IS・N 〜インフィニット・ストラトス・ノヴァ〜 |
俺は先日起きた出来事に驚きながらも、何事もなく時は過ぎていった。
俺の持つバトスピのカード、ジークヴルム・ノヴァが突如ISとなり、何事もなかった俺の人生は大きく変わった
あの事件の翌日から、家にはIS関係者やらマスコミやらが来るなど、色々面倒なことになったのだ。
他にも、ちょっとしたことはあるんだが・・・
まず、あのあとのことから。
あれは卒業式などが終わり、春休みに入ってから・・・
「あの・・・・何をしに行くんですか?」
俺はIS関係者の人に連れられ、IS学園へとやってきた。
「ああ、だからIS学園への入試テストよ」
「だからそうじゃなくて、入試ってどんなことをするんですか?それにIS学園って女子校だし、今更入試って・・・」
「質問が多いわね・・・ま、行けばわかるわ」
答えになってないような・・・
なんて話をしているうちに、俺は目的地へと到着した
「ここが入試会場よ」
「こりゃまた広いな・・・って、え?!」
そこは俺の通っていた学校の体育館より広い、大きなアリーナだった
「ここが会場・・・ですか?」
すると、アリーナにいた女性の1人が近づいてきた
「お前が神谷暁斗か。私は織斑千冬、ここの教員だ。お前はこれからIS学園への緊急編入テストを行う。まずはISを展開しろ」
「織斑千冬って・・・まさか、あの?!それと、編入テストって・・・」
「そのままの意味だ。とっとと始めろ」
俺は色々戸惑いながらも、織斑先生に圧倒され仕方無く始めることにした
「・・・で、お前のISというのは?」
「ああ、それが・・・」
『展開が出来ない、だろう?』
俺が言おうとした所、何者かに阻まれる。え、読心術か何かかよ
「・・・誰?」
そんな俺の疑問をよそに、織斑先生が話を続ける
「それで、展開出来ないというのは?」
「ああ、それが・・・」
『それなら問題ない』
ま・た・か・よ!
「だ・か・ら・誰だよ!」
俺の問いに答えるように、そいつは俺達の前に現れた
そう、光と共に。
「・・・・・ジークヴルム・ノヴァ?」
そいつはまさに人が龍になったかのような姿で、大きな翼の下には、美しい真っ白の翼を生やしていた。しかし、その姿は小さい。
「・・・うん、ジークヴルム・ノヴァだな。・・・って、喋ったぁ?!」
この時俺はノヴァが喋った事に驚いていたが、他のみんなはノヴァが実体化したこと自体に唖然としていた。まあぶっちゃけ現れたのには俺もビビってる。
『今更驚く事はない。あの時も話しただろう」
「あの時って・・・あ!力がどうとかいってたやつ!」
「・・・で、結局使えるのか使えないのか、どっちだ」
織斑先生が痺れを切らしたかのように言う
『それなら問題ない。暁斗、前みたくやってみろ』
「何回もやってみたんだがなあ・・・」
俺はカードを掲げる
「駆けろ紅蓮の龍!超新星の翼!超神星龍ジークヴルム・ノヴァ!」
これで使えなかったら格好悪いぞ、ったく・・・
すると、カードから光が放たれ、その光が俺の全身を包み込む
その光が赤く変わると、光が晴れ赤い装甲を全身に纏う
さらに胴・肩・足・翼に白い鎧の装甲が追加され、翼の下から一対のビームウイングが放出される
「これが・・・」
「暁斗くんのIS・・・」
皆が口々に言う
「では、これより神谷暁斗の緊急編入テストを行う。相手は教員だ。準備はいいな?」
俺はため息をついて、
「最近周りのペースについていけてないかも・・・よし、準備OKです!」
「それでは・・・始め!」
織斑先生の合図を受け、俺はアリーナへと飛び出した
─入学式─
4月。色んなことがありながら、俺は新たな気持ちを胸に、高校生活のスタートを切った
しかし・・・その場所はここ、IS学園。
「・・・なぜ女子校に・・・」
無意味な文句は止めよう。長くなる。
そんなわけで、教室なう。
「全員そろってますねー。それじゃあSHRはじめますよー」
このクラスの副担任こと山田真耶先生。第一印象で言えば、若干背伸びしてる。こんなこと言ったら失礼だろう、そうだろう。
しかし先生が話しているのにもかかわらず、周りは全員ノーリアクション。何この気持ち悪い緊張感。
「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします。えっと、出席番号順で」
先生がちょっとうろたえる様子が余計に気まずい。何故かって?俺はこういう空気がにが・・・
(『安心しろ、誰も聞いてない』)
あ?なんで俺の考えがわかるんだよ。てか人の心の声に乱入するなよ。あとなんでお前も声に出さないんだよ!
(『それはお前が俺を使うようになったことで、精神がリンクした、とでもいうところだ』)
いやしらねぇよ。急にそれっぽく語るなよ。あとちょくちょく俺の発言刺々しいけど、俺そんな性格じゃないから。愚痴や不満が多いだけだから。
「・・・くん。織斑一夏くんっ」
「は、はいっ!?」
とまあノヴァと話してるうちにとなりの男、つまりISを使える男子の1人、織斑一夏の番になっていた。
その次は俺かぁ・・・
っていうか、やっぱ周りの女子の視線が集まってるのは勘違いじゃあないよな・・・
幾ら俺でも、流石にそりゃあ分かるぞ。この気分の悪さが何よりの証拠だ。
なーんて独り言を考えてる間、何故か山田先生は織斑に謝ってたりしていた。何があった。
「えー・・・えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」
そういって織斑は頭を下げる。うん、ごく普通の挨拶だ。
しかし周りは異様な視線。あれ、俺って案外視線に───
・・・やめよう、またノヴァに何か言われる。
そして一方織斑は、
「・・・以上です」
盛大にずっこける生徒たち。まるでアニメみたいだったな、うん。
すると織斑はパアンッ!たといきなり頭を叩かれた
「挨拶も満足にできんのか、お前は」
「げえっ、千冬ね────」
パアンッ! 再び鳴り響く出席簿の音。
「織斑先生と呼べ」
と、話しているのは織斑先生。
「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」
「ああ、山田先生。クラスへの挨拶を押しつけてすまなかったな」
「い、いえっ。副担任ですから、これくらいはしないと・・・」
織斑先生が現れ、空気が変わる。織斑が叩かれたり、山田先生が張りきったり。うん、いろんな意味で。
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」
その言葉?に対し、黄色い声援が飛び交う
「キャーーーーー!千冬様、本物の千冬様よ!」
「ずっとファンでした!」
「私、お姉様の為なら死ねます!」
これが女子校ならではのノリか・・・って最後おかしくね?!
「毎年、よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。それとも何か?私のクラスにだけ馬鹿者を集中させてるのか?
それでも続く歓声。あれ?自己紹介どうなった。
とまあ、色々と先が思いやられそうですな、はい。
んで、休み時間。
ちなみに例によって俺の幼なじみ、桐咲一彩のことだが、無事IS学園に入学でき、俺達と同じクラスになった。
ん?なんでさらっと言ったかって?ついさっき自己紹介で初めて知ったんだもん。
「よう、確か、神谷だっけ」
「ん?ああ」
「俺は織斑一夏。数少ない男同士、よろしく頼むぜ」
「ああ、俺は神谷暁斗。暁斗でいいぜ。よろしく頼む」
「俺も一夏でいいぜ」
そういって握手を交わす。
おお、なんていいやつなんだろうか。
心の中で感激している俺
「・・・・ちょっといいか」
「え?」
一夏が突然話しかけられる
「・・・・・箒?」
「・・・・・・・・」
一夏は俺を見る
「あ俺は気にすんなって。いってこいよ」
「ああ、悪いな」
そういって、一夏は箒という女子を連れて教室を後にした
まあ、邪魔しちゃ悪いしな・・・
しかし俺は大事なことに気付いた・・・
(一夏が離れたから、興味の的って・・・)
その直後、俺は女子達の標的となった。
「───であるからして、ISの基本的な運用は現時点で国家の認証が必要であり、枠内を逸脱したIS運用をした場合は、刑法によって罰せられ───」
そこそこの知識を積んできた俺は、なんとか授業についていくことができた。
しかし、対する一夏は・・・・
「先生!」
「はい、織斑くん!」
「ほとんど全部わかりません」
(「『よく入学出来たよな・・・』」)
思わずノヴァと同じことを思う。まあ、入れるにゃあ入れるんだけども。
そしてまた、出席簿アタック。
へ、平和な学生生活になるのか・・・な?
「暁斗ーっ」
俺を呼ぶ声が聞こえたので振り返ると、そいつは幼なじみの一彩だった。
「なんだ?」
「まさか、本当にIS学園に入学するなんて・・」
「そういや、話してなかったもんな。まさかいきなり編入だなんて」
「そういえば、そっちの人も」
一彩は一夏に声を掛ける
「初めまして、桐咲一彩です」
「織斑一夏です。よろしく」
いつも通りに話している俺達だったが、
「ちょっと、よろしくて?」
「ん?」
「へ?」
思わず気の抜けた返事をする俺&一夏
「まあ!なんですの、そのお返事。わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるのではないかしら?」
「・・・・・・・・」
突然金髪の女性に上から文句を言われ、言葉がつまる俺。どういう状況?
「悪いな、俺、君が誰か知らないし」
「わたくしを知らない?このセシリア・オルコットを?イギリスの代表候補生にして、入試主席のこのわたくしを!?」
なるほどー、代表候補生かー、で、何の用なんだ?
「あ、質問いいか?」
「ふん、下々のものの要求に応えるのも貴族の務めですわ。よろしくてよ」
「代表候補生って、何?」
・・・・・・・・・・
『・・・・・・・・・』
ノヴァすら黙らせる爆弾発言!っていうか、ノヴァさっきから話してないけども。
「あ、あ、あ、・・・」
「あ?」
「あなたっ、本気でおっしゃってますの!?」
すごい剣幕で怒るセシリア
「おう。知らん」
「・・・・・・・・・」
あ、あれ?!怒りが冷めた・・・のかな?
「で、代表候補生って?」
「国家代表IS操縦者の、その候補生として選出されるエリートのことですわ。・・・あなた、単語から想像したらわかるでしょう」
「そういわれればそうだ」
「そう!エリートなのですわ!」
さらにセシリアは続ける
「本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも奇跡・・・幸運なのですわ!その現実をもう少し理解していただける?」
「そうか、それはラッキーだ」
「・・・馬鹿にしていますの?」
どんどんヒートアップしていってる一夏とセシリア。てか仲間外れな俺&一彩。
「大体、あなたたちISについて何も知らないくせに、よくこの学園に入れました方わね。唯一男でISを使えると聞いていましたから、少しくらい知的さを感じさせるかと思いましたけど、期待はずれですわね」
「俺に何かを期待されても困るんだが」
「ちょっとまて今あなたたちっていったよなあ?俺は一応分かってるんですが?!」
「そこでようやく加わるんだ・・・」
地味に混ざった俺をスルーし、セシリアは続ける
「ふん。まあでも?わたくしは優秀ですから、ISのことでわからないことがあれば、まあ・・・泣いて頼まれたら教えて差し上げてもよくってよ。何せわたくし、入試で唯一教官を倒したエリートの中のエリートですから」
自信満々に語るセシリア。
「入試って、あれか?ISを動かして戦うってやつ?」
「それ以外に入試なんてありませんわ」
すると一夏が
「あれ?俺も倒したぞ、教官」
「は・・・・・?」
ほう、教官を倒したのか、一夏は。さすがだなー
「わ、わたくしだけと聞きましたが・・・」
「女子ではってオチじゃないのか?」
するとセシリアは俺を指差して、
「あなた!あなたも教官を倒したっていうの?!」
「ああ、普通に。半分はノヴァ自身の力のおかげだけどな。一夏は?」
「倒したっていうか、いきなり突っ込んできたからかわしたら、勝手に壁にぶつかってそのままうごかなくなったんだけどな。」
「こ、これが落ち着いていられ────」
話に割って入り、三時間目のチャイムが鳴り響いた
「っ・・・!またあとできますわ!逃げないことね!よくって!?」
そう言ってセシリアは戻っていった。
こうして授業が始まる───かと思いきや、
「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな」
「クラス対抗戦?」
話によると、クラス代表者とは、対抗戦に生徒会が開く会議や委員会に出席するクラス長らしい。ふむふむ、面倒そう。
「はいっ。織斑くんを推薦します!」
「神谷くんがいいと思います!」
うわあ、案の定俺や一夏かあ・・・唯一の男子ってのが問題だな。
「では、候補者は織斑か神谷になるが、他にはいないか?自薦他薦は問わないぞ」
「って、納得いかないですよ!そんな面倒なこと───」
「ちょっ、ちょっと待った!俺はそんなのやらな───」
「席に着け、邪魔だ。自薦他薦は問わないと言った。他薦されたものに拒否権などない。選ばれた以上は覚悟をしろ」
「「い、いやでも──」」
まだ反論を続けようとする俺たちを、突然甲高い声が遮った。
「まってください、納得がいきませんわ!」
バンッと机を叩いてセシリアが立ち上がった。お?味方になってくれるのか?
「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間も味わえとおっしゃるのですか!?」
そうだそうだ、もっといってや・・・れ?
「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスする気は毛頭ございませんわ!」
誰が猿だ誰が。てかイギリスだって島国だろうが。日本より優れてるなんてどう証明できんだよ!
「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で──」
イラッ。
「イギリスだって大したお国自慢ないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」
一夏に便乗して俺も言う。
「そういやテレビで海外の料理を見かけるけど、イギリスのは全然見かけないなぁー。言い料理が無いからか」
・・・・・・・・あ。
「なっ・・・・・・!?」
つい勢いで言ってしまった俺と一夏。どうしよ・・・・・
「あっ、あっ、あなたねえ!わたくしの祖国を侮辱しますの!?」
「先に侮辱してきたのはそっちの方だろう?」
一度やっちまったら仕方ねぇ、最後まで通す!
(『単なる馬鹿だな、お前は』)
イラッ。
と、いうわけで。
「決闘ですわ!」
「おう。いいぜ。四の五の言うより分かりやすい」
「勝った方がクラス代表。決まりだな」
(『なんかまとまったな・・』)
「言っておきますけど、わざと負けたりしたらわたくしの小間使い──いえ、奴隷にしますわよ」
「侮るなよ。真剣勝負で手を抜くほど腐っちゃいない」
「そう?何にせよちょうどいいですわイギリス代表候補生のこのわたくし、セシリア・オルコットの実力を示すまたとない機会ですわね!」
とはいえ、さすがに男が本気で女子と力比べをするのはなあ・・・
「ハンデはどの位つける?」
「あら、早速お願いかしら?」
「いや、俺たちがどの位ハンデをつければいいのかなーと」
すると、クラスのみんなからどっと笑いが巻き起こった
「か、神谷くん、それ本気で言ってるの?」
「男が女より強かったのって、ISが出来る前の話だよ?」
そうかそうか、だが・・・
「だがそれは、俺たちが弱いってことにはならないはずだぜ」
俺の一言で笑いがピタリと止まる
「まあ、わかったよ。ハンデはいい。正々堂々と闘おうか。」
「ふふっ、後悔しなくってよ?」
そこで織斑先生が合図する
「さて、話はまとまったな。それでは勝負は一週間後の月曜。放課後、第三アリーナで行う。織斑、神谷、オルコットの三名は準備をしておくように。それでは授業を始める」
そう言って織斑先生は話を締める。
(一週間か・・・)
俺は色々な気持ちが残りながらも、授業に入ることにした。
放課後、俺は荷物をまとめ、教室を出る所だった
「神谷くん、まだいましたね。よかったです」
「どうかしたんですか?」
「えっとですね、神谷くんの寮の部屋が決まりました」
そう言って部屋番号の書かれた紙とキーをよこす山田先生。
「おぉ、予定より大分早いですね」
「ええ、なんとか空き部屋を用意出来たんです。まあ、事情が事情なだけに・・・」
「なるほど」
ちなみに、ISが使えるようになってから、様々な機関が接触してきたのだが、その対策として寮に入れる事になったのだ。
「荷物はもう運び終えているので、確認しておいて下さい。それでは」
そう告げると、山田先生は慌ただしく去っていった
俺は山田先生の後ろ姿を見送り、部屋へと向かう
てなわけで部屋へと到着。中は・・・
・・・・案の定俺だけ。
あれ?そういえば一夏は?
相部屋で一人だけか・・・
「そうだ、荷物の整理を・・・」
段ボール箱を確認する俺。
「うわぁ・・・俺の荷物ほとんどあるよ・・・」
これじゃあプライバシーも何もないじゃないか
「・・・一週間後か・・・」
俺も、対策を考えなきゃな。
「まあいい、とりあえず今は飲み物でも買ってくるかな・・・」
まずは、ISについて学ばなきゃな。それと、こいつについても・・・
ポケットの中のジーグヴルムノヴァを見る
「と、いくか」
道中、一夏が穴の空いたドアの前で土下座してたのを見たことをここに記しておく。
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第一話:ISを使える男子 | ||
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