終戦。そして、決戦へ |
『フリゲート艦オルフェウスCIC室』
ケストレル沈没後、旗艦をオーシアイージス艦ハルシオンに移し、ハルシオン、空母バーベットを中心に各艦を展開。
ラーズグリーズ隊を支援すべく全力で北上していた。
「艦長、まもらく、共同声明の時間です」
そして、まもらくハーリング大統領とニカノール首相の共同声明の時間。この共同声明が戦争の終結でもあり、最後の戦いの幕開けである。
「わかった」
俺はマイクを取り艦内放送を流す。
「全乗組員に告ぐ。まもらくハーリング大統領とニカノール首相の共同声明の時間だ。持ち場を離れてもいい。この共同声明をよく聞いてくれ。以上」
そして、俺はマイクを置き、一つのモニターをみる。
他の乗組員たちもそのモニターを見る。
そのモニターに映しているのは共同声明の会場。
オーシア首都オーレット大統領官邸ブライトヒルである。
そして、共同声明の時間である22時になった。
それと同時に会場にある曲が流れ始める。
その曲はついさっき聞いた曲でもあり、15年前の戦争で同僚たちとよく聞いた曲。
Journey Home
まさに、今日この会場に相応しい曲である。
そして、ハーリング大統領が姿を見せ、会場に凄まじいカメラのフラッシュが起きる。
《私はオーシア大統領ハーリングです。戦場にいるオーシア、ユークトバニア両軍将兵の皆さん。銃を置いて塹壕をあとにしましょう。私の不在を利用して専断していた者たちから首都オーレットは解放されました。自由と正しいことを行う権限を奪われていた私は今こうして、黄金色の太陽の下へ復帰し、そして―――
ユークトバニア元首ニカノール首相閣下とともにあります。
両国間の不幸な誤解は解け、戦争は終わりました》
ハーリング大統領は右手を伸ばし、ニカノール首相を演壇に迎える。
会場にいた記者たちはからどよめきの声が上がる。
今まで敵対していた国の首相がこの会場に現れると誰が想像しただろうか。
《私はユークトバニア元首にして政府首相ニカノールです。戦場にいるユークトバニア、オーシア両軍将兵の皆さん。ハーリング大統領と私とが肩を並べ手を取り合う姿をご覧にいただきたい》
ハーリング大統領とニカノール首相は演壇の前でがっちりと握手を交ざれした。テレビカメラはこの光景を全世界に伝えるためにズームでその姿を捉え、記者たちはその姿をを歴史に残すため、カメラを撮り、先程以上にカメラのフラッシュが起きる。
《大統領の今の言葉は真実です。戦争は終わったが、我々にはまだなさなければならない戦いがある》
《そのとおりです。我々の間に憎しみを駆り立てた者たちは我々のどちらかの国、そこにある大都市を破壊できる兵器を用意しつつあるといいます。しかし、我々の『友人』たちが今、その企みを阻止するため行動を始めています。破壊されようとしているのは二つの国のどちらなのか、それはわからない》
しかし、それは重要ではない。どちらの国が被る被害も共通の大きな痛手です》
《両国将兵皆さん。どうか心あらば、あなたがたの持てる道具を持って、彼らを手助けしてやって欲しい。彼らは今は―――
東へ飛んでいる》
《なおもまがまがしい武器の力を使おうとする者たちよ。平和と融和の光の下にひれ伏したまえ!》
両手を広げ天を仰いだニカノール首相。
記者たちから盛大な拍手と歓声が上がる。それは、俺たちも一緒であり、CIC室内も盛大な歓声と拍手に包まれた。
《アンダーセンからから各艦へ。再度、本艦隊の作戦について説明する。本艦隊はこれより、ラーズグリーズを支援するめ、南ベルカに向かう。これが、最後の戦になる。この戦に勝利し、両国間の平和取り戻そう》
《ミサイル駆逐艦グムラク了解!》
《空母バーベット了解!》
《駆逐艦チゥープ了解!》
《巡洋艦シバリ―了解!》
《駆逐艦ドゥープ了解!》
《通信傍受艦アンドロメダ了解!》
《フリゲート艦ブイストルイ了解!》
《駆逐艦コーモラント了解》
《駆逐艦ブードゥシシイ了解!》
《駆逐艦フィンチ了解!》
「フリゲート艦オルフェウス了解!》
おそらく、いや、ラーズグリーズ隊が南ベルカに到着するにも間に合うはずがない。
だが、ハーリング大統領とニカノール首相の呼び掛けで応えた南ベルカに向かう心たちを支援することは間に合うはずだ。
「降ってきたな…?」
俺は本艦の後方を映しているモニターを見て雪が降っていることに気付いた。それと同時に光がこちらに近づいてくるのに気付いた。
《こちら、グムラク。各艦へ、後方より多数の艦が接近中》
「艦長、こちらのレーダーにも多数の艦を捉えました」
「所属は?」
「それが、IFFの反応はオーシア、ユークトバニア双方です」
俺は疑問に思った。
ハーリング大統領とニカノール首相の演説を聞いて近くの軍港を出港して、南ベルカに向かうオーシア艦ならわかる。
だが、ユークトバニア艦がこんなにも早く来る訳がない。一体、何故?
「艦長、後方の艦隊から通信です。通信開きます」
《アンダーセン艦長。そして、アンダーセン艦長と共に行動しているオーシア、ユークトバニア艦聞こえますか?こちらはオーシア国防海軍第5艦隊です》
《こちらは、ユークトバニア海軍第4艦隊だ。オーシア国防海軍第5艦隊から話は聞いている。アンダーセン艦長お会いできて光栄です》
《この艦隊はハーリング大統領とニカノール首相の友人を支援するための艦隊です》
《ユークトバニア艦隊司令部が南ベルカに向かえと言う司令を受け南ベルカに向かっていました。ですが、その途中でニカノール首相とハーリング大統領の話を聞いて、いまだに戦いを続けようとする艦隊司令部の命令を放棄して、こんなにも早く、そちらの艦隊に合流することが出来ました。ですが、艦隊司令部の命令を守り、我々より早く南ベルカに向かった艦隊がこの先に展開しています!これより、ユークトバニア海軍第4艦隊は現時刻を持ってアンダーセン艦長の指揮下に入る!我々も共に戦います!》
《オーシア国防海軍はその反対です!我々はハーリング大統領の直々の命令を受けて動いています!その命令はアンダーセン艦長と合流し、南ベルカに向か心たち支援です。ですが、一部の艦がその命令を放棄!ユークトバニア海軍と一緒に展開しています!これより、オーシア国防海軍第4艦隊はアンダーセン艦長の指揮下に入り、戦闘に参加します!》
ハーリング大統領とニカノール首相の話を聞いてもまだ戦争に続けようとする者たちがいる。
俺はそいつらに怒りが燃えた。
だが、別の感情もあった。
それは、今目の前にある光景だ。
ベルカの陰謀に気付き、その陰謀を阻止するため、動き始めた頃は5隻の艦隊だった。
だが、あの海戦で両国の平和を信じている5隻、いや、6隻のユークトバニア艦が合流し、オーシア艦も3隻合流し、12隻の艦隊になり。そして、今は30隻を超える大規模な艦隊になった。
それも、オーシア、ユークトバニアの混成艦隊だ。
この光景こそが俺たちが望んでいたことだ!
「艦長!どうやら、向こうから来たらしい!レーダーに多数の艦影!数は30隻以上!IFFはオーシアとユークトバニアの物とそして…旧ベルカです!」
ベルカの奴ら航空機だけではなく、軍艦まで用意していたのか!
《こちら、アンダーセンだ。合流してくれた各艦へありがとう。既に気付いているとは思うが、現在前方から敵艦隊が接近中である。その数は30隻以上である。おそらく、今まで以上に激しい戦闘になるだろう。だが、かならずや、勝利し、各艦の乗組員たちが平和の下の陸で会おう。各艦!戦闘準備!》
「総員!戦闘配置!」
「了解!総員戦闘配置!各自持ち場に着け!」
《こちら、空母バーベット!現在、艦載機発進中!》
《ユークトバニア海軍第4艦隊は右翼に展開!オーシア国防海軍第5艦隊は左翼を頼む!》
《了解!》
《敵艦隊が射程内に入り次第に一斉攻撃をする!》
「敵の航空機が来る可能性が高い!対空監視を怠るな!」
《敵艦隊、射程内まで約10分!》
《艦隊陣形急ぎ整えを!》
各艦、戦闘準備。
アンダーセン艦長のこの言葉で一斉に慌ただしく動き出し、艦隊陣形を整い始める。
その動きの速さは、とても今まで敵対していたとは思えない速さであり、艦隊陣形がすでに整い終わろうとしていた。
《こちら、第4艦隊展開完了!各艦も戦闘準備完了!》
《同じく、第5艦隊、展開及び戦闘準備完了!》
《こちら、バーベット。艦載機すべて発艦!戦闘準備完了!》
「艦長!全乗組員持ち場に着きました!」
「よし。こちら、オルフェウス。戦闘準備完了!」
《グムラク、チゥープ、ブイストルイ、ブードゥシンイの各艦戦闘準備完了!》
《シバリー、フィンチ、アンドロメダ、コーモラントも戦闘準備完了!》
艦隊陣形が整い。各艦の戦闘準備も完了した。
そして…
「敵艦隊、射程内に入ります!」
《全艦!戦闘開始!撃ち方始め!》
敵艦隊が射程内に入り、一斉に対艦ミサイルを発射。主砲も火を吹く。
それは、敵艦隊も同じであり、対艦ミサイル発射し、主砲も火を吹く。
雪が降る海の中、最後の戦いが始まった。
2010年12月30日午後22時に行われたハーリング大統領とニカノール首相の共同声明の発表により、同年9月27日のユークトバニア宣戦布告から始まった戦争は終戦した。
だが、それと同時に最後の戦いが幕を上げた。
22時30分にラーズグリーズ隊を中心としたオーシア軍とユークトバニア軍が今回の戦争の黒幕である旧ベルカ軍の本部である。ノースオーシア・グランダーI.G.社に攻撃を開始し、最後の戦いの幕が上がった。
同時刻、旧南ベルカ海域近くでアンダーセン艦長率いるオーシア海軍、ユークトバニア海軍が旧ベルカ海軍率いる、オーシア海軍とユークトバニア海軍が交戦を開始したのであった。
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二つの巨大国家の戦いは終わり そして、最後の戦いが始まる |
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