Starting from the leaves ruin 二話
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翌日、朝の日差しの眩しさに目を細めつつ、目を覚ますと、知らない天井が目に写った。

しばらく考えて、ここが僕の部屋だと思い直す。いきなり違う部屋に入って、今日からここに住むっていっても、実感がわかない……

体を起こしながら先を思いやる。昨日はすぐ寝たから部屋に何があるかわからなかったので、とりあえず部屋を見渡す。テーブル、クローゼット、ベッド、キッチン、冷蔵庫……生活するのに必要なものはある程度揃っているようだ。壁は白塗りで全体的にシンプルな造りになっている。まずクローゼットを開けてみる。制服のような服がある。ここにあるということはこれを着ろということなのだろう。服を取り、手短に着替えを済ませるとそろそろお腹がすいてきた。冷蔵庫を開け、適当に入ってあるもので朝食をとる。

食べ終わると、メモを手に部屋を出る。廊下も全体的に暗いイメージだ。照明も最低限しか使っていないのだろうか。窓もなく、どよんとした感じだ……

歩きながら、また、辺りを見回しつつ、メモの場所へ向かう。その間人一人にも会わなかった。部屋数も少ない…少し歩いたところにメモに書かれた着いたようだ。プレートには研究室と書かれていた

 

意を決して、ノックする

 

「すいません」

 

しばらく待つ……

 

「……あの」

 

……どうしようか。

しばらく考えていれば、

 

「ちょっと待っててねー」

 

女性の声がした。しばらくがさがさと物音がしたあと扉が開いた。

 

「ここに何か用?」

 

長い金髪の女の人だった。ストレートでさらさらとしていて、服は白衣だった。優しそうな雰囲気だ。まじまじと観察してしまい、ふと我に反り用件を言う。

 

「ええと、ここに行けって言われたので……」

 

「ふぅん……だれに?」

 

女の人は首をかしげてまじまじと僕を見る。その視線にどぎまぎとしつメモを渡し言葉を付け足す。

「この人にです」

 

 

メモをとると、しばらくメモを見て、僕に返すと

 

「うん、こっちきて」

 

と先に入っていく。

 

僕もそれに続き中へと入る。ここも全体的に白くてシンプルだ。違うのは部屋の広さと、奥に部屋がもうひとつあることだろう。部屋を見ているうちに、女の人はお茶を二人分いれつつ、なにか考えたのち

 

「名前は?」

 

と聞いてきた。名前は……当然まだわからない。しどろもどろに返す。

 

「僕、記憶がなくて……」

 

「記憶喪失?……ああ、なるほど」

 

しばらく考えたあと、何か思い付いたような顔をする。全くわからない僕か首を傾げると

 

「あ、私はソフィー。よろしく。まあ、しばらくお茶でも飲んでて。」

 

と自分も飲みつつ言う。誤魔化された気がするのは気のせいじゃないのだろう。

 

「あ、ありがとうございます。」

教えてくれる気配はないので諦めて会釈しつつ礼を言う。ここで自分は何をすればいいのだろうか……という疑問が浮かんできた。

 

「もうすぐ教授がくるから」

 

そんな僕の顔を見てか、付け足すように言う。教授……やっぱり研究者なのだろうか。おそらくこの人が助手で、その教授がなにかしているのだろう。

 

「教授とは?」

 

一応聞いて見ると、

 

「教授はね、んー……すごい人?」

 

……説明する気がないのか、面倒くさいだけなのか雑に説明された。曖昧に返事をすると

 

「会った方が早いから。まあ、しばらく待ってて」

 

と微笑みながら言う。まあ、実際そうなのだろう。しかし、何一つわからない場所で落ち着けと言うのも無茶な話だ。気まずい空気が漂い無意識に固い顔をしてしまう。

 

……早く来ないだろうか。

 

そんな沈黙に耐えていると、扉が開いた。入ってきたのは男性のようだ。やっとこの空気が終わると思えば嬉しかった。

 

「お帰りなさい教授」

 

ソフィーさんが出迎えに行く。教授と呼ばれた男性も

 

「ああ、ただいま」

 

と返事をするとこちらに目を向ける。僕は目が合うと何となく慌てつつ立ち上がる。

 

「こちらお客さん。冬木のところから。記憶喪失だって」

 

ソフィーさんがフォローに入ってくれる。男性は、なるほどというように頷くと

 

「ふむ。待たせてすまなかったね。私はアールス。教授でもなんでも、好きに呼んでくれて良い。よろしく頼むよ」

 

と言った。僕は返事の代わりに会釈する。

 

「さて、君には色々説明しないといけない。記憶喪失のことも、これからのことも……」

 

早速本題に入ろうとするが、ふと思い付いたように考えると口を開く。

 

「と、思ったんだが私は研究したいし、君も長話を聞くのは疲れるだろう。まとめて今度データを送るからそれで良いだろうか」

 

……要は面倒くさいだけなのか。僕は肩透かしを食らった気分だった。ソフィーさんはそれを聞いて

 

「駄目に決まってるでしょ」

 

とズバッと言いのけた。アールス教授は苦笑し、

 

「やっぱりそうかな……」

 

と首を傾げる。ソフィーさんが少し怒ったように話している。その間に僕は、……確かに長話を聞くのは面倒くさいしそっちの方がデータに残る方が一辺に覚えなくて済む。そう思い付いて慌てて

 

「あ、それで大丈夫ですよ」

 

と、止めに入る。それを聞いたアールス教授は、助かったというような顔で

 

「そうか。ありがとう。データは近々送るよ。その間にこの国の歴史でも読むならここにある本を借りていくと良い」

 

と、微笑みながら言う。僕は、礼を言うと、本を二、三冊借りていくことにして、部屋を後にする。自分の国の歴史くらい抑えて置かないと後々大変だろうし、気遣いに感謝しつつ、その日はもう遅かったので次の日から読もうと決め、部屋へと帰る。その間やはり人にはすれ違わなかった。先行きは不安だが、これからデータをもらえばマシになるだろう……そんなことを思いながら自室に帰り軽く食事を済ませると早くも眠りについた。

説明
二話目です。まあ、全然ストーリーは進んでいませんがよろしければ読んでくださると嬉しいです
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