運・恋姫†無双 第十三話
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嫌だ

 

 

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

 

 

嫌だ

 

 

何が?

 

 

何かが

 

 

何かが

 

 

とにかく何かが

 

 

嫌だと思う事が嫌だ

 

 

嫌だ

 

 

嫌だ

 

 

嫌だ

 

 

やめろ

 

 

嫌なんだ

 

 

嫌だ

 

嫌だ

 

 

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

 

 

腕を動かした……気がした

 

頭の中では、そうしたはずだ

 

感覚がない

 

暴れるように腕を振るった

 

気のせいかもしれない

 

振ったはずだ

 

振ったはずだ

 

振ったはずだった

 

振ったはずだ

 

見えた

 

腕はある

 

身体がある

 

良かった

 

安堵の息を漏らした――

 

はずだ

 

はずだった

 

聞こえない

 

音が

 

聞こえない

 

 

自分がいた

 

いるはずだ

 

ここは?

 

闇の中

 

暗いどこか

 

違う

 

夜の心地よい闇

 

ではない

 

夜が包み込む暗さ

 

ではない

 

ここは

 

【無】

 

ただ、

 

【無】

 

何も存在しない

 

【無】

 

【無】?

 

【無】

 

【無】だ

 

では何故

 

俺がいる?

 

【無】

 

俺?

 

なんで

 

ここに独り?

 

違う

 

【無】だ

 

『ここ』なんてものは存在しない

 

ただ、

 

【無】だ

 

【無】

 

【無】

 

【無】

 

そこは

 

稚拙なまでの【無】であった

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起きた。

 

「……」

 

夜のはず。

 

「夜」

 

背筋が凍った。

 

誰の声だ。

 

飛び起きた。

部屋には誰もいない。

誰だったのだろうか。

 

自分の体を探ってみた。

麻痺してるような、夢の中にいるような感覚。

だが感覚はあった。

寝汗はかいていない。

 

【ただの無の中にいた】

 

【無】

 

途端に恐ろしくなった。

 

 

宿を飛び出した。

 

夜空を見た。

月と星があるはずだ。

 

【色がなかった】

 

月や星だけじゃない。

街が、全ての色彩がなかった。

黒じゃない。

灰色じゃない。

これは色じゃない。

 

【無】

 

走った……はず。

脚を動かしているつもりだ。

感覚がない。

自分は走っているのだろうか?

わからなくなってきた。

 

何かにぶつかった。

壁のような【無】だった。

 

叫ぶ。

何も聞こえない。

 

全てが【無】

 

また喚いた。

何も無かった。

 

 

【無】が迫ってるような感覚だけが残った。

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起きた。

 

「……」

 

夜のはず。

 

「夜」

 

背筋が凍った。

 

誰の声だ。

 

「紗羅殿」

 

小さい声。

 

「公……台?」

 

その声だ。

 

「そうだ……これは……俺の声だった」

 

口に出してみないと、分からなくなってしまう気がした。

 

それから、彼女の姿を探す。

陳宮。

その姿はすぐに見えた。

寝台から上半身を起こしてこちらを見ていた。

誰かがいる。

それだけで安心できる。

そこで、自分が驚くほど心細くなっているのに気付いた。

まるで今までたった独りぼっちだったように思えるほど。

それはとても怖かった気がする。

思い出そうとするだけで、気持ちが沈んだ。

 

 

「紗羅殿ももしかして眠れないのですか?」

 

「も? 公台は眠れないのか?」

 

 

紗羅が聞き返すと、陳宮は不安げな口調で、はい、と言った。

 

 

「こうして、ちゃんとした所で寝るのは久しぶりで……」

 

 

その姿は、最初に出会った頃を思い出させた。

 

 

「そうか……なあ公台、俺は、呻いたりしていなかったか?」

 

「紗羅殿が、ですか? ねねは今まで起きていましたが、変わった様子はなかったですぞ?」

 

「……そうか」

 

 

紗羅が立ち上がり、窓を開けた。

夜の空気の中にいると、自分はここにいると思える気がするのだ。

風は吹いていない。

 

 

「……公台、出かけてくる」

 

「なっ!? それはいけませんぞ! 夜間の外出は取り締まるってお触れに書いてあったではありませんか!」

 

「ぬっ……そうだったか」

 

 

別に身体を痛めつけられるのが趣味という訳ではない。

あの時は曹操に会ってみたくてあんな事をしたのだ。

 

 

「なんと窮屈な禁令を出したものだ」

 

 

ならば部屋にいるしかない、という事。

頭の中は、まだ晴れそうもない。

 

 

「公台、少し話をしないか? どうせ寝れないのだ」

 

 

紗羅が寝台に腰掛けると、陳宮も同じようにして向かい合う。

照らすと言えるほど、月明かりは無い。

 

 

「さあ、何を話そうか?」

 

「決めてないのですか」

 

 

陳宮は、微笑んでたような気がした。

それが何故か、別人のように見える。

 

 

「今なら、何でも話せそうな気がするな」

 

 

夜の空気に当てられたか、それとも夢を思い出さないようにか。

それから、いくつか話した。

他愛のない話だ。

そうしていると、いくらか気分が軽くなり、それを埋め合わせるように浅い眠気が襲ってきた。

 

 

「公台、寝れそうか?」

 

 

返事は返ってこなかった。

布団に包まって、何かを言いかけている。

それを遮るように、紗羅は言った。

 

 

「ふむ……一緒に寝るか?」

 

 

返事は、やはり返ってこない。

 

冗談、と言い残して布団に潜る。

陳宮が布団に入ってきたのは、窓を閉め忘れたのを思い出した時だった。

 

 

「意外でした。紗羅殿も、そんな目をする時があるのですね」

 

「俺は、どんな目をしていた」

 

「何も。何も映していない目です。まるで――」

 

 

口を噤(つぐ)ませた。

その先は聞きたくなかった。

夢を思い出してしまうような気がしたのだ。

 

 

「申し訳ありません」

 

「いや……すまないな」

 

「いえ……」

 

 

二人の呼吸の音しか聞こえない時間が暫く続いた。

それから、紗羅が口を開く。

 

 

「……怖い夢だ。思い出せない。思い出したくもない。覚えてるのは、怖かったって事だけだ。確か、怖かった気がするだけだ」

 

 

怯えている、と陳宮は感じ取った。

何か分からないものに怯える。

それは、陳宮にとっても覚えのある事だ。

 

だからこそ陳宮は意外に思う。

この人にもそういうものがあるのか、と。

自分の中で、彼をいささか美化しすぎていたのかもしれない。

依存していた。

いや、依存していたいのだ。

自分を守ってくれる存在に。

その役目を押し付けていただけだ。

恐らく、それは彼でもなくても良かったのだろう。

自分に都合が良ければ、誰でも良かったはずだ。

 

小さな苦味と吐き気が、口の中に広がったような気がした。

 

 

「紗羅殿」

 

 

返事は返ってこなかった。

 

 

「腕の中で眠らせてください。良く眠れるような気がするのです」

 

 

返事はやはり返ってこない。

彼の腕に潜り込むと、背中を少しだけ締められた。

 

 

「もう一度だけでも、こうしたかったです」

 

 

彼はもう眠ってしまった様だった。

ふと、自分と彼は近い所に居るのかもしれない、と陳宮は思った。

その感覚に陳宮は言葉をつけられなかったが、充足感みたいなものも感じていた。

 

――だから、もう少しだけ依存させてください。

 

まどろんでいく中で、最後にそう願った。

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あとがきなるもの

 

桂花が赤ちゃんの子守り番組やっている夢をみた二郎刀です。桂花は夢の中でも桂花でした。

 

最近恋姫の夢を見る気がします。この前は、何進の前で武芸を披露する華琳に刀で切り込んでくる華佗の夢を見ました。これは何の兆しでしょうか? 吉兆? 凶兆? わかりませんね。三国志では時折夢の話が出てきますが、それを信じるって結構すごいことですよね。昔の人の感性はすごいです。

 

では本文の方を。

伏線を張ってみたでござる。やっぱそういうのやりたいじゃないですか。まあ別に「ええっ!?」ってなるほどの物ではないので覚えてもさほど意味は無いです。「ふーん」とか「へー」とか「興味なし」が正しい反応です。その時が来るのは当分先ですが、「あーそんな話あったねー」程度になれば良いなって。

 

まあそっちよりも、主人公とねねとのやり取りを楽しんでくれればなーって思いますんでどうかひとつ。

あれですよ。抱いて寝たってやつですよ。他意はない!

こういう事があって理解が深まったんだなー、みたいな? そういう意図。他意はない!

 

では今回はここまでという事で。

 

今回の話はどうでしたでしょうか? 少しでも楽しんで頂けたら幸いです。

 

説明
そろそろ伏線でも張ってみようと思うんだ。
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コメント
>ヨヨ@内藤さん ありがとうございます!(二郎刀)
応援しています!がんばってください(ヨヨ@内藤)
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