真・恋姫無双〜白き牙を持つ者〜 #79 |
〜 第79話 †止まらない気持ち† 〜
「ふぅ〜・・・本当にやることが多いわね」
ここは陳留(ちんりゅう)にある城の中だ
私は次から次へと出てくる案件に向き合いながら
少し休憩を取る為に筆をおく
「今は内政を充実させないとね、群雄割拠の時代は必ずくるのだから」
窓の外の景色を見ながら、茶器にお茶を入れ一息入れる
「さてと、続きをやろうかしら」
目頭を少し押さえて、仕事に戻ろうとしたその時
茶器を机の上に置いたら、その茶器が割れてしまった
「あら・・・古くなってたのかしらお気に入りだったのに残念ね」
私はため息をつきながら、割れた茶器を片づけをし始める
一通り終わって、椅子に座った時それが突然訪れた
乱暴に扉を開いて入ってくる人物が一人
「か、華琳(かりん:曹操真名)様!!火急に伝えたい事が!!!」
特徴的な猫耳を形どった被り物を着た人物、私が愛する人物の一人荀ケ(じゅんいく)である
「どうしたのかしら桂花(けいふぁ:荀ケ真名)?落ち着きなさい」
「は、はい・・・すぅ〜はぁ〜・・・」
2,3回ほど深呼吸をして息を整えた彼女がいつも以上に真剣な瞳で私を見つめる
「華琳様のお父上、曹嵩(そうすう)様が殺されました」
私はその言葉の意味が分からずに思わず問いかけてしまった
全身に覇気を漲らせながら
「桂花・・・もう一度言いなさい」
「は、はい!!華琳様のお父上、曹嵩(そうすう)様が殺されました!!」
「皆を玉座に集めなさい」
「え・・・?」
「早く玉座に集めなさいと言っているの!!」
「は、はっ!ただいま!!」
入ってきたときと同じように駆け足で出て行った彼女
私は胸の中に渦巻くこの感情を抑えることができないまま玉座へ足を運んだ
玉座に着き、少しでも冷静になろうと目を閉じ瞑想する
そこへ、荀ケが皆を呼び玉座へとやってきた
夏侯惇(かこうとん)・夏侯淵(かこうえん)姉妹が私の玉座の横へ
その他の荀ケ・許?(きょちょ)典韋(てんい)楽進(がくしん)于禁(うきん)李典(りてん)が玉座を昇る
階段の下に整列して並ぶ
私は皆が位置についたのを感じて目を開けて、荀ケを見る
彼女もこちらを見ており頷く、それを見て皆に声をかけた
「皆に緊急で集まってもらったのはある事が分かったからよ
桂花、詳しい事を言いなさい」
「はっ!皆に集まってもらったのは華琳様のお父上が殺されたからなの・・・」
彼女の言葉に皆が動揺する、それを見ながらさらに言葉を続ける荀ケ
「そして、それを調べた結果ある事が分かったのよ
曹嵩様は黄巾党の残党に馬車で移動中の所を狙われて殺された
馬車を護衛してたはずの陶謙(とうけん)の兵士も死体は無いけど殺されていたそうよ
私の調べた所だとその周辺に【黄巾党残党】の連中は居なかったのだけどね」
彼女の言葉に私はもうこれからすべきことを描いていた
彼女の言葉に続くように夏侯淵が声をあげる
「ふむ・・・黄巾党残党に見せかけた陶謙の仕業に違いないということだな?」
「ええ、貴方の言うとおり私は陶謙が金品などの浅ましいモノが欲しくてしたと思ってる
実際、黄巾の乱の時に多大な損害を出してたのも事実だもの
というのが私が調べた結果でございます華琳様」
この時、私がもっと冷静で綿密に情報を調べていれば良かったと思った事はない
だけど私にはそれができないほどに激高していたのだから
「春蘭(しゅんらん:夏侯惇真名)張3姉妹を使っての徴兵で訓練できたものは何人かしら?」
「はっ!全体で6万人ほど徴兵はできましたが、その内使えるものは4万人ほどです!」
「元々居た兵士を含めて、今動かせるのは何人かしら?」
「はっ!それだと全部で6万人ほどです」
「桂花、5万人ほどを動かせる兵站の用意をしなさい」
「華琳様・・・まさか!?」
私の言葉に驚きを隠せない一同、特に夏侯惇と夏侯淵姉妹は
「華琳様!確かに曹嵩様が殺されて憎いのは分かりますが
今はまだ我々は磐石ではありません!内政に力を入れて充実させてからでも遅くは」
「秋蘭(しゅうらん:夏侯淵真名)私の決定に意義があるというのかしら?」
「華琳様、秋蘭の言うとおりです!せめて残りの2万人の訓練が終わってからでも!」
「では、その人数の訓練が終わり実戦に出しても問題無いようになるのはいつ?」
「2ヶ月はかかりますが!それでも・・・!」
「くどい!!桂花、早く兵站の準備に取り掛かりなさい
季衣(きい:許?真名)と流琉(るる:典韋真名)は親衛隊の準備をなさい
凪(なぎ:楽進真名)沙和(さわ:于禁真名)真桜(まおう:李典真名)の3人は部隊の準備を
春蘭と秋蘭の二人は城の守護をしなさい、以上よ」
「「華琳様・・・」」
皆が急いで出て行く中、夏侯姉妹だけは呆然とその場に立ち尽くしていた
だけど、私は声をかけないだって彼女達なら私の怒りを分かってくれると信じていたから
私が玉座の間から出て行く時に彼女達が呟いた言葉は私には聞こえなかった・・・
それから二日後、雨が降りしきる中強行軍で私達は陶謙が収める徐州へと向かった
私の中で渦巻く怒りは冷たい雨の中でもより一層熱く燃え滾っていた
その事がさらに私の視界を狭めてしまっていることにすら気づかないほどに・・・
〜あとがきっぽいもの〜
前回は非常に短くなってしまったので今回はなるべく長めに・・・
曹操様お怒り場面です、復讐に燃える華琳様です
あの何事にも冷静な華琳様ですが怒りに震えてしまっています
それがどのような事になるかは・・・お楽しみです!
ちょっと春先に浮かれてる駄文ですが次回もよろしくお願いしますm(_ _)m
説明 | ||
この物語はオリ主メインの外史です 視点は基本オリ主となっています その他にご都合主義・チート・独自ルートで書いています 苦手な人はご遠慮ください 大丈夫な人は駄文にお付き合いください 毎回の閲覧・支援・コメント感謝感謝です! 今回の視点は皆さんが大好きな人です |
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コメント | ||
クラスター・ジャドウさん>個人でいられる時間が多かった分原作ほどの完成された華琳様にはなれてないですねー・・・その結果です(tokkey) …何と言うかこの外史だと、曹操は主人公の存在により一個人で居られる時間が多かったけど、どうもその事が裏目に出てしまった感があるなぁ…。(クラスター・ジャドウ) hiroさん>指摘ありがとうございます!修正させてもらいましたっ(tokkey) 咲実さん>華琳様も人の子ですからっ(tokkey) アルヤさん>関羽殺された劉備とかが見本ですよねー・・・(tokkey) 観珪さん>まだまだ華琳様も若いということですっ(tokkey) 春蘭と秋蘭の字の読み方が逆になってます(スネーク) 冷静さを失ったか・・・(咲実) 怒りに任せての行動だと裏目に出そう。(アルヤ) 案の定、曹嵩さんが殺されましたか……これを機に華琳さまが色々なことに気づいてくれるといいですね 存外、覇王さまも人間だったということですね(神余 雛) |
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