魔法少女リリカルなのは 四天王始めました
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十二月二十四日……闇の書、覚醒する。

 

その知らせはアースラクルーに今までにない衝撃を与えた。

 

何故なら、サーチャーで海鳴市全域を監視していたはずなのに闇の書が覚醒してからしか探知出来なかったからである。

 

サーチャーが闇の書の姿を捉えたときには既に戦闘か始まっていた。

 

なのは、フェイト、アリシア、プレシア、アルフの他に数人の少年少女が漆黒の翼を生やした銀髪ロングで紅眼の女性と戦っていた。

 

 

 

 

 

 

そこから少し離れた位置にその光景を眺める青年が一人いた。

「もうすぐだ……もうすぐで……目的が果たせる」

 

その青年の表情は歓喜に包まれていた。だが、その表情もすぐに険しいものに変わってしまう。

 

「やはり来たか……」

 

青年が頭上に防御魔法を発動した数瞬後、紅蓮の奔流が防御魔法に衝突した。

 

それは辺りを焼きつくし焦土に変えていった。

 

離れた場所で戦っていたなのは達が手を止めてその光景を眺める。それから、空に黒い球体が表れる。

その球体の中からスブズブと人の手足が出てくる。

 

中から出てきたのは血の滲んだ包帯を手足や額に巻き、片目に眼帯をしたリゼットであった。

 

「おやおや……もう追いつかれるとは」

 

ボロボロのリゼットを嘲笑する青年。青年は周囲に二十のスフィアを展開するとそこからリゼットに向けて直射型の魔法を放った。

 

それに対してリゼットは徐に片手を振るう。すると、リゼットの周囲から闇が溢れだして、人に似た顔を持ち、赤に黒ブッチ模様をした鳥に変化した。

 

「殺りなさい……闇精霊《ラルヴァ》達」

 

リゼットからの指示を受けて闇精霊《ラルヴァ》達が直射型の魔法を物ともせずに破壊しながら青年に迫っていく。

 

 

 

 

 

 

闇の書が覚醒した直後の闇の書の深部では……。

 

「起きて、起きてください。レイン……闇の書の覚醒ですよ」

 

「うーん……闇の書の覚醒? …………覚醒!?」

 

マジでもうそこまで来たの? 俺って結構寝てたんじゃないの?

 

「そんなに寝てませんでしたよ。精々、二日ほどてすね」

 

相当寝てたね。

 

「いえいえ、私達に比べれば全然寝てませんよ。私達なんて下手したら年単位ですから」

 

「それは笑う所なのか? 」

 

本気でそう思う。しかも、時折、俺の考えを読んで返事してる。

 

「そうですよ? 私達からしたら笑い話です」

 

「人間じゃ無理だからね……」

 

「え!? レインって人間でしたっけ?」

 

「俺は人外と言うか化物だから………………少しだけ龍が混ざってるけど」

 

最後の方は聞こえないようぼそりと言う。

 

「どんな姿ですか?」

 

興味深そうな目をしながら訊いてくるシュテル。

 

「見せる機会があれば見せてあげるよ。それはそうと、闇の書ってどんな風に覚醒したの?」

 

原作と同じなのかそれとも違うのか。

 

「それは我が答えよう」

 

偉そうにふんぞり返るディアーチェ。

 

「簡単に言うと、我のオリジナルの友人の姿に擬態して目の前で守護騎士達を蒐集したのち、オリジナルの心を言葉で抉った……それだけだな。因みにやったのはあやつ等だな」

 

ディアーチェが指差した所に映っていたのはクロノに捕まった猫姉妹……そう、俺が捕まえてリゼットが洗脳した猫姉妹だった。

 

「ああ、手駒が捕まったか。だけど良いか、所詮使い捨てこの場限りの物だったし」

 

「おい!? 何をさらりと言ってるんだ貴様は! 詳しく説明しろ」

 

「説明しろって言ってもね……そのまんまの意味なんだけど」

 

「それで、レインは何をしようとしたんですか?」

 

ユーが、首を傾げて俺を見てくる。ああ、癒される。

 

俺はユーを思いっきり抱き締めながら答える。

 

「俺が完成した闇の書と戦いたかったからだよ。人間相手だと本気を出さなくても殆ど初撃すら避けられないから……俺が本気を出せる相手が欲しくてね」

 

「本気ですか……それだったら管理外世界の危険生物と戦えば良いのではないのですか? わざわざ闇の書じゃなくても」

 

「シュテルの言う通り管理外世界で危険生物と戦ったけどさ、それだとその世界の生体系が崩れちゃうから多用できないんだよね」

 

「ふ〜ん、じゃあさ、レインはどんなのと戦ったの?」

 

レヴィが目をキラキラとさせながら訊いてきた。

 

「三段変身をするその管理外世界最強の生物。最終的には上半身と下半身に別れて攻撃してきたよ」

 

俺がそう答えるとレヴィは「おお〜! なにそれスゴイ!」とはしゃぎだした。

 

「レヴィのことはいいですから答えてください。……完成した闇の書に勝てるんですか?」

 

「反応速度が人間と然程変わらないのであれば勝てるね」

 

「そうですか……」

それっきり黙り込むシュテル。

 

俺は外の様子を見ようと思い、視線を外の様子が映っている所に視線を向ける。

 

すると、突然紅蓮の奔流が現れる。そして、その直後黒い球体が出現してそこから俺がよく知っている人物が現れた。

 

血が滲んだ包帯を手足や額に巻き、片目を眼帯で覆っているがリゼットだと一目見て分かった。

 

そして、同時にリゼットと相対している人物が敵であると言うことも。

 

「どうしました? 」

 

ユーに俺の変化に気づかれたようだ。

 

「家族が戦っているのに自分だけここで何も出来ないと思うとね」

「……そうですか」

 

今の俺には此処から眺めることしかできない。

 

 

 

 

 

 

向かって来る闇精霊《ラルヴァ》達を迎撃する青年。

 

だが、無尽蔵に出現する闇精霊《ラルヴァ》に徐々に押され始める。

すると、青年はなのは達の所まで後退する。すでに、闇の書の管制人格と戦闘を再開しているなのは

達。

 

彼女達の魔法による流れ弾で続々と闇精霊《ラルヴァ》達が消されていく。

 

「邪魔をするなぁぁぁ!」

 

リゼットが、闇の書の管制人格から放たれた魔法を闇精霊《ラルヴァ》を盾にして防ぎ、炎弾を放つ。

 

それを管制人格が片手で弾く。

 

「そらそらそらそらそら!! 」

 

青年はデタラメに魔力弾を放つ。それを管制人格は弾き、なのは達は回避し、リゼットは闇精霊《ラルヴァ》を盾にしてやり過ごす。

 

四つ巴となった争いはどんどん激しさを増していく。

 

 

 

 

「何か凄いことになってますね」

 

「確かに四つ巴なんて珍しい」

 

俺とユーが感心しているとシュテルが驚いた様子で言った。

 

闇の書の中で夢を見ているはずのはやてが目覚めたと。

 

「それは本当か?」

 

ディアーチェが真剣な様子でシュテルに問いかける。

 

シュテルは一度頷いてから口を開く。

 

「はい、事実です。それにともない守護騎士プログラムが闇の書から切り離されました。同時に防衛プログラムも切り離しています」

 

ああ〜となると……そろそろ、ってやっぱりか。今、ちょうどはやてが管制人格と共に現れて、守護騎士を召喚した。

 

「ディアーチェ、レヴィ……私達は防衛プログラム共々闇の書から切り離されました」

 

カウントダウンが始まったか……意外に短かったな。でも……孤独に終わるよりも誰かが近くにいて終わるからまだマシかな。

「フフ」

 

そう考えると思わず笑い声をこぼしてしまった。

 

「どうしました? 急に笑い声なんて」

 

俺の方に向いたユーは不思議そうな様子だ。

 

「ううん……ちょっとね、ただ、ユーは気にしなくても良いよ」

 

俺はユーの頭を撫でながら視線を外の様子を見る。

 

高笑いする青年と対峙するリゼット。リゼットの周囲に三つの魔方陣が展開された。

 

そこからは頭を垂れた状態でヴァルド、レオン、シアが現れた。

 

説明
A's編 4話 乱戦
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コメント
まだまた、甘いね。見た目はギャスパー!中身(能力)はアーカード!武器は闇の賜物(クリフォト・バチカル)おお〜見事に悪の吸血鬼一色。備考・切嗣&綺礼的な戦闘用人格あり。吸血衝動はなし。なお魔法は念話・探索・転移のみ(天意無法の歌武鬼者 鬼龍院獣侍郎)
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