IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode152 信じ難い事実
「Cファンネル!」
颯は左手を突き出してCファンネルを勢いよく飛ばし、無人機五体の首を切り落としていく。
更に大型のCファンネルを扇を描くように飛ばして無人機三体の胴体を切り裂く。
直後にスタングルライフルの銃身側面のパーツを展開して高出力ビームを放って無人機を三体呑み込む。
「でりゃぁぁぁぁぁ!!」
鈴はビームトライデントを振るい無人機を切り裂き、左腕のドラゴンハングを飛ばして無人機にぶつけて破壊する。
直後に後ろに振り向くと、ビームトライデントを振るって無人機を切り裂く。
更にドラゴンハングの顎を開いて突き出し無人機の首を挟むとそのまま切り裂く。
「ほんっとうに訳分からない連中ね!!今の状況が見て分からないの!?」
「そう言われても、相手の目的が分かるわけでは・・・」
二人は背中合わせになると通信を交わす。
「でも、ここまで来るとナンバーズの意図が分からない」
「・・・・」
「消耗した所を襲うと言うのも考えられるけど・・・」
「・・・・」
「鈴さん?」
「いや・・・さっきからちょっと気になって」
「・・・・」
「隼人・・・大丈夫かな」
「・・・・」
さっきチラッと見た時は動きが鈍っているように見えた。
「隼人言っていたのよね。バンシィはまだ完全に修復が終えてないって」
「じゃぁ、本調子じゃ無い状態で兄さんは・・・」
「そうね。それに、何か嫌な予感がするのよね」
「・・・・」
「何も起きなければいいんだけど・・・」
「ぐっ!」
隼人はオータムから蹴りを入れられて吹き飛ばされるも、背中のアームドアーマーDEのビームキャノンを放つもオータムは横に飛んで避ける。
直後にビームキャノンを放つも隼人は何とかかわす。
「どうしたどうした!!角割れにならねぇと調子が出ねぇって言うのか!!」
オータムは飛び出るとバスターソードを振り下ろすも、隼人はとっさに両腕のビームトンファーを交差させて斬撃を受け止める。
直後につま先からビームサーベルを出してバンシィ・ノルンを切り付けようと足を動かそうとしたが、隼人はその前にオータムを蹴り飛ばして距離を置く。
「ハッ!そうこねぇとな!!」
嬉しそうに言うと、蜘蛛の脚よりビーム弾を連続で放ってくるも隼人はビーム弾の合間を潜り抜けると左腕のビームトンファーを振るうも、オータムは後ろに下がってかわす。
しかし隼人はとっさに右腕のビームトンファーの出力を上げてビーム刃を大きくし、勢いよく突き出して蜘蛛の脚を何本か切り裂いた。
「それがどうした!!」
オータムはバンシィ・ノルンの腹部に左膝を突き出して叩き付ける。
「うぐっ!」
隼人は痛みに耐えてそのままスラスター全開で飛び出し、オータムに体当たりをする。
「ちっ!」
隼人はとっさにオータムから離れるとアームドアーマーDEのビームキャノンを放ったが、オータムはバスターソードを振るって切り裂く。
そのままファングを飛ばしてビームを放ってくるも、隼人は各スラスターを噴射して回避するも、いくつかが装甲を掠める。
(くそ・・・。予想以上に強くなっていやがる!)
隼人は左腕のビームトンファーを振るってファング一基を切り裂く。
(デストロイモードを封じられてしまったのが手痛いな。まさかサイコジャマーを作り出すとは!)
直後にオータムはビームキャノンを展開してビームを放つも隼人は横に飛んでかわし、直後に左腕のビームガンを放つも隼人は右腕のビームトンファーを振るって切り裂く。
(それに、射撃武器が使えない状態なのがかなり厳しい)
アームドアーマーBSはさっき破壊され、ビームマグナムも修復が終わりきっておらず、残りの射撃武器は調整中で使えない。つかえるのはアームドアーマーDEと頭部バルカンだが、そのバルカンも弾切れ寸前だった。アームドアーマーDEも射角が限られてしまうので何度も使えない。
(思い知ったよ。執念ほど恐ろしい物は無いな!)
隼人は一気に飛び出すと左腕のビームトンファーを振り下ろすもオータムはバスターソードで攻撃を受け止めると直後に左腕のビームガンを向けるも、隼人は右手を突き出してビームガンの射線をずらすと直後にビームが放たれる。
「ちっ!」
オータムは背中の蜘蛛の脚を向けてビーム弾を放とうとするが、隼人はバスターソードを蹴って身体を水平にしてビーム弾をかわすとそのまま宙返りをしてバスターソードを蹴り上げる。
その直後に右腕のビームトンファーを振るうも、オータムは蜘蛛の脚で斬撃を受け止める。
「やっぱこうじゃねぇとな!!戦いって言うのはな!!」
「あぁそうかい!!」
隼人はそのままオータムの顔面に向けて頭を突き出して額の出っ張りとバンシィの角で頭突きをぶつける。
「ぐっ!?」
絶対防御で怪我はして無いだろうが、衝撃で気を逸らせた。
「これで!」
隼人は左腕のビームトンファーを振るおうと振り上げる。
「っ!?」
すると周囲にいた無人機三体が隼人にしがみ付いた。
「くっ!」
隼人は馬鹿力で払おうとするが、その瞬間無人機三体が自爆する。
「がはっ!?」
その衝撃と爆風で身体全体がバラバラになりそうなぐらいの激痛が走る。
「ハッ!私が策無しにテメェに戦いを挑むと思ったか!」
その間に回復したオータムが左側の非固定ユニットの前面装甲を開ける。
「くそっ!どんな手を使っても勝とうって魂胆か!」
「あぁそうだよ!」
無人機の自爆のダメージでバンシィ・ノルンに損傷を受けてしまい動きが鈍っていた。
「こいつで仕上げだ!」
オータムは左側の非固定ユニットの開けた所より二つの弾丸を放つ。
隼人は何とか避けようとスラスターを噴射するも、二発ともバンシィ・ノルンの胸部と腹部に命中する。
「ぐっ!」
一瞬痛みが走るも、隼人はすぐに体勢を立て直す。
「自爆は効いたが、この程度では――――」
その瞬間隼人は違和感を覚える。
「っ!?」
身体が最初よりも動かしづらくなってほとんど動かせなかった。
「か、身体が・・・うご――――」
「ハッハッハッ!!どうやら一応効いたみたいだな!!」
オータムは高らかに笑って言う。
「な、何をした!?」
「さっき撃ち込んだのは・・・『アンチISウイルス』って言う代物だよ!」
「な、なに?」
「以前にもナンバーズのやつがテメェに撃ち込んでいたみたいだが、それで耐性が付いちまったから、ドクターが改良したようだぜ」
(以前動けなくなったのはこいつの仕業か・・・!)
「だが、耐性が付いても改良点だけは防ぎ切れて無いな!」
オータムは飛び出して蜘蛛の脚を突き出し、バンシィ・ノルンを突き飛ばす。
「ぐっ!」
直後に蜘蛛の脚よりビーム弾を放ってバンシィ・ノルンに直撃させていく。
かわそうにも動きがとれず回避する事も出来ない。
その直後にバスターソードの刀身の腹でバンシィ・ノルンの左側頭部を殴りつける。
「っ!」
隼人はそのまま吹き飛ばされて海岸線に叩きつけられる。
オータムはその後を追い、蜘蛛の脚をバンシィ・ノルンの左腕を突き付ける。
「すぐには殺さねぇ。じわじわと苦しみを味わいながらじっくりと甚振ってやるよ!」
そのまま隼人を蹴り飛ばす。
「ぐっ・・・!」
身体を動かす事が出来ずされるがままだった。
「隼人!?」
鈴はオータムにフルボッコを受ける隼人を見つける。
「兄さんが・・・!?」
颯もそれに気付く。
「やっぱりバンシィが完全じゃないから・・・!」
「っ!」
鈴はすぐに隼人の元へと向かおうと飛び出した。
「っ!?鈴さん!」
颯はその後に付いて行こうとするが、無人機の妨害にあって進めなかった。
(隼人・・・あんただけは・・・死なせない!)
Gモードは全身装甲な為表情は見えないが、鈴は必死の形相で向かっていた。
(絶対・・・絶対に死なせないから!)
「ハッハッハッハッハッ!!たまんないぜこいつはよ!!」
オータムは狂った笑いを上げてバンシィ・ノルンの横腹を蹴って吹き飛ばす。
「っ・・・!」
隼人は仰向けのまま地面を削って滑っていく。
「今までのイライラが解消されるぜ!!特にテメェに受けた雪辱とかをな!!」
更にバスターソードの峰で腹部を殴りつけて更に蹴り飛ばす。
「それに、こんなに楽しいのはあの時以来だぜ」
「あ、あの時・・・以来?」
何とか隼人は頭を上げてオータムを見る。
「ど、どういう事だ・・・?」
「今なら教えていいぜ。どうせテメェは死ぬんだからよ!」
オータムはバンシィ・ノルンに近付くと、腹部を踏みつけて顔を見る。
「結構前の話だ。ドクターからある女の排除を依頼されてな、そいつを殺しに行ったんだよ」
「・・・・」
「その女もIS持ちでな、私と殺り合ったんだよ。あれほど楽しいもんは無かったぜ!今でも手応えのあるやつだったからな!」
「誰の事を・・・」
「テメェには関係あるかもな。何だってそいつはテメェの腹違いの母親らしいからな」
「・・・な、に?」
隼人は自分の耳を疑う。
「そいつを殺した後その遺体をドクターは機械人形に改造しやがったぜ?さすがの私でも引いたぜ」
「俺の・・・腹違い・・・?」
「で、そいつは今もここで戦ってるらしいぜ。レギルスって言うISを持ってな」
「・・・・」
「あぁそうだ。もう一つだけ教えてやるよ」
オータムは顔を近づける。
「テメェの両親を殺したのは・・・このオータム様だ」
「・・・・」
「よかったな。両親の仇を知れてな。それも討てずのまま死ぬんだから、さぞかしテメェも悔しいだろうな」
「・・・かもな」
「あ?」
その直後隼人はスラスター全開で起き上がる。
「なっ!?テメェ!?」
オータムは驚き、その直後に隼人はオータムの顔面を殴りつけて後ろに倒れさせて、立ち上がる。
「形勢逆転、だな」
隼人は尻餅を付いているオータムにビームトンファーを展開して向ける。
「両親を殺した罪は・・・償ってもらう。法でな」
「テメェ・・・」
「仇を取ろうとお前を殺したって意味は無い。俺はそんな無意味な事に気付かないほど愚かじゃない」
「・・・・」
「聞かせてもらうぞ。ドクターアルベルトの居場所についてな」
「聞いてどうするんだ?」
「ぶっ潰す。それだけだ」
「ハッ。そんなんだと思ったぜ」
「・・・・」
「だが、教えた所でお前にそんなチャンスは無いぜ」
「何?」
ガスッ!!
「っ!?」
突然激痛が身体中を走り、数歩後ろに下がる。
「形勢逆転、だな」
オータムはニヤリと邪悪に口角を吊り上げる。
バンシィ・ノルンの両肩、腹部にビーム刃を出したファングが突き刺さっていた。
「集中力が散漫になるとかな。気を抜いたのが間違いだったな」
オータムは立ち上がると、バスターソードを肩に担ぐ。
「う、ぐぅ・・・」
ファングが抜かれて、隼人は刺された腹部を押さえる。
元の身体は量子変換されて収納されているが、ダメージに伴う擬似的痛覚が元の身体に伝わる。なのでバンシィ・ノルンが受けたダメージは擬似的に隼人に痛覚として受ける。
(何て馬鹿なんだよ、俺は。・・・こんな些細な事に気付けない何て・・・)
よく見れば腰の両サイドのコンテナにファングが数本収められてなかった。
普段の隼人なら気付いているはずだったのに、注意力が散漫になっていた。
「こいつで今度こそお陀仏だ!!神風隼人!!」
オータムはビームを纏わせた蜘蛛の脚三本を勢いよく突き出す。
「っ!」
隼人はとっさに右腕を前に出す。
しかし蜘蛛の脚は隼人に届く事は無かった。
「・・・・?」
隼人は右腕を退けて見ると――――
「っ!!」
遠くで無人機に妨害を受けていた颯はその光景を見て目を見開く。
同時に彼女の中で何かが弾け、その瞬間FXバーストモードを発動し、周囲に居た無人機を全て串刺しにして撃破すると、すぐに飛び出した。
「う・・・ぐっ・・・」
「っ!?」
隼人は目を見開いて衝撃を受ける。
目の前には・・・・・・オータムの攻撃から隼人を庇う形で、鈴が立っていた。その蜘蛛の脚が身体に突き刺さり、そのまま身体を貫いていた。
アルトロンの装甲を伝って血が流れ落ちていた。
「り、鈴・・・?」
目の前の光景が信じられなかった。いや、信じたく無い・・・信じられるわけが無い。
「テメェ!邪魔しやがって!!」
オータムは蜘蛛の脚を鈴から引き抜くと、バスターソードを振り被る。
「っ!?」
しかし横から何かにぶつけられてオータムは押されていく。
それはFXバーストモードを発動させたAGE-FXであり、そのままオータムを押して行った。
「何・・・とか・・・間に合った・・・わね」
鈴は首だけを横に向けて隼人を見るも、直後に倒れそうになる。
「鈴!!」
隼人はとっさに倒れそうになる鈴を抱き止める。
「何で・・・何でこんな事を!?」
「何でって?野暮な事聞くじゃない」
「冗談言っている場合じゃ無いだろ!!」
「・・・・」
「待ってろ!すぐにネェル・アーガマに連れて行く!!」
隼人はすぐにスラスター全開でネェル・アーガマに向かっていく。
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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