IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode157 希望と言う名の可能性
(・・・う、うぅ・・・)
リインフォースは眩い日差しに照らされて目を覚ます。
(こ、ここは・・・)
その場から起き上がると、周囲を見る。
(・・・・)
そこはそよ風に靡く草原の丘の上で、リインフォースはその丘の上にあった木の根元にいた。
(私は・・・)
(ようやくお目覚めか)
(っ!隼人!?)
リインフォースはその声に反応してとっさに後ろに振り向くが、すぐに違うと言う事を知る。
(まさかお前がここに来るとはな・・・。久しぶりだな、リインフォース)
(お前は・・・)
そこに居たのは・・・確かに隼人であった。しかし隼人であって隼人ではない。もう一人の隼人・・・
(隼人の・・・闇)
(おうよ)
闇の隼人は右手を腰に置く。
(なぜお前がここに・・・)
(なぜってなぁ、そりゃここはあいつの中なんだからよ。俺が居てもおかしく無いだろ)
(あいつの中・・・?)
(お前覚えて無いのか?自分から突っ込んできておいて)
呆れ半分で闇の隼人が言うと――――
(っ!)
リインフォースはハッとしてやっと思い出す。
(じゃぁここは・・・隼人の意思の中か?)
(正確にはあいつの夢の中。即ち『アナザーワールド』って言ったところだろう)
(・・・もう一つの世界)
(そういうこった)
(・・・そうか。賭けは成功したのだな)
(無茶しやがる。下手すりゃお前は消えていたかもしれないぞ)
(そうだな・・・。だが、リスクを恐れては何も出来ないからな)
(まぁな)
(っ!そうだ!隼人は今どこにいるんだ!?)
リインフォースは闇の隼人に問い掛ける。
(言っておくが、ここにはいないぜ)
(じゃぁ・・・どこに?)
(・・・深層部だ。最も深い・・・隼人の心の中ではな)
(どうやったらそこに行けるのだ?)
(あいつを起こしに行こうたって言っても、無駄だぜ。やつに見つかって消滅させられるのオチだ)
(・・・・)
(どこから行こうにも、やつに見つかってしまう)
(ナハトヴァールに、か・・・)
(それに、あいつはもう・・・・・・)
(まだ決まったと言い切れるのか?隼人がもう戻ってこないと)
(そりゃ言い切れはしないが、状況が状況だ。俺の言っていた通りになっただろ)
(・・・・)
(まぁ少なくとも、正規的な方法じゃあいつの所に行けそうに無い)
(・・・その言い方だと、知っているのだな。ナハトヴァールに見つからずに隼人の元に行ける方法が!)
(あぁ。だが、少し大変だぜ。その方法は)
(構わんさ。隼人を救い出せるのなら、私は何所へでも行く。それが地獄でもな)
(地獄でも、か。本当にあいつはいい仲間を持ったもんだ)
(それより、どういった方法で行けるのだ!?)
(まぁあ落ち着け。今から簡潔に説明する。最もそうしないと時間が限られるけどな)
闇の隼人は一回呼吸を入れる。
(そもそも普通の方法ではあいつの意思を見つけるのは無理だ。何せここはあいつの世界だ。俺はともかくお前の様なよそ者じゃ尚更だ)
(・・・・)
(あいつに見つからずに何とかあいつの意思の所に辿り着ける方法は・・・時を伝っていくしかない)
(時を伝っていく、だと?)
(正確には過去から未来への時間軸上の記憶を通っていく事だ)
(どういう意味だ)
(つまり、あいつが最も今までで印象に残った思い出や記憶、出来事を見ながら伝って、一番新しい記憶に飛んでそこから隼人の意思が居る所に着くってわけだ)
(隼人の記憶を・・・?)
(お前にとっては耐え難いものも見る事になるだろうな)
(・・・・)
(だが、これしか無いぜ。それにあんまり時間は残されて無い)
(どういう事だ?)
(ナハトヴァールはどんどん隼人を侵食している。完全に喰われるも時間の問題だ)
(・・・・)
(すぐに行くぞ。ちゃっちゃと行ってあいつを叩き起こすぞ)
(待て。お前も行くのか?)
(誰がその道を知って道案内をすると思ってんだ?)
(それは・・・)
(それに、ナハトヴァールの野郎に自由されるとこっちも困るんでな。今回は協力してやる)
(・・・・・・感謝する)
(礼は全部が終わってからだ)
(そうしよう)
と、リインフォースはブラックウイングに変身しようとする。
(っ?)
しかし一向に変身できない。
(な、なぜだ?なぜ変身できない!?)
ブラックウイングに変身できないことにリインフォースは慌てふためく。
(ここはお前の世界じゃない。力の具現化がうまく出来ないんだろうな)
(そ、そんな・・・)
(まぁ、何とかはなる)
と、闇の隼人はリインフォースに手を向けると、構築を変更させる。
(・・・これは・・・)
リインフォースは格好が変わっていることに気付く。
黒で袖口に藍色のラインが入ったノースリーブに左側にスリットが入ったチャイナドレスの様なロングスカートを穿き、その上に縁に藍色のラインの入った黒いジャケットを羽織り、腰に腰布を付けていた
(まぁ我慢しな。それが精一杯だ)
(・・・・)
(それで最低限でも戦う事は出来るはずだ)
(最低限、か。十分だ)
(よし。じゃぁ、行こうか。隼人の過去観覧ツアーにな)
そうして闇の隼人とリインフォースはその場から飛んでいった。
「うぉぉぉぉぉぉ!!」
一夏はアロンダイトを振るい、ナハトヴァールは左手を前に出してフィールドで防ぐが、少し押される。
すぐに離れてアロンダイトを振るって光波を放つもナハトヴァールはフィールドで光波を弾く。
しかしすぐに一夏は左掌の銃口よりビームを放ち、ナハトヴァールに数発直撃させる。
『・・・・』
ナハトヴァールはエネルギー刃を飛ばすも、一夏はアロンダイトを振るって切り裂くと、光の翼より光の羽を飛ばして牽制する。
直後に背中左側のマウントラックよりユニットを展開して長い砲身にすると、そこから高出力ビームを放ってナハトヴァールに向かっていくも、ギリギリでかわす。
『・・・面白い』
ナハトヴァールは背中の右側のマウントラックより大剣を抜き放つと、刀身を伸ばして自身の背丈と同じぐらいの大剣にする。
すぐにそこから飛び出すと大剣を振るうが、一夏もアロンダイトを振るい刃を交える。
直後に一夏を押し返して大剣を振るうも、一夏はとっさにアロンダイトを上段構えにして受け止める。
『・・・我に剣を抜かせた人間はお前で二人目だな』
「そりゃそうかい!」
一夏はタイミングを見計らってナハトヴァールから離れると光の翼から光の羽を飛ばすも、ナハトヴァールは左手を振るって衝撃波を放ち光の羽を弾き飛ばす。
その直後に一夏はアロンダイトを振るうが、ナハトヴァールは大剣を素早く動かして刃を交える。
「くっ!」
一夏はとっさに振り被って素早く振るうが、ナハトヴァールは左手を前に出してフィールドで防ぐ。
直後に左掌よりビームを放つもナハトヴァールは左手のフィールドで防ぐも距離的にも威力が高く少し後ろに下がる。
とっさに左手に右肩の取っ手を手にしてビーム刃を出すと、勢いよく投擲するもナハトヴァールは身体をずらしてビームブーメランをかわす。
直後に一夏はすぐにアロンダイトを振るうが、ナハトヴァールは大剣を勢いよく振るい一夏を弾き飛ばす。
直後に飛び出して大剣を振り被る。
『・・・・っ』
するとナハトヴァールの背中にビームブーメランがぶつかって少し動き、その瞬間に一夏はアロンダイトを振るってナハトヴァールの胸部の発光部に切り付ける。
『っ・・・!』
ナハトヴァールは発光部を押さえて少し後ろに下がる。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
一夏は戻ってくるビームブーメランを左手でキャッチして元の位置に戻すと、アロンダイトを両手に持って構える。
『・・・やってくれるな』
ナハトヴァールは自身と同じぐらいの大きさの大剣を軽々と片手で振るう。
『・・・だが、不思議なものだ。我に剣を抜かせ、傷を負わせたのも、お前と同じ人間なのだからな』
一夏を見ると、大剣を肩に担ぐ。
『・・・数奇なものだ』
「・・・・」
『・・・そして・・・心躍る』
「そりゃそうかい。こっちだって同じだ」
そして背中の翼を羽ばたかせて飛び出して大剣を振るう。
「す、凄い」
バンシィはその戦闘を見て言葉を漏らす。
「ナハトヴァールとほぼ互角に戦えてる」
「いや、ナハトヴァールの方が押してる。一夏君は何とかそれに付いて行こうとしている」
ユニコーンはナハトヴァールと一夏の戦闘状況を一瞬で把握する。
「これで、ようやく追いつくかぐらいの瀬戸際・・・」
「だとしても――――」
ユニコーンはある違和感を覚えていた。
「どうしたの?」
「・・・こう言うのは変かもしれないけど・・・」
ユニコーンはインフィニティーを纏う一夏を見る。
「あれって・・・・・・本当に一夏君なのかな」
「え?」
ユニコーンの言った事にバンシィは一瞬目をぱちくりとする。
「動きの一つ一つを見ても・・・どこかが一夏君とは違うの」
「・・・・」
「白式が第三形態移行した時だって・・・何かが違っていた」
「どういう事・・・なの?」
「・・・まるで・・・別人みたいになってる」
ユニコーンは少し不安げに言う。
「・・・・」
「それか・・・何かに取り憑かれている様にも見える」
「誰かが・・・一夏を操ってる?」
バンシィは怪訝そうな表情を浮かべて問い返す。
「分からないけど、でも、今の一夏君は・・・どこか違う。それは確かだよ」
「・・・・」
「これがインフィニティーの覚醒による一時的な感情の高ぶりによる変化だといいんだけど」
「・・・・」
「そうじゃなければ・・・何が起こるか分からない」
ユニコーンの表情は不安の色があった。
「・・・・」
バンシィも少しその事に危機感を覚えていた。
「それより、本当に信じられないよ」
「う、うん」
それから二人はインフィニティーを見る。
「Gの力を全て新たに生成し、集結させたGモード。デスティニーの姿をしていると言っても・・・こんなのって・・・ありうるの?」
「私にもさっぱりだよ・・・」
バンシィもユニコーン同様若干混乱していた。
「・・・インフィニティーガンダム・・・無限大の力から生み出された・・・ガンダム」
「・・・・」
「でも、何であれだけの力を一夏君が・・・。特異点と言ってもここまでは・・・」
「・・・もしかして」
ユニコーンはある事が頭の中を過ぎる。
「何か分かったの?」
「私の推測だけど・・・・・・もしかしたら私達もに知られて無いもう一つの希望かもしれない」
「私達でも知って無い・・・希望?」
「・・・あの神はこうなる事を想定して、あの力を隠し、その時になったら発動するように仕組んでいたんじゃ・・・」
「でも、あの力は特異点じゃないと使いこなすどころか発動もしない。特異点の発生は神々でも知る事は出来ない」
「分かってる。でも、現に一夏君が特異点だったから、インフィニティーが誕生した」
「・・・・」
「あの神はインフィニティーを破壊の王のアンチプログラムとして用意していた・・・」
「破壊の王に対抗する為の力として・・・?」
「最後の切り札として・・・託されたんだ」
「・・・・」
「でも、これが偶然の産物なのか・・・・・・それとも意図的に用意されていたのかが分からない」
「あの神は一夏君が特異点だと分かっていた?」
「確証は無い。でも、そうじゃないとこんなにピッタリと起こるはずがない」
「・・・・」
「あの神にどんな考えがあったのかは私には分からない。けど――――」
ユニコーンはインフィニティーを見る。
「今は一夏君とインフィニティーに賭けるしかない」
「・・・・」
「もしリインフォースがナハトヴァールの中で行動を起こしているのなら・・・恐らく」
「・・・信じよう・・・彼女を」
「バンシィ・・・」
「それまでは、私達も諦めるわけには行かない」
「うん。そうだね」
二人は気を引き締め、ナハトヴァールに向かって飛んでいく。
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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