十二支・幻想奇譚 ボカロ界からの脱出! 第9話 猿知恵対決と運試し |
(猿の部屋)
ガチャ
海斗一行は、猿の顔をかたどったような扉を開けて、猿の部屋に入っていった。
海斗:羊の館を越えてきたぞ! 早速対戦願う!
???達:難関を越えてきたようで、ご苦労様でした。では、対戦しましょうかね
ザッ!
いつものシミュレーションの升目の奥に、3人の女性が立っていた。
アン:私は猿の宝玉の守護者の一人目。名前はアン
ローラ:私は二人目のローラ
ミリアム:私が三人目のミリアムです
めぐみ:なるほど、今回は一人ずつとはいえ、まともな対戦ができそうピョンね
ミク:あ! めぐみさん、口調が戻ったミクね?
めぐみ:さっきの館は、取り乱す所だらけで、ピョン口調どころじゃなかったピョンからね
海斗:めぐみの言うとおり、一人ずつの対戦ってわけだね。升目もあるし、今度こそまともな対戦になりそうだ
アン:まず、私が対戦するのだが、前もって言って置くが、ここの3回の対戦は全部“まとも”ではないぞ
めぐみ:え゛゛゛・・・・また変なのピョンか?
ローラ:まともじゃない、というより、正確には、あなた方の“リアル知恵”を試す場所、という事です
ルカ:“リアル知恵”ですか??
ミリアム:この升目のフィールドは3人共に共通して使う場所です。宝玉を得る為の条件も同じく、移動もしなく攻撃もしない我々の目の前にたどり着ければOK
アン:但し、このフィールド、ちょっと仕掛けがしてあるんです
そういうと、まだ誰も踏み入れてない升目が乱雑にチカチカ点滅し、そして、数秒後に点滅は止まって、真っ黒の升目に変わった。
アン:この升目には“トラップ”が仕掛けられてます。踏んでしまうと、升目から弾かれて、元に戻され、行動を封じられます
ローラ:挑戦者はあなた達全員ですが、一人1チャレンジだけです。そして元に戻された仲間、私たちまでたどり着いた仲間はもう使えませんので、ご注意を
ミリアム:チャレンジ数ですが、規定数で、ストック制です。規定数以内にたどり着ければ、残りは次に持ち越せます。但し私たち3人の最後になればなるほど規定数が減ります。アンが3回分チャレンジ、ローラが2回分チャレンジ、私はたった1回分チャレンジだけです。勿論ですが、スタート地点の“X3Y5”、ゴールの“X3Y1”は必ずトラップ無しです
アン:それとこれは公平の為ですが、1回もトラップにかからない“道”が必ず用意されてます。つまり、こうです
X ○
Y12345
1 G
2
3
4
5 S
△
ローラ:でもこれだけでは単に“運”を試す場所になってしまいます。だから“知恵”を試すために、必ずヒントを差し上げます。頑張ってみて下さい
めぐみ:かなり条件の厳しい場所ピョンね・・・
ミク:ミク〜、出場順をちゃんと決めないと、すぐ詰みになっちゃうミクね
海斗:最後のミリアムに挑戦する俺やめぐみ、そしてヒントが解った人以外のメンツから、ヒント解読が苦手そうな人を優先して先に行って貰おう
アンだけが、ゴールの前に立ち、挑戦をスタートさせた。
アン:では、私のヒントです
「私の本名は、スゥイート・アン。“スゥイート(SWEET)“は”甘い“の意味です」
そう言ってから、自分が立っている“○”の位置の左右に1個ずつ石を置いた。
アン:では、頑張って下さい
ルカ:???
ハク:たぶん“甘い”が関係しているんだと思うけど…
めぐみ:“甘い”ピョンね・・・・・
テト:・・・・・・・━━━━(゚∀゚)━━━━!!
テトは持っていた紙切れに、鉛筆で升目を書くと、ひらめいた答えを描き始めた。
X ○
Y12345
石 石
1○○○○○
2 ○ ○
3 ○○○
4 ○ ○
5 ○○○
△
ネル:うわ! テト、あったまいい〜♪
めぐみ:なるほど、ヒントの“左右の石”を含めて、向きがこうなっている“甘”って漢字だったピョンか!
海斗:どうやらテトはヒント解読が得意みたいだから、最後まで取っておこう。他で誰か先に行ってくれる人は?
ネル:私が行くよ! こーゆーの苦手なんだよね
海斗:それではすまんけど、お願いするよ
ネル:いっきまーす!
こうしてネルはテトが解読した答えの最初の一歩を踏み出した。
X ア
Y12345
石 石
1○○G○○
2 ○ ○
3 ○○○
4 ○ ○
5 ●S○
海
ネル:・・・・やった! トラップがない! これは当たっていそうだぞ!
まさに解読結果は大正解だった。ネルはスキップしながら、升目を進み、アンの目の前までたどり着いた。アンはネルの手を取って、近くの椅子に座らせた。
ネル:これで1つ目クリアーだな?
アン:おめでとうございます。1回目でクリアーですから、ローラのチャレンジ回数は4回となります
こういうとアンは消え、次にローラがその場に現れた。
ローラ:では2回戦です。チャレンジ回数は4回。ヒントは、
「ローラはロクな事をしない」
ローラ:では、頑張って下さい
ルカ:随分短いヒントですね
海斗:スタートとゴールは必ず通り道だ。それがポイントだな
ハク:・・・・・整いました!!。
ハクも持っていた紙切れに、鉛筆で升目を書くと、ひらめいた答えを描き始めた。
X ロ
Y12345
1○○○○○
2○ ○
3○ ○
4○ ○
5○○○○○
海
海斗:なるほど! シンプルに“ローラ”の“ロ”なわけだな!
ハク:今回は私自らが行ってきます!
こうして、ハクは自ら、升目に入っていき、●の地点まで進んだ。
X ロ
Y12345
1○○○○○
2○ ●
3○ ○
4○ ○
5○○○○○
海
ハク:ほーら、大丈夫じゃn
バシュ!!!!!!!
ハク:な! なんで!!!!
ハクはアン達が言っていた“トラップ”にかかってしまった! 宙を舞った後、海斗達の方へ落ちてきて、手足を突然出現した錠前と鎖で施錠され、更に口を封じられてしまった!
ハク:ンー!!!! ンー!!!!
海斗達は正直冷や汗が出てきた。何もここまでやらなくてもいいのに・・・。
ローラ:はい、間違い。残り3回ですよ
海斗:う゛゛゛゛ ここは冷静に1から解読し直そう
めぐみ:“ロ”じゃないとしたら・・・“ラ”は1つの道にならないし、残りは、“ロクな事をしない”しか残ってないピョンね
ルカ:テトさん、なにか思いつきませんか?
テト:(-ω-;)
めぐみ:テトもだめピョンか・・・
海斗:・・・ちょっと待てよ・・それだけが“ヒント”じゃないぞ
海斗は同じく紙切れを取り出して、テトから鉛筆を借りて、同じように升目を書き出した。
X ロ
Y12345
1 ?○?
2 ?●
3 ○
4 ○
5 ○○○
海
海斗:スタートとゴール、そしてハクが歩いたルートでトラップじゃなかった●の手前までは確定、ゴール地点に入る手前の?は不確定、これだけは解っているんだ。つまりこういう形を断片に持つ“文字”が答えのはず。狭さから言って、1文字だな。あと、甘の文字から考えても、5×5の升目全体をつかっているはず・・・。
めぐみ:このルートで、残りのワード、“ロクな事をしない”ピョンか・・・
テト:( ̄へ ̄|||)・・・・・・・・・・・・━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
テトはまたもやキタようだった。別の紙切れに鉛筆でひらめいた答えを書いていった。
X ロ
Y12345
1○○○○○
2○
3○○○○○
4○ ○
5○○○○○
海
めぐみ:!!!! そっか!! “ロクな事をしない”の“ロク”って、“6”のことピョンか!!!
海斗:なるほど! テトさん! 君は最後のミリアムまでいてくれ! 頼みの綱だ!
テト:ヾ(*´∀`*)ノ゛
ルカ:では、私が行くことにします。後は頑張って下さい!
ルカは恐る恐る“6”の文字でゴールまでの一文字書きの部分を進んでいき、ゴールまでたどり着いたのだった。ルカはローラに、ネルが座っている所の横に案内された。
ルカ:これで2つ目クリアーですね?
ローラ:はい。おめでとうございます。2回目でクリアーですから、最後のミリアムのチャレンジ回数は3回となります
こういうとローラは消え、次に最後のミリアムがその場に現れた。
ミリアム:ではこれが最後です。私の所までたどり着けたら、猿の宝玉をお渡しします。チャレンジ回数は3回。ヒントは、
「度胸ある者は、道に迷わない」
ミリアム:これで最後です。頑張って下さい
ミク:ミク〜???? どういうことミク?
めぐみ:私もさっぱりピョン
テト:(´・ω・`)
海斗:頼みの綱のテトもお手上げか・・・・
レン:あの〜
リン:一応私たちもいるんですけど〜
海斗:あ! ごめん! なんか今回は、影が薄くて・・・。で、何か思いついた?
リン:全然
レン:ううう、今回は活躍できないです・・・
海斗:うーむ。チャレンジ回数は3回あるけど、トライ&エラーで、他の仲間をこれ以上、ハクさんみたいな状態にしたくないし・・・
めぐみ:“度胸ある者は、道に迷わない”ね〜。迷わないんだから、人生とかの“紆余曲折”とかない、って事ピョンよね〜
レン:男なら進むべき道は真っ直ぐ一本! みたいな感じですよね
リン:スポ魂アニメみたいね
海斗:“紆余曲折”とかない・・・・・。“真っ直ぐ一本”・・・・・・━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
テト:━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
海斗:おお! テトもか!
テト:(>▽<)ノ
めぐみ:な! なにピョンよ! いきなり!
海斗:テトも俺もひらめいた! 今度は自信がある! 俺、自らが行くことにする!
めぐみ:ちょ! 大丈夫ピョン!?
海斗:ああ。俺もテトも同じ答えのはず。俺は升目を進むから、他のメンツはテトに答えを教えて貰ってくれ
ミク:わかったミク
こうして、確信した海斗は、升目のスタート地点に立ち、真っ直ぐ目の前の升目に足をかけた。
めぐみ:ちょ! そんな安易に“真っ直ぐ“なんて!
テトは紙切れに答えを書いていた。
ミク:ミク〜、なるほどね〜。めぐみさん、大丈夫ミクよ
めぐみ:大丈夫って・・・。ああ! また真っ直ぐ!
レン:めぐみさん、それが答えですよ
めぐみ:え?
バッ!
テトは書いた答えの紙をめぐみに見せた。
X ミ
Y12345
1 ○
2 ○
3 ○
4 ○
5 ○
海
ミク:“迷わずに一本道を進む“、これが答えミク
めぐみ:そ、そんな、大胆な・・・
そう話しているうちに、海斗はミリアムの前、ゴールまでたどり着いた。
海斗:これでクリアーだろ?
ミリアム:はい。合格です。お疲れさまでした。はい、これ
海斗はミリアムから“猿の宝玉”を受け取った。そうすると瞬時に升目や備品が消え、ハクの拘束具も消えて、出口の扉だけが残った。一行はハクを助けて、全員でロビーまで戻った。
(ボカロ界ロビー)
海斗:これで残りは、酉(鳥)・戌(犬)・亥(猪)の3つだけだな
リン:おそらくこの中のどこかに、メイコさんがいるはずですね
レン:そうだね。“前の扉に戻る”って選択肢は、あの様子のままなら、ないはずだ。海斗さんが進む先の道で、復讐をするために待ちかまえているはず・・・
海斗:厳しいこと言うね・・・・
レン:あ! ごめんなさい!
海斗:事実だから大丈夫だ。俺も謝りたいからね。じゃあ、次の“鳥の扉”へ進もう!
こうして、一行は、ニワトリをかたどった扉を開けて、部屋の中に入っていった。
(鳥の部屋)
海斗:たのもー!! “猿の部屋”を越えてきたぞ! 相手をしてくれ!
そのとき、薄暗い部屋の奥に、女性と男性の姿が現れた。女性はメイコでは無かった。
女性の声:ようこそ、鳥の部屋へ。私はプリマ
男性の声:俺はトニオ
めぐみ:今回もちゃんと升目はあるピョンね。よかった
ミク:ミク〜? でも1×5の変な升目ミクよ?
海斗:時間もないから、単刀直入に言う、対戦方式は!?
プリマ:“運試し”です
トニオ:前にある升目を手で押すと、升目の中から“瓶”が出てきます。5つの中で美味しい飲み物が入っている“当たり“を引けば、合格となり、”苦い水“を引けば”はずれ“となり失格となる。全員試して、合格者だけが、次の”左右が一マスずつ増えた升目“に挑戦していき、最後の1/9の確率の難関を突破できた者が一人でも出たら、成功で、宝玉を渡そう
プリマ:9:00の守護者だから、最後は9なんですよ
トニオ:ちなみに“運に頼らない“と信念に誓っている人物がいることを考慮し、当たりの升目だけがシャッフルするとき点灯するので、そういう者は、いわゆる目で追いかける”目押し“を使って欲しい
海斗:上等だ。こちらもここまで来れた強運の持ち主達。こんなの難なく突破してやるぞ!
プリマ:いいでしょう。では、そちらの好きな方から、挑戦していって下さいな
海斗:みんな! 運組と目押し組に分かれよう。先に運組が挑戦し、点滅に目が慣れてから、目押し組が挑戦する!
ミク:ミクは運
ルカ:私も運ですね
リン:私は目押し。これでも龍の目を持ってるのよ?
レン:同じく目押し。理由も同じだよ
めぐみ:私も当然目押しピョン。理由は言わずもがなピョンよ
ハク:私は運かな。こういうの弱いから
ネル:私も運だ! こういうゲームは嫌いじゃないしね
テト:(>▽<)つ[運]
海斗:よし。俺は最後で、使うのは目押しだ。目で追えなくなったら、最終手段で“リアル運”を使う
こうして海斗達の挑戦が始まったのだった。
(挑戦1回目)
チカチカチカチカ・・・・
ミクがまず挑戦することにした。隣には目押し組がじっくりとパネルを見ていた。
ピタッ
点滅が止まると、当然だがランプは全部消える事になる。
プリマ:目押し組の方々、答えは言葉でも表情ででも教えてはダメですよ
めぐみ:う゛〜、答えが解っていて教えられないとは
リン:そうね。コレくらいならチョロいわね
トニオ:とにかく目押し組の方々は、ミクさんから離れて下さい
目押し組:へーい
目押し組はどうやら全員わかったようだった。でもルールの通り、ミクから離れることにした。
ミク:ミークー・・・・・、え〜い! これ!
ミクは真ん中のパネルを押した。すると、中から、無色透明の液体が入った瓶が出てきた。
ミク:どうやら飲まないと解らないミクね。えーい!
ゴクッ!
ミク:・・・・・甘くて美味しい!
プリマ:どうやら当たりですね。では、全員終わるまで、ちょっと待っていてください。
ミク:解ったミク
こうして、運組が次々と挑戦していった。
ルカ:・・・・美味しい!
ハク:・・・・美味しい! 良かった〜♪
ネル:・・・・美味しいぜ! ふふ〜ん♪
テト:(>▽<)つ[美味]
そして、目押し組が挑戦していった。
リン:お・い・し・い・! ふふふ。龍の目をなめたらいかんぜよ!
レン:美味いぜ! 理由はリンに同じ!
めぐみ:おいしゅうございましたピョン。楽勝楽勝!
海斗:・・・美味しい! 良かった、流れ的に、俺でオチを付けると思ったけど、助かった・・・
プリマ:ぜ・・・全員クリアー・・・
トニオ:プリマ、大丈夫だ。次は1/7。そうそうクリアー出来るもんじゃないし、点滅速度も上がるから目押し組もそろそろ限界のはず
プリマ:わ、わかった。では次のステージ、7個マスでやるわよ!
ゴーーーーーガタン!
升目が左右1個ずつ増えて、7個の升目になった。正解はこの中から1個だけ。それでも運組から挑戦していった。
チカチカチカ・・・
ミク:点滅が速いミク〜
ピタッ
めぐみ:なるほど、さっきの倍速ピョンか。でもまだまだ楽勝ピョン
ミク:これミク! ゴクッ・・・・・に・・・・・・にがいミク〜!!!!!!!
プリマ:はい、ミクさん失格、後ろで座っていて下さい
ミク:それよりネギジュースくださいミク!
トニオ:後ろに口直しのジュースが容易されているから、好きなの飲んで良いよ。俺達はそこまで鬼じゃないから
プリマ:というか、この苦い水、後ろのジュース飲まないと、耐えられない苦さだから。覚悟していて
ミクは猛スピードで後ろに走っていって、ネギジュースをゴクゴク飲んでいた。
ミク:はぁはぁ・・・皆さん、この苦い水・・・、半端ないミク・・・・
ルカ:ネ、ネギジュース愛飲家のミクさんが、ああいうんだから、相当ですね
めぐみ:ああ、気を付けよう
そして挑戦は続けられた。
ルカ:・・・・美味しい! た、助かったです・・・
ハク:・・・・に・・・・にがい!!!!!!!
ネル:・・・・お、美味しかった。良かった・・・
テト:(>▽<)つ[美味]
めぐみ:どうやら、運組の失格はミクとハクの二人ピョンね。じゃあ、目押し軍団! さっさとファイナルに行きましょう!
目押し組:おー!
こうして、目押し組の挑戦がスタートした。
リン:お・い・し・い・の! ふぅ〜! まだまだ龍の目は使えるみたいね
レン:・・・・・に、苦い・・・・。リンごめん! 瞬き(まばたき)しちゃった・・・・
めぐみ:美味しいピョンよ!
海斗:・・・美味しい! た、助かった・・・そろそろだと思ったけど、ファイナルまで行けた・・・
目押し組の脱落者はレンだけだった。
プリマ:まだまだいるわね
トニオ:大丈夫だ。次のファイナルは1/9。それに次は今の倍速じゃないし、それに・・・ふふふ
ゴーーーーーガタン!
升目が左右1個ずつ増えて、9個の升目になった。同じく、正解はこの中から1個だけ。まず運組から挑戦していった。
ビーーーーーーン!!!!
めぐみ:ちょ!!!!!! これ、前の倍速なんてレベルじゃないピョン!
海斗:1本のレーザーに見える・・・
ピタッ
めぐみ:そ、そういうオチピョンか。最後は目押しを使わず、“リアルラック”だけに頼れ・・・と
プリマ:ここはそういう場所って、確か言ったはずですよ?
トニオ:それにこれだけ速ければ、目で追えないから、本当にラックしか当てにならないしね
プリマ:さぁ、挑戦したした!
ルカ:え・・・えと・・・トエト・・・えと・・・・これっ!
ルカはとにかく運任せで、目の前の真ん中の瓶の中の液体を飲んでみた。
ルカ:・・・・・ミャオォォォ!!!!!
ルカは変身後の声が出てしまうほど苦かったらしく、口を押さえて、後ろのミク達がいるジュース置き場に駆け込んだ。
プリマ:はい、一人ダメ! はいはい、次々!
こうして目押し組、運組、関係なく、挑戦していった。
ネル:に・・・にが!!!!!!
テト:(×△×)つ[苦]
リン:・・・・・・にが! 龍の目でもさすがに追えない・・・
遂に二人だけになってしまった。
プリマ:はいはい、最後は参謀と主役の二人だけですね
めぐみも頑張ってみたのだが、さすがに目で追う事は出来なかった。
めぐみ:・・・・・・・・う!・・・・ごめん!
めぐみは後ろのジュース置き場に駆け込んでいってしまった。これで残るは海斗だけだ。
トニオ:さぁ〜さ、これで、主役だけになっちゃったね
海斗:(おかしい・・・いくら1/9とはいえ、“運”に頼って5人連続失敗は、出来過ぎている・・・)
トニオ:? どうした?
海斗:始めろよ
トニオ:そのつもりだ。では
カチッ
海斗:おおおおおおおおりゃあああああああああ!!!!!
ガゴーーーーン!!!!!!
プリマ:!!!!!!
トニオ:お・・・・おまえ、装置を・・・・・ぶっ壊して・・・・・
ガラガラガラ・・・ガタン
海斗:お前達、このファイナルだけ、イカサマしていたな。点滅がレーザーのようで目で追えない事を利用して、“当たり”の瓶を、一番右端の“更に右の消えている升目”1個に隠していた・・・。だからこの9個はどれを選んでも、“はずれ”。
機械は壊れていたため、シャッフルに見せかけた状態で途中で止まっていた。海斗は一番右端の更に1個右にある“うっすらと枠線が見える升目”まで移動し、パネルの扉を開けた。
トニオ:や・・・やめろ!
ガラガラ
海斗は有るはずのない“左から10個目”の瓶を取り出し、蓋を開けた。
海斗:ほらな。でもって・・・
ゴクッ
海斗:・・・美味しい。こういうわけだ
プリマ:ト、トニオ・・・これって・・・・
トニオ:ちっ・・・・ばれたら仕方ない。お前達の勝ちだ。ホレ! 鳥の宝玉だ!
トニオは宝玉を海斗の方へ放り投げ、海斗はしっかりとキャッチした。
海斗:これは当然だ。でもこれが終わりじゃない。お前はイカサマをした。その代償は別に払って貰う!
海斗は壊れた装置の別のパネルを押して、“はずれの瓶”を全部取り出し、トニオの前へ並べた。
海斗:どうやら相方は知らなかったようだから、お前が残り10本、全部飲め!
トニオ:そ・・・そんな・・・これ、もの凄くにg
海斗:の・め・!!!!!
トニオ:は・・・はい・・・
ゴクゴク・・・
トニオ:う゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛・・・・に゛が・・・・
海斗:残り9本!
こうして、本当にトニオに苦い水10本を全部飲ませた。
トニオはピクピクしながら気絶していた。
海斗:プリマさん、こいつの事は頼む
プリマ:は、はい・・・
こうして、口が治った海斗一行は、ロビーに戻って、次の“戌”の扉を目指したのだった。
(続く)
CAST
工藤海斗:KAITO
0:00の子の宝玉の守護者&案内天使・ミク:初音ミク
1:00の丑(牛)の宝玉の守護者・ルカ:巡音ルカ
2:00の寅(虎)の宝玉の守護者・メイコ:MEIKO
3:00のうさぎ(兎)の宝玉の守護者・めぐみ:GUMI
4:00の辰(龍)の宝玉の双子の守護者・リン:鏡音リン
4:00の辰(龍)の宝玉の双子の守護者・レン:鏡音レン
5:00の巳(蛇)の宝玉の守護者達・ハク:弱音ハク
5:00の巳(蛇)の宝玉の守護者達・ネル:亞北ネル
5:00の巳(蛇)の宝玉の守護者達・テト:重音テト
6:00の午(馬)の宝玉の守護者・学歩:神威がくぽ
7:00の未(羊)の宝玉の守護者達・従者・ユキ:歌愛ユキ
7:00の未(羊)の宝玉の守護者達・従者・テル:氷山キヨテル
7:00の未(羊)の宝玉の守護者達・主・ミキ:miki
8:00の申(猿)の宝玉の守護者達・アン:SWEET・ANN
8:00の申(猿)の宝玉の守護者達・ローラ:LOLA
8:00の申(猿)の宝玉の守護者達・ミリアム:MIRIAM
9:00の酉(鳥)の宝玉の守護者達・プリマ:Prima
9:00の酉(鳥)の宝玉の守護者達・トニオ:Tonio
その他:エキストラの皆さん
説明 | ||
○ボーカロイド小説シリーズ第11作目の” 十二支・幻想奇譚 ボカロ界からの脱出!“シリーズの第9話です。 ○私の小説シリーズでは、“KAITOにーさん”が初の“主役”を勝ち取った作品です。 ○内容は、まぁ、にーさんの代表曲のように、卑怯というか、何というか…。久々に脱出物です。 ○なにやら不思議な空間に飛ばされたKAITOにーさん、どうなるのでしょうか? ☆今回は戦闘ではなく、知恵比べと運試し(?)でした。 ☆進みの問題があるので、今回は、猿と鳥、2つを1つで書きました。すいませんです。 ☆運試しというか・・・・。 |
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