魔法少女リリカルなのは 四天王始めました
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翌日、レイン達が住んでいる家に訪れた、クロノ、フェイト、アリシア、プレシア、アルフが見たのは柩型の水晶に閉じ込められて眠っているリゼットの姿であった。

 

直ちにこの場所は管理局員達が調査に入ったが何の手がかりも得られずに調査が終わった。

 

「………………」

 

誰一人として言葉を発することなくアースラのブリッジを痛いほどの静寂が包み込む。

 

「…………レイン達……何処に行ったのかな?」

ポツリとそう呟くアリシアに誰一人として答えることが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………蒐集完了。さて、次の場所へ」

 

片手に一冊の本を持った人物がそう呟きながら移動する。その人物に付き従うように三人の人物が後から付いていく。

 

彼等の通った道のあとには魔力を蒐集された生物のみが残った。

 

 

 

 

 

 

「ここは何処だ?」

 

現在……レインこと俺は真っ暗な空間の中を漂っている。自分が立っているのか寝ているのか逆さになっているのか判断が着かない。

 

この様な場合はどうしたら良いのだろうか全く見当がつかない。それにしても俺をここに放り込んだ俺そっくりの人物? は何者なのだろうか……。

 

考えれば考えるほどあることをしか考えられない。俺の考えがあっていた場合…………最悪……正規の転生者出ない俺達は消滅する可能性がある。

 

まあ……いくら考えてもこの場所から外に出られないのであれば意味などないのだが……。ハァ。

 

「本当に進んでんだか進んでないんだか分からない」

 

俺は真っ暗な空間を泳ぐ様に進んでいく。内心、進んでいると信じたい。

 

 

 

 

 

 

テンションがドンドン下がっていくなか一人の人物を見つけた。

 

「おーい! 」

 

その人物に声を掛けながら近づいて行く。

 

「おーい! 無視しないで返事をして〜」

 

ある程度近くまで来るとその人物の性別などがはっきりと分かった。

 

その少女はウェーブがかった金髪で、服装は白系統で上はへそ出しルックスで袖の 長い上着を着ており、下は炎の模様の入った紫 色の袴のようなズボンを着ている。……ふぅ……脱出は絶望的なようだ。

 

いや、まて……諦めるな! まだ、希望はあるはずだ! ……多分。

 

「すいませ〜ん……あの〜聞こえてますか?」

 

返事がない。……仕方がないので少女の正面に移動する。すると何故返事がないのかが分かった。

「…………寝てる」

 

…………起こそう。この子には悪いけど起きてもらわないと俺が困る。なので少女の肩を掴み揺さぶる。

 

「おーい……起きてくれませんか?」

 

「………………ん」

 

ベシッ!と揺さぶる為に掴んでいた手を邪魔だと言わんばかりに叩かれた。

 

「………………ええい!起きんかぁぁぁぁ!!」

 

少女の頬っぺたを両手で掴み引っ張る。それでも起きないのでそのままグニグニと柔らかい頬を弄る。

 

「……むぅぅぅ……なんなんれふか?」

しばらくすると少女が目を覚ました。ようやく起きたか。

 

俺は少女の頬っぺたから両手を離してに話しかける。

 

「此処は何処なの?」

 

「此処はです…………ね………………って!? 何で此処にいるんですか!?」

 

いや、それは俺が聞きたいんだけど…………。

 

それから少女が落ち着くまで数十分の時間を要した。

 

 

 

 

 

「すいません……取り乱しました」

 

服の裾をギュッと握りながら恥ずかしそうに頬を赤く染めて視線を俯く少女。

 

「まあ、落ち着いてくれたなら良いんだけどさ。最初の質問に戻るけど此処は何処なの?」

 

「此処は闇の書の深部……管制人格すら存在を知らない場所です」

 

………………マジかよ。

 

「私からも聞きたいんですけど……どうやって此処に?」

 

不思議そうに訊いてくる少女に俺が此処にいる原因となった出来事を話した。

 

「……それでさ此処から出られる?」

 

これがもっとも大事な事だ。さすがに闇の書と共に葬られるのは勘弁してもらいたい。

 

「無理です」

 

即答だった。

「無理ですか」

 

「はい。無理です」

 

そうなると最終手段しかないか……でもあれは本当に最終手段だから使わないで欲しいから諦めるしかないか……。

 

「えっと……大丈夫ですか?」

 

「……ああ、うん、大丈夫。そう言えば名前を聞いて無いね」

 

「そうですね」

 

うっかりしてましたと苦笑する少女。

 

ここは言い出しっぺである俺から名乗るべきだろう。

 

「俺はレイン・ヴェルテール。よろしく」

 

俺は片手を差し出す。そうすると少女も片手を差し出して握手を交わす。

 

「私は砕け得ぬ闇又はシステムUーDと呼ばれる存在です」

 

そう名乗った少女は何処か寂しそうであった。

 

 

 

 

 

あれからユーとあれこれとお互いについて話し合った。因みにユーと言うのは彼女の渾名だ。UーDと言うのは名前っぽくないので勝手そう呼んでいる。

 

現在は外の様子を眺めている。俺は胡座をかきその上にユーを乗せている。何となくやってみたらサイズ的にユーは抱き心地が良かった。家にもって帰りたくなった。帰れないけど……。

 

初めは恥ずかしそうにしていたが慣れたのかリラックスして背を預けてくれている。人生何が起こるか分からないね……俺の場合は人生? なのか分からないが。

「何か殺風景な所ですね。辺り一面砂漠だなんて」

あ〜確かに殺風景だよね。見ていて楽しくないし。

 

「そうだね。俺としては家族がどうなっているかしか興味がないんだけどね」

 

「もっと世界に興味を持った方が良いですよ?」

 

「そう言ってもね……ユー……俺がどういう存在か話したでしょ」

 

「何て言うか信じがたい話ですけどね」

 

「そうだけどね……実際に初めて何だよ家族以外とこの様に付き合うのは」

 

本当に凄い勢いで仲良くなった俺達。リゼット達が知ったら驚くだろうな。

 

その事を思うと楽しくてしょうがない。

 

「どうしました? 楽しそうですけど」

 

「ちょっと今の現状を俺の事を知っている人達が見たらと考えたらね」

 

「そうですか……あっ! レインのそっくりさん出ましたよ! でも、何でこの人が闇の書を?」

 

確かにユーの言う通り何故そっくりさんが闇の書を持っているんだ? その疑問はすぐさま解決した。

 

そっくりさんを突然黒い靄が包み込む。その靄が晴れるとそこにいたのは湖の騎士シャマルだった。

 

「なるほど……こう言うことか」

 

恐らく、シアが戦った人物がシャマルに成り済ましているか操っているかのどちらかだろう。

 

それから少ししてシャマルの背後からクロノがデバイスを突きつけた。

 

変身なんて魔法でいくらでも出来る。フェレットになっていたユーノが良い例だ。

 

家族の姿を探すが影も形も無い。そうやっている間に仮面の男にクロノがぶっ飛ばされた。

 

「ドンマイ、クロノ」

 

「油断大敵ですね」

 

ユーの言う通りだ。それを言ったら俺なんか油断しすぎな気がするけど……。

「聞こえてないだろうけど頑張れよ〜クロノ……応援してあげるから……気が向いたら」

 

「そこはちゃんと応援してあげましょうよ」

 

クスクスと笑うユー。

 

「ハハハ……良いんだよこんなんで」

 

まあ、万が一にも此処から出ることが出来たらそっくりさんは全力をもって排除するつもりだ。それまでは此処でまったりと過ごさせてもらうよ。

 

「良くないわぁぁぁっ! 貴様ァ、誰の許しを得てUーDを抱き締めておる!! 即刻離さんかぁぁぁ! 」

 

「っ!!」

 

突然聞こえた怒鳴り声に辺りを見回すが誰の姿も見え無い。

 

「ディアーチェですか」

 

「えっ……知り合い?」

 

「はい」

 

ユーの知り合いね。

 

「王よ……落ち着いてください」

 

「そうだよ!王さま」

何か増えたぁぁぁぁ! 何これ姿が見えなくて声だけするってかなり不気味なんですけど……。

 

「シュテルとレヴィもですか」

 

全員知り合いですか。ユーの声も明るいし仲が良いのかな?

 

それにしても一気に愉快になったな。

 

「えっと……姿を見せて欲しいんだけと」

 

「誰が見せるかっ!!」

 

「すみませんが私達に決まった姿はありませんのでこのままで」

「うーん……とりあえずこんなので良い?」

 

三者とも別の答え、一人? は拒否、二人目は丁寧な拒絶、三人目はフェイトとアリシアにそっくりの姿で現れた。髪の色が水色で毛先が黒くなっている。一言で言うと2Pカラー。

 

「何でその姿?」

 

「今さっきこの姿のオリジナルが蒐集されたから丁度良いかなって!」

 

どうだ凄いだろ〜と胸を張るが、俺的には単純過ぎる理由に脱力感が半端無い。メッチャ適当じゃん!

 

「あ〜うん、凄いね」

 

「そうだろ〜」

 

適当に返したのに喜んでるよこの子……。ああ、理解したはこの子はアホなんだね。

 

「ユー……この子って」

 

「レイン……言わないであげてください。世の中には知らなくて良いこともあるんです」

 

皆……知ってんだね。

 

皆の優しさに涙が出てきそうだよ。愛されてるねアホの子は。

 

てか、時間が進むの早いな。いつの間にかフェイトが蒐集されてるし。

 

「いい加減UーDから離れんかぁぁ!」

 

「あ……ごめん。姿が見えないからすっかり忘れてたよ」

 

俺はそう言うと同時に見せつけるようにユーを抱き締める。

 

「ふ、ふふ……上等だ貴様! 我が直接消し炭にしてくれるわ!」

 

今度ははやての2Pカラーが現れた。髪は銀で毛先が黒くなっている。

 

そのままはやての2Pカラーが突撃してきたので尻尾を生やしてその頭を叩く。

「へぶぅ」

 

なんとも間抜けな声を上げて頭を両手で押さえる2Pカラーはやて。

 

「大丈夫ですか? ディアーチェ」

 

2Pカラーはやてはディアーチェって言うのね。

 

「大丈夫〜? 王さま」

 

2Pカラーフェイトがディアーチェに近づく。

 

「だ、大丈夫だ…問題ない」

 

「そう? でも、王さま涙目だよ」

 

「レ、レヴィ……そ、そんなことはないぞ」

 

2Pカラーフェイトはレヴィね。それにしてもディアーチェよ、俺から見ても涙目なのだが。そんな状態ではすぐに嘘だとバレるぞ。

 

「嘘をついてるのがバレバレですよ。それに彼を見てください笑ってますよ」

 

バレたか。しかも彼だって初めて言われたよ。初見で性別を当てるなんて……。

 

「き、貴様ァ……って……彼だと!? 何を言っているシュテルよ、あの服装からして女ではないのか」

 

ディアーチェは怒った表情で俺を睨んですぐに驚いた様子で虚空に視線を向けてそう言った。

 

「いえ……間違いなく男です。私が証明しましょう」

 

今度は魔王の2Pカラーが現れた。大きな違いはツインテールが無いことだ。この子がシュテルと。

 

「では、UーD……彼のスカートの中に手を突っ込んで股を触ってください」

 

………………確かにそれなら確実だろうけど完全なセクハラじゃね、間違いなく。ディアーチェも何を言っているんだコイツはて言うような表情で固まっているし、レヴィは疑問符を浮かべながら首を傾げている。

 

「失礼します」

 

ユーは俺が履いているスカートの中に恐る恐る手を

突っ込んだ。

 

まさか……こんなことが起こるとは…………強盗犯に尻を触れた時以上に摩訶不思議体験なんだけど。抵抗しないのかって? したらしたで面倒な展開になりそうだから抵抗しないことにした。だって……シュテルが食い入るように俺とユーを見てるんだもん。何か企んでそうでね……。

 

「………………………………っ!」

 

こういう場合はどうしたら良いのだろうか? …………とりあえず、お約束のセリフを言っておく。

「…………あ………………とりあえず……責任とってください」

 

顔を真っ赤に染めて口をパクパクさせるユー。

 

そして…………。

「…………男でした。シュテル……せ、責任って……何をすれば……」

 

ユーがシュテルに意見を求めるがそこにディアーチェが割って入る。

 

「シュ、シュテルーー!! UーDに何を触らせているのだぁぁぁぁぁ!!! それに、貴様も何故抵抗しない!!」

 

シュテルの襟首を掴みガクガクと揺すりながらディアーチェが俺に吼えた。

 

「あわわわわわわ……せ、責任って……」

 

顔を真っ赤に染めてパニクるユー。

 

「ねえねえ……何が問題なのさぁ〜〜」

 

何でこうなっているか理解できていないアホの子レヴィ。

 

そしてパニクるユーをに癒される俺と言う、何ともカオスな空間が発生した。

 

 

説明
A's編 2話 闇の深部にて
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リリカルなのは 魔法少女リリカルなのは CLYMORE武器、能力のみ 

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