北郷一刀争奪戦勃発?(ばれんたいんでー争奪戦)嵐の向う先編 |
「ここ最近、みんなに避けられてる気がする・・・・・本当に蜀に旅行に行っちゃおうかな?」
いろいろと呟きながら政務室へと向かう途中で、偶然、穏とすれ違った。
「穏、聞きたいことがあるんだが・・・・」
「か、一刀さん、ど、どうしたんですか?」
「いや、政務のことで聴きたいことがあるんだけど・・・・」
なぜか、一刀が一歩近付くと穏が一歩下がり、ついに穏は走り去って行った。
「ごめんなさい〜」
「あんな態度取られるとさすがにキツイな・・・・」
肩を落とし、廊下を歩いていると祭の部屋がわずかに開き、その中で難しそうに悩む祭の姿が見えた。
「う〜む、やはり難しいのう・・・・・しかし、妥協するわけにはいかん」
部屋が軽くノックされて、来客が来たことに気付く、最近はノックが習慣づき始めていた。
「祭さん、今大丈夫?」
「北郷か?しばし待て!」
何か慌てたように、中から物を片付けるような音が聞こえてくる。
「よいぞ」
「失礼します・・・・・珍しいね、祭さんが焦って片付けするなんて」
「色々と、散らかって、おってな」
よほど疲れたのか、肩で息をしている。
「それで、何の用じゃ?」
「いや、最近、みんな俺を避けてるみたいだな・・・って祭さん!」
「すまん、急用を思い出した」
無理やりに押し出されて、そのままの勢いで扉を閉め、鍵をかけられた。
「ちょ!祭さん!」
「急用があるんじゃ!着替えていかねばならんのだ!」
結局、そのまま退散するしかなかった。
「うむぅ・・・・・祭さんにも避けられるなんて・・・・そうだ!シャオなら!」
そう思い、小蓮の部屋へと向かうと、部屋の前には武装した侍女が待機していた。
「シャオはいる?」
「おられますが、御遣い様は通すなと言われています」
「なんで?」
「詳しくはわかりませんが、絶対に通すなと、無理やり通ろうとしたときは、攻撃もやむなしといわれていますが?」
「し、失礼しました〜」
軽く後ろを振り向くと、矢をつがえ、狙われていた。
「本気・・・・・って、きくまでもねぇ!」
さすがに刃は付いていないが、直撃すればそれなりに痛い。
ようやくシャオの部屋から退散すると、ちょうどそこは亞莎の部屋の前だった。
「亞莎?いる?」
「か、一刀様!い、いかがなさいました?」
「いや、用ってこともないんだけど・・・・・」
「なんか最近、みんなから避けられてるような気がするんだけど」
「き、き気のせいですよ」
「そうなのかな?」
「そうですよ、きっと・・・・・あぁ!今日は穏様にお話を聞きに行く日でした・・・・も、申し訳ありませんが、また後日にしていただけますか?」
何を焦っているのか、珍しく一刀の背中を押して部屋から出そうとしている。
「・・・・・・・」
結局、亞莎の部屋からも追い出されてしまった。
「はぁ、おれが何したって言うんだ」
顔をあげ、廊下の先を見ると思春がこっちへ向ってきていた。
「お〜い!思春!」
「何か・・・・・!北郷っ!」
完全にしかしに入れることもせず、来た道を引き返して行った。
「うわ・・・・・・一番傷つく」
傷心のまま、中庭に行くとなぜか猫が摺り寄ってきた。
「慰めてくれるのか?」
「にゃ〜」
珍しく、一刀のまえで寝っ転がると、腹を見せて触ることを催促してくる。
「わかった、わかった、ココがいいのか?」
気持ちいいのか目を細め、なすがままになっている。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・明命も触る?」
「はうあ!気づかれてしまいました・・・・・お猫様が・・・・」
必死に誘惑と戦っているのか、たまに頭を振っている。
「だめです、今日のところは・・・・一刀様、すみません!」
そう言うと、つかみかけていた手をすり抜けてどこかへと走り去ってしまった。
「にゃにゃにゃ〜」
「お前にも、笑われるのか・・・・・はぁ・・・・」
さらに傷を深くした一刀は、自室へと帰ろうとしていた。
「・・・・・・だそうだが、準備できるか?」
「えぇ、してみます」
「そうか、頼む」
意外なところから冥琳が出てきた。
「冥琳?調理場から出てくるなんて珍しいな」
「北郷、お前は私をなんだと思っている?私だってたまに小腹が空くこともある」
「じゃあ、おれも同じものを頼ん・・・・・」
「それは駄目だ!」
異常なまで否定され、一刀はびっくりした。
「もう余りの食材がないそうだからな!さっさと部屋で待機しておいた方がいいぞ!ほらほら!」
背中を押され、だいぶ離れたところで押すのをやめると、急用を思い出したと言ってそのまま去って行ってしまった。
「はぁ・・・・・・」
「はぁぁ・・・・・」
「ん?どうした、蓮華?そんな大きな溜息なんかついて」
「あぁ、一刀か・・・・実は・・・・・!な、何で一刀がこんなところに」
「こんな所って、ここを通らないと俺の部屋に行けないのは知っているだろ?」
「あぁ、忘れていたわ」
「なんか悩みがあるのか?俺でよかったら聞いてあげるけど?」
少し顔を近づけると顔を真っ赤に染め、押し黙ってしまった。
「いい、今は相談することなどない!」
語気を荒げると、そのまま何処かへ行ってしまった。
「あぁ・・・・はぁ・・・・嫌われているのかな?」
完全に気落ちしてしまったように、部屋までもう少しというところで雪蓮と出会った。
「あら、一刀、どうかしたの?」
「雪蓮か、ちょっと色々あってね」
「そうなの?・・・・・・!ご、ごめん、私も急用が・・・・」
「雪蓮!まって!」
運よく、雪蓮の手を捕まえることができた。
「どうして逃げるんだ?」
「逃げてないわ、ちょっと用を思い出しただけよ」
「じゃあ、何で俺に会う前から急いでないんだよ」
「そ、それは・・・・・一刀の顔を見て思い出したからよ」
手を振りほどくと、急いだように走り去ってしまった。
「なんか、悪いことしちゃったかな?」
小さき風は刻一刻と力をつけ始めている、一つ一つが旋風へ変貌するのも時間の問題であろう、その先に待ち受けるのは目的地までの広大な平原、この平原で旋風は力をつけ、竜巻へと変貌し、ついには嵐へと至る
説明 | ||
呉の皆さんより避けられる一刀を書きました、まだまだ焦らします | ||
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コメント | ||
もっとあーれーろー(ブックマン) む、遠くから雷音が聞こえる・・・(としろー) あれ〜?昼なのに真っ暗になってきた・・・・・?(りばーす) 風が強くなってきたな・・(にゃ〜) これは何かの前触れなのか……(nemesis) 今日の風は変だな〜…って、よく見たら網戸が裂けてる!? (MiTi) 雲の動きが早い(DDD) なんだか家がゆれてきたぞ・・・・・・(kain) 窓がガタガタうるさいな・・・(でんち) ブルブルッ おや?最近は風が強い日が多いなあ(水質測量班員) 愛されているからこそ避けられる・・・一刀が羨ましいような、そうでないような(サワディー(・ω・)) あぁぁぁー・・ し、視界がかすむ・・・(YUJI) |
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