真・リリカルなのは 第二章 闇の書始動編 第十七話 本当の幸せ |
暗い闇の中に、1人の少女が居た
その少女は孤独であり、その孤独を恐れている
その孤独を癒やしてくれる家族が、漸く出来たと言うのに、奪われてしまった
その怒りと憎しみと言う負の暗闇に閉じ込められてしまったのだ
はやて(何でやろ? 何でこんなことになたんやろ?)
お父ちゃんとお母ちゃんが事故で死んでしまって
すぐに足が動かんようになって………………………ウチは不幸や
神様はうちから大切なモン全部奪っていくんや………………………
せやけど、ある日、シグナムとヴィータとシャマルとザフィーラが現れて、一緒に暮らして、そんで家族になった
幸せやった………………1人やない……………それだけで幸せやったはずやのに…………………
はやて(また奪われた…………………)
世界はうちが憎いんやろか?
…………………何で全部奪うん?
ウチは、幸せになったらあかんの?
あ………や………て……さ………で…よ
何やろこの声?
あ…じ…や…お…て…ださ…あ…で…よ
聞いたことある声やな
シグナム「主はやて、起きてください! 朝ですよ」
はやて「う〜ん、後5時間」
シグナム「寝過ぎですよ!? 主はやて」
はやては、ゆっくり目を開ける
すると、そこに立っていたのは、
はやて「シグ……ナム?」
シグナム「はい?」
はやて「え!? 何で居るん!?」
シグナムは、確か消えた筈やのに…………………
シグナム「起こしに来たのですが?」
はやて「…………………………生きてるん?」
そう言えば、シグナムが死んだと決まったわけやない
シグナム「…………………私が死ぬ夢でも見たのですか?」
はやて「夢………………………そっか、アレは夢か」
家族が奪われたことを、鮮明に覚えているが、夢と言われれば納得してしまう
シグナム「朝食が冷めますよ 主はやて」
はやて「アレ? 車椅子が無い」
シグナム「車椅子など最初からありませんが?」
はやて「んなアホな!」
ウチは必ず、ベットの傍に車椅子を置いてるはずやのに!!
シグナム「そもそも何故車椅子が必要なのです?」
はやて「立てへんからや!」
シグナム「今、立っていますが?」
はやて「……………………………………………………………」
ウチ、自分の足で立ってるやん………………何で?
はやて「何でウチ、自分の足で立てるん? しかも歩けるで!」
シグナム「私が死んで、両足が動かなくなる夢を見たのでは?」
はやて「そうなんかなぁ〜」
夢にしては長かったような………………………
シャマル「はやてちゃん、まだですか?」
シャマルの声が聞こえる
シグナム「行きましょう 主………………シャマルやヴィータが待っています」
はやて「うん……………………………」
〜朝食中〜
はやて「美味しい……………………誰が作ったん?」
シャマル「私ですよ?」
はやて「えぇぇぇ!!!!!! シャマルは料理下手やったやん!」
シャマル「え? え?」
ヴィータ「何言ってんだ? はやて」
シグナム「私が死んで、両足が動かなくなり、シャマルは料理が下手である夢を見たのでは?」
ザフィーラ「随分、具体的だな…………………………」
〜病院屋上〜
カイト「旋風破斬!!」
緑色の斬撃が幾つも飛ぶ
フェイト「サンダーブレイド!!」
カイトとフェイトの技が直撃するが…………………
闇の意思「………………………………………………………」
やはり、効いていないようだ
なのは「カートリッジ!」
レイジングハート(エクセリオンバスター!!)
闇の意思「フッ」
あっさりと躱される
なのは「当たらないの!」
クロノ「ブレイクインパルス!!!!」
闇の意思「デアボリック・エミッション!!!!」
クロノの技をクロノごと吹き飛ばす 闇の意思
クロノ「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
カイト「だが隙が出来る!!」
闇の意思の後ろを取った カイト
ウィザード(カートリッジロード)
カイト「トルネードドライヴ!!!」
小さい竜巻を発生させ、それを斬撃のように、闇の意思に向かって放つ
闇の意思「ハァ」
しかし、片手で弾かれる
闇の意思「((永久の眠り|ナイトメアダークネス))!!!」
カイト「当たると思うか!」
ジェッターフォームはカイトの持つフォームの中で最速である
発動の遅い技は当たらない
クロノ「……………………このままじゃジリ貧か」
どうする? アレを使うか?………………いや
クロノ「アレはまだ使うべきじゃない」
〜はやて視点〜
はやて「……………………………………………………………」
ウチは何してんやろ?
幸せなはずや……………………
シグナム達が…………家族が居れば、他に何も要らん
しかも、歩けるようにまでなってるし…………………
不満なんか無いはずや……………………
はやて「でも…………………」
何やろな? 何か違う気がする
ウチが求めた幸せはこんなにも………………
はやて「こんなにも詰まらんもんやったんか?」
何でもウチの思うままや、何の苦労もない
これって、ホンマに幸せなんか?
?「幸せではありませんか?」
はやて「!? 誰や?」
いきなり部屋に入って来る、銀髪の女性
?「あなたはどのような世界を求めますか?」
はやて「……………………………………………………………」
銀色の髪、真っ赤な瞳………………綺麗な女性やな…………………
?「主?」
はやて「……………………ウチが望んでる世界に連れていく気かいな?」
銀髪の女性に問う
?「簡単に言えばそうです」
はやて「そんなん嫌や!」
?「主…………………何故です?」
はやて「望むものが全て手に入る……………んなことありえへん! あったとしても、それは夢や!! ただの夢なんや!! うちは現実で生きたい!! 例え辛くても!!」
?「主…………………………………………」
銀髪の女性は驚いた
はやては、今まで現実の世界で生きて、不幸なことばかりだった
それでも、現実で生きたいと言われたからだ
はやて「あんた、名前は?」
?「ありません、強いて言うなら闇の意思といいます」
はやて「闇の意思やて!」
闇の意思「はい」
はやて「そんなんアカン! そんなんは名前や無い! 只の揶揄や!」
闇の意思「……………………………………………………………」
はやて「無いんやったら、うちが付けたる! もう闇の意思なんて呼ばせへん!」
闇の意思「主…………………」
はやて「あんたの名前は、リインフォース……………………祝福の風、リインフォースや」
リインフォース「リインフォース……………私の名前」
はやて「そうやで、リイン」
リインフォース「ありがとうございます……………主」
生まれてから長い間、名をもらた事が無かった 闇の意思
それは普通の事だと思っていた
しかし、今 はやてに名を貰ったことで、名を貰えることがこれほどまでに嬉しい事かと感じた
はやて「じゃあ、ここから出して! みんなの所へ行こ!」
リインフォース「はい」
〜病院屋上〜
フェイト「トライデントスマッシャー!!!!!!」
なのは「ディバインバスター!!!!!!」
闇の意思「フッ」
なのはとフェイトの攻撃は当たらない………………………しかし
カイト「疾風怒濤!!」
闇の意思「むっ!」
クロノ「ブレイクインパルス!!!」
闇の意思「くっ!」
カイトとクロノの攻撃を当て続けている
なのは「大分疲弊させたけど………………」
フェイト「私達の魔力も限界かも……………………」
カイト「クッ」
この感覚………………………
カイト(ここでアレになるわけには…………………)
長時間、闇の近くに居る所為で共鳴しはじめてやがる
急に焦り出す カイト
カイト「早急に決着を…………………」
クロノ「どうした? 天城、限界か?」
カイト「ありえん話しだ クロノ・ハラオウン……………貴様こそ魔力切れが近いだろうに」
クロノ「それこそ、ありえない話だ……………僕が貴様より先に限界が来ることはな」
カイト「フン、その強がり……………後何分持つやら」
フェイト「仲いいね…………………あの2人」
なのは「そうだね」
闇の意思「う!?」
クロノ「何だ?」
なのは「何か苦しんでるように見えるの」
フェイト「何かあったの?」
カイト(敵を心配してどうする! あのアホ共が!)「ウィザード!」
ウィザード(カートリッジロード)
ウィザードの刃が2つに裂け、ボウガンに変形する
カイト「今が絶好の機会だ!」
ウィザード(テンペストアロー・ジェットストリームシフト!!!)
緑色の矢が闇の意思に突き刺さる
その矢はまるでエメラルド色の流れ星のよう
なのは「今、攻撃するのは、ちょっと引くの……………………」
フェイト「苦しんでる相手に攻撃はちょっとね………………」
クロノ「男の風上にも置けん」
カイトを批判する3人
カイト「だから貴様らは三流だと言っている! 正々堂々は弱者が勝手に造ったものだ! 真の強者はどんな手を使ってでも勝つ!」
なのは「そっちの方がいいわけ臭いの」
カイト「フン、三流に一流の話をしてもわかるはずがないか」
なのは「カッチーーーン」
フェイト「……………………………………………………………………」
クロノ「何時までも遊ぶな! 来るぞ」
煙が晴れていく…………………………
はやて「痛った〜」
リインフォース「大丈夫ですか? 主」
はやて「うん………………っか誰やねん! うちに攻撃したんわ!」
なのは「はやてちゃん!?」
フェイト「良かった…………………」
クロノ「あの子が主か………」(グレアム提督、あんな幼い子に業を背負わせることは偽善ですらありません………悪です)
カイト「…………………………………………………………………………」
はやて「あっ! なのはちゃん! フェイトちゃん! カイト君! 後誰やねん!」
クロノ「僕の事は無視してくれていい」
なのは「はやてちゃんとカイト君は知り合いなの?」
はやて「そうや「そんなわけないだろ」ええ!?」
なのはの問いを否定する カイト
フェイト「相変わらずだね、カイトは」
カイト「………………………………………………………………………」
無言で剣の切っ先を、先ほどの敵に向ける
リインフォース「…………………………………………………………………………」
はやて「ま、待ってぇな カイト君! リインは敵ちゃうねん!」
カイト「その言葉を信じる根拠は無い……………………貴様が夜天の書を使い、世界を滅ぼそうとして、分が悪くなったとたんに被害者ぶる……………そう言う可能性もある」
リインフォース「貴様…………………………」
はやてを卑怯者呼ばわりされて、怒る リインフォース
はやて「それを言われたらキツイし、うちらを無罪なんて言わん………………けど今はまず話を聞いて」
カイト「…………………………………………………………………………」
クロノ「悪いが話を聞く暇はない」
なのは「クロノ君!」
クロノ「目覚めるのだろう? ナハトヴァールが」
リインフォース「何故それを?」
クロノ「言えることがあるとすれば、管理局を舐めるなと言った所か」
フェイト「ナハトヴァールって?」
クロノ「君達にわかりやすく言うなら、夜天の書が闇の書と呼ばれるようになった所以だ」
なのは「所以?」
リインフォース「私を支配し、世界を滅亡させる…………………忌まわしきプログラムだ」
クロノ「まぁ早い話がナハトヴァールを倒せば良いということだ」
なのは「単純明快だね」
はやて「そのための準備をせなあかん」
フェイト「準備?」
はやて「私の家族を取り戻すんや」
クロノ「出来るのか?」
はやて「リンカーコア送還。守護騎士システム、破損修復」
カイト「ほう」
クロノ「これは………………」
なのは「ヴィータちゃん!」
フェイト「シグナムも!」
蒐集され、消滅してしまった ヴォルケンリッターを呼び出す はやて
ヴォルケンリッター「「「「…………………………………………」」」」
蘇えったとたん、跪く
はやて「ん? どないしたん?」
シグナム「主………………スミマセンでした」
はやて「え?」
ヴィータ「アタシ達、はやてとの約束破って蒐集しちまった……………」
シャマル「まさか、こんなことになるなんて………………」
ザフィーラ「我らは主を救うのではなく、殺してしまう所でした」
はやて「ううん……………ウチも悪いよ」
シグナム「そんなこと「だって、知ってたから」は?」
はやて「みんなが蒐集してるん…………………ウチ、知ってたから」
シャマル「ええ!?」
ザフィーラ「なんと!?」
衝撃の事実に驚く ヴォルケンリッター
はやて「でも言えんかった………………ウチの為に蒐集してるから、アカンって叱れんかった…………………ウチこそ主失格かもしれんな」
ヴィータ「そんなことねぇ!!」
ヴィータが、はやてを発言を否定する
はやて「ヴィータ………………」
ヴィータ「アタシ達だって、はやてだから幸せだったんだ!! はやてが一番いい主だったよ!!」
シグナム「その通りです!!! 人として!!! 家族として接してくれたのはあなただけです」
はやて「そっか…………なら頑張らなアカンな……………明日を守る為に、ナハトヴァールを倒す!」
カイト「下らん茶番はいい、ナハトヴァールとやらは何所に居る?」
グレアム「それは私が説明しよう」
クロノ「グレアム提督!」
なのは「て、提督!?」
突如として現れた グレアム
グレアム「全て話そう…………………この事件の真相を」
遂にグレアムが、はやてに真相を話す!!
ラスボスはナハトヴァール!!
フルボッコタイムまで、後僅か!!
乞うご期待!!
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