魔法少女リリカルなのは 四天王始めました |
「お嬢ちゃん……こっちでおじさんとお話ししないかい?」
現在俺は図書館で見知らぬオッサンさんに話しかけられている。
しかも、俺の性別が男だと気付いていない様子だ。容姿がギャスパーだから分からなくても相手を責められないが、それに、俺の服装は完全に女性用だししょうがないか……ハァ。
内心で溜め息を吐きながら俺はオッサンを無視してその場から離れようとする。
「こらこら、おじさんを無視しないで欲しいな」
気色悪い笑みを顔に張り付けたオッサンに手を捕まれた。
「……離してくれませんか?」
オッサンを冷めた目を向けながらそう言う。
「さぁ……一緒に行こうか」
無視された。……人に無視するなとか言いながら自分が無視してるよこのオッサン……。
ボコるか?適当な所で……。オッサン末路を決めた時に「待ちや!」と車椅子に乗った少女がオッサンに声をかけた。
「ん……なんだいお嬢ちゃん?」
オッサンが猫なで声で車椅子に乗った少女に返事をする。
うん、キモい。だから、手を離して欲しいんだけど……。
「その子嫌がってるやないか!さっさと手話さんかい!」
「いやいや……お嬢ちゃん。この子は嫌がってないからね」
オッサンがそう言いながら掴んでいる手に力を入れる。だが、全く痛くもないのでオッサンをごみを見る用な目で睨む。
それに、なんか面倒になってきた。
「さっさと離してくれないか?」
感情の籠っていない無機質な声でオッサンに言う。
「っ!良いから!来るんだ!」
無理やり引っ張ろうとするオッサン。
「……身の程を知れ俗物」
俺はオッサンを転ばせて男の象徴を足で軽く踏み押さえる。
「な、なななななな。や、止めてくれ」
顔を青ざめさせて冷や汗をダラダラと流すオッサン。
それに対して俺は笑みを浮かべて告げる。
「……消えろ。ド変態のロリコン野郎♪……ついでに言うと俺は男だ」
そして、俺は踏み抜いたオッサンの男の象徴を。
顔を青ざめさせて冷や汗をダラダラと流すオッサンに俺はニンマリと口元を歪める。
そして、車椅子に乗った少女の方を向く。
「とりあえず、礼を言うよ。ありがとう」
「気にせんでええで。困った時はお互い様や!」
「じゃあ、俺は行くよ」
「もう行くんか?そだ、名前教えて」
「レイン、レイン・ヴェルテール。それが俺の名前」
「うちは、八神はやて。はやてって呼んでや」
この子が夜天の書いや今は闇の書の主か。
「よろしく、はやて。俺のことは好きに呼ぶと良い」
「よろしくや、レインくん」
俺とはやてが自己紹介を終えるとそこに金髪の女性がやって来た。
「はやてちゃーん!そろそろ時間よ」
「もうそんな時間か……シャマル」
シャマル……守護騎士の一人か。
もし此処にいるのがザフィーラだったらアルフ同様俺から血の臭いがすると警戒されたかもしれない。
「じゃあね、はやて」
俺はそう言うとはやてから背を向けて図書館の外に向かって歩き出す。
「レインくん、またいつか」
はやての声に手を上げるだけで答える。
勿論、オッサンはその場に放置したままだ。その内、誰かが何とかしてくれるだろう。
図書館から出て適当にぶらぶらと歩いていると、すずかの誘拐現場に遭遇した。
今まさにすずかを車に乗せる瞬間を目撃した。今日はこんなのばっかかよ……。
「おい!アイツも捕まえろ!」
サングラスをかけた男性に拳銃を頭に突きつけられて車に乗せられた。
「レインくん!」
「やあ、すずか……奇遇だね。誘拐されるなんて、俺なんて今日だけで二度目だよ」
驚くすずかに俺は陽気に言う。
「行くぞ!」
サングラスをかけた男性がすずかの隣に腰を降ろすと車が動き出した。
何でこうなったんだろうか?と思う。まあ、転生者の誰かがすずかを助けに来るだろうし俺は特に何もしなくて良いかな。
しばらくすると、今はもう使われていない廃ビルの
一室に両親を背に回され縄で縛られた状態ですずかと一緒に運ばれた。
「おい!お前たちは例のアレを用意したのち月村に連絡する準備を整えておけ」
リーダーであろう男性がそう言うと部屋にいた五人の男性が部屋から出ていった。
「さて、そこの月村の娘だけが目的だったのだがね。見られたからには仕方がないと君もつれてこさせてもらった。まあ、運がなかったと思うんだな」
いやいや!運がないのはあんただから。
「私達をどうするつもり何ですか?」
「ククク……月村のお嬢ちゃんは人質で、用が済んだら売らせてもらいますよ。最もそこのお嬢ちゃんには部下達の慰みものになってもらいますがね」
下卑た笑みを浮かべる男性。
…………うん、予定変更。ここでボコる。生まれてきたことを後悔させてやる。
「レ、レインくん?」
すずかが俺の雰囲気の変化に気づいたらしい。若干顔をひきつらせている。男性の方は気づかずに笑ったままであるが……。
俺は両手を拘束している縄を力任せに引きちぎると男性の股を蹴り上げる。
「………………(パクパク」
声も出せずに股を押さえて床に顔面から這いつくばる男性の頭を軽く踏む。
「すずか……少し待っててね……」
俺はすずかにそう言うと男性に声をかける。
「……惨めだねぇ、そんな姿をさらして……ねぇ、どんな気持ち?」
俺は這いつくばる男性を嘲笑しながらグリグリと足を動かす。
「ぐ……殺してやる……殺してやる」
「そう……でも君程度の輩では俺は殺せないよ 」
俺は男性の頭から足を離すと、男性を蹴り飛ばす。
「グベェア……」
壁にぶつかり崩れ落ちる男性を後目に俺はすずかを拘束している縄を外す。
「レインくん……あの人……大丈夫かな?」
誘拐犯の心配をするなんてすずかは優しいんだな。
「大丈夫、大丈夫。問題ないさ…………多分」
「多分!?」
「ハイハイ、気にしない気にしない」
俺はすずかの背を押しながらその部屋から出る。
その後は……無双したよ俺が。エー何とか型とか自慢気に語ってた男の前でそのサイボーグと言った方が良いような物を素手でバラバラに破壊して、その破片をぶん投げて他の誘拐犯を蹴散らした。
そして、丁度俺がサイボーグの最後の一体の胸元を蹴り抜いた瞬間に「此処かぁ!」って気合いの入った登場をした恭也さんと鉢合わせして一時的に空気が凍りついた。
その後ろから忍さんにそのお付きのメイドであるノエルさんとファリンさんが部屋に入ってきた。
すずかには俺が誘拐犯を蹴散らすまで適当な障害物に隠れていてもらった 。
そして、現在俺は月村邸にいる。理由は恭也さんに連行されたからだ。
「レインくん……君は何者だ?」
やっぱり、それですか。
「忍さんから聞いていないんですか?忍さんとすずかは俺のことを知ってますけど」
そう言うと恭也さんは忍さんに視線を向ける。
「アハハ……だって、言って良いことか分からなくて」
誤魔化すように笑う忍さんに恭也さんは溜め息を吐く。
「……それに関しては後で忍から聞くとして…………先ずは礼を言う、ありがとう。レインくんのおかげですずかが無事だった」
「気にしないでください……ぶっちゃけると俺自身に貞操の危機があったから鎮圧しただけなんで
「ああ……だからリーダー格の男の人の大事なものが潰れてたのね」
納得したように頷く忍さん。そして恭也さんはブルッと震えて、すずかは苦笑いを浮かべた。
アレは男にとってある意味一撃必殺だしね……。
「そう言えばレインくんは今日二回目の誘拐って言ってたけど?」
ああ、図書館でのことね。
「そうだよ、すずか。その時は車椅子に乗った女の子に助けてもらってオッサンの玉を踏み潰したんだけど」
「うわぁ……」
「エグいわね」
「容赦ないな」
ええ、容赦はしませんよ。敵には……ね。
「否定はしないよ」
「しないんだ」
「そうだよ、すずか。俺はどっかの魔王とは違うんだからね」
「魔王?」
疑問符を浮かべながら首を傾げるすずか。
ああ……すずかは知らないんだっけ。ならしょうがないか。
「これ」
俺は懐から数枚の写真を取り出して、すずかに渡す。
「………………なのはちゃん……」
「これは…………」
すずかは写真を見て言葉を無くす、忍さんは横から写真を見て絶句した。
恭也さんはと言うと、片手で額を押さえながら上の方を向いて何やらブツブツと呟いている。
「魔王について理解してもらったところで、俺は帰りたいんだけど」
「え……ああ、そうなの。聞かなくていいの誘拐犯がどうなるのか」
「特に興味はないんでいいです、聞かなくて」
俺はそう言うと玄関に向かう。
「それでは」
俺は一度振り返って一礼すると扉を開けて外へ出ると、今日は厄日のようなので走って帰る。
どうやら……厄日ではなく……大殺界のようだ。
走るスピードを落としたら今度は強盗の人質にされました。…………何でさ……。
説明 | ||
A's開始前 2話 夏休みの出来事中編 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
1561 | 1449 | 5 |
コメント | ||
それは次回明らかに(バロール) 強盗の男の象徴はどうなりましたかね?(夜の魔王) |
||
タグ | ||
魔法少女リリカルなのは リリカルなのは 厄日 | ||
バロールさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |