IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者?
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episode159 理性と本能

 

 

 

 

ナハトヴァールは大剣を勢いよく振るうと一夏が振るうアロンダイトと刃を交える。

 

「ぐぅ!!」

 

一夏は相手の力を利用して下がると、再度接近しながらアロンダイトを横に勢いよく振るうが、ナハトヴァールも片手で大剣を振るって刃を交える。

 

直後に一夏を押し返してエネルギー弾を周囲に出して飛ばすも、一夏は左手の甲よりリフレクターを張って弾いていく。

 

背中左側のマウントラックから左脇よりユニットを出し、砲身を伸ばして先端を展開し、高出力ビームを放ってくるも、一夏はとっさに横に飛んでかわし、そのまま一気に飛び出してアロンダイトを振るう。

 

しかしとっさに左手を前に出してフィールドで斬撃を受け止める。

 

『・・・ここまでよくやるものだ』

 

「・・・・」

 

一夏は何とか刃を通そうとスラスターを噴射して押していくが、ナハトヴァールはそれ以上の力で押し返す。

 

『・・・人間の執念か。それとも信頼か。どちらがこれほどの力を発揮させるのだろうな』

 

「くぅっ!」

 

一夏は一旦アロンダイトを振り被って一気に振り下ろすも、ナハトヴァールは身体を横にずらしてかわす。

 

『・・・だが、それで我を倒すことなど出来んぞ』

 

直後に右脚を振るい一夏を蹴り飛ばす。

 

「がっ!?」

 

それによって吹き飛ばされて体勢を崩し、ナハトヴァールは周囲にエネルギー刃を出して飛ばそうとする。

 

 

 

 

 

『・・・・』

 

するとエネルギー刃は連続で撃ち抜かれていき、とっさに砲撃元に向けて残ったエネルギー刃を飛ばすも、一瞬何かが横切ってエネルギー刃を切り裂く。

 

「勝負はこれからだよ」

 

と、一夏の前にユニコーンとバンシィが降り立つ。

 

 

「一夏君。私達が援護するから、何とか頑張って!」

 

「分かった!」

 

一夏はアロンダイトを両手で持ち、ユニコーンとバンシィは身構える。

 

 

(こう見ると操られているって感じは無いけど・・・)

 

(そうだね。でも何かが違うのは確かだけどね・・・)

 

と、一夏を見てユニコーンとバンシィは念話で話す。

 

(とにかく、今は様子見だね)

 

(うん・・・)

 

 

 

『・・・ならば、まとめて来るがいい』

 

ナハトヴァールは大剣を振るうと、一気に飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ここまで無事にこれたな)

 

(あぁ・・・)

 

そうしてリインフォースと闇隼人は記憶を進んでいき、遂に深層部前の記憶に辿り着く。

 

(この記憶の先に隼人が居るのか)

 

(あぁ。しかし、何だか恐ろしい物だ)

 

(なぜだ?)

 

リインフォースは怪訝そうに闇隼人に聞く

 

(妙にうまく進み過ぎている事にな)

 

(・・・・)

 

リインフォースも少し考える。

 

(向こうはただ単に気付いて無いのか、それとも観察をしているのか・・・・・・どっちだろうな)

 

(そういえば・・・確かに)

 

今の今までナハトヴァールによる妨害を受けてない。気付いているのなら排除しようとするはずだ・・・

 

 

 

(こうも無事に進められると逆に怖いな。まぁ無かったは無かったで楽なもんだがな)

 

(そうもうまくいくもんじゃないだろ)

 

(だな。あいつがそうであったように・・・)

 

そうして二人は記憶の中に入っていく。

 

 

 

 

 

 

 

(ここが一歩手前の記憶か)

 

(・・・・)

 

二人が中に入ると、そこは雪が降る中の破壊された街が広がっていた。

 

(ベルリンの時の戦場だと?だが、なぜ・・・)

 

吹雪が吹く中でデストロイと戦ったドイツ首都ベルリンであった。

 

(総司令部じゃなくここって事は、それなりにここの方が記憶としても最も刻まれたって事だろう)

 

(・・・・)

 

(それとも、何らかの理由があるか・・・)

 

と、周囲を見渡していると・・・

 

 

 

 

((っ!))

 

二人はとっさに左右に散って跳ぶと飛んでくる光波をかわす。

 

(やっぱり事がうまく進んだ例は無いな・・・)

 

(全くだ)

 

そのまま地面に着地して砲撃元を見る。

 

そこには二体の機影が上空に浮かんでいた。

 

 

 

一体は漆黒の装甲を持ち、各所に水色を持っており、背中に悪魔の翼の様なクロークを持ち、右手には水色に輝く大鎌の様に反った刃を持つビームサイスを持っており、その姿はガンダムであるが、どちらかと言えば死神とも言える姿だった。

 

もう一体は暗い赤や黒、紫などのカラーリングをしており、胸部に紫に発光するコアを持ち、背中には有機物的な感じの形状が二つずつ異なる翼を四つ持ち、両手にはバスターライフルと同形状のライフルを持っていた。形状的にはツヴァイのホワイトウイングとほぼ同じであった。

 

(あれは一体・・・)

 

リインフォースは身構えて臨戦態勢を取る。

 

 

 

(こいつは・・・予想外の連中に襲われたもんだ)

 

闇隼人は白いバンシィを展開する。

 

以前と異なって、背中にアームドアーマーXCとアームドアーマーDEを搭載したシールドが追加されていた。

 

(ナハトヴァールの差し金か?)

 

(いいや。あいつの差し金じゃない)

 

(何だと?)

 

リインフォースは驚いて闇の隼人を見る。

 

(あれは・・・・・・あいつの『理性(ルナ)』と『本能(コロナ)』だ)

 

(隼人の理性に・・・本能・・・?)

 

リインフォースはすぐに宙に浮いている二体を見る。

 

(黒い方が本能で、赤黒いの方が理性だ)

 

(・・・・)

 

(あいつらには別の名はあるんだが、まぁ今はいいだろう)

 

闇隼人は左腕のアームドアーマーBSを展開する。

 

(だが、なんであいつらが襲ってきたんだ。それ以前にやつらがここに居るはずが・・・)

 

(本当ならあれはここにいないのか)

 

(あれはあいつの理性と本能だ。普通は記憶の中に現れることは無いが・・・)

 

(・・・ナハトヴァールによって狂わされているというのか)

 

(恐らくな。だが、あいつらの強さはお墨付きだ。このままだと記憶を破壊されかねない。あいつらを止めるぞ)

 

(止めれるのか?)

 

(何とかあいつらを説得できればいいんだが、聞くような連中でも無い。特に本能はな) 

 

(理性は聞くのか)

 

(話は通じる相手だが、今がどうなっているか分からん。どっちにしろ向こうから仕掛けてきたんだ。話が通じそうに無い)

 

(・・・目的地が目の前にあると言うのに・・・)

 

(まぁな。だが、今は目の前の現実を直視しろ)

 

(・・・・)

 

 

 

 

 

 

(祝福の風と・・・闇の方のマスター・・・ですか)

 

理性はリインフォースと闇隼人を見る。

 

(意外な来客だね、シュテルん。まぁでも、僕達の目の前に現れたのが運の尽きさ)

 

と、本能は手にしているビームサイスを肩に担ぐ。

 

(そんじゃぁ、行こうか)

 

(えぇ)

 

そうして二体は二人に向かって行く。

 

 

 

 

 

 

 

(来るぞ!)

 

(っ!)

 

二人は左右に散ると、一気に飛び出す。

 

リインフォースの方に理性がやって来て右手のバスターライフルを放ってくる。

 

(っ!)

 

飛んでくるビームをかわすと、何とか最低限発現させた黒い翼より赤い羽根を飛ばすも、理性は素早く動いてかわす。

 

(やはり動きづらい・・・!)

 

いつもより重い感じがしてリインフォースはかわすのに精一杯だった。

 

理性はバスターライフル二門を連結して左手に持つと、右手にビームサーベルを抜き放って飛び出して来る。

 

リインフォースはとっさに右手にビームサーベルを展開してビーム刃を出すと理性が振るうと同時に振るい、刃を交える。

 

直後に両者は弾かれるように離れ、すぐに飛び出して同時にビームサーベルを振るい刃を交える。

 

(お前が隼人の理性か!)

 

(いかにも。私は理性を司る者・・・・・・『星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)』」

 

(それがお前の名か)

 

(えぇ。マスターの身に何が起きているのは分かっています)

 

(ならば、話は早い。すぐに私達を進ませてくれ。一刻も早くナハトヴァールから隼人を救わなければ!)

 

 

 

 

(・・・それは・・・出来ない相談ですね)

 

(なに?)

 

星光の殲滅者はリインフォースを押し返すと、周囲に炎を纏った球体状のエネルギー弾を放ってくる。

 

(なぜだ!?隼人の理性ならば分かるはずだ!)

 

とっさに飛んでくるエネルギー弾をかわしていくが、星光の殲滅者は左手のツインバスターライフルを放つもリインフォースは一気に横に飛んでかわす。

 

(だからこそです。結果を分かっていて尚あなたはここに来た)

 

(・・・・)

 

(それが何を意味しているかも・・・)

 

ツインアイを細めて星光の殲滅者はリインフォースを見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(どりゃぁぁぁぁぁぁ!!)

 

本能はビームサイスを勢いよく振るうも、闇隼人は右腕のビームトンファーを展開してとっさに振るい、刃を交える。

 

闇隼人は相手の力を利用して離れると、スラスターを噴射して飛び出し、ビームトンファーを振るうが本能はビームサイスを振るい刃を交える。

 

(・・・っ!)

 

馬鹿力に押されそうになるも、闇隼人はうまく横に受け流して左腕のアームドアーマーBSを放つが、本能は左手を前に出してフィールドで弾く。

 

(なぜ俺達を襲撃する!・・・『雷刃の襲撃者(レヴィ・ザ・スラッシャー)』!)

 

闇隼人は右腕のアームドアーマーVNを突き出すも雷刃の襲撃者は後ろに飛んでかわすとビームサイスを両手に持つ。

 

(決まってるじゃん!マスターから侵入者を守る為だよ!)

 

そのまま勢いよくビームサイスを振るい高速回転する光波を闇隼人に向けて放つも、とっさに飛び上がって光波をかわす。

 

しかし直後に雷刃の襲撃者は飛び出すと闇隼人にビームサイスを振るってくるが、右腕のアームドアーマーVNを前に出して斬撃を受け止める。

 

闇隼人はすぐに蹴り飛ばして後ろに下がる。

 

(侵入者だと!?リインフォースはまだしも、俺を侵入者として見るのか!?)

 

(今は誰でも侵入者として見るよ!)

 

雷刃の襲撃者はその場から飛び出してビームサイスを振り下ろすも、アームドアーマーVNを前に出して斬撃を受け止める。

 

(ちっ!)

 

馬鹿力に押されそうになるも、何とか踏ん張る。

 

(マスターの所に行って何をするか分からないからね!)

 

そのまま馬鹿力で押し飛ばすと周囲に槍状の水色のエネルギー刃を出して飛ばすも、闇隼人はとっさに体勢を立て直して左腕のアームドアーマーBSを放ってエネルギー刃を撃ち落す。

 

(俺達はただあいつを起こしに行くだけだ!それ以外何もしやしない!)

 

(そんなの、信じられないね!)

 

雷刃の襲撃者は一気に飛び出してビームサイスを振るうも、闇隼人は右腕のビームトンファーを展開して斬撃を受け止める。

 

(本能でも分かるだろ!今の状況がどうなっているかぐらい!)

 

(知ってるよ。今僕のマスターの身に起きている事は)

 

(何?)

 

(それでも、ここから先に通すわけには行かないよ!)

 

そのまま馬鹿力で闇隼人を押していく。

 

(何が起きている・・・!理性と言い本能と言い・・・ナハトヴァールは一体何をしやがった・・・!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(どういう事だ・・・)

 

リインフォースは星光の殲滅者に問う。

 

(あなたはマスターを起こそうと深層部に向かっている)

 

(それをさっきから言っているだろ)

 

(ですが、あなたは答えを分かっていて、尚且つ深層部へと向かっている。それが何を意味しているかも分かって)

 

(それは絶対の答えじゃない。この世に絶対など無いのだ)

 

(しかし、私の計算では、ほぼゼロに等しい確率です。それでもあなたは違うと言い切れるのですか)

 

(・・・あぁ)

 

(なぜ?)

 

疑問味を帯びた声で星光の殲滅者はリインフォースに聞き返す。

 

(決まっている。どれだけ可能性が低くても、例えゼロに等しくても、僅かでも可能性が残っているのなら、私はそれに賭ける!)

 

ビームサーベルの先端を星光の殲滅者に向ける。

 

(愚かな。あまりにも非論理的な行為です。例えて言うならば五万分の一の確率。ハッキリ言ってゼロと言ってもいい)

 

(・・・・)

 

(マスターのユニゾンISであるあなたが・・・それほど愚かだったとは・・・)

 

(・・・かもしれんな)

 

(・・・?)

 

リインフォースは鼻で笑う。

 

(私はユニゾンIS・・・リインフォース・アインス。人間とは違う)

 

(・・・・)

 

(だが、機械とも違う。心のある・・・生体ユニットとも言えるか)

 

(何を言って・・・)

 

 

(だからこそだ。例え偽りの命を持った人形でも、守って、救いたい人はいる・・・)

 

(・・・・)

 

(そして・・・敬愛する者もいる)

 

(・・・・)

 

(・・・心から・・・愛している者も、な)

 

リインフォースはビームサーベルを振るって星光の殲滅者に向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(あいつ・・・・・・色々と吹っ切れたようだな)

 

一部を聞いていた闇隼人は雷刃の襲撃者を押し返す。

 

(いい変化だ・・・)

 

(何の事?)

 

(別に知らなくていいさ)

 

闇隼人は左腕のアームドアーマーBSよりビームを照射するが、雷刃の襲撃者は横に飛んでかわすとビームサイスを振るい光波を放つ。

 

光波を飛んでかわすと背中のアームドアーマーDEのビームキャノンを放つもクロークでビームを弾く。

 

直後に飛び出すと右腕のビームトンファーを振るうも、雷刃の襲撃者はとっさに後ろに下がってかわすと、ビームサイスを振るい光波を放つ。

 

闇隼人は左腕のビームトンファーを展開して一気に出力を上げて振り上げ、光波を切り裂く。

 

その直後に闇隼人は一気に飛び出し、右腕のアームドアーマーVNを勢いよく突き出して雷刃の襲撃者を殴りつける。

 

(ぐっ!)

 

勢いよく吹き飛ばされるも、何とか地面に踏ん張って止まる。

 

(っ!?)

 

しかし闇隼人は一瞬で雷刃の襲撃者の懐に入り右腕のアームドアーマーVNを突き出して腹部を殴りつける。

 

(あ、ぐぅ・・・)

 

そのまま地面に膝を着いて座り込む。

 

(俺も強くなっているんだよ。少なくともあの時よりな)

 

(・・・・)

 

闇隼人は左腕のアームドアーマーBSを雷刃の襲撃者に向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(はぁぁぁぁぁぁぁ!!)

 

リインフォースはビームサーベルを振るうと、星光の殲滅者は右手のビームサーベルで斬撃を受け止める。

 

すぐにリインフォースを押し返して左手のツインバスターライフルを放つも、とっさにかわすと背中の翼より赤い羽根を飛ばす。

 

星光の殲滅者は周囲にエネルギー弾を出して放ち、赤い羽根を撃ち落す。

 

更に赤い羽根を飛ばすも、星光の殲滅者はツインバスターライフルを放ち、赤い羽根を焼滅させた。

 

直後にリインフォースは一気に飛び出してビームサーベルを振るうも星光の殲滅者は後ろに飛んで斬撃をかわす。

 

その瞬間に飛び出して距離を縮め、星光の殲滅者を蹴る。

 

(・・・っ!)

 

星光の殲滅者は吹き飛ばされるも背中の翼を広げて急停止する。

 

 

 

(心を持つ・・・ですか)

 

星光の殲滅者はボソッと呟く。

 

(そこまで変わっていたのですね・・・)

 

(理性のお前なら分かるはずだ)

 

(・・・・)

 

(・・・どちらにせよ、隼人が死ぬことになれば、お前達だって消滅するのだぞ!)

 

(・・・マスターと私と本能は・・・一心同体。死ぬ時は一緒です)

 

(それでいいのか)

 

(・・・・)

 

(本当に・・・お前はそれでいいのか)

 

(良いも悪いも、それは私達が決める事ではありません)

 

(そうか・・・)

 

(しかし、マスターを死なせるわけにもいきません。それも私達の役目なのですから)

 

(ならばどうする・・・)

 

 

 

 

(・・・あなたなら出来ると言うのですか)

 

(・・・・)

 

(マスターを救う事が・・・)

 

(事に絶対は無い。だが、救ってみせる)

 

リインフォースは決意を瞳に秘めて星光の殲滅者を見る。

 

(・・・・)

 

(隼人が私を救ってくれたように・・・私も隼人を救ってみせる)

 

(そうですか・・・)

 

星光の殲滅者は向けていたツインバスターライフルを下ろす。

 

 

 

 

 

(ならば、あなたに一任しましょう)

 

(・・・・)

 

(結果はどうであれ、私達は何も言いません)

 

(分かった)

 

(・・・吉報をお待ちしておりましょう・・・祝福の風)

 

(・・・・)

 

 

 

 

(レヴィ。二人をご案内しましょう)

 

(いいの?侵入者なのに?)

 

(特別です。マスターを救うのが本当になし得るかまでは分かりませんが・・・今は二人に賭けてみましょう)

 

(ふーん。まぁシュテルんがそう言うならいいけど)

 

 

 

 

 

 

(話を分かってくれて助かったぜ)

 

そうして雷刃の襲撃者と闇隼人が合流する。

 

(それで、どうやったらそこに行けるのだ?)

 

(今から私とレヴィでそこに送りましょう。後は二人にお任せします)

 

(分かった)

 

(言っておくけど、シュテルんが一任したんだから、絶対にマスターを救うんだぞ)

 

(約束は出来ない。絶対と言う保障などないのだからな)

 

(・・・・)

 

(だが、ベストを尽くす)

 

(そう言うこった。時間も残されて無い。すぐに頼む)

 

(分かりました)

 

(うん)

 

そうして星光の殲滅者と雷刃の襲撃者は両手を二人に向けると、光を放って二人を包み込む。

 

 

 

 

(成功を祈りましょう・・・)

 

(・・・・)

 

(では、行きます)

 

そして二人を包んだ光が更に輝きを増すと、光が晴れた時には二人の姿は無かった。

 

 

 

 

 

(本当にマスターを救えるのかな)

 

(今は二人に委ねるしか無いでしょう。マスターの感情である私達にはどうすることも出来ないのですから)

 

(そっか。でも、どうしてなのかな、シュテルん)

 

(何でしょうか)

 

(どうしてクロハネと闇マスターを行かせたの?失敗したらどうなるかも分からないのに・・・)

 

 

 

(さぁ・・・どうしてでしょうね)

 

(・・・?)

 

雷刃の襲撃者は首を傾げるが、星光の殲滅者は空を見上げる。

 

(二人でしたら可能だと・・・・・・そう思ったので・・・)

 

(ふーん・・・)

 

そうして二人はそこから姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(・・・・)

 

隼人はゆっくりと目を覚ます。

 

そこは何も無い・・・黒い無の空間だった。

その空間の中を隼人は横になって浮いていた。

 

 

(ここは・・・どこだ?・・・・・・俺は・・・死んだのか・・・)

 

まるで死んだ魚の目の様に瞳に光が灯されて無い虚ろな目で周囲を見る。

 

(・・・いや、そうじゃなかったな)

 

全てを思い出すと、深くゆっくりと息を吐く。

 

(・・・俺は・・・また守れなかった・・・)

 

拳を握り締めて、首を横に向け目を細め思い出す。

 

(・・・鈴が死んで・・・頭の中が真っ白になって、その後は自分でも何をやったのか分からず、気付けば両手が血まみれになって、足元に肉塊や血で埋め尽くされていた・・・その後の事は全く覚えて無い・・・)

 

そのまま拳を握り締める。

 

(結局・・・俺は何も・・・変わらなかった。・・・一人の仲間すら守れないんじゃ・・・何の為の力だ・・・俺は何の為に・・・ここまで・・・)

 

悔やんでも過ぎた事だ・・・。だからこそ隼人は歯痒かった。

 

(・・・俺は・・・俺は・・・もう生きる意味なんか・・・)

 

 

 

 

 

 

 

(それで良いのか)

 

(・・・・?)

 

すると頭の中に声がする。

 

(お前自身は・・・それでいいのか)

 

(・・・・)

 

すると隼人の目の前に、一人の女性が姿を現す。

 

(・・・お前か)

 

それは以前隼人が本来の力を発動させる際に意識の中で出会った黒と金のカラーリングの甲冑を纏った女性・・・・・・ノルンであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!
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ユニコーン ガンダム バンシィ インフィニット・ストラトス IS 

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