バカとテストと召喚獣 五つの鎧を持つもの 第十話
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 Aクラス戦との時間が過ぎてもう時期は『清涼祭』。他のクラスは自分達の出し物の準備に明け暮れていた。そんな一方Fクラス教室には鋼牙、姫路、美波しかいなかった。教室は鋼牙がカヲルに現状報告したためまともになった。が、その作業をしたのは鋼牙のツテがある業者である。

「アイツラヤル気アンノカ?」

「Fクラスというだけあってやる気は最初からないと思ったがここまでとはな。」

「で、どうするんですか?鋼牙君。」

「とりあえず今の状況を整理しよう。まず清涼祭までの時間が少ないことだ。あまり手の混んだ者は出来ない。二人はどんなものがいい?」

「そういわれましても・・・・・」

「あたしたちに思いつくのならとっくに作業を始めているわよ。」

 二人の言うことは正論だ。二人がそのことを考えているのならもう行動に移してもおかしくないな。

「オイ、鋼牙。」

「何だザルバ?」

「中華喫茶ッテノハドウダ?足リナイ分ハゴンザニ言エバココニ運ンデモラエル。」

「中華喫茶か・・・・・二人ともそれでもいいか?」

「私はいいですよ。」

「うちも。でも衣装はどうするの?」

「土屋に頼むか。確か裁縫が出来るはずだ。」

 そんな時西村先生が教室に入ってきた。

「おい、お前たち。出し物は決まっ・・・・・・あいつらは何処だ冴島!」

「他のやつらならあそこです。」

 鋼牙はグラウンドで野球をしているFクラス男子全員を指す。

「そうか。ちょっと待っている。」

「あ!西村先生。」

「なんだ?」

「翼から手紙が来て清涼祭の日に顔を出すそうです。」

「そのことは学園長には言ったのか?」

「いえ、まだです。」

「そうか。しかしあいつの顔を見るのは久しいな。では俺はあいつらを少し指導してくる。」

 そう言って西村先生は教室を出て行った。

 数分後に男子達の悲鳴が学園中に響き渡った。

 

「というわけで女子からの提案により中華喫茶に決定した。それとこれは朗報だが稼いだ金は教室の整備向上に使えるそうだ。」

 その言葉にFクラスは活気に溢れる。

「土屋、お前に一つ頼みがある。」

「・・・・・なんだ?」

「姫路達の服を作って欲しい。必要なものがあるのならこっちで用意する。」

「・・・・わかった。」

「よし。じゃあ鋼牙の提案道理中華喫茶をするぞ。この中で料理が出来る奴はいるか?」

「わ、わたしが・・・」

「姫路はホールの方がいいと思うぞ。」

「そ、そうですか?鋼牙君がそういうのならそうします。」

『ナイスじゃ鋼牙。』

『・・・・・感謝する。』

 秀吉と土屋は鋼牙に子声で感謝する。

「それじゃあうちのホールにするわ。瑞希だけだと大変そうだし。」

「わかった。それじゃあ推薦で誰かやって欲しい奴はいるか?」

『秀吉を!』

『秀吉のチャイナを!』

『俺たちの秀吉を!』

 Fクラスの男子が秀吉を推薦する。

「待つんじゃ!なんでワシが多いのじゃ!」

「よし。じゃあ秀吉は決定な。他にいるか?」

「あ、あの・・・」

「何だ姫路?」

「こ、鋼牙君をお願いします。」

「う、うちも。」

「よし。じゃあ鋼牙と姫路と島田と秀吉がホール班。他のやつは厨房な。」

 

 放課後のFクラス。ほとんどの生徒は自宅に帰っていた。

「ねえ鋼牙。」

「なんだ、美波?」

「あのさ、清涼祭のことで話があるんだけど・・・・いい?」

「別に構わないが・・・・・どうしたんだ?」

「坂本を学園祭の召喚大会に引っ張り出せない?鋼牙が頼んだら出来ると思うんだけど。」

「ふむ・・・・・・その理由は姫路か?」

「どうしてわかったの!」

「お前が思いつめた顔をするのはわけがあると思ってな。考えられるのは姫路のこと意外思いつかん。おそらくだが姫路の転校だろ。」

「そ、そうよ。よくわかったわね。」

「姫路は一回小学校で同じクラスになったからわかるがあいつは身体が弱い。今のこの教室の環境を考えてみてもきっと両親は転校を進めるだろう。」

「そ、そのとおりよ。本人は秘密にしてって言ってたんだけど高雅には伝えておこうと思って。」

「だがそれなら姫路が優勝を・・・・いやだめか。むしろ俺たちがやった方が親を見返せるほうになるか。本人は転校についてどう思っているんだ?」

「いやって言ってたわ。」

「そうか。ならば助けないとな。それにクラスの仲間がいなくなると少し寂しいしな。」

「そ、それがうちでも?」

「ああ。同じだ。」

 その時放送が流れる。

『Fクラスの冴島鋼牙君、坂本雄二君。学園長がお呼びです。至急学園長室まできてください。』

「このタイミングで呼び出しとはあんまり良くない予感がするな。だが行かないわけにはいかん。悪いが行って来る。」

 そう言って鋼牙はFクラスに向かった。学園長室に向かい途中で雄二と合流し学園長室の前に立つ。

「しっかしなんでババアは俺たちを呼んだりなんかしたんだ?」

オイオイ、仮ニモオ前タチノ学園長ナンダカラ敬意ヲ・・・・・」

「どうしたザルバ?」

「カヲルノ部屋カラ邪気ヲ感ジル。ダガコレハ機械ダ。」

「つまり盗聴器というわけか。出来るか?」

「俺ヲダレダト思ッテイヤガル。マカセナ。」

 鋼牙は扉を勢いよく開ける。

「なんだい、行儀も知らない子が今時いるんかい。世も末だね。」

「あなたが思っているい程ここの学生は個性的ですよ。」

 鋼牙は魔導火が出るライターを取り出し辺りを見る。植木鉢の方を向けた瞬間、火の反応が強くなった。鋼牙は懐から双剣を出し鞘から向くと迷わず突いた。ピキッと鈍い音が鳴り響く。鋼牙は剣先を見る。そこには盗聴器があった。

「モウ他ニ盗聴器ハナイゼ。安心シナ。」

「わかった。」

 鋼牙は剣先の盗聴器を取り、剣を鞘に収める。

「学園長、突然の無礼すみません。」

「なに、いいさね。盗聴器を見つけてくれたんだから今のことは見逃すさね。」

「トコロデナンダッテ鋼牙ヲ呼ンダ?」

「実を言うとお前たちに頼まれてほしいことがあんだよ。」

『頼まれごと?』

「ああ、そうさね。清涼祭で行われる召喚大会は知っているね。それの優勝商品は知っているかい?」

「いえ、なんですか?」

「学校から送られる正賞には賞状とトロフィーと『白金の腕輪』、副賞には『如月ハイランド プレオープンプレミアムペアチケット』が用意してあるのさ。」

「如月ハイランド・・・・・・確カカップリングヲ無理矢理サセル噂ガアッタナ。」

「なんだと!」

 雄二が大きな声を上げた。

「なるほど。ここは美人揃いだと他のやつが言っていた。それに加え試召システムという話題性もある。学生から結婚までいけば申し分ない。ぬかりがないな。」

「ツマリ俺達ニソノ景品ヲ正式ナ方法デ取ッテコイトイウコトカ。オ前ガ止メルコトガ出来ナイハ教頭ガカランデイルカラカ?」

「そうさね。厄介な奴だよ。」

「まあ、そういうことなら。」

「それともう一つ。お前さんの鎧を召喚大会で全て出して欲しいのさ。」

「全てですか!」

「ああ。一般公開は一回戦からするつもりだからね。」

「待ってください。一回戦からではなく二回戦からにしてもらえませんか?」

「どうしてさね?」

「翼が清涼祭を見に来るといっていたんです。」

「鋼牙、翼って誰だ?」

「こいつと同じ魔戒騎士だったやつだ。転校してしまったが・・・・・・それがどうして二回戦からに繋がるんだい?」

「翼を一戦だけで出させてあげてもらえませんか?」

「ふむ・・・・・・まあいいさね。その程度なら何とかできる。負けんじゃないよ。」

『はい。』

「失礼します。」

 鋼牙と雄二は学園長室を後にした。

 

「なあ鋼牙。」

「何だ雄二?」

「翼って奴はどんな奴なんだ?一応俺の代わりに出るんだ。すぐに負ける奴ならさっきの話話にしてもらうぜ。」

「心配シナクテモイイゼ。オ前ヨリヨッポド勉強ガデキル。五人ノ中デ三番目ニ強イヤツダ。」

「三番目?」

「前ニカヲルガ言ッテタダロ。魔界騎士ハ実力ト学力ニヨッテ称号ガ渡サレルッテ。」

「翼は実力は俺と同じだが学力は三番目だったんだ。」

「そうか。じゃあもう一つ聞いていいか?なんで召喚大会に出ようと思ったんだ?」

「実はな――――」

 鋼牙は雄二に事情を話した。

「姫路が転校か・・・・それでお前は出るってわけだな。」

「ああ。俺からお前を誘うと思ったが手間が省けてよかった。」

「まあ頑張ろうぜ。」

 

説明
ジカンガスギルノハハヤイモノダナ。シバラクトウコウシテナイノヲトウコウスルゼ。
『学園祭』
ナンカカヲルカラヨバレテルナ。
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