一刀の晋王転生録 第四章十七話 |
姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:ケ 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
何太后の死刑から数日後、ついに劉辯は行動に出ようとした。
(そ、そんな!)
しかしその時にようやく気付いた。周りにいる人間が何太后が指名した人選とは大きく変わっていた事を。
これは瑠理の仕業だった。
実はあの死刑の後、何太后に協力した人物が次々と判明したのだ。
しかしこれも当然ではある。信頼できる者に任せっきりだった彼女が自分一人で暗殺を企てる事は不可能だ。
この事実から瑠理はまず、共謀した者も死刑。そして疑わしい者は死刑とはいかずとも、彼等を強制解雇したのだ。
そして彼等の穴埋めに司馬家が信頼できる者に彼等の役職に就ける。
つまり、今現在劉辯の周りにいる人間はほとんどが司馬家の部下に等しい。
この人選、暗殺の再発を防ぐためといえば聞こえは良いが、見る人が見ればこう見える。
小帝の権力を削ぎ落としていると。
当然この人選に不満や反感を持つ物はいる。
それが、僅かに残っている漢に殉ずる者である。無論、表にはその感情は出してはいないが馬騰もその内の一人だ。
(く、どうすれば良いのだ?)
しかし、初めて自分から動こうとしている劉辯が、それに気付くのは、今の段階では無理な話であった。
劉辯が苦悩していた時、一刀と瑠理は司馬家の屋敷に居た。
「姉上」
「分かっている、今、私を良く思わない者達が密かに動いている」
瑠理の言う者達とは、僅かに残っている漢に殉ずる者だ。
そう、確かに劉辯は動けないでいるが、その者達が動けない訳ではない。
「その中でも一番に気をつけなければならないのは、馬騰」
「……やっぱりそうか……」
一刀は五胡との戦いの時の馬騰の言葉を思い出していた。
(馬騰殿……あなたは分かっていてもそうするんだな……)
出来れば彼女とは争いたくはないのだがそうも行かないのは分かっている。
「姉上、どうするんだ? このままだと反乱が起こるかもしれないが……」
次の瞬間、一刀は驚愕する。
「……起こるまでほっとくつもり」
「……はぁ!?」
訳が分からないと言わんばかりに瑠理を問う。
「それって……あえて反乱を起こすのを待つって事か!?」
「そう」
「そんな……ん? まさか……」
一刀は狂気ともいえる答えに辿り着く。
「まさか……そうなるって分かっていて何太后を死刑に! もっと言えば……」
瑠理は一刀を見ながら次に出る言葉をじっと待っていた。
「わざと反乱を促した!?」
瑠理の返事は……。
「正解」
肯定だった。
「どうして!?」
流石にこの行動の理由には検討が付かない一刀は問い詰める。
「頂点を目指すため」
「頂……点……? 天下を取るつもりなのか!?」
「そう……」
「何の……ために?」
「想いを叶えるため……」
彼女は天に向かって指を指す。
「私は頂点を目指す! 私の想いを叶えるために!」