IS-インフィニット・ストラトス ネクサス 美味しいケーキーA delicious cake ー |
ある休日のこと。一夏、箒、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラの六人は榊の姉・戌井みいこが経営しているケーキ屋『Hatch Potch』向かっていた。とういのも榊がケーキの試食を頼んだのがきっかけである。
「ケーキの試食楽しみだね。」
はしゃいでいるシャルロット。
「みいこさんの作ったケーキは格別よ。」
みいこのことを四人に教える鈴。
「それは楽しみですわね。」
期待するセシリア。
「学食のケーキよりおいしいのか?」
一夏に尋ねるラウラ。
「ああ。でもみいこさんはケーキだけが取り柄じゃないぜ。」
「どういうことだ?」
箒が疑問を抱く。
「伊御の唯一の弱点だ。」
「そんなにか!」
箒が驚いた瞬間、ぽつぽつと雨が降ってきた。
「あっ、雨だ!」
「困りましたわ。私傘を持って来ていませんわ。」
「わたしもだ。」
「大丈夫。」
『?』
一夏の発言に一同疑問符を浮かべる。
「ほら。」
一夏は傘を六本取り出す。
「・・・・・・・・一夏、聞いていい?」
「なんだ鈴?」
「何処からその傘を出したの?」
「ポケットから。」
『四次元ポケット!?』
そんなことをしていて一夏達は『Hatch Potch』に到着した。ドアに取り付けてあるベルがカランコローンと鳴り響く。
「こんにちは、みいこさん。」
『お、お邪魔します。』
カウンターから黄色い髪で温厚なイメージが溢れている女性、戌井みいこが出てくる。
「いらっしゃい、鈴ちゃん、一夏君。あら?そちらの方は?」
「ああ、紹介します。同じ学園の友達の・・・」
「篠ノ之箒です。」
「セシリア・オルコットですわ。」
「シャルロット・デュノアです。」
「ラウラ・ボーデヴィッヒです。」
四人はそれぞれ自己紹介する。四人の自己紹介が終わると同時に急に雨が激しさを増し、ゲリラ豪雨のように降っていた。
「あらあら、伊御君たち大丈夫かしら?」
みいこが心配した途端、ずぶ濡れの伊御達が入ってきた。
「ただいま、みいこ姉。」
『こんにちは〜。』
「急にザーッと降ってきましたね。」
「これがゲリラ雨ってやつじゃね。」
「今冬です。」
姫が真宵にツッコム。
「皆いらっしゃい。今日はシフトも入っていないのにありがとね。」
「いえいえ、試食ケーキ楽しみにしています。」
みいこのお言葉に伊御が答える。
「おいしいケーキのためならば〜、たとえ火の中水の中〜。」
真宵が楽しみにそう言うと榊が痛烈な言葉を言う。
「そして食べたケーキは〜、口の中から腹の中〜。」
『?』
榊の言葉に皆は疑問符を浮かべる。
「そして恐怖の内臓脂肪。」
『ヒィィィィィィィィィィィィ!!』
女子一同恐怖する。
「何そのリズム?」
「てか、そんなこと普通考えないだろ。」
「皆さん着替えた方がいいですよ。」
「じゃあ俺たちは制服に着替えてきます。」
伊御、姫、榊が着替え用と更衣室に向かった瞬間、伊御があることに気づく。
「あ、でもつみきたちが・・・」
伊御、榊、姫は『Hatch Potch』でバイトをしているがつみきと真宵はしていない。故に着替えが無いのである。
「大丈夫。ちゃんと用意してあるから。」
みいこが笑顔でつみきと真宵を更衣室の方へと招く。
「なあ一夏。」
「なんだ、榊?」
「どうせならお前も着替えたらどうだ?みいこ姉がお前の制服残してあるし。」
榊の言葉に箒達は反応する。
「そうだな。それもいいな。」
「一夏さんのアルバイト姿も見てみたいですわ。」
「そうしなさい、一夏。」
「僕も見たいよ。」
「私もそう思うぞ。」
女子一同の押しに負け、一夏は制服に着替えることになった。
数分後、一夏はいかにもバーテンダーのような制服に着替えた。箒達は学園祭の一夏の執事姿を思い出す。後から伊御と榊も姿を現す。
「やっぱ伊御と一夏は似合うな。」
そんなことをしていると真宵もメイド服のような制服で出てくる。
「うっふん、あっはん、むっふー。」
真宵はポーズをとる。
「おや?」
真宵はつみきが頭だけ出していることに気づく。真宵はつみきに近づき服を引っ張る。
「ほら、つみきさん。そんなところにいないでこっちに来なよ。」
「い、いい・・・・」
「そんなこと言わず。ほっれ!」
真宵はつみきを引っ張り、つみきの制服姿を皆に見せる。
「お二人とも、よく似合っているわ。」
みいこが二人の制服姿を見て喜ぶ。
「作っておいて良かった。」
「「!!(誘う気満々だ・・・・・)」」
伊御と一夏は思った。
「どうだ、伊御?ハグしたくなったろ?」
「うん、確かにそれくらい似合ってるね。」
「いや、ハグしたいのは御庭の方か。」
「いや、つみきさんの場合ハグというか・・・・」
『?』
真宵の言葉に一同疑問符を浮かべる。
「ハグハグ、ハグハグじゃね。」
「なるほど。」
「噛んじゃってます〜。」
その時つみきからの殺気に気付く榊、真宵、姫。だがつみきは今回は怒らなかった。
「今日はつっこまないのか?」
「お店に迷惑掛かるから。」
「「「・・・・・・・・・・」」」
真宵は残念な表情をする。
「なんか物足りなさそうだな。」
「ちょっ!そんなことないんじゃよ。」
「そうか!御庭に打って欲しかったんだな。」
「違うんじゃよ。リアクションが無くて寂しかったんじゃよ。」
「そうなのか。真宵(マゾイ)さん。」
皆は伊御の言葉にズッ扱ける。
「その誤解やめて〜〜〜〜!!」
「バイトしたくなったらいつでも言ってくださいね。」
みいこがつみきに勧誘をする。
「わ、私バイトは・・・・」
「何勧誘しているんですか、みいこさん。」
伊御がみいこに話しかける。
「まあつみきはあまり笑顔を見せないしな。」
つみきのことを一夏が言う。
「ではでは、みいこさんの弟である榊さんにお手本を!」
真宵が笑顔のお手本を榊に頼む。」
「3.2.1!」
「いらっしゃいませ(笑)」
榊の演じた笑顔は何処か悪い感じを漂わせる笑顔であった。
トンッ
ズギャァァァァァァァァァァン!!
伊御と一夏が無言で打ちから弾けるパンチを繰り出した。
「ぐはぁ!」
「「すまん、榊。俺は何を?」」
「伊御さんと一夏さんが無言でツッコムほど悪かったんじゃね。」
榊がよたよたと立ち上がりながら喋る。
「と、まあ今のは悪い例で・・・・」
「無理に作り笑いしなくてもいいんだぞ。」
「まあ確かに。今のは別の意味で悪かったな。」
「というわけでみいこ姉の接客スマイルをどうぞ。」
「3・2・1!」
「いらっしゃいませ。」
みいこの笑顔は神々しいイメージがある笑顔であった。その笑顔に眩しすぎると言っも過言ではない
「ま、眩すぎる〜。」
「そん笑顔私でも出来ないです〜。」
「やぱり私に接客は無理。」
「あらあら。」
試食ケーキのために伊御と一夏はみいこの手伝いをしていた。箒達とつみき達は椅子腰掛けて待っている。
「ケーキの試食楽しみだな。」
「ラウラさんはそういう経験したことないんですか?」
姫がラウラに尋ねる。
「まあ軍にいたからな。ケーキなどのお菓子類の試食はまったく持って皆無だ。」
「ケーキ楽しみなんじゃよ。ところで・・・」
皆の視線がある一点に集まる。そこには椅子に肩肘を掛けている榊の姿があった。片には紅茶の入ったカップを持ってあった。
「榊さんは手伝は無くていいのかゃん?」
「伊御と一夏がいるから大丈夫だ。」
「そういえば伊御さんもケーキ作ったりするのかにゃん?」
「たまに俺も伊御も作ったりするぜ。まぁ、みいこ姉には敵わないけどな。」
榊の言葉につみきはかにの毛を猫耳のようにピコピコさせる。期待している証拠である。
「すまん、御庭。今日はみいこ姉のケーキしかないんだ。」
「っ!!べ、別に期待してにゃんかないにゃん。」
そんな時伊と一夏がカウンターから出てくる。」
「榊、お前も手伝えよ。」
「俺がいなくても大丈夫だろ。」
「たく・・・」
「お前もいい加減だな。」
真宵が伊御と一夏にあることを頼む。
「店員さーん、スマイルくださーい。」
「ちなみにうちのスマイルは有料でーす。」
「そうだったんですか!!」
一同そのことに驚く。
「お、お値段は・・・・・・おいくら?」
「「御代はいりません。」」
二人が紅茶の入ったポッドを持って箒達とつみき建ちの方に近づく。
「「御代は、お客様との・・・・・・出会いです。」」
その言葉に真宵と榊以外の全員はクリーンヒットする。
「出会いとな!!そんな言葉を言われたら、おなかの前に胸がいっぱいにゃん。」
「対応しきれず、溢れた奴もたくさんいるな。」
榊が向くほうには鼻血を拭いている箒達とつみきと姫の姿があった。
「だめだぜ、伊御、一夏。グラスから溢しちゃ。」
「ふむ。」
「じゃあ・・・・」
「「注ぎ足しましょうか?お客様。」」
その言葉がさらにクリーンヒットする。
「も、もう十分です〜。」
真宵が伊御と一夏の姿を思ってふと一言言う。
「伊御さんってそうしているとバーテンダーみたいじゃね。」
「それって一夏にも言えるよね。」
「シェーカーもって振ってたら間違えちまうな。」
榊はバーのカウンターでマスターに頼むように言う。
「マスター、あちらの方にスクリューパイルドライバーを。」
「「決めろと!!」」
「ダメよ、伊御君、一夏君。女の子にそんなことしたら。」
みいこが厨房から顔を出して伊御に言う。
「いやいや。」
「しませんって。」
「今のはどんなカクテルなんですか?」
「教えて欲しいですわ。」
姫とセシリアが聞く。
「今のはロシアンレスラーがやる技だよ。」
「カクテルはスクリュードライバーな。」
「「へ〜。」」
今度は真宵が二人に頼む。
「マスター、あちらの方に――――」
「「今度は何だ?」」
「コークスクリューブローを。」
「「なんでそんなに格闘系ばっかなんだ!」
そして試食タイム。さらに載せられているケーキはニャンコをモチーフとしたのとモンブラン、そしてチョコケーキである。ニャンコのケーキは外がチョコスポンジケーキで出来ており、中から溶けたチョコが出る仕組みである。
それを聞いた真宵が声を出しながら喋る。
「いや、やめて。」
サクッとフォークが入る。
「い、イ〜〜〜〜〜〜〜〜ヤ〜〜〜〜〜〜〜!!」
猫ケーキからチョコが溢れ出る。
「この恨み、はらさでおくべきか!!」
「食べずらいわ!!」
榊が真宵にツッコム。
「可愛くて食べずらいです〜。」
「まあ確かに可愛いとためらっちゃうよな。」
「だな・・・・」
『ごちそうさまでした。』
「今日のケーキ、どうでしたか?」
「モンブランはもうちょっと甘いほうが良かったです。」
「僕はこれくらいがちょうどいいよ。」
「紅茶に合う甘さでしょうか?」
「ケーキは甘さのバランスが大事だよね。」
「だな。ケーキの甘さによって庁舎の味が変わるしな。」
榊が皆に尋ねる。
「ちなみに今日一番甘かったのは?」
榊の言葉に皆は考え込む。その時真宵が一夏と伊御方をチラッと見て一言言う。
「伊御さんと一夏さんかにゃ〜。」
その言葉に女子一同(真宵とみいこ以外)は鼻血を吹く。
「「ケーキで頼む。」」
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