一刀の晋王転生録 第四章九話
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 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:ケ  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

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  第九話

   「第二次五胡撃退戦 開幕」

 

 

 数日後、前回五胡と戦った地にて一刀達は馬騰と合流した。

 

 彼女は少し気まずそうに一刀達を迎える。

 

 気まずいのは前回、自分達で何とかしてみせると言ったにもかかわらず、司馬家に援軍を要請したがためだ。

 

「すまない、良く来てくれた」

 

「いえ、馬騰殿もご無事で何よりです。苦労しましたね」

 

「ああ……たく!」

 

 そこから馬騰の数日前の援軍に対する愚痴が始まった。

 

「姜維は文武両道で強いから注意しろと言ったのに武将は突っ込んで一撃で死ぬわ、軍師っぽい奴は姜維の罠に気付かず、自分の策が

 

成功したと思い込んで大軍に囲まれて打たれるわでホントに困った。結局は犠牲が増えただけだったよ」

 

「うわぁ……」

 

 一刀は唖然とする。彼は馬騰が何太后へ当てた手紙の内容を知らないためここで初めて知った。

 

「っとと! 済まん、愚痴に付き合わせてしまったな、それじゃあ軍議を始めよう」

 

「そう、ですね」

 

 馬騰は娘達を、一刀は父と部下、綺羅を呼びに言った。

 

 ――呼び寄せた後は、さっそく軍議を始める。

 

 現在の此方の兵数、敵の兵数、兵糧、拠点の配置、そして前回と地形が変わっているか否か、あらゆる事を確認。そして当然、ある

 

人物についての対処の話になる。

 

「そういえば、さっきの援軍の話からすると姜維は最初から前線に出ているのですか?」

 

「ん? ああ、そうだ。」

 

 前回と大きく違うのはそこだった。指令官、大将の位置に居る者が前線に出たということは士気が上がっているだろう。だがそれ以

 

上に厄介なのは前線に出る事で、後方で待機しているよりも状況把握が格段に早くなっているという点だ。その分、対策を立てやすい。

 

 一刀は誰よりもこの事を危惧する。なぜなら自分もそれをしているからだ。その恐ろしさはよく知っている。

 

「姜維についてはどうする? 悔しいが、俺や娘達では敵わん。お前達の方に頼んでも良いだろうか?」

 

「わかりました、では父上と理奈様と江里香さんで対処をお願いします」

 

「ああ、わかった」

 

「わかりました、一刀」

 

「お任せください」

 

 まず一刀は、無難に姜維の動きを封じるために自軍で強い二人に当たって貰うことにした。姜維が今度はどんな策で挑んでくるのか

 

を少しでも知るための情報探りをするつもりである。

 

「後は皆で奇襲などに備えよう。まずは様子見だ」

 

「……まあ、仕方ないだろうな。俺に異存は無い」

 

 一刀はいきなり自分が考えた策を当てるようなことはしない。いや、出来ない。何故か、理由は単純な物だ。

 

(あいつは姉上の策を利用できるほどの知略を持っている。姉上より劣る俺の策など簡単には通用しない)

 

 そのため、一刀はまず姜維の策と、その傾向を探ることを優先したのだ。

 

「まずは奴がどのような策を用意しているのかを知ることが肝要だと思う。皆、頑張ってくれ」

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 その日の夜。

 

「司馬昭」

 

 馬騰が一刀の天幕を訪れた。

 

「何でしょう、馬騰殿」

 

「……一つ、言っておきたいことがあってな」

 

 馬騰は真っ直ぐに一刀を見つめる。その瞳にはある種の決意が秘められていた。

 

「お前達と漢、どちらの味方をするかとなった時、俺は漢の味方をする」

 

「……」

 

「たとえ、明らかに漢に非があり、大儀が無かったとしてもだ。俺は……それ以外の生き方を知らん」

 

(馬騰殿は、俺達と何太后の間で何かが起こると思っているのか?)

 

 

 馬騰はあの援軍を出した時、何太后が司馬家を援軍に寄越すのを渋っていた事がわかった。そしてそれが司馬家を疎ましく思うよう

 

になっているという事も。もし何時までもそうしてしまい自分達が五胡に敗北してしまったら、洛陽に危険が迫ることになる。それは

 

何としても避けたかった。故に馬騰は手紙で直接司馬家に援軍を出してほしいと頼んだのだ。

 

「それだけだ、夜分に悪かった」

 

 馬騰は静かに天幕から去る。

 

 一刀は馬騰の言った事を深く心に刻みながら、馬騰の背中を見送った。

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 翌日、一刀達は五胡と、姜維と対峙する。

 

 この時、姜維は前日までとは敵の陣容が違うことを理解した。そしてその陣容の中から一人の男を見かける。

 

(奴は司馬昭か!? ついに来たようだな)

 

 彼は心を滾らせていた。

 

 彼の目的はあくまで漢を滅ぼす事。しかしそれでも自分と戦いで生き残った者と再び戦うことには何かを思うことはあった。

 

「貴様等! 司馬家が来たようだ、気を引き締めろ!」

 

 五胡の兵達が殺気立つ。

 

 五胡の間でも司馬家は名は広がっていた。自分達五胡に敗北させてきたという敵として。司馬家に勝つ事が出来れば、自分達は五胡

 

の戦士として名が上がる獲物として。

 

「行け! 五胡の力を見せつけよ!」

 

 五胡の雄叫びが上がる。対する司馬家も呼応するかのように鬨の声を上げる。

 

「行くぞ皆! これ以上奴らの好きにさせるな!」

 

 両軍は激突する。二度目の姜維との戦いが始まった。

説明
五胡と再び戦うため、かの地へ
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コメント
コメントありがとうございます。今のところはただ見守ってくださいとしか……(k3)
馬騰とは何れ、戦う運命なのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(ohatiyo)
……そういえば三国末期にもいましたね。趙雲の如しと謳われる猛将の息子を持ち司馬氏に反乱した武将が。どうやら歴史は着々と進んでいるようで。(h995)
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真恋姫無双 恋姫†無双 恋姫 転生  

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