IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode169 全てが始まった場所
その頃上では・・・・・・
「フィーちゃん。ちーちゃんとはっくん達からの連絡は?」
「いいえ。全くありません」
「こちらからも問い掛けてみましたが、返答はありません」
「・・・そう」
束は少し表情が暗くなる。
ブリッジでも異変に気付き始めた。
「どうしたんだろう・・・進入してから十五分後に連絡を入れるはずなのに・・・もう三十分は経つよ」
「中で何か事故があったのか、それとも内部は外部と通信が出来ない状態なのか・・・」
「後者はありうるけど、もし前者だったら・・・」
「内部にバインドが居たのか、もしくは想定されなかった何かがいたのか・・・」
「何かって・・・」
「出来れば、後者の予想が当たってほしくは無いが・・・」
「・・・・」
「くそっ!」
輝春は後退しながら両腕のシールドライフルを放って接近してくるザクUを撃ち抜く。
「はぁぁっ!!」
千冬はレヴァンティンを振るって光波を放ち、接近してくるザクUを切り裂く。
「どんどん数が増えていくな・・・」
「・・・」
「まずいぞこいつは。俺が援護するから千冬は下がれ!」
「何を!兄さんだけを置いていけるはずが無いだろ!」
千冬はカートリッジをリロードして刀身に炎のエフェクトのエネルギーを纏わせると勢いよく振り下ろし、光波を放ってザクUを二体を切り裂いて撃破する。
「だからと言って、このまま二人が一緒に居ても仕方が無い・・・っ!?」
するとジムが右手に持つダブルビームライフルから放たれたビームがAGE-1グランサの左肩増加アーマーに直撃して爆発する。
「兄さん!」
千冬は輝春の前に出ると左腕のシールドで飛んでくるビームを防ぐ。
「くっ・・・!」
すると後方から赤と緑のビームが飛んできてザクUやジムを撃ち落す。
「っ!」
「大丈夫か!千冬姉!」
「輝春さん!」
と、後ろから一夏のインフィニティーと箒のインフィニットジャスティスが飛んできて、二人の前に降り立つ。
「一夏と篠ノ之か!」
「いいタイミングで来てくれたぜ!」
輝春は体勢を立て直してシールドライフルを放つとザクUを撃ち抜く。
「ここがエレベーターみたいだね」
「そのようだな」
アンノウンとの交戦があるも、隼人達は撃破していき、エレベーターがある一室に到着する。
「ここから地下に降りるけど・・・最深部まで降りるかな」
ユニコーンはエレベーターのコンソールを開くと、階数を調べる。
「どうだ?」
「・・・最深部までは行かないけど、結構深くまでは行くみたい」
「どこまでだ?」
「最深部より一、二階ほど高い場所」
「それでも十分だ。降りれるところまで降りよう」
隼人とリインフォースもエレベーターに乗り込む。
「でも、うまく動くかな?」
『そうだな・・・何せ長い間使われて無いのだからな』
「・・・・」
ユニコーンは慎重にコンソールを弄っていると、エレベーターから駆動音がして、ゆっくりとエレベーターが下りて行く。
「未だに動くなんて・・・何か凄い」
「あぁ。何千年も放置されているはずだが、錆すらないのか」
『特殊な金属で出来ているのでしょうか?』
「さぁな。だが、動くのならそれでいい」
そのまま三人を乗せたエレベーターはゆっくりと下りて行った。
「そういえば、なぜ二人ははぐれた後どうした?」
降りている途中で隼人は二人に聞く。
「うん。私とリインフォースははぐれた時から一緒に居たから、少し通路を歩いていたの」
『そんな時に隼人を見つけたと言う事です』
「なるほど。やっぱり誰とも連絡が付かないか」
「うん。Gシステム78が電波を遮断しているのかもしれない」
「・・・厄介だな。せめてあいつらの居場所が分かればいいんだが・・・」
「それも試してみたよ。何とか居場所ぐらいは把握できた」
「そうか」
『ですが、高低差が分からない以上あまり当てになりません』
「・・・・」
「まぁ、分かっただけでもいい方じゃ無いかな?」
「そうだな。行くついでにポインターを置いて帰りの道標を作っておいたから、帰り道は分かる」
「準備がいいね」
「何事にも事前の準備は必要さ」
『そうですね』
「っ!」
シャルロットは両腕のダブルビームガトリングを放ってジムを牽制すると、背中のキャノンを下ろして轟音と共に弾丸を放ち、ジム二体を撃ち抜く。
バンシィはビームアックスを振り被って接近してくるドムをライオットブレードを振るい切り裂く。
(こうも狭いとうまく武器が扱えない・・・!)
二人が居る通路はちょうどIS二体分が入るぐらいの幅しかなく、床から天井までIS三体分の高さしかない。
ただでさえバンシィの武器が大きい為に、ポテンシャルが完全に生かせない。
その直後にバンシィの後ろからザクUが両腕のクローを振り上げるも、シャルロットがとっさに左腕のダブルビームガトリングを放ってザクUを撃ち抜く。
更に前方に向けて背中の大型バックパックの先端二つのコンテナを展開してミサイルを放ち、ジムやザクUに直撃させる。
「このままこの場に留まっても消耗をするだけ!応戦しながら後退!」
「了解!」
シャルロットは両足のクローラーで後ろへと後退し、背中のキャノンを放つ。
(戦った所で消耗を促すだけ。今は合流を最優先にしないと・・・)
バンシィはシャルロットに近付いてくる赤い百式を右手のライオットブレードを投擲して突き刺すと、すぐに左手に持つライオットブレードの柄頭のエネルギーチューブを引っ張ってライオットブレードを引き抜き、右手にキャッチし、後退する。
「まいったわね。これは・・・」
「・・・・」
簪は角の陰から右半身を出すと背中右側のビームキャノンを前方に向けて放ってアンノウンを撃ち抜き、右手のビームライフルを放って牽制する。
楯無も一瞬身体を角の陰から出して右腕のトリケロス改のビームライフルを放ってアンノウンを撃ち抜くとすぐに陰に隠れる。
直後に四角いカメラアイを持つゴツイアンノウンは両腕のダブルガトリングを放ってくるも、角の陰に隠れて凌ぐ。
「この先進めそうになさそうね」
「うん・・・」
簪はビームキャノンを出して放ち、アンノウンを撃ち抜いて撃破する。
「隼人君と合流するには、リスクが高くなるけど、奥に進まないといけない・・・」
「・・・・」
「まぁ進んでも下がってもあいつらが居る事に変わらないけど」
「・・・・」
するとアンノウンが後ろから何かに攻撃されて爆発する。
「っ!」
楯無は陰に隠れているも、爆音でびっくりする。
二人はとっさに角の陰から出て見ると・・・
「・・・・」
爆煙の中から、キャタピラの音を立てて、シャルロットのヘビーアームズCとバンシィがやってきた。
「あら、シャルロットちゃんにバンシィ・・・」
「楯無さんに・・・簪も・・・」
「二人共無事だったんだね」
「何とかね。さすがに数で押し切られそうになったけど」
「そうね」
「うん・・・」
「でも、無事に合流できてよかった」
「えぇ」
「・・・隼人と・・・会ってないの?」
「残念だけど、隼人はもちろんここまで誰とも会えて無い」
「・・・そう」
「とにかく、今は他のメンバーとの合流を最優先に」
「そうね。やはり後退するより進んだほうが合流できる確率が高くなる?」
「そうだね。下がって合流するより高くはなる」
「やっぱりね」
「で、でも・・・」
「確かに、みんなも合流を考えているのなら、奥に進んだ方が合流しやすい」
「そうだね。アンノウンに遭遇する危険性は増すけど、私達だけ逃げるわけには行かない」
「・・・・」
「・・・・?」
すると通路奥より物音がする。
「この音は…」
楯無もその音に気付く。
「…キャタピラ?」
その音はどんどん近くなっていく。
「・・・・!」
バンシィは目を細めて見ると、巨大な何かが近づいて来ていた。
全体的に緑色をして中央部が紺色のツートンカラーで、通路の幅分の大きさを持ち、その巨体を支えるキャタピラが音を立てていた。その中央部には巨大な長砲身と砲口を持ち、その下に一つ目が発光する。
「せ、戦車!?」
「なんて大きさの――――」
しかし楯無が言い終える前に巨大戦車は巨大な砲身を上げると四人に向ける。
「っ!みんな逃げて!!」
バンシィはとっさに叫び、三人もとっさに左右の通路に散ると、巨大戦車は衝撃波と轟音と共に砲弾を放ち、T字路の壁面に衝突して大爆発を起こす。
そうして隼人達が乗ったエレベーターは下りれるまで降りると止まり、三人はエレベーターを出て前に進む。
「ここまでか」
「そうだね
隼人達はエレベーターから降りると、すぐそこにある扉まで歩いていき、隼人は扉横のコンソールに手を置くとサイコジャックでロックを解除し、扉を開けた。
「サイコジャックって本当に便利だよね」
「あぁ」
そうして三人が中に入ると・・・・・・
「これは・・・」
「・・・・」
『・・・・』
そこには様々な設備があった。
カプセルのようなものが二つ程あれば、何かを固定する為のハンガーが壁に二つあった。
「何らかの実験施設・・・かな」
『そうだとは思うが・・・』
ユニコーンは周囲を見ながらコンソールと思われる装置に近付くと、パネルに触れるとモニターが付く。
「今でも稼動するって・・・本当に何千年前のものなんだろうね?」
「さぁな・・・」
隼人はカプセル二つに近づく。
「しかし、何かがここにあったのは確実か・・・」
『・・・・』
「うん。でも、ここで何が・・・」
と、ユニコーンはタッチパネルを操作してデータを閲覧する。
『・・・・』
リインフォースは周囲を見渡す。
「どうした、リインフォース?」
『い、いえ。特にこれと言ったものでは無いのですが・・・ただ――――』
「ただ?」
『・・・ここにどこか見覚えのあるような気がするんです』
「奇遇だな。俺もなんだ」
「実際の所私もそう思ってた」
『二人も?』
「どこか見覚えがあるんだよね・・・」
「だが、それが何なのかまでは分からない」
『・・・・』
「・・・こ、これは・・・」
ユニコーンは目を見開く。
「どうした?」
「・・・・」
すぐにデータを見直す。
「・・・まさか・・・ここが・・・」
ユニコーンの声は震えていた。
「・・・・」
『一体・・・何が?』
「・・・どうやら・・・私達は相当な場所に来てしまったみたいだね」
「なに?」
「・・・ここは・・・Gシステム78は・・・・・・私達にとっては・・・」
『とっては?』
「・・・ここが・・・全ての始まりの地なの」
「全ての・・・」
『始まりの地・・・だと?』
今の状態では隼人とリインフォースの表情は分からないが、声に緊張味があった。
「うん。コレを見て」
ユニコーンは隼人にモニターを見せる。
「ここであるものが作られていた」
「・・・・」
「それは失われたロストテクノロジーで作られ・・・更に別世界の技術を用いられて作られた・・・」
「・・・・」
それを見て隼人は驚きを隠せなかった。
『・・・ま、まさか・・・』
リインフォースも驚きを隠せなかった。
「そのまさかだよ。このラボで・・・・・・ユニコーン、そしてユニゾンISが二体ずつ作られていた」
「・・・って、事は・・・ここが?」
「そう。このGシステム78が・・・私とバンシィが生まれた場所。リインフォースがこの世界に転生した場所でもある」
『・・・ここで、私が・・・』
「じゃぁ、あのハンガーは・・・」
隼人は後ろを向いてハンガーを見る。
「あそこに私とバンシィが立っていた。そして、そのカプセルにリインフォースと、リインが眠っていたんだろうね」
『・・・・』
リインフォースは近くのカプセルを見る。
「・・・リインフォースにツヴァイ、ユニコーンとバンシィがここで誕生した・・・なら、ここで俺は・・・」
「ここのコンピュータには隼人君のデータは無いよ。恐らくもっと下のほうにあるのかもしれない。もしくはここじゃないのかもしれない」
「・・・・」
『だが、可能性としては・・・』
「かなり大きいね。でも、疑問はかなり残るね」
「あぁ。ここでお前が作られた。なら、何でお前はここから出ていたんだ?」
「それは分からないよ。この時のメモリーは全く残ってないから・・・」
「・・・そうか」
タスケテ・・・
(っ!?またあの声か!?)
隼人は少し前にも聞いた声が脳裏に響き、とっさに周囲を見渡す。
「どうしたの、隼人君?」
ユニコーンは怪訝そうな表情を浮かべる。
「・・・い、いや、何でもない」
すぐに平然を装う。
『そういえば、先ほども同じような事が・・・』
「・・・・」
「本当にどうしたの?」
「・・・・」
隼人は少し考えて・・・・・・
「よくは分からないけど・・・声が聞こえるんだ」
『声?』
「でも、私達には何も聞こえないよ?」
「やっぱり聞こえてないのか」
『何を言っていたのですか?』
「・・・助けて・・・・・・それだけだ」
『・・・・』
「一体隼人君に誰が助けを求めているんだろう」
「分かれば苦労などしない」
『・・・・』
すると、研究室の奥の壁が開いた。
「あれは・・・」
『隠し扉・・・」
「まだ何かあるって事か」
「これ以上何が隠されているって言うの・・・」
「・・・・」
『・・・・』
「・・・行こう。あいつがここまで来た目的が分かるかもしれん」
「う、うん」
『はい・・・』
そうして三人は警戒しながら隠し扉の奥へと進む。
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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