夜空の下で・・・
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1.夜空の下で・・・

 

暗い森の中、川のせせらぎが聞こえてくる。

周囲には誰もいない、静かな世界・・・そんな世界を月明かりのみが森を照らしている。

そんな森の中に2人の少女がいた、夜空がよく見える場所に座り込んで夜空を見上げて

いる。

シスフェリア「・・・綺麗ね、シルエラ」

シルエラ「はい・・・」

2人は夜空をただ見上げている、夜空の中を星が輝いている。

シルエラ「そういえば、りんごがありますが食べますか?」

シスフェリア「・・・ええ」

シルエラ「分かりました」

シルエラはそう言うとナイフとりんごをカバンから取り出してりんごを一口サイズに

切っていく。

シスフェリア「・・・相変わらず上手ね」

シルエラがりんごを切っている光景を見ながら言うシスフェリア。

シルエラ「ありがとうございます」

シルエラは少し微笑む。

シスフェリア「・・・本当に静かね」

シルエラ「そうですね」

2人の会話はシンプルな内容が多い。

シルエラ「出来ました、我が主」

シルエラは切ったりんごをシスフェリアに手渡す。

シスフェリア「・・・これは?」

シルエラ「うさぎりんごです」

シスフェリア「・・・」

無言でうさぎりんごを見つめるシスフェリア。

シルエラ「どうかしましたか?」

シスフェリア「いえ、可愛いわね」

シルエラ「お気に召して良かったです」

シスフェリアはうさぎりんごをかじり始める。

シスフェリア「ねえ、他の形にも出来る?」

シルエラ「はい、少々お待ち下さい」

シスフェリア「お願いね・・・」

シルエラは少し楽しそうにりんごを切っていく。

シスフェリアはそんな光景を見て微笑ましいと思っていた。

シルエラ「出来ました、我が主」

シスフェリア「・・・」

うさぎの次は猫だった。

シルエラ「如何ですか?」

シスフェリア「上手ね、すごいわ」

そんなやり取りをしながら2人りんごで食べていく。

そして2人は夜空を見上げた。

シルエラ「・・・」

シスフェリア「綺麗ね・・・」

シルエラ「そうですね」

シスフェリア「あの夜空には苦しみや悲しみは無いのよね・・・」

シルエラ「・・・」

シルエラは夜空を見ながらその言葉を聞いていた。

シスフェリア「どうして・・・私なの・・・」

シスフェリアは呟く、夜空に問いかけるように・・・。

シルエラ「主?」

シルエラは夜空からシスフェリアへと視線を移す。

シスフェリア「なんでもないわ」

シルエラ「そうですか・・・」

シスフェリア「さあ、眠りましょう・・・」

シルエラ「はい・・・」

シスフェリアは夜空を見ながら思う、まだ人間だった時に見上げた夜空と今見る夜空。

同じ夜空なのに今は違って見える・・・その答えはいつか分かるのだろうか?

説明
夜空の下、シスフェリアとシルエラの2人きりの会話が始まる。
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シスフェリア シルエラ 蒼白シスフェリア 少女病 

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