仮面ライダー Rainbow of the oblivion―忘却の虹― 17話 |
泣き疲れたクロームはそのまま眠ってしまい、ツナは彼女を背負って家に連れて帰った。
その時、リボーンやビアンキ、さらには年下のフゥ太までにもいじられていた。
そして翌日、
「おはようございます!!十代目!!」
「オッス、ツナ♪」
「おはよう……ふぁぁぁ…」
イタリアから帰ってきたばかりに見えない三人に京子と彼女の親友、黒川花がやってくる。
「おはよう、ツナ君。それに獄寺君に山本君も」
「あんた達聞いた?今日転校生がくるんだってさ。しかも八人も」
「けっこう多いな、何かあったのか?」
「さあ………今ヤバい時期なのに転校してくるっておかしいと思うけどね」
「けっ…どうせもの珍しくてきたんだろうよ」
「そうかな…」
少しツナ達が話をしていると担任の先生がやって来て、HRを始めた。
それと同時に転校生の紹介していく。
――奇抜な格好と口調をした、SHITT・P!
――どこか暗い表情をした、古里炎真
そして、
「クローム!!?」
「どうしてここにお前が!!?」
「おっ?転校生知ってるヤツだったか♪」
「なんだ、沢田達知り合いだったのか?というより沢田、お前知ってるんじゃないのか」
「はい?」
「あの……その………沢田……凪…です…」
「えぇえぇぇぇぇぇ!!!?」
――――。
クロームが言うにはリボーンはツナが寝たあと、クロームを並盛に転校生として学校側に手続きをしたらしい。
その際、さすがにクローム髑髏では不自然なのでツナの親戚として『沢田凪』という名前を使うようにいったらしい。
「リボーンのヤツゥゥゥ…」
「へぇ…クロームちゃんってツナ君の親戚だったんだ!」
「えっ…う、うん…」
「それにしてもあんたホントに沢田の親戚?ぜんぜん似てないんだけど」
「あー…それは気にしないで…」
「それはそうとクロームめっちゃ見られてるぞ?人気だな♪」
「それと十代目に殺気のこもった視線を送ってる野郎がいやがる……ちょっとシメてきます」
「いやいや、いいからそんなことしなくて!?」
山本と獄寺の言う通り、クロームの方にはクラスの男女からの視線が、ツナには男子の殺気のこもった視線が送られている。
大方親戚に美少女がいるのが羨ましいのだろう。
そんな彼らの前に炎真がやってくる。
「あの……」
「あっ君は……古里……炎真君…だよね…」
「どうしたんだ?」
「あの……リトさんから伝言が…」
「何!?何でお前がリトさんのことを!?」
「えっと…ここじゃまずい…よね……放課後の屋上で……話ていい?」
「う、うん…わかった……じゃあ放課後ね…」
放課後……炎真は自分のことを全て話した。
もちろん、シモンファミリーのことや転校してきた 理由も。
「まさかシモンファミリーがやってくるとはな…」
「ん?とりあえず死ぬ気の炎にたくさん種類があるんだな♪」
「そこ!?あっそうだ、伝言まだ聞いてなかったや…」
「えっと……リングができたからとりに来てだって…」
「もうできたの!?」
「おめでとうございます!!十代目!!やっと戦えますね!!」
「てことは、ツナも仮面ライダーってことだな♪」
「う、うん……」
「?十代目?」
ツナは昨日の夜のことを思い出していた。
生半可な覚悟……確かに今の自分はそうかもしれない。
しかし、自分がやらなければ世界が終わる。
そういう責任感とプレッシャーが今ツナの中にはあった。
「……とりあえずリングをとりに行くね。場所わからないから案内してくれないかな?」
「うん……いいよ…えっと…」
「ツナでいいよ。みんなそういってるし」
「じゃあ…ツナ君…」
「うん♪」
ツナと炎真は互いにどこか似ていると感じたのか、けっこう波長があっていた。
「そういうことなら俺もお供します」
「今日部活ないから俺も行くぜ♪」
「いいよ、ただリングをとりに行くだけだし…」
「ですが未確認もが出てくるかも知れませんし、やっぱりお供します」
「わかったよ…じゃあいこっか」
―――――。
一方アパートでは
「キリギリス!!」
「す…すき焼き!!」
「まだそういう季節やないやろ……キンタロス」
「自分の名前ありなの!?…じゃあステップ♪」
「プリン!!」
「「「センパイ(桃の字、モモタロス)アウト!!!」」」
モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスはしりとりをやっていた。
負けたらバツゲームで顔に落書きをするという内容でモモタロスは八連敗中。
そろそろ顔に描くところがなくなってきたようだ。
「でもセンパイ、毎回ぷでプリン出すなんて学習能力無さすぎるよ」
「馬鹿の一つ覚えっちゅーやつやな」
「僕意味知らないけどきっと違うと思うよくまちゃん」
「誰がバカだ、誰がぁぁぁぁぁぁ!!!」
「「「いや、事実だし」」」
何故彼らがこんなことをしていると言うとデネブとユウトは買い物(ユウトは椎茸を買うのを止めに)ジークは散歩に出かけた。
そしてリトはお使い中だ。
「ふぃぃ……それにしても暇だなぁ…何か暴れたりないっつうかよぉぉ」
「センパイじゃないけど確かに暇だねぇ」
「俺も食っちゃ寝してるかんな〜」
「じゃあじゃあ、お外で遊ぼうよ!!」
もう暇でしょうがないと思い、外に出ようとしたその時、
隣の家からとても大きな爆発音がなった。
「おわっ!?な、なんだァぁ!!?」
「事故………にしては大きいし…」
「とりあえずいこか!!」
「はーい」
モモタロス達は爆発音のした方向に走る。
そこにはイカのような姿をした未確認生命体とその他の未確認生命体、合計七体の未確認生命体が暴れていた。
「未確認か…うじゃうじゃいるなぁ…!」
「過去最高記録じゃない?」
「それはともかく…や」
「これで遊べるね♪」
そう言ってモモタロス達はベルトを取りだし腰に巻き付ける。
そしてそれぞれ対応するボタンを押し、手にもったパス…ライダーパスをベルトにセタッチする。
「「「「変身!!!」」」」
『Sword form』
『Rod form』
『Ax form』
『Gun form』
モモタロス達は最初はプラットフォームと呼ばれる姿になったがすぐにそれぞれのオーラアーマーと電仮面を付け、別々の姿になる。
「俺、参上っ!!!」
仮面ライダー電王・ソードフォーム
「お前達ぃ、僕に釣られてみる?」
仮面ライダー電王・ロッドフォーム
「俺の強さにお前らが泣いたぁ!!!涙はこれで拭いときぃ!」
仮面ライダー電王・アックスフォーム
「お前達倒すけどいいよね?答えは聞いてない!!!」
仮面ライダー電王・ガンフォーム
「言っとくが俺達は――」
電王達は腰に付けてあるデンガッシャーを各フォームごとに組み換え、
「最初からクライマックスだぜぇぇ!!」
未確認生命体に突っ込んでいった。
「こっちからです!」
「けっこうでかい音だったな…」
ツナ達はアパートへ行く途中、爆発音がしたのでそこへ走っている状況だ。
「この方角…」
「炎真君どうしたの?」
「アパートの近く…」
そしてようやくその場所についた。
そこには電王に変身したモモタロス達が戦っているところだった。
電王SFはスピードを生かした戦いかたを、電王RFは足技と棒術を使った戦いかたを、電王AFは防御力と斧を使った戦いかたを、電王GFは銃を使った容赦ない戦闘をしていた。
しかし、相手のほうが数が上……次第に押されていき、未確認生命体21号の口から出た体液を当てられ、吹き飛ばされてしまう。
「くそったれ!」
「やっぱり数が多いからね…」
「泣けてくるわ」
「むぅ〜、ずるいずるい〜」
「おいテメェ等、なに負けてやがる!」
「助っ人登場な♪」
「お前ら…!」
「瓜!!」
「次郎、小次郎!!」
「「形態変化!!!」」
獄寺と山本はリングから瓜と次郎、小次郎を呼び出し形態変化させる。
それぞれベルトに携帯電話がついたようなベルト・ファイズドライバーと龍の紋章がついた四角いもの・カードデッキになる。
獄寺はファイズドライバーからファイズフォンをとり、スタートアップコード『555』と『Enter』を入力しそれを上に上げてファイズドライバーに装着、山本は近くのガラスにデッキをかざすと腰にベルト…Vバックルが表れ、右腕を斜め上に上げてVバックルに装着する。
『Standing by』
「「変身!!!」」
『Complete』
獄寺はファイズドライバーから出てくる赤いフォトンストリーム が駆け巡り仮面ライダーファイズへ、山本は鏡のように透明な騎士の幻影がいくつも重なり仮面ライダー龍騎に変身する。
「これで数は近づいたな♪」
「俺も戦う…!」
「僕も…!」
「十代目、危険です!下がっていてください!」
「生身の君たちじゃむしろ足手まといになるよ?」
「それでも…!」
ツナは死ぬ気丸を飲み超死ぬ気モードになり、炎真も戦闘体制になる。
未確認生命体達は一気に襲ってくるが炎真の大地の炎による重力操作で足止めをし、その間に電王GFとファイズフォンをフォンブラスターにしたファイズが未確認生命体を撃つ。
重力操作の効果が切れ、ツナと炎真以外はそれぞれ一体ずつ未確認生命体を相手にする。
「ここじゃ被害が出る!広い場所に行きながら戦うぞ!」
「おう!」
「了解です!」
「行くぜ行くぜ行くぜ行くぜぇぇぇぇ!!!」
「ごめんね、センパイ聞いてないみたい」
「こっちはこっちでやるわ、あとよるしゅうな!」
「いっくよ〜!」
ツナの言葉にファイズと龍騎はうなずくが電王SFはガンガン攻めにいっている。
だがなにげに人気がない場所に追い込んでいるので放置するようにした。
「おお!」
「どりゃぁぁ!!」
龍騎はあらかじめ召喚していたドラグセイバーと時雨金時の二刀流で対応、獄寺はファイズショットを使った遠距離からの攻撃で戦っている。
「はぁ!ツナ君!」
「ああ!おりゃぁ!!!」
一方ツナと炎真は二人で未確認生命体21号と戦っている。
炎真が重力操作で身動きをとれなくし、その間にツナが攻撃をする。
その繰り返しだが効果はあまりない。
「くっ……ごめん……ツナ君…もう…」
「ああ…もうとどめを指す!オペレーシ……」
「グォ!」
「ぐああ!!?」
重力操作をしていくうちに炎真の体力はなくなっていきダウン、ツナはとどめにX BERNARをしようとするが相手のほうが速く行動し、阻止されてしまう。
倒れたツナに21号は攻撃しようと近づく。
「ツナ君!」
「くそ…」
「――ハァァァァ!」
だがその前にクウガに変身したリトがやって来て21号は吹き飛ばされる。
「リト!?」
「リトさん…」
「大丈夫か?ツナ、炎真!?」
「ああ…」
「ここからは俺がやる。下がっていてくれ」
そう言ってクウガは21号に殴りかかる。
次に蹴りをいれるが効果はない。
クウガは人間の何倍もの攻撃力を持つが21号の体は柔らかく打撃が吸収されるようだ。
「くっ……」
ツナはなにもできない自分に苛立っていた。
――力があれば……
そう思っていたそのとき、
「キャァァァァァァァァァァァァ!?」
遠く離れた場所から悲鳴が聞こえた。
「この声は……ハル!?」
ツナはその声に聞き覚えがあった。
そうこの声はハルの声だった。
「いってくる!」
「ツナ君…僕も…」
「炎真は休んでいてくれ!」
「ツナ!これを!!」
「!!?」
リトはツナにむかってリングを投げる。
ツナは一瞬驚いたがそれをつかむ。
「行って助けてこい!」
「……わかった!」
そしてツナはXグローブを使い、悲鳴のあった場所に向かった。
「やあっ!」
「クロームちゃん!」
「だめです!!死んじゃいます!」
京子とクロームは学校帰りにハルと会い、一緒に河川敷を歩いていた。
そのとき、突然目の前にライオンの姿をした未確認生命体25号と川からピラニアの姿をした未確認生命体23号が現れた。
三人は逃げようとしたが25号に先回りされ、逆方向からも23号に回り込まれていた。
クロームは二人を守ろうと三叉槍で立ち向かい、今の状況になっている。
「はぁ……はぁ…!」
「シャアア!!」
「ガオッ!!」
「キャアッ!?」
「ああ!」
「クロームちゃん!」
なんとか持ちこたえていたクロームだが23号に三叉槍を斬られ、25号に川の方向に突き飛ばされてしまう。
このまま行けば川に落ちる…そう思いながらクローム、そして京子とハルまでもが目を瞑った。
「ッ!…………………え?」
だがクロームは川に落ちる感触ではなく、誰かに抱えられる感触があった。
そう、彼女は空中で抱えられていた。
クロームはゆっくりと目を開ける…そこには、
「平気か?クローム?」
「ボ……ス…?」
超死ぬ気モードのツナがいた。
ツナはクロームを抱えながら京子達の所へ飛び、23号と25号を突き飛ばす。
そしてゆっくりとクロームを地面におろした。
「ツナ…君…?」
「はひっ……ツナさん手からファイヤーが!?」
京子はいつもと雰囲気が違うツナに少し戸惑い、ハルはXグローブから出ている炎を見て混乱している。
「速く逃げろ!巻き込まれるぞ」
「で、でも…」
「でもツナ君は!?」
「ボス…」
「はぁぁ!!!」
ツナは未確認生命体の所へ突っ込んでいく。
先程とは違い、打撃が通じる相手だったのである程度は効いている。
しかしそれでも相手は人間ではないので効いているとはいえない。
23号は腕についているカッターでツナに反撃するがツナは紙一重でかわす。
だがシャツが少し切れてしまう所をみるとかなりぎりぎりだった。
さらにそこにすかさず25号は持っているチェーンを鞭のように使い、ツナを攻撃する。
さすがに避けきれず、ツナはまだ逃げていなかった京子達の前まで倒れこんでしまう。
「ぐあああ!!」
「ツナ君!しっかりして!」
「ツナさん…死んじゃいますよ…もう逃げましょう!」
「だ、大丈夫……俺は君たちを……」
「ボス…?」
ツナは何かを喋りかけるが、途中でそれは途切れる。
クロームは何があったのかツナの顔をみると、彼の顔は何かに気づいたような顔をしていた。
「(そうか…俺は……)」
「ツナ君……?」
「本当はどうでもよかったのかもしれない……世界を守るなんて…」
「はひっ!?何を言ってるんですか?」
「ずっと思ってたんだ……俺は世界を救わなきゃいけないって…やらなきゃいけないんだって…」
「……………………」
「でも……俺が本当に守りたいのは………
俺達の日常だったんだ」
京子とハルはツナの言っていることが分からなかった。
それもそうだろう、いきなり世界を守ると言って理解できる人は早々いない。
「いつも通う学校……授業が終わって放課後になる……そしてみんなと会って、しゃべって遊んで、勉強して……いつも騒がしいけど大切な毎日…世界を守るなんてついでに過ぎない…」
「「「……………」」」
「その毎日に…誰一人欠けちゃダメなんだ………だから、俺は戦う…」
そう言ってツナはリングから天空ライオン…ナッツを呼び出す。
もうその目には迷いがない。
「俺は………この町を……みんなを……そして」
ツナはそのまま振り向き、
「君たちを守るよ…この命にかえても、絶対に」
「「「ッ!!!」」」
頼もしい笑顔を三人に向けていい放った。
「ナッツ!形態変化!!」
「ガウ!!!」
ツナはナッツを形態変化させたものを腰に当てる。
それは腰に巻き付き、左の腰に機械的な本のようなもの…ライドブッカーが現れる。
ツナはベルトのバックル部分を開き、さらに腰のライドブッカーから一枚のカードを取り出す。
そのカードを未確認生命体に見せながらツナは呟く。
「…変身……!!」
『Kamen Ride DECADE!』
カードをベルト…ディケイドライバーに入れ、バックルを閉じると音声が流れ、ツナの前に半透明のオーロラのような人影が現れ、それらはツナに重なる。
さらにベルトからいくつかのプレートが現れ、ツナの顔に刺さる。
それと同時に体の色が白と黒、そしてマゼンタになる。
その姿は先程未確認生命体に見せた物と同じ。
その名を――
「俺は仮面ライダー……ディケイド!!」
どうもXXXです。
けっこう久しぶりのあとがきですね。
今回はけっこう詰め込んだ方だと思いますよ
まあ、個人的にあってもなくてもよかったのはタロスズのしりとりなんですけどね…
え〜と、まず戦闘描写の説明不足ですいません。
ここは後々がんばっていきたいと思います。
あとちょっと予告なんですがあと2、3話ぐらいでこの小説の前半は終わりです。
と言っても後半そんなにやらないと思いますけどね。
最初の説明で書いてある通り別の作品入れたいと思います。
ヒントは『合体』『ドリル』『リトの趣味』です。
分かる人には分かる……と思いたいです、はい。
それではこれからも暖かい目で見守ってくれたら嬉しいです。
失礼します!
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実のところあともう一作品入れたいと思います。 | ||
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