IS.B 馬神 弾という名の操縦者 2nd break 第一章 黒煌編 〜ep.9 白き創造士 黒き破壊士? |
旅館 大広間
ヴゥゥン……
「え? そんな!!」
「どうした……これはどういう事だ?」
「織斑先生!! 全てのシステムがダウンしています!!!」
「何だと?」
システムダウンの影響により…
アルバトリオンの様子、IS.Pとの連絡と最新の情報が途絶えた。
これは全く起きない事だ。
システムの不具合ならともかく、情報網が簡単に無くなるとはあり得ない。
そう、これが………
アルバトリオンの覚醒の前兆なのだ…
海岸
「…………他の者達はやっと行ったか…」
激しい口論の末、弾達は旅館で見届ける事にした。
この勝敗は誰もが目星をついているように思えた。
勝斗はあれ以来、負けた事すらない。
故に、《勝つのは勝斗だ》。
「………来たか、アルバトリオン」
しかし、勝斗がみたアルバトリオンの姿が予想外だった。
目からは稲妻の様に黒い閃光がもれ、前足には見えない程の漆黒のオーラが纏っており、身体全体に赤い稲妻がチラホラと纏っていた。
【この俺に楯突くとはな……喰われたいのかな?】
漆黒に満ちたアルバトリオンは牙を出し、黒い息を吐く。
「俺は喰われはしない、お前が死ぬだけだ」
勝斗はそう言いながら、太刀を展開する。
アルバトリオンは呻き声をあげ、更にオーラが広がる。
【その言葉、しかとく悔いいるが良い!!!!】
アルバトリオンの口から勝斗を目掛けて黒い光線が放たれる。
「遅い、[創具]"始双の浮遊盾"」
勝斗の前から二つの白く大きい盾が現れ、その一つがアルバトリオンの光線を簡単に止めた。
【ほう、少しはやるものだな。その創造の力、ミラルーツか】
『ご明察、我がいる』
ミラルーツは"全ての龍の祖"と云われている。
武器を作れるのはまだ軽い。
「行くぞ、ミラルーツ」
『分かっとる』
「[創具]"切原の両手剣"」
空いている手から展開したのは、太刀よりも大きな重い剣だった。
それを片手で掴み、力いっぱい上へ投げた。
そして、伸縮鞭を展開し伸縮鞭の蛇は両手剣の柄を口で咥えた。
「さて、時は満ちた。お前はこの日が最期だ」
【その台詞はこっちのもんだ!!!】
アルバトリオンは大きく咆哮し、周囲に数多の雷を起こす。
だが、勝斗は浮遊盾を上手い操作で雷を防ぎ、伸縮鞭で掴んでいる両手剣で責める。
アルバトリオンはそれを尻尾で弾き、角から赤黒い稲妻を放った。
だが、これも二つの浮遊盾に防がれる。
そのうちに辺りは煙幕となるが、アルバトリオンは容赦無く赤黒い稲妻を放つ。
「何だ、その生ぬるい攻撃は!!!」
勝斗は煙幕を振り切り、太刀でアルバトリオンに斬りかかる。
「捉えた!!! [創具]"封始の鎖"!!!」
【何と!!!?】
海と海岸から鎖が現れ、アルバトリオンの身体中に巻き付ける。
「はぁぁぁあああ!!!!」
【ぐおぉぉぉぉおおお!!!】
鎖で拘束されたアルバトリオンはむやみに動けなくなり、そのまま勝斗の剣戟を食らう。
勝斗は鎖がかなり緩むまで太刀と両手剣で切り裂き続ける。
【この俺が、ちっぽけは人間如きにぃぃい!!!!】
アルバトリオンは力が抜ける様に海岸へ落ちた。
勝斗はアルバトリオンが落ちた場所へ向かい、生死を確認する。
「良し、これで治まったな」
『悪しき伝説は幕を閉じたな』
「さて、戻るとしよう…」
『うむ』
こうして、悪魔の龍神 アルバトリオンの黒歴史は終わった。
……と思えた…
『!!?? 勝斗!!!』
「え? ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!」
突然、黒い影が勝斗を襲った。
荒々しい角、そして身体中に逆鱗。
そう、邪悪なオーラを纏ったアルバトリオンが無傷でたっていた。
アルバトリオンの歯の隙間から勝斗の左手が出ていた。
終わったのはアルバトリオンの黒歴史ではなく…
勝斗の完全の歴史が終わった。
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高校二年生になっての初投稿です。 |
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