぉ! トリニィティカノン」
シアはモルドレッドを気持ち悪い生物に向けると三連砲撃を放った。
放たれた砲撃は全て気持ち悪い生物に当たり土煙が巻き上がる。
良し!と言わんばかりに表情を明るくするシア。だが、その表情は直ぐに曇ることとなる。何故なら……増えていたからだ。
「え……えぇええええぇぇぇっ!増えてるぅぅぅぅ!」
レオンが驚きの声を上げた。意外ににレオンは臆病なのだ……兎が主体の使い魔に近いので。
「……よかろう……ならば、戦争だ!余がお主たちを全て滅ぼしてくれるわ!! モルドレッド!formchange ヘカ「シア!それは駄目よ」リゼット!?だが、余は……」
「落ち着いてシア。アレはレインに任せましょう」
え?……俺?
「だが……」
「良いから!レインに任せなさい。そう言うことだからレイン頼んだわ」
リゼット……ちょっと待とうか。
「何故に俺」
「ヴァルドやレオンだと火力不足よ。私がやると辺り一面が焦土になっちゃうし、シアは二つ有る内の切り札の1つを使いそうだから。あなたしかいないのよ」
そんな……。
「じゃあ……めんどくさいから覚醒体になっても良い?」
「…………良いわよ。此処では管理局にバレないだろうし」
許可も出たし早速ではあるが覚醒体に変化する。
「ふぅ……やはり、この姿になると人型の時よりも感覚が鋭くなる」
俺は左腕を弓のような形に変化させると無数の小さい矢を生成して、水平に構えて引き絞る。
「…………消し飛べ」
無数の矢が放たれ、俺の目の前にいた気持ちの悪い生物群が穴だらけになり絶命した。
この攻撃で俺の前は数十メートル程が扇型の更地となり、木々や気持ち悪い生物達の肉片が大地を彩っている。
やはり、覚醒体は強いと言う次元ではないな……人間相手に使うのが勿体ないくらいだ。
そう思いながら覚醒体から人型に戻る。
「終わったよ」
俺は背後にいるゼット達の方に振り返るとそう言った。
「ええ……それにしても、やっぱりソレは出鱈目ね」
「全くだ」
「本当……僕とヴァルドの攻撃能力が低いのってレインに攻撃能力を全部持ってかれたからじゃないの」
「それは……あり得るかも知れないな」
口々にそう漏らす面々。上からリゼット、シア、レオン、ヴァルドの順だ。
皆言いたい放題だな。本人が目の前にいるのに……。アレか……新手のイジメなのか?リゼットはともかく、そこの三人……一応、リーダーって俺だよね?遠慮無さすぎじゃないかな?
「とりあえず、行きましょう。目指すはこの管理不能世界最強の生物の打倒よ!」
因みにこの管理不能世界は第63管理不能世界『混成獣の箱庭』と呼ばれている。
「ねえ、リゼット……」
「何かしら、レイン」
「アレに……勝てるかな?」
そうアレとはこの管理不能世界最強の生物の事なのだが……。体長は目算で約30メートル。三つの獅子の頭に八つの蛇の頭が付いた尾。しかも蜘蛛の胴体のような下半身で脚が六つ、上半身は人型だが肌は真っ赤に染まっており、腕は四つで手はザリガニのようなハサミのような形をしている。
シア、レオン、ヴァルドに視線を向けると無理と言わんばかりに首を左右に降った。
ですよね〜。こいつは絶対転生者より強いだろ……。
「そう言えばコイツの名称は?」
俺はこの管理不能世界最強の生物を指差しながらリゼットに聞いた。
「え〜と……なんだったかしら?…………ああ!思い出した!アレの名称はスヴァルディア」
「で……そのスヴァルディアを打倒と言ってたけど本当にやるの?」
少しの沈黙の後、リゼットが口を開く。
「…………やる」
やるのね……ヴァルド達を見ると仕方ないといった様子で戦闘準備をしていた。
俺も大剣を片手に持って、いつ戦いになっても良いように備える。
「皆……準備できたわね?」
リゼットの言葉に俺達は頷く。
「………………行くわよ!」
「「「「おう!」」」」
こうして俺達はスヴァルディアに戦いを挑んだ。
「あ〜〜マジ、死ぬかと思った」
色々省略しているが……結果だけ言うと勝った。
さすが、この管理不能世界最強の生物。ガチで強かった。
覚醒体になってもパワー負けするし、再生能力が異常で首を切り落としても数秒で再生するとかよく勝てたと思うよ。
しかも、三段階のパワーアップとか何処のラスボスだよ!最終的には上半身と下半身が別れて上半身に三対の透明な翼が生えて空を高速で動き回るようになって、その早さは俺よりも本の少し遅い程度とか……。残った下半身は下半身で八叉の大蛇擬きとして独自に活動をするから本当にヤバかった。
転生してから初めての大ダメージだった。片腕がもがれて、尻尾は全部切り裂かれたり千切られたり、脚も一本持っていかれた。持っていかれたのは後ろ足だが。
「……本当、よく勝てたな俺達」
「本当に死ぬかと思ったよ」
ヴァルドの言葉にレオンがぐったりと地面に座ったまま答えた。
「……殆どの戦闘を俺に任せてたのにか?」
俺がそう言うとヴァルドとレオンはさっと明後日の方向に視線を向けて下手な口笛で誤魔化し始めた。
バレバレだからな……お前ら……。
因みにシアとリゼットは三段階めの時にはスヴァルディアの下半身と戦っていた。
ヴァルドとレオンはその頃になると魔力切れで戦力外になっており、最初は一対五だったのが最終的には二対三の戦いになった。その数分後にはシアが魔力切れで戦力外になり二対二の戦闘となる。その結果が今だ。
俺も今は人型に戻っているが手足はちゃんと再生させたから問題は無いが今回戦ったスヴァルディアの実力は相当なものだったのは疑う余地もない。
「さて帰りましょう……海鳴市の我が家に」
リゼットはそう言うと転移魔法を発動する。
それを見て俺も転移魔法が使えればな、と思う。
家に戻ってから数日がたったある日。
まあ、時間の進みが早いのはこれと言って特別な事が起きなかったからである。
夏休みの宿題は自由研究を除き全てが終わってるので特にやることがないので図書館に行くことにした。
玄関先で偶然シアを見つけたので声をかける。
「シア、俺は図書館に出掛けて来るから、俺が何処に出掛けてるか聞かれたらそう言っておいて」
「了解。他には?」
「うーん…………特には無いかな。それじゃ、行ってきます」
「いってらっしゃい」
俺はこの日……図書館に行ったことを後悔する。
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A's開始前 1話 夏休みの出来事前編 | ||
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コメント | ||
そうですね……転生者相手に教導出来るほどには。 (バロール) ……つまり、クロノくんは強いという事でおk?(夜の魔王) |
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