冥琳アフター
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まずはオリキャラとなる子供の紹介を。

 

周循(しゅうじゅん)……一刀と冥琳の子。一刀にとっては第二子にあたる。だいたい8歳くらい。「〜です」と言うのが口癖

 

 

一刀の事を北郷、冥琳の事は母上と呼ぶ。性格は前作の冥琳のような感じ。少々キツい。冥琳の事は大好きなのだが、一刀の事が嫌い。嫌いというか冥琳と仲が良い一刀に嫉妬している。あれだ、焔耶みたいな感じです(あそこまで攻撃的ではないが)

 

なので別に一刀の事が嫌いなわけではないのだが、一刀とどう接したら良いかが分からないのでツンツン接する。 所謂ツン子ちゃん。

 

そんな我が子の様子を冥琳は以前の自分と照らし合わせている。その為、きっと周循も自分の本当の気持ちに気付くだろうと思い、特に何も口を挟まない。

 

一方の一刀は、娘に避けられ凹む→慰める冥琳→嫉妬する周循

という無限ループに囚われている。勿論冥琳はその事に気付いている。しかし何も口を挟まない。

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「また母上と居るです………」

 

庭園で仲良く茶を啜っている一刀と冥琳の様子を陰からじーーっと見つめる一人の影。それは二人の子である周循であった。

 

「仕事の時も、休みの時もずーっと一緒……。私も母上と二人でお茶を飲みたいのですのに……」

 

とても子供とは思えない陰険な気を発する周循。こうなれば気付かない方がおかしいわけで。

 

「なぁ冥琳……周循がこっちを凄〜く見てるな…呼んであげよっか?」

 

「あなたが呼んでも来ない事は分かってるでしょ。……恐らく今は私が呼んでも来ないでしょうけど」

 

「だよな〜。俺あの子に嫌われてるもんな……。娘に嫌われるのがこんなにも堪えるだなんて思ってなかったなぁ…」

 

「さて、それはどうかしらね。本当に嫌いならあなたの事をじっと見つめたりはしないわよ」

 

「いや、あれ見つめるというよりは、睨まれてる気がするのだが……」

 

「まぁ同じようなものと思いなさい。あなたは周循の事が嫌いじゃないでしょ?」

 

「当たり前じゃないか!」

 

「なら心配せずとも大丈夫でしょう。あなたがその様に振舞っていればきっと周循も心を開いてくれるわ(私のようにね……)」

 

「……そうだな。何たって冥琳の子だもんな。一筋縄ではいかないか」

 

「フフッ、褒め言葉ととっておくわ」

 

そう言って一刀にもたれかかる冥琳。一刀は冥琳の肩に手を回しそ抱きとめる。その光景は勿論周循にも見えて…………いなかった。

 

 

「は〜い、お子ちゃまにはここまで〜」

 

後ろから声がかかると同時に目隠しをされ、そのまま反対向きにされた。

 

「雪蓮さま!?何をするですか!」

 

「あれは子供にはま〜だ早いの。それに覗き見なんてあんまりいい趣味じゃないですよー」

 

「の、覗いていたわけではないのです!偶然通りかかった処に母上と北郷が居ただけなのです!」

 

「はいはい、そう言う事にしといてあげるわ。………ところで循ちゃん、まだ一刀の事を北郷って呼んでるの?そろそろお父さんとか呼んであげたら?一刀ったら絶対嬉し泣きするわよ♪」

 

「嫌です」

 

「早!そういやどうして一刀の事が嫌いなの?」

 

「嫌いなわけではありません。呉の大都督の娘という事は誇りに思ってますです。しかし……」

 

「しかし?」

 

「母上と北郷は…その……釣り合っていないと思うのです……。北郷は戦はさっぱりですし、軍略においても穏さま、亞莎さまの方が断然上です。何故大都督なのかが未だに分からないです。しかも母上の後を継いだ……何故北郷だったのですか雪蓮さま?」

 

「うっ……(痛いところを突いてくるわね……反論できないじゃない一刀!あんたもっと頑張りなさいよ!)そ、それだけが全てじゃないじゃない!?一刀には一刀にしかない良い所があるのよ!」

 

「………そうですか……誰に聞いてもそう答えるのですね…それでは用事がありますので私はこれで失礼しますです」

 

子供にあっけなくいなされてしまった雪蓮。どうやら周家の血には逆らえないようである。そればかりかますます一刀不審に拍車をかけてしまったのであった。

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それから数日後、周循は一人町へと本を買いに出かけていた。勿論誰かと行くなり、護衛を付けなければならないのだが、そこは北郷の血のせいか周循は一人で町へと行くのが好きな子なのであった。

 

 

「…いつ来ても町は賑やかです。店も区画ごとにきっちりと分けられていて非常に買い物もしやすいです。それに警邏も充実しています」

 

などと到底子供が口に出さないような事を言いながら町を歩いている周循。そんな時ふとそこの茶屋から「北郷」という声が聞こえ少々気になり、その声がした席の傍へと座り聞き耳をたててみた。

 

「いらっしゃい!おや、お嬢ちゃん一人かい?注文は何にする?うちのごま団子は絶品だよ!」

 

「緑茶がいいです」

 

「り、緑茶……これは中々……」

 

注文をすませこっそりと聞耳をたてる周循。

 

「しかしこの町は住みやすいよなー。全く、孫策様と周瑜様のおかげだよ」

 

 

「(流石は母上…民にも慕われておいでです)」

 

 

「その二人が辞めただろ?そん時はこの国は一体どうなっちまうのかと思ったさ」

「あぁ俺もそう思ってた」

「その後に就いたのが孫権様は分かるが、もう一人があの天の御遣い様だったからなぁ。一体何の冗談かと思ったぜ」

「あぁ俺も驚いたな。あの人が周瑜様の後任だもんな」

 

 

「(それもそうでしょうね……北郷などが就けば皆不安にもなるです。納得するわけがないです)」

 

 

「だろ?でも後任が北郷様でよかったよな!」

「あぁ俺もそう思った!北郷様にはいつかは大都督に就いてもらいたかったけど、こんなに早く就くとは思ってなかったから驚いたな」

 

 

「(えっ!?何故です?)」

 

 

「あの方ほど俺達の事を第一に考えてくれる人は居ないだろうしな。周瑜様も俺達の事をよく考えてくれてたけど、良くも悪くもお役人様だったからなぁ」

「分かる分かる。策を出してもどこかずれてるというか、中途半端な策というか…な」

「その点、北郷様は俺達の事をよく知っているからな。一人でお忍びでよく町に来てたし、その度にどこか困った所はないかとか俺達と話していたもんな」

「あの人が天の御遣い様だと知った時は本当に驚いたな。だって普通に屋台でラーメン食ってるんだぜ!?ありえねー」

 

 

「(うっ…えらく慕われておるですね)」

 

 

「何よりこの町をここまで安全で住みやすい町にしてくださったのが北郷様だしな」

「違ぇねぇ」

 

 

「(何ですと!?先刻は母上だと言っていたではないです!どういう事です!)」

 

 

「ここまで大きくしてくれたのは周瑜様のおかげさ。でもそこを整理して今の姿に育て上げたのは北郷様だよな。周瑜様は警邏の事にまでは手を回していなかったし、商売をするのにも厳しい規則があったしな」

「北郷様は自分達の事は自分達で決めよと言って下さったしな。当たり前の事だけど今まではそうじゃなかったもんな」

「あの方は俺達を信用して下さっている。それに応えるのが俺達の努めだな」

「そうだな」

 

 

「(それは北郷が取り締まるのを面倒がったからの気もするですが……しかしそれを差し置いても…北郷は民の事をよく理解しているのですね……少しだけ見直した…かもしれないです)」

 

 

「おっ、そういや北郷様と言えば最近やたらと子供の好きなものについて聞いているらしいな」

「確かに。何か子供が好きな食べ物とか、今流行ってるものとかな。あの人も大した子煩悩だよな〜」

「そんな事しなくても北郷様の事が嫌いな子はいないだろうにな。あの人の子は羨ましいよ」

 

そう行って店を出ていくその二人。残された周循はじっと何かを考えていた。そして何かを思いついたようで、店員に話しかけていた。

 

「すみません、ここのごま団子を持って帰る事はできるですか?」

 

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町での買い物終えた周循は誰にも見つからないようこっそりと城内を歩いていた。そんな時

 

「周循ちゃん、また一人で町へ行っていたのですか?」

 

「ひっ!??あ、亞莎さま!?」

 

「もう、駄目ですよ。いくら安全になったからといって一人で行っては。もしお母さんに見つかったら……どうなっても知りませんよ?」

 

「うっ、それは嫌なのです。もうあまり一人では行かないです。………そ、それと亞莎さま、お聞きしたいことがあるのです。ほ、北郷はごま団子が好きだと聞いたのですが…」

 

「だんな様が?好きだと思いますよ。今でも私と呂jの三人で作ったりしてますよ」

 

「そうですか。ありがとうございますです」

 

そう言って何かを隠すように駆けだす周循。亞莎はその姿を不思議に思いなが見ていた。

 

 

―――――――その夜

 

「ふーっ、今日はこれくらいにするか。………………んっ?誰か用かー?」

 

政務をあらかた終え、そろそろ寝ようと思っていた一刀であったが、ふと扉の方から音が聞こえ声をかけてみた。しかし返事はなかった。

 

「?気のせいか?」

 

そう思ったが、気になった一刀は扉を開けてみた。するとそこにはごま団子が4つ置かれていた。

 

「誰が置いてったんだろう?まぁ多分亞莎だろうな。俺の邪魔をしないようにとでも思って置いていったんだろうな。全く…可愛い奴め」

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――――――――翌日

「おーーい亞莎!」

 

「だんな様?どうかなさったのですか?」

 

「いや、昨晩のお礼を言おうと思ってね。おいしかったよ、ありがとう!」

 

「??何の事ですか?」

 

「えっ?昨晩俺の部屋の前にごま団子を置いていったのって亞莎じゃないのか?」

 

「昨晩?いいえ私じゃないですよ。……そ、それに、わ、わ私なら、だ、だんな様の部屋に伺います……」

 

夜に一刀の部屋へ行くという事がどういう事か分かっている亞莎は顔を真っ赤にしながらそう告げた。

 

「そ、そうだよな!!な、なら一体誰がくれたんだろう?」

 

「そうですね……!!冥琳様にこの事を伝えてみて、昨晩周循ちゃんがどうしていたかを聞いてみて下さい」

 

「冥琳に?分かった聞いてみる」

 

亞莎に言われた通りにしようと思い冥琳を探す一刀。

 

「全く、周循ちゃんも素直じゃないですねぇ。最初から渡したら良かったのに…」

 

 

 

 

 

「お、いたいた、冥琳!」

 

「一刀?何の用だ?」

 

昨晩の出来事と、亞莎に言われた事を話す一刀。それを聞いた冥琳は笑ったような、呆れたような声でこう答えた。

 

「昨晩遅くに部屋を出たのはこの為だったのですか……一刀、昨晩の仕業は間違いなく周循です」

 

「えっ、マジで?!!!!」

 

「まじです。あの子なりにお礼でも言いたかったのでしょう。ただ面と面を向かってでは恥ずかしかった。だからこのよう……………一刀?」

 

説明している冥琳は一刀の様子がおかしい事に気付いた。下を向いてプルプルと震えていたのだ。

 

「……周循が俺にプレゼントを……この俺にプレゼント…………周循がプレゼントを俺に………周循が俺のプレゼント………………うおぉぉぉぉぉぉ!!周ぅぅーーーーーー循んんんーーー!!!!!!!!!!!!」

 

そう叫びながら駆けだしていた一刀。

 

「ヤレヤレ、うちのお父さんは過保護すぎて困る……」

 

そうは呟きながらもとても嬉しそうな顔をしていた冥琳であった。

 

 

 

 

「周うぅぅぅーーーー循んんーーーーーーー!!!!!!!」

 

「ひっ!!ほ、北郷!?何の用……………ってこらやめろ!!離すです!」

 

自分の名前を大声で叫びながら近づいてくる一刀に怯えた周循は逃げようとした。しかし一刀に抱きしめられてしまった。

 

「昨日のごま団子は周循がくれたんだろ?ありがとう。凄くおいしかったよ」

 

「っっつ!!わ、私じゃないのです!何を勘違いしているのです!!」

 

そう言って必死に逃げようとする周循であったが、一刀は決して離そうとはしなかった。離す気などさらさら無かったが。しかし今この場に居た子供達は周循だけではないわけで……

 

「お父さん、周循だけずるい!」

「とーさま私も〜」

「ととさまぁ!」

 

それぞれの子に縋られる一刀。しかし今は周循しか目に入っていなかった。

 

「周循は可愛いなぁ〜」

 

「っつ!!は、早く離すですーーーーーー!!」

 

 

その後、一刀の部屋の前にはよくごま団子が置かれるようになった。そしてその翌日はいつも周循の叫び声が響き渡っているそうな。

 

 

呉は今日も平和です。

説明
皆様、ごきげんよう。超級覇王です。

アフターの希望をいただいたので書いてみました。

しかし私のヘイポーな才能ではキャラ設定が分からない子供達を一気に書く事は死を意味するので、単品?みたいな感じで書きました。


最初は冥琳です。何故かって?好きだからだよ!!!!!

子供はオリキャラになります。こんなの思っていたのと違うと思われると思いますが許して下さいorz

ちなみに次は誰を書くか、どんな内容にするか未定です。
書くかも未定だったりw

それではどうぞ〜
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コメント
皆可愛良いなあ。(readman )
周循がけなげでかわいすぎる//////(零壱式軽対選手誘導弾)
霊皇様 あ、それは全然間違ってないです。一刀よりは賢いですw 子供達だけ…考えてみますww(超級覇王)
munimuni様 自分が一番書きたい親子…それは雪蓮親子!! ですので勿論書きますよ!(超級覇王)
なぜだろう・・・・周循の方が雪蓮や一刀より頭よさそうに見える・・・かわいいからいいか・・・・ぜひ他の子たちも・・・あと・・・子供たちだけの会話ってのも見てみたい気が・・・(霊皇)
だめぱんだ♪様 明命ですか…いつかは書きますwでももう頭の中ではできあがっていたりするのですww(超級覇王)
個人的に明命親子のssキボンヌですd(´∀` )! 次も期待してます^^(だめぱんだ♪)
THE10様 「このまま一刀の前ではデレがないのもアリだな……」とか思っている自分がいますww(超級覇王)
回天様 子煩悩といいますか単に親バカですね。次も書き始めましたよ〜。誰かはお楽しみデスww(超級覇王)
yosi様 ツンデレはツンからデレに移行する間が一番萌えるのです!!(力説) FF8が懐かしすぎて一瞬思い出せなかったw(超級覇王)
「今」は母しか見えていない周循が、これからどうデレていくのか楽しみです。(THE10)
子煩悩な一刀がとても面白かったです。次も期待しています。(回天)
ツンデレな娘って素敵ですよね。あと、雰囲気的にFF8のスコール ラグナ親子を連想しました。 (yosi)
Poussiere様 雪蓮の子は勿論小っちゃい雪蓮です……ってそれって小蓮なんじゃね? ヤバい大問題が発生した……(超級覇王)
タタリ大佐様 一刀は良い主人公ですよね!潔い変態です(褒め言葉)(超級覇王)
kain様 次……何も考えてねぇwふっと思いついた人を書きますw(超級覇王)
ブリューナク様 書いててちょっとニヤついてた私は死んだ方がいいと思いますwww(超級覇王)
スウェン様 冥琳verはすぐに浮かびましたが、他の子は何にも浮かばないwwヤバいですw(超級覇王)
冥淋の子がこうなるのだから、雪蓮の子供はどうなるのか・・・・・わくわくがとまらねぇw(Poussiere)
ああもう…何気に一刀が可愛くて困る(タタリ大佐)
次は雪蓮の子供かな?(kain)
いや、なんかもう・・・ニヤニヤが止まらんかったですw(ブリューナク)
面白かったです。次も楽しみにして待っています。(スウェン)
nemesis様 ご指摘ありがとうございます!早速訂正しました。これで良いかなと思ってました……自分はまだまだです。 何かこれからも絶対誰かとキャラが被る気がしてなりませんw(超級覇王)
きりゅーのすけ様 あ、そうだ音々音だ!普通に存在を忘れ(ry 書きながらこれ誰かに似てるよな〜と思ってたのが判明しましたw(超級覇王)
武御雷様 違和感ありませんか?そこが一番気になってたので、良かったです。一刀は親バカであり妻バカですw(超級覇王)
MiTi様 この子にデレはないのですw寧ろ必要ないかなとか考えてますw  ご指摘ありがとうございます!これからもご指導御鞭撻のほど宜しくお願いします!(超級覇王)
ビスカス様 冥琳の子が素直なはずないですw(断定 他の親子…頑張ってみますw(超級覇王)
三ページ目の北郷様の事が嫌いな子はいないだろのになは、いないだろうになの間違いですか?あと他の方も言われていますが焔耶と言うより音々音にそっくりですよw(nemesis)
確かにツン子ですねw焔耶と言うより音々音っぽい印象を受けましたww(きりゅーのすけ)
う〜んさすが冥琳の子供だwついでに違和感がまったくない。ついでに一刀やっぱり親バカ化しましたね。(武御雷)
後ちょっと指摘…冥琳は一刀に対して敬語は使わない!と思う…(5nで(MiTi)
ツン子してその後ゴン狐…このコンボは効いたぜ…(っガハ!(MiTi)
周循・・・ツン子最高でしたwwwオリジナルキャラなのに全然可笑しくなかったです!!!他の親子とのエピソードをたくさん書いてくださいね♪(ビスカス)
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