一刀の晋王転生録 第四章十五話 |
姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:ケ 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
一刀達は五胡の撃退に成功した。大きな代償を払って。
父の亡骸と供に洛陽に戻った一刀は姉、瑠理に自分が父を討ったことを明かす。
瑠理は一刀を責めなかった。彼女は直接戦を見てはいない、それでも話を聞くだけでも瞬時に理解したのだ。一刀の決断は間違って
いないと、そしてそれが効果的なものであり、それ以外に洛陽や司馬家を守る方法が無かった事に。
一刀にはその姉の気遣いがかえって辛かった。いっその事、責められた方が気が楽だった。まるで父を殺したという事が大した罪で
は無いと言われているような気がしたのだ。姉がそうような人間では無いと分かっていたとしても。
故に一刀は自ら、父を、有能な将を殺めた罰を瑠理に求めた。
瑠理は一刀の心中を酌んだ事と、もともと故意に味方を殺したというのは大罪である事から、一刀の求めに応じた。
一刀の罰は、爵位の剥奪だった。
この沙汰に何太后は内心喜ぶ。何故なら司馬家の権力が僅かでも落ちたのだから。
一方、何とか逃げる事に成功した姜維は五胡の集落に戻っていた。
(くそ! くそ! 完全に俺の負けだ!)
彼は負けを認めていた。そのため、より彼をイラつかせている。
イラつきながらも、彼は戦の敗因について考えていた。
(何故失敗した? 俺の策は決して間違っていないはず……)
効率や確実性を考えれば確かに間違ってはいないであろう。道徳を考えればそうでは無いかもしれないが。
(何故奴はあのような決断を下せた。いや、下せたこと事態は不思議では無い。なぜあれほど早かったんだ?)
一刀が非情な人間で無いのは、あの時の表情をみれば明らかだ。故に彼には分からない。
(くそ! 分からん! 何故奴は……ん?……奴は?……)
此処で彼はある結論に達する。
(そうだ……少なくとも司馬昭でなければ成功していたはずだ……奴で無ければ、今頃俺は!)
かなり強引な結論だがあながち間違ってはいないのかもしれない。確かに、一刀と解刀という組み合わせにより起こった事だ。これ
が瑠理と解刀などだったらどうなっていたかは分からない。考えても埒が明かないことではあるが。
どうあれ、姜維は司馬昭という存在がイレギュラーな事態を引き起こしたと結論付けた。
(そういえば、前回の戦も奴を討つことが出来なかった……俺の思惑どうりにならなかった……つまり俺はあの時も奴に勝てなかった
ということか! 俺は二度も奴に負けたのか!)
彼は立ち上がり、天に向かって叫ぶ。
「司馬昭! 俺は必ず勝つ! 勝つまで、俺は何度でもお前に挑む! 何度でも! 何度でもだぁ」
姜維は気づいていただろうか。
この時、彼の目的が漢を滅ぼす事から、司馬昭という男に勝つ事に完全に変わっていた事を……。
五胡との戦いと、曹操、孫権、劉備が各領地を手に入れてから数ヵ月後。
一刀はようやく完全ではないが悲しみを乗り越え、仕事の効率が戻っていた。
悲しみに包まれた期間は仕事で何度かミスをしていた。そのたびに事情を知っている仲間に何度も助けられ、美華には常に献身的に
支えてくれた。そのことに深い感謝を抱き、お礼をしようと考えて街を歩いていた。少しでも感謝の気持ちを伝えるために何か良い物
を買おうとして店を回っていたその時である。
(ん?)
一刀はフード付きの全身茶色のコートを着た怪しい人物を見かけた。見たところ男のようだが。
(何だあいつ?)
不審に思い、彼に気付かれないよう、気配を殺し尾行する。
すると、人が出入りしなさそうな目立たない場所でもう一人の同じような服を着ていた男を見かける。彼はその人物と合流し、何か
を話していた。
(ろくでもなさそうな話をしていそうだな……)
何を話しているかを聞くため、ぎりぎりまで彼等に近づき聞き耳を立てた。
「暗殺対象は街に出かけているんだな?」
「ああ、他の奴には連絡してある。動いていないのは俺達だけだ」
(何!? 暗殺!? こいつ等暗殺者か!?)
彼等が何者か分かりさらに警戒を強める。
「それじゃあ、俺達も行動しよう」
司馬師暗殺に。
(何……だと!?……)
その言葉を聞いた瞬間、一刀は動いていた。
まずは此処に待機していた男の首を斬った。
「が!?」
「何!?」
もう一人の男は一刀に身体を向け、武器を構えるが、一刀はすぐさまその男の武器を持っている腕を切断する。
「ぎゃぁ!?」
首を斬らなかったのは情報を得るためだ。斬られた男は激痛により悶絶しそうになるが、一刀に胸倉を掴まれる。
「どういうことか説明してもらおう! 言わなければもっと苦しませるぞ!」
姉の命が左右する今、一刀は男をその場で拷問に掛けることも厭わなかった。
そしてその男から聞き出した情報はこうだった。
ある人物から依頼を受け、司馬師の暗殺に動いた。まず、彼女が街にお忍びで出かけた今日に暗殺。その人数はここの二人を含めて
五人だという事。
必要な情報を聞き出した一刀はその男の首を斬り、急いで街で瑠理を探す。
(くそ! 無事で居てくれ姉上!)
一刀は走り続ける。
――数分後、一刀は瑠理を見つける。だが彼女の後ろと左右から武器を持って彼女に近づこうとする人物が見えた。
「姉上! 危ない!」
「!?」
瑠理は一刀の叫びを聞き、後ろを振り返る。
すると瑠理の目の前に刃が迫る。
「うっ!」
彼女は直撃を避けたが眉間を斬られてしまった。
残った左右の暗殺者が彼女に向かって刃を向ける。
「させるかぁ!」
ようやく一刀が前に出て、暗殺者達を迎撃する。
暗殺者達では一刀に叶わず、一分も経たぬ内に首を刎ねられた。
「姉上!」
一刀は眉間を手で押さえた瑠理の元に向かう。
「すまん! もう少し早く来ていれば!」
「ううん……ありがと」
瑠理は一刀に優しく感謝の言葉を伝える。だが内心では暗殺者を送った人物に対して、激しい怒りを抱いていた。
(私の顔に傷が……許さない……許さない!)
そして彼女は一刀に支えられながら城に戻る。
――翌日から瑠理は総力を挙げて黒幕を探し出す。
様々な人間を対象にして調べ上げた結果、ついに判明する。
犯人は……何太后!
瑠理は何太后は死刑罪にした。
この後から、漢での司馬家の専横が始まり、乱世は激化する。
後世の歴史家は、この瞬間に晋、魏、呉、蜀の四国時代が始まったと言った。
第十五話
「終わらぬ乱世」
第四章後編予告
「私は……頂点を目指す! 私の想いをかなえるために!」
瑠理、想いを暴走させる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「やっぱり……私から一君を寝取ったのね!」
一刀を巡る仁義無き戦い勃発!?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
劉備と孫権は漢王朝の勅命により司馬家より反乱。そこには馬騰親子の姿もあった。
司馬師は曹操と組み、彼女達の鎮圧に向かう。
両同盟軍は赤壁にて激突する!
第四章後編
「劉備、孫権の乱 赤壁の戦い」
あとがき
ようやく四章の前半が終了。
ここでストックが切れました……
ここから投降が遅れるかもしれません。
ですが頑張って完結まで行きたいと思っています。
説明 | ||
五胡は撃退し、曹操、孫権、劉備の反対勢力の討伐も終わり、しばらくは平穏な時が訪れる。しかし…… | ||
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コメント | ||
コメントありがとうございます。死刑に出来た事については次話で明かされる予定です。 歴史流れは着々と進行中、次に起こるのは……。(k3) 文欽役もその子供である文鴦・文虎兄弟役も既に出ていますし、皇帝を皇太后と置き換える事で皇帝弑逆もこれで発生。順序が前後していますが、晋の歴史は着々と進行していますね。これで後は赤壁後に「あの二人」がある国を乗っ取ってしまえば、司馬昭の「物語」は完成してしまいそうです。(h995) 晋は元々が魏からできたものだから同盟は当然か・・・。しかし瑠理は大丈夫だろうか。文鶯が出てきた場合かなりの確率で死ぬぞ。おまけに文鶯は呉に亡命経験があるから、蜀呉同盟に混ざる可能性も・・・。(BLACK) 司馬氏VS曹魏かと思ってたが、予想が大きく外れたな。呉蜀同盟VS魏晋同盟か…………………………それよりも、司馬師VS王元姫の方が楽しみなんだが(ohatiyo) 三国で司馬昭爵位剥奪あったな(兎) ちょww予告の二番目wwこりゃSYURABAか(イリヤ・エスナ) よく何太后を死刑にできたな…。できて暗殺位だと思ったのだが…。(飛鷲) |
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