ソードアート・オンライン 黒と紅の剣士 第四話 VSスリュム |
キリト視点
下り階段は、途中からその幅を増し、周囲の柱や彫刻といった装飾オブジェクトもより華美になっていった。
《ボス部屋に近づくとマップデータが重たくなる》というアインクラッド以来の伝統が、ここでも生きているというわけだ。
突き当たりには、二匹の狼が彫り込まれた分厚い氷の扉が立ちはだかっていた。
ここが《霜の巨人の王》のおわす玉座の間だろう。
周囲に妙なギミックがないことを確認し、それでも慎重に歩み寄る。
扉は俺たちが5m内に踏み込んだ途端、自動的に開き始めた。
開け放たれた扉の奥から、いっそうの冷気とともにいわく言い難い圧力が吹き寄せてくる。
アスナが全員に支援魔法を張り直し始めると、フレイヤもそれに参加し、全員のHPを大幅にブーストするという未知のバフを掛けてくれた。
HP/MPゲージの下に幾つものバフアイコンが並んだところで、全員でアイコンタクト。
頷き交し、一気に駆け込む。
内部は、横方向にも縦方向にも途方もなく巨大な空間となっていた。
壁や床はこれまでと同じ青い氷製で、同じく氷の燭台に、青紫色の炎が不気味に揺らぎ、遥か高い天井にも同色のシャンデリアが並ぶ。
しかし、おれたちの眼を真っ先に奪ったのは、左右の壁際から奥へと連なる、無数の眩い反射光だった。
黄金、金貨や装飾品、剣、盾、鎧、彫刻から家具まで、ありとあらゆる種類の黄金製オブジェクトが数えるのも不可能なほどの規模でうずたかく積み重なっている。
奥は、暗闇に沈んでいて、お宝の全貌は全く?めない。
リズベット「・・・総額、何ユルドだろ・・・」
この中でただ一人プレイヤーショップを経営するリズベットが呆然と呟いた。
しかし、俺とて、脳裏で「こんなことならストレージをスッカラカンにしてくるんだった!」と考えていたのだから人のことは言えない。
立ち尽くすパーティーの右側から、またも武士道に突き動かされたのか、クラインがフラリとお宝の山に数歩近づいた。
その時、俺の隣にいたデュオが背中の大剣に手をかけて身構えた。
デュオ「待てクライン!」
デュオの声に、クラインはビクリとして立ち止まる。
同時に、広間奥の暗がりから、声が聞こえてきた。
?「・・・子虫が飛んでおる。」
地面が震えるような重低音の呟きの後、ずしん、と床が震える。
?「ぶんぶん煩わしい羽音が聞こえるぞ。どれ、悪さをする前に、ひとつ潰してくれようか。」
今にも氷の床が砕けてしまいそうな重々しい震動が響き、やがて、ライティングが届く範囲に、ひとつの人影が出現した。
巨大などというものではない。
地上をうろつく人型邪神や、これまで戦ってきたボス邪神と比べても、明らかに倍以上でかい。
鉛のような鈍い青色の肌に、どんな武器でもはじき返しそうな隆々とした筋肉。
脚と腕には、いったいどれほどの獣から剥いだのかわからない、巨大な黒褐色の毛皮を巻き付け、腰回りにはパーツひとつがちょっとした小舟ほどもありそうな板金鎧を装備している。
逞しい胸には、これも青い髭が長く垂れ、その上に乗る頭は、シルエットに沈んで輪郭しか見えない。
しかし、額に乗る冠の黄金と、眼窩で瞬く寒々とした青が、闇の中で鮮やかに光っている。
?「ふっ、ふっ・・・アルヴヘイムの羽虫どもが、ウルズに唆されてこんなところまで潜り込んだか。どうだ、いと小さき者どもよ。あの女の居所を教えれば、この部屋の黄金を持てるだけ呉れてやるぞ。ンン?」
桁外れの体躯や額の王冠、そして今の台詞からして、こいつこそ《霜の巨人の王スリュム》であるのは最早間違いなかった。
ウルズやフレイヤと同じくAI化されているであろう大巨人に向かって、真っ先に言葉を返したのはクラインだった。
クライン「・・・へっ、武士は食わねど高笑いってなァ!オレ様がそんな安っぽい誘いにホイホイ引っかかって堪るかよォ!!」
背後で微妙にホッとした表情を作るに俺たちの眼前で、クラインの愛刀が鋭く鞘走った。
それを合図に、残るメンバーもおのおのの武器を手に取る。
((伝説級武器|レジェンダリー・ウェポン))はガッシュのグングニルだけだが、それ以外の武器も全て固有名付きの((古代級武器|エンシェント・ウェポン))か、マスタースミスであるリズベットが鍛えた会心の銘品、あるいはデュオによって再構築されたSAOの時代の武器である。
しかし、スリュムからすれば、ちょっと長めの爪楊枝程度でしかない。
暗い眼窩に瞬く燐光で、巨人は俺たちを遥か高みから睨め付けたあと、最後尾に立つ素手の美女に視線を止めた。
スリュム「・・・ほう、ほう。そこにおるのはフレイヤ殿ではないか。檻から出てきたということは、儂の花嫁となる決心がついたのかな、ンン?」
割れ鐘のような声に、クラインが半ば裏返った叫びを漏らす。
クライン「は、ハナヨメだぁ!?」
スリュム「そうとも。その娘は、我が嫁としてこの城に腰入れしたのよ。だが、宴の前の晩に、儂の宝物庫をかぎ回ろうとしたのでな。仕置きに氷の獄へ?いでおいたのだ、ふっ、ふっ。」
やや状況が複雑になってきたが、どうやらフレイヤは盗まれた一族の宝を取り戻すために、スリュムの花嫁になると偽って城に入り、夜中に宝物庫を探ろうとして捕らえられ、そして先ほどデュオが破壊した氷の檻に?がれていたという設定らしい。
だとすれば、戦闘中に襲われる可能性は極めて低いということになる。
しかし、今ひとつ筋書きがピンとこない。
キリト〈こんなことなら、仲間にした時もっと色々聞いておくんだった・・・いや、そんな時間はなかった。〉
あれこれ考えていると、左翼前衛を務めるリーファがくいくいと袖を引っ張って囁いた。
リーファ「ねえ、お兄ちゃん。あたし、なんか、本で読んだような・・・スリュムとフレイヤ・・・盗まれた宝・・・あれは、ええと、確か・・・」
デュオ「【雷槌ミョルニル】、アース神族の雷神【トール】が持つ最強のハンマーだ。」
リーファが記憶を再生し終える前に、横からデュオが言った。
だが、俺たちが反応するより早く、後ろで当のフレイヤさんが毅然と叫んだ。
フレイヤ「誰がお前の妻になど!!かくなる上は、剣士様たちと共にお前を倒し、奪われた物を取り戻すまで!」
スリュム「ぬっ、ふっ、ふっ、威勢の良いことよ。さすがは、その美貌と武勇を九界の果てまで轟かすフレイヤ殿。しかし、気高き花ほど手折る時は興深いというもの・・・子虫どもを捻り潰したあと、念入りに愛でてくれようぞ、ぬっふふふふ・・・」
巨大な手で髭を撫でながらスリュムが発した台詞は、これが本当に自動クエスト・ジェネレータが書いた脚本なのかと疑いたくなるほど、全年齢向けゲームで許されるギリギリの線まで攻め込んでいる。
周囲の女性陣が一様に顔をしかめ、クラインが左拳をプルプルと震わせる。
デュオとガッシュは何を言っているのかわからないといった感じで、眉をへの字にしている。
クライン「てっ、てっ、手前ェ!!させっかンな真似!!このクライン様が、フレイヤさんには指一本ふれさせねぇ!!」
スリュム「おうおう、ぶんぶんと羽音が聞こえるわい。どぅーれ、ヨツンヘイム全土が儂の物となる前祝に、まずは貴様らから平らげてくれようぞ・・・」
ずしん、と巨人の王が一歩踏み出した瞬間、俺の視界右上に、余りにも長大なHPゲージが表示された。
しかもそれが三段積み重なっている。
あれを削り切るのは大変な苦行だろう。
しかし、新アインクラッドのフロアボスたちは、プレイヤーの意気をくじくためかHPゲージすら見えないのだ。
奴らに比べれば、ペースが?めるぶんまだマシというものだ。
キリト「来るぞ!ユイの指示をよく聞いて、序盤はひたすら回避!」
俺が叫んだ直後、スリュムが大岩の如き右拳を天井近くまで高々と持ち上げ、青い霜の嵐をまとったそれを、猛然と振り下ろした。
スリュムヘイム城最後の戦いは、予想通り、ちょっと記憶が飛ぶほどの大激戦となった。
王スリュムの序盤攻撃パターンは、左右の拳によるパンチ撃ち下ろし、三連((踏み付け|ストンプ))、氷ブレス、そして床から氷のドワーフ兵を12体生み出すというものだった。
最も厄介なのはドワーフ生成だったが、ドワーフが出現した直後、シノンの放った矢が正確に弱点を射抜き、デュオが引き起こす爆発によって瞬時に消滅していった。
あとの攻撃は、タイミングさえ見切れば一応は完全回避が可能で、ユイに助けられつつもどうにか防御の形ができたが、問題は攻撃のほうだった。
怖れていたとおり、俺たちの剣はスリュムのスネにしか届かず、分厚い毛皮のレギンスに守られたそこは金ミノほどではないにせよ高い物理耐性を示した。
まるで、破壊不能オブジェクトを叩いているような、嫌な手応えをしている。
さらに魔法攻撃に対しても、かなりの耐性があるらしく、デュオやエルフィーが放ってくれる魔法攻撃でも大したダメージは与えられていない。
そんな戦況にあって大いに心強いのが、フレイヤさんの操る雷撃系攻撃魔法だった。
NPCゆえに連携は拙いが、時折降り注ぐ紫電は、スリュムのHPを確実に削り取っていく。
ようやく、最初のHPゲージが消え、巨人の王がひときわ強烈な咆哮を轟かせた。
キリト「パターン変わるぞ!注意!」
叫んだ隣で剣を構えるリーファの切迫した声が届いた。
リーファ「まずいよ、お兄ちゃん。もう、メダリオンの光が3つしか残ってない。多分あと15分ない。」
キリト「・・・」
スリュムのHPは残り2本。
しかし、1本削るのに10分以上かかってしまっている以上、15分で2本を削り切るのは相当困難といえる。
しかも、この相手には、金ミノの時のようなゴリ押しは通用しない。
物理魔法ともに弱点でない以上、たとえソードスキルを4回?げたとしても、大ダメージと言えるだけのゲージを奪うのは不可能だ。
キリト〈どうすればいいんだ・・・?〉
そんな俺の焦りを見透かしたように、スリュムが突然、両胸をふいごのように膨らませ、大量の空気を吸い込んだ。
強烈な風が巻き起こり、俺を含む、前衛、中衛の7人を引き寄せようとする。
キリト〈まずい!これはきっと、広範囲の全体攻撃が来る前触れだ。回避するには、風魔法で吸引力を中和しなければならない。〉
同じことを考えたらしいリーファが、左手をかざし、スペルの詠唱を開始する。
だが、おそらくは、敵のモーションを見た瞬間からでなければ間に合わない。
キリト「リーファ、みんな、防御態勢!!」
俺の声に、全員が身をかがめて防御態勢に入る。
しかし、デュオだけは防御態勢には入らず、代わりに愛剣を振り上げた。
デュオ「ファイヤーウォール!!」
叫ぶと同時に振り下ろされた剣は、その刀身から巨大な炎を吐き出した。
一瞬にして俺たちの前に炎の壁が完成し、同時にスリュムの口から放たれたダイヤモンドダストと激突する
オレンジ色の障壁は火の粉をまき散らしながら、青白く光る風を遮る。
キリト「・・・攻撃用意。」
デュオの障壁によって攻撃の回避に成功した俺は、すぐに態勢を立て直し、仲間たちに声を掛けた。
左右の剣を握り直し、カウントを始めようとした、その時――――――――
?「剣士様。」
不意に傍らから声がして、俺はぎょっと眼を向けた。
立っていたのは、アスナのそばにいると思っていた11人目のパーティーメンバー――――フレイヤだった。
AI化されたNPCは、不思議な金褐色の瞳で俺を見つめながら言った。
フレイヤ「このままでは、スリュムを倒すことは叶いません。望みはただ1つ、この部屋のどこかに埋もれているはずの、我が一族の秘宝だけです。あれを取り戻せば、私の真の力もまた蘇り、スリュムを退けられましょう。」
キリト「し、真の力・・・」
その言葉を聞いた時、俺はデュオの言葉を思い出した。
「【雷槌ミョルニル】、アース神族の雷神【トール】が持つ最強のハンマーだ。」
キリト〈デュオの言葉が正しければ、このNPCはもしかすると・・・って、そんなこと考えてる場合じゃない。〉
俺は一呼吸置いてから、決断した。
キリト「わかった。宝物ってどんなのだ」
NPCが認識できるギリギリの早口で、一応訊ねてみると、フレイヤは両手を30pほどの幅に広げて言った。
フレイヤ「このくらいの大きさの、金槌です。」
キリト「・・・」
どうやら、俺の予想は当たっているようだ。
俺は心の中で、クラインに合掌してから、状況を確認する。
エクストラアタックによって、スリュムの攻撃を防いでいるデュオのHPはすでにレッドゾーンに達している。
これ以上は、さすがのデュオでも耐えきれないだろう。
キリト「先に援護に行ってくれ!俺もすぐに合流する!」
クライン「おうともさ!」
刀使いは一声叫ぶと、雄叫びを上げながら駆け出した。
炎の壁が無くなると同時に、集団戦闘のサウンドエフェクトが聞こえ始める。
俺はぐるりと広大な玉座の間を見渡した。
青い氷の壁際には、黄金に輝くオブジェクト群がうずたかく積み上がっている。
あの中から、たった1つのトンカチを探し出せというのは、いくらなんでも難易度が高過ぎる。
キリト「・・・ユイ。」
すがるような気持ちで、頭上のピクシーに声を掛けたが、返ってきたのはふるふると首を横に動かす気配だった。
ユイ「だめです、パパ。マップデータには、キーアイテム位置の記述はありません。おそらく、部屋に入った時点でランダムに配置されるのだと思います。問題のアイテムを発見し、フレイヤさんに渡してみないとそれがキーかどうかの判定はできません!」
キリト「そうか・・・うう・・・〜ん・・・!」
俺は、耳から煙が出そうな勢いで脳みそを絞る。
しかし今度ばかりはいかなるアイデアも湧いてない。
万に一つの幸運を信じて、手近な宝の山から闇雲に掘り返そうとした時、彼方の戦場で奮闘するリーファが、一瞬こちらを見て叫んだ。
リーファ「お兄ちゃん!雷系のスキル使って!」
キリト「か、かみ・・・?」
一瞬唖然と眼を見開いていたが、しかし次の刹那、俺は右手の剣を振りかぶった。
初歩の幻惑魔法しか習得していない俺が、雷属性ダメージを生み出す唯一の手段。
それは、【ソードスキル】。
キリト「せああっ!!」
気合いに乗せて、思い切り床を蹴飛ばすと、空中で前方宙返り、同時に逆手に持ち替えた剣を、真下に向けて体ごと突き下ろす。
片手剣カテゴリーで数少ない重範囲攻撃、【ライトニング・フォール】だ。
乾いた雷鳴を轟かせて、剣は深々と床に突き刺さると、そこを中心に、青紫色のスパークが全方位へ疾走する。
俺は体を起こし、高速で一回転した後、視線で周囲のオブジェクト群を横薙ぎに見た。
キリト「・・・っ!!」
そして、見つけた。
黄金の山の奥深くで、雷撃に呼応するかのように短く瞬いた紫の光を。
歯を食いしばり、光を見た部屋の左隅へ猛ダッシュ。
スリュムの玉座であろう巨大な椅子を右に見ながら、宝の山にダイブし、さぞ高級であるだろうオブジェクトをかき分け、ちぎっては投げ捨てていく。
キリト「・・・これか!?」
数秒後、宝の山の中から姿を現した、宝石をちりばめた白金の頭を持つ、黄金製の小型槌に手を伸ばした。
握り、持ち上げた途端、恐ろしいほどの重さがずしりとアバターを沈ませる。
俺はそれを、気合いで持ち上げ、振り向くと叫んだ。
キリト「フレイヤさん、これを!」
そして、勢いのままオーバースローで遠投してしまってから、軽く焦る。
この行為でNPCアタックフラグが立ってしまっては目も当てられない。
幸い、なよやかな金髪美女は、すらりと細い右手をかざすと俺が投げた激重トンカチを見事に受け止めた。
しかし、直後、重量に耐えかねるように体を丸めてしまう。
キリト〈・・・え、もしかして違った?なんかマズイもの渡しちゃった?〉
再び焦る俺の耳が――――フレイヤさんの低い囁きを捉えた。
フレイヤ「・・・ぎる・・・」
ぱりっ、と空中に細いスパークが瞬く。
フレイヤ「・・・なぎる・・・みなぎるぞ・・・」
うら若き美貌の魔女にしては妙な、だが正体を知っていれば納得できる台詞を発するフレイヤさん。
その声は、今までの艶やかなハスキーボイスではなく、低くひび割れた嗄れ声。
スパークはいよいよ激しさを増していく。
ゴールデンブラウンの髪がふわりと浮き上がり、純白のドレスの裾が勢いよく翻る。
?「みな・・・ぎるうぅぅぉぉおおオオオオオオ――――――――!!」
3度目に迸ったその絶叫は、もう完全にかつてのフレイヤさんのものではなかった。
美女の真っ白い四肢と背中の筋肉が縄のように盛り上がり、同時に白いドレスが粉々に引きちぎれ、消滅した。
その瞬間、広間の後方で戦っていたクラインが突然振り向いた。
今や一糸まとわぬフレイヤさんの姿を見て、両眼が?き出される。
しかし続いて、顎ががくーんと落ちる。
まったく無理もない。
全身に雷光をまとったフレイヤさんが、みるみる巨大化していくのだから。
3m、5m、と大きくなり、まだまだ巨大化し続ける。
腕や脚は最早大木のように逞しく、胸板はスリュムをも上回るほど隆々盛り上がっている。
右手に握られた金槌もまた、持ち主に合わせてどこまでも大型化する。
あっという間にノームの重戦士ですら装備できないほどのサイズに達し、四方に激しい雷光を振り撒く。
そしてここで、クラインに最大最凶のショックを与える現象が起きた。
俯けられたまま顔の、ごつごつと逞しい頬と顎から、ばさりと金褐色の長い、長ーい――――おヒゲが。
クライン「オッ・・・オッサンじゃねえか!!」
そう、クラインの武士道を突き動かした囚われの美女は今や、四十代を下回ることはないであろうナイスミドルへと変貌していた。
巨大なおっさんは、広間中をびりびりと震わせる重低音の咆哮を放つと、彼方で動きを止めた王スリュムに向けて、いつの間にか分厚い革のブーツで包まれた右脚をずしりと踏み出した
俺はおそるおそる視線を動かし、視界左端、11個並ぶHP/MPゲージの一番下に刻み込まれた名前を確かめた。
つい数秒前まで【((Freya|フレイヤ))】と記されていたはずの文字列は、いつの間にかその形を変え、俺が予想していた通りの名前を示していた。
【((Thor|トール))】。
それが、俺たちの11人目の仲間の新たな名前だった。
オリジナル設定
ファイヤーウォール
説明
ブレードダスクのエクストラアタックのひとつ。
キーワードを声に出してから、剣を縦に大振りすることで発動可能。
剣を持ち上げると、解除される。
刀身から、巨大な火炎を迸らせ、それを壁にして防御する。
使用している間、継続ダメージを受け続ける代わりに、物理、魔法の両方の攻撃を防御できる。
特に魔法に対しては、絶対的な防御力を発揮する。
防御専用のため、攻撃判定が無くダメージを与えることはできない。
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大変お待たせいたしました。 | ||
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コメント | ||
魅沙祈さんへ デュオの武器は、相変わらずのチートスペックですからw(やぎすけ) 本郷 刃さんへ ご指摘ありがとうございます。すぐ修正しておきます。トールの話は、確かに有名ですね。北欧神話にそこまで詳しくない僕でも、知っていたくらいですからw(やぎすけ) トールキタ―――!それにしても、デュオのファイヤーウォールはすごいですね!さて、ボス撃滅まであと少し!(魅沙祈) この話しって北欧神話でもホントに有名な話しの1つですよねw フレイヤとトールのルビ振りが出来ていませんよ、縦線が半角になっていないみたいです。(本郷 刃) |
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