魔法少女リリカルなのは黄金の腕輪を持つ転生者
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〜翠屋〜

 

カランカラン♪

 

 

僕たちは何事も無く翠屋に到着した。

 

 

店内に入ると、ちらほらお客さんが居て、何人かの店員さんが働いていた。

 

 

・・・それにしても、綺麗なお店だなぁ〜

 

 

僕がお店の綺麗さに見惚れていると、1人の店員さんらしき女性がこちらにやって来た。

 

 

「いらっしゃい。貴方がエミルくん?」

 

 

「あ、はい僕がエミルです。それとこっちは妹のアリスです。」

 

 

「こんにちは。」

 

 

「はい、こんにちは♪私は高町桃子よ、よろしくね♪」

 

 

「「よろしくお願いします。」」

 

 

あれが、なのはちゃんのお母さんか。・・・恐ろしく若いな・・・

 

 

「じゃあ二人とも、席に案内するからついてきて♪」

 

 

僕たちは桃子さんに案内されてテーブル席に座る。

 

 

「ご注文が決まったら呼んでね♪」

 

 

「はい、わかりました。」

 

 

さてと、何にするかな・・・って、そういえばなのはちゃんは何処に居るんだ?

 

 

なのはちゃんが見あたらないので、辺りを見渡していると、不意にアリスが裾をクイクイと引っ張ってきた。

 

 

「ん?どうしたの?」

 

 

「ねぇ、お兄ちゃん♪私、これが食べたいな♪」

 

 

「ん、どれどれ?」

 

 

アリスが指さしたのは、メニュー表にデカデカと載せられた商品、その名もジャンボ・クリームパフェである。・・・デカっ!それにお値段1500円って・・・高かいね。

 

 

「本当にこれ食べるの!?隣のクリームパフェじゃなくて?」

 

 

「うん♪これが食べたい♪」

 

 

「で、でも流石に食べきれないでしょ?それに、さっきご飯食べたばっかりだし・・・」

 

 

「大丈夫だいじょうぶ♪デザートは別腹だから♪」

 

 

「そうゆう問題じゃないんだけどな・・・はぁ…今回だけだよ。」

 

 

「ありがとうお兄ちゃん♪じゃあ早速、すいませ〜ん!」

 

 

笑顔で、桃子さんを呼ぶアリス。

 

 

・・・今月は質素に暮らそう。

 

 

僕がうなだれている間にアリスは注文を終えたらしく、今は笑顔でパフェが来るのを待っている。

 

 

そして、しばらく経ってから見覚えのある女の子が注文の品を運んできてくれた。

 

 

「お待たせしました♪ご注文のジャンボ・クリームパフェです♪」

 

 

「わーい!いっただきまーす!」

 

 

アリスはパフェが届いた瞬間、もの凄い速さでパフェを食べている。

 

 

まったく…よく食べるな。・・・と、それよりも…

 

 

「ありがとうね、なのはちゃん。」

 

 

運んできてくれたなのはちゃんにお礼を言う。

 

 

「うん、どういたしましてなの♪それよりも、その子は誰なの?」

 

 

「そういえば教えてなかったね。ほら、アリス自己紹介して。」

 

 

パフェを食べる手を止めて、アリスはなのはちゃんに自己紹介をする。

 

 

「妹のアリスです♪よろしくね、なのはちゃん♪」

 

 

「うん♪よろしくなの、アリスちゃん♪」

 

 

・・・うん、仲良くいけそうだね。

 

 

「じゃあ、私は着替えてくるから二人はゆっくりしていてほしいの。」

 

 

「うん、わかったよ」

 

 

そう言うと、なのはちゃんはお店の奥に入っていった。

 

 

「あ、そういえばアリス・・・って、なに見てるの?」

 

 

隣でパフェを食べていた筈のアリスは、食べる手を止めて、隣のテーブルにいるカップルを見ていた。

 

 

「あっ・・・」

 

 

カップルが俗に言う、『あ〜ん』をしている所を見て、アリスが小さく声をあげる。

 

 

「う〜ん・・・・よし!」

 

 

アリスは視線をパフェに移したあと、しばらく唸り出したと思ったら、何かを決意したらしく顔をあげて僕の方を見てくる。

 

 

「???」

 

 

・・・さっきからどうしたんだろう・・・?

 

 

「お兄ちゃん。」

 

 

「どうした「はい、あ〜ん♪」・・・へっ?」

 

 

何故かアリスは、スプーンですくったパフェを僕の口元に持ってくる。俗に言う『あ〜ん』と言うやつだ。

 

 

「えっと・・・どういう事?」

 

 

「いやぁ、さっきの見てたらやりたくなっちゃって♪だから、はい、あ〜ん♪」

 

 

「ちょ、さすがに恥ずかしいよ・・・」

 

 

「え?お兄ちゃんは嫌なの?」

 

 

「うっ!」

 

 

アリスは涙目+上目遣いをしてくる。

 

 

・・・この表情は卑怯だ。

 

 

「はぁ…わかったよ・・・」

 

 

「やったぁ!それじゃあ、あ〜ん♪」

 

 

「あ、あ〜ん///」

 

 

口を開けてスプーンの上のクリームを食べる。

 

 

うぅ〜、恥ずかしい・・・

 

 

それに、周りの人達が微笑ましく見てくるから余計に羞恥心が増す・・・

 

 

「むぅ・・・」

 

 

そしていつの間にか、私服に着替えたなのはちゃんが、ムスッとした顔で右隣に座っていた。・・・何故かクリームパフェを持ちながら。

 

 

・・・いつの間に居たんだろう?それになんでクリームパフェを?食べるのかな?

 

 

「よし、頑張るの・・・」

 

 

なのはちゃんが頑張ると言いながら、気合いを入れている。・・・何故?

 

 

「あ、あの、エミルくん///」

 

 

「なに?どうした「あ、あ〜んなの///」・・・えぇぇ!?」

 

 

僕は驚愕した。・・・まさかなのはちゃんまでしてくるとは・・・

 

 

「え、え〜っと・・・」

 

 

「エミルくん・・・」

 

 

うっ!なのはちゃんもアリスと同じことを・・・

 

 

「じゃあ、も、貰おうかな。」

 

 

「っ!うん♪」

 

 

なのはちゃん表情がパアッと明るくなる。

 

 

「あ〜んなの♪」

 

 

「あ、あ〜ん…」

 

 

クリームを食べる。・・・うん、美味しい。けど・・・アリスから発せられる殺気が恐ろしく怖い・・・

 

 

しかもさっきまで居たお客さんが一人も居なくなってるし・・・

 

 

居るのはニコニコこっちを見ている桃子さんと、バイトの店員さんとおもわしき人たち。

 

 

「お兄ちゃん!はい、あーん!」

 

 

そして、アリスに呼ばれて振り向くと・・・

 

 

「ちょ、ムグッ!?」

 

 

強引に口にクリームを突っ込まれる。

 

 

「むぅ〜」

 

 

そしてムスッとなるなのはちゃん。

 

 

「エミルくん!あーんなの!」

 

 

「無理矢理はムグッ!?」

 

 

ちょ、ちょっと待ってってば〜

 

 

「むぅ〜、お兄ちゃん!」

 

 

「エミルくん!」

 

 

「「あーん(なの)!!」」

 

 

む、無理矢理はやめて〜!!

 

 

エミルの心の叫びは聞こえることはなく、これがしばらく続いた後、解放された僕は家に帰るまでげんなりしていた・・・

 

説明
翠屋でのちょっとした騒動です
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