魔法少女リリカルなのは〜原作介入する気は無かったのに〜 第七十五話 完成!2体のユニゾンデバイス……って、あるぇ〜? |
新年も明け、6年生の3学期も始まって少し経った今日この頃…。
「何だかあっという間の半年だったな」
「不思議よね。昨日、配属された様に感じてるもの」
タントさん、ミラさんの言葉を聞き、俺も頷く。
「そうですね。正直半年経ったのが信じられないです」
ここで勤務したのは陸士108部隊の時と同じ半年間。
ほとんどが自然、生物の調査と報告書、レポートの作成。ごく稀に密猟者の逮捕を行ったぐらいだ。
「長谷川((陸曹|・・))のおかげで調査もかなり捗ったからな」
「出来ればずっとこの隊で働いて貰いたかったのだが…」
残念そうに言う隊の皆さん。
それと俺はまた階級が上がり『陸曹』になった。
陸士108隊の時より犯罪者を逮捕した数は少ないが、報告書、レポートの纏め方が明確かつ分かり易いらしく、今回は事務処理能力の高さを評価されたみたいなのだ。
「ここでの仕事も結構良い経験になりました」
「…なあ長谷川陸曹。もう少しここに残って仕事してくれよ」
「そうそう。もう立派な戦力だよ陸曹は」
「皆さん…」
俺は感動する。そこまで信頼してくれてた事に。
「「「それに陸曹がいりゃ可愛い女の子と出会える気がするからな。俺達の『独身脱出プラン』には陸曹という女の引き寄せる餌が必要なんだよ。だから残ってくれ陸曹!!」」」
「俺の感動を返せ!!」
全部自分のためじゃねえか!!しかも女を引き寄せる『餌』って何だよ『餌』って!!
「「「何を言うか!!その年齢でアリシアちゃんという『通い妻』がいるお前が妬ましい俺達の気持ちがわからんのか!!」」」
「だから何度も言ってるでしょうが!!アリシアは『通い妻』じゃなくて『友達』ですってば!!」
「「「ただの友達がキスなんかするか!!『通い妻』という言葉以外に何と言う!!」」」
んなモン知るかいな。アリシアの奴、本当に厄介な事してくれやがって。
あの時の一件以来、しょっちゅう隊に来るアリシアが『恋人』から『通い妻』と認定されたせいで隊の皆さんは毎日の様に俺に『女紹介しろ!!』と言ってくるし。
俺が来ていない時に何か色々言ってたせいでこうなったんだよな。
というか隊の皆さんも彼女作りたいなら俺よりも年上の人を頼るか自分で探してほしい。
「お前等、そんな事はどうでもいいだろ。今日は長谷川陸曹を見送るために集まってるんだぞ」
「「「『そんな事』って何なんですか隊長!!俺達にとっちゃ死活問題に等しいんですから!!!」」」
…隊長さん、これからも苦労するんだろうな。
時々何か差し入れでも持ってこよう。
「今度の配属はどこになるんだ?」
「救助隊に異動です」
災害時における人命救助の専門部隊。個人での高い能力が要求される部隊だ。
「ああ、成る程。治療魔法を始め、多くの魔法とレアスキルを有する陸曹には相性が良いかもな」
救助に必要な道具は宝物庫に好きなだけ放り込めるし、((遠隔把握|ロングスコープ))で逃げ遅れた人の捜索や((修正天使|アップデイト))での完全治療も出来る。
それと自然保護隊にいた際に自分なりに手の空いた時は訓練を行い、結果として((禁猟区域|インポッシブルゲート))の転移距離が最大60メートル前後まで可能、更に遮蔽物を通り抜けて転移出来る様になった。
それと((唯我独尊|オンリーワンフラワー))の効果範囲も半径50メートルまで広げる事が出来た。
これらのレアスキルをここまで一気に強化出来た事は自分でも満足がいっている。
特に((唯我独尊|オンリーワンフラワー))は違法魔導師対策でお世話になるレアスキルだからより心強くなった。
「というか陸曹なら特別救助隊でも充分活躍出来るんじゃないか?」
「しかも特別救助隊の中でもエリート中のエリートが所属する『湾岸特別救助隊』にいけそうよね」
「だな。陸曹の実力なら問題無しだ」
何か俺を放っておいて勝手に盛り上がってる。
しかも『湾岸特別救助隊』って…。
アレだよな?災害担当局員の憧れである銀制服だろ?
正直興味が無い訳でも無いけど今は地道に自分の出来る範囲でやってかないと。
「「「お願いします!!長谷川陸曹!!女の子紹介して!!」」」
「アンタ等最後までそれしか言えんのか!!」
俺の為に隊の皆が送別会を開いてくれたけど終始俺は『女の子紹介して下さい』と泣きつかれ、土下座され、隊の人達が酔い潰れて眠るまでの間、精神的な疲労が半端無かった………。
それから数日経ったある日の放課後…。
「…ていう事で今度から俺は救助隊に配属される事になったから」
自分がまた別の隊に異動した事を翠屋に集まった聖祥組の面々に話した。
「じゃあ、この前所属していた管理世界にはいないって事だね♪(これを機にカイロスを…くふふ)」
アリシアのあの表情…間違い無くカイロスの事諦めてないな。
「言っとくがカイロス捕まえようとするなよ?」
「わ、分かってるよ…(むぅ…鋭いなあ勇紀は)」
だからそんな不満そうな表情浮かべたら何考えてるか予想し易いんだが、コイツその事に気付いてないのか?
「すまんフェイト。コイツが勝手な事したら遠慮無く逮捕していいから」
「えっ?姉さん何か逮捕される様な事するの?」
「さっき言ったカイロスをゲットしようと狙ってるみたいだからな」
「ソ、ソンナコトシナイッテバ」
あれから自然保護隊にいた時はカイロスとは遭遇しなかったけど。
「勇紀は勘繰り深過ぎるよ。少しは私を信用してくれても良いじゃん」
「そう言うけどお前、結構保護隊に顔出してたらしいな?しかも俺がいない時にも」
「ぎくっ…」
タントさんやミラさんから聞いてるんだぜ。
「アリシア、執務官がそんな事でいいのですか?」
ユーリも呆れた様な表情を浮かべてるし。
「し、執務官の仕事に支障はきたしてないからね。ダイジョブダイジョブ」
「アリシア、仕事はサボっちゃいけないんだぞー」
「レヴィに言われるとムカつくんだけど!?それにサボってないし!!」
「なら何故保護隊に足を運ぶ必要がある?カイロスを捕まえないのならば行く必要がなかろう?」
「それとも『カイロス以外のポケモン狙ってる』っちゅうオチかアリシアちゃん?」
「カイロス以外にいるのですかユウキ?」
シュテルが尋ねてくるが俺は首を横に振る。
カイロス以外のポケモンは見た事が無い。いるのかどうかは不明でもしかしたら未だ足を運んでいない未調査区域に生息しているのかもしれない。
「…何にせよ、アリシアが頻繁に訪れてるのはポケモンゲットのためだろ」
「…ち、違うもん。保護隊の人達と仲良くしたいだけだもん」
プイッとそっぽを向いて答えるアリシア。
「ほう…ならお前が既に保護隊の間で『俺の通い妻』扱いになってるのは?」
コッチの件も問い質しておく。
「ちょっ!!?それは…」
言葉を続けられなかったアリシア。何故なら…
「時空管理局本局執務官のフェイト・テスタロッサです。姉さんに『不純異性交遊』の容疑がかけられているのでこのまま連行させて貰います」
瞳から光の消えたフェイトがアリシアの肩を掴んでおり、半端無いプレッシャーを放っているからだ。
また、シュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリ、なのは、はやても対象を逃がさない様に陣取っており、非魔導師のアリサ、すずかは助けようともしない。
「ふぇ、フェイト!!?誤解だよ!!?私はまだ不純異性交遊なんてしてないよ!!?」
「『まだ』?つまりこれからするつもりだったの?」
アリシアの言葉になのはも追及する。
「……………………」
そこで無言になるなよアリシア。
「…連行や。外でちょう詳しい話し聴こか?」
はやての指示でゾロゾロと出て行く魔導師の皆。
「…勇紀、助けないのかい?」
「亮太、俺も命は惜しいんだ」
亮太の質問に即答する。鬼神の群れに立ち向かうのは無謀です。
「……………………」
「…そしてお前は何故俺を睨む?」
俺を睨んでくる人物…椿姫に声を掛ける。
「別に…(最近勇紀に対してO☆HA☆NA☆SHIが行われないから面白くないわ。何とかして打開策を見付けないと)」
ブスッとした表情を浮かべ、短く返事する椿姫。
「それで今度は救助隊…だっけ?どんな仕事する所なのよ?」
「名前からして人命救助に関わるお仕事だよね?」
アリサとすずかの問いに頷き答える。
「すずかの言う通りだ。テレビとかで見た事あると思うが被災地でレスキュー活動を行う軍隊を想像して貰ったら理解しやすいだろうな。アレに『魔法』という要素が加わった様なモンだし」
「「成る程〜」」
納得といった感じで二人は首を縦に振る。
と、同時に
「ううっ…酷い目にあったよ……」
髪の毛が若干ボサボサになっただけで見た目無傷のアリシアが戻って来た。
その背後には瞳に光を戻してはいるものの、まだ若干不機嫌そうな魔導師組の皆さんのお姿が。
「全く…姉さんが悪いんだからね」
「そうだそうだ!ユウが迷惑がるのも無理ないよ」
「もう!嘘を吐くのは良くない事なんだからねアリシアちゃん!!」
「下らん嘘で我等に手を下させるな!!」
「なら何もしなけりゃいいじゃん…」(ボソッ)
「「「「「「「ナニカイッタ?」」」」」」」
「何も言ってませんサー!!」
ビシッと敬礼して返事するアリシア。
今は下手に逆らわない方が身のためだろうな………。
「でも、もうすぐ小学校も卒業よね…」
あれから皆落ち着き、再びシュークリームとジュースの味を堪能しながら不意に椿姫が口を開く。
「なのは達はそのままエスカレーター式で中等部に上がるんですよね?」
「そうだよ。他の学校から聖祥に通いたい人は編入試験を受けないといけないんだけどね」
「中等部までは共学。高等部は完全な女子校だけどね」
俺は『ああ…』と思った。
原作では共学は『初等部』…小学生の間だけだ。中学生にあたる『中等部』と高校生にあたる『高等部』は完全に女子校だった筈だから。
これも原作とは僅かに違うズレみたいなもの…。
「(まあ、西条と吉満にとっちゃ好都合なんだろうけど)」
けどアイツ等、もし原作通りに中学から女子校だった場合、どうするつもりだったのだろうか?
…ひたすらサーチャーでストーカー行為を行う姿を想像した。
「(……うん、想像してるのが確実な未来になるのが嫌でも分かるな)」
コイツ等の受難はまだ続くんだな…ご愁傷様だ。
「ねえねえ勇紀」
「何だ?カイロスはやらんぞ?」
「それはもういいの!!そんな事より勇紀も聖祥に入ろうよ!!」
「「「「はい?」」」」
俺達長谷川家(レヴィ除く)は声を揃えて聞き返す。
一瞬だがアリシアの言った事が理解出来なかったからだ。
「ほら!!勇紀なら頭良いし編入試験なんて楽勝だよ!!(学校で会う機会が増えるならアドバンテージ稼げる可能性あるし!!)」
「そうだよ!!一緒に聖祥で勉強しようよ!!(同じ学校に通えるシュテル達が羨ましいし)」
「それに学校でアイツ等に会うと発狂しそうなんよ。勇紀君おったらその心配もなくなるし!!(一緒の学校で勇紀君と楽しい思い出つくりたいしなぁ)」
アリシア、なのは、はやてが聖祥への編入を勧めてくる。言葉には出さないもののフェイト、アリサ、すずかも何か期待する様な目でみてくるし。
けど…
「拒否する」
俺は断る。
「「「「「「ええええええっっっっ!!!!!?」」」」」」
不満そうに声を上げる聖祥組。
「何で!?何で拒否するの!?」
「そ、そうだよ!!同じ学校に通えたら楽しいよ!!」
「それにはやてが言ってたでしょ!!アイツ等と顔を合わせたら発狂しそうになるのよ!!」
「「「「「うんうん!!!」」」」」
「……俺はお前等の精神安定剤じゃないんですけど?」
それに俺だって毎日アイツ等と顔を合わせたくなんてないし。
「それに…」
チラリと視線を変える。
「ムグムグ…にゃ?」
俺の視線に気付いたレヴィがシュークリームを頬張りながら首を傾げる。
「レヴィが編入試験突破出来るとは思えんし」
多分、俺が聖祥受けると言えばシュテル達もついてきそうな気がする。
けど聖祥の学力の高さを考えるとレヴィが編入試験を突破出来るのは『無理だ』と断言も出来るしな。
さすがに1人だけ違う学校というのも可哀相だし。
「それに家から遠いし、お金もかかるし」
「「「「「「む〜〜……」」」」」」
唸っても聖祥には行かないからな。
ちなみに俺達が通うのは『海鳴中学校』。海小同様で学力も普通の中学校。
「それにもう俺達は入学願書提出したしな」
こういうのは早めに提出しておかないとうっかり忘れてしまうかもしれないからな。
「そういう事です。残念ですが私達は聖祥に編入するつもりはありませんので(『学校でも一緒』というアドバンテージは渡せませんね)」
「海中に行くなら編入試験なんてないしねー(学校にまでライバルは増えてほしくないよ)」
俺の言葉の後にシュテルとレヴィも続く。
「で、お前等2人はどうすんの?」
亮太と椿姫に聞いてみる。
コイツ等の学力なら聖祥の編入試験ぐらい余裕でクリア出来る筈。
「僕も海中行くよ。学費が安いからね」
「私もよ。家から近いし」
ふむ…。2人共、俺と似た様な理由ですな。椿姫に関しては半信半疑だけど。
コイツだけでも聖祥に行ってくれないだろうか?なら俺も安心して中学校生活を送れるんだが…。
「…今、何か失礼な事考えなかった?」
「何でそんな事聞くんだよ?」
冷静に返事する。
俺が思った事を読んだかの様に椿姫が聞いてきたが別に失礼な事を考えたつもりなんてこれっぽっちも無い。
しばらくは食べる方に集中し
「…ふう……ご馳走様です」
注文した分のシュークリームを食べ終え、シュテル達も食い終わった所で席を立つ。
後はルーテシアとメガーヌさんの分をテイクアウトで頼んで、箱に詰めて貰う。
レジで会計を済ませ寄り道をせずに俺達は家路につくのだった………。
〜〜亮太視点〜〜
勇紀達長谷川家の面々は食べるものを食べて帰っちゃった。
僕も今日は早く家に帰って宿題でもしようかな?
「「「「「「む〜〜〜……」」」」」」
未だに高町さん達は不機嫌そうな顔をして唸っているね。
まあ、皆勇紀の事好きだし、その勇紀と一緒の学校に通えないのが不満なんだろうけど。
「ちょっと大槻!!アンタが勇紀を説得しなさいよ!!」
「僕がかい!!?」
バニングスさんと目が合ったかと思うと説得役を指名されたよ。
「そ、そうだね!勇紀の親友である大槻なら勇紀を聖祥に編入する様説得する事だって出来るよね?」
「大槻君、お願い出来ないかな?」
テスタロッサ(妹)さんと月村さんからもお願いされる。
2人は上目使いで僕を見てくる。
普通の男子だったらコレでイチコロなんだろうけど、アイシスちゃんへ想いを全て捧げている僕にとっては全く効果無いね。
『うーん…』と頭を捻って唸りながら少し考えてみる。だけど…
「正直、無理じゃないかな?『レヴィさんの学力向上』と『西条、吉満、暁の存在』…この2つの問題を解決しないとね」
前者に関しては勧める事をどうかと思うけど念話で答えを教えたら編入試験を突破出来る。けど後者である3人をどうにかしない限り、絶対に聖祥には行かないと僕は思う。
正直、『家からの距離』とか『学費』に関して勇紀は口にしながらもそこまで気にしては無いと思うんだ。
ただ人一倍家族思いだからね勇紀は。あの3人に巻き込まれてシュテルさん達に不快な思いをさせたくないんだろう。
「そこを何とか!説得してくれへんかな?」
「……椿姫、君は何か良い案あるかい?」
「……あったらとっくに提案してるわ」
それはそうか。勇紀の周りで起きるトラブルを見るのが何より楽しんでる子だからね。
「「「「「「「「うーん…うーん…」」」」」」」」
僕と椿姫も一緒になって考える。
僕は椿姫と違って純粋に高町さん達が勇紀と一緒に学園生活を送れる方法を模索するだけだ。
思考する事10数分…
「あ……」
1つの可能性を思い付いた。
僕が小さく声を上げた事で皆の視線が集まる。
「えっと…『勇紀を聖祥に編入させる』んじゃなくて高町さん達が『勇紀の入学する海鳴中学校に追い掛ける』っていうのは無理なのかな?」
「「「「「「っ!!?」」」」」」
『押してダメなら引いてみろ』という言葉が頭をよぎる…。
勇紀を聖祥に入れる案とは真逆…勇紀の入学する中学校に高町さん達が入学すれば全ての問題は簡単に解決すると思うんだよね。
僕の言葉に皆が反応し
「亮太の言う通りね。勇紀に来てもらうよりなのは達が追い掛ければ万事解決よ(もしなのは達が入学すれば今以上に勇紀の周りは荒れる様な気がするわ)」
椿姫は大絶賛だ。
…勇紀の事を考えたらこの案出したのは失敗だったかな?
「こ、困るわね。聖祥より学力が低い学校に行くっていうのは…(その手があったわね)」
「お父さんとお母さんが高い学費を払って入学させてくれたから…(その手があったの)」
「お姉ちゃんに相談しないと。私の一存じゃあ…(その手があったね)」
「お母さんに必死に頼んで迷惑掛けてまで入学したんだけど…(その手があった)」
「勝手に別の学校に入学したら母さん達に悪いし…(その手があったよ)」
バニングスさん、高町さん、月村さん、テスタロッサ(姉)さん、テスタロッサ(妹)さんが順に口を開く中
ガタッ
八神さんが立ち上がる。
「「「「「はやてちゃん?(はやて?)」」」」」
「…ゴメンな。ちょう用事思い出したからわたし帰るわ(『善は急げ』や)」
そそくさと移動しようとする八神さん。
「ちょっと待ちなさいはやて!アンタまさか…」
「(ギクッ)い、嫌やなぁアリサちゃん。わたしは夕食の買い物に行くだけやで?ほな皆、またなー!」
逃げる様に去っていった八神さん。何となく予想はつくけどね。
「「「「「(はやてちゃん!!(はやて!!)絶対に海鳴中学に入学する気だ!!)」」」」」
多分、願書を書いて海鳴中学への入学準備をするつもりだろうなぁ。
「はやて、いきなりどうしたのかしら?ねぇ皆?」(ニヤニヤ)
椿姫はそんな事を言うけどニヤニヤしながら目で語っているよ。『このままはやてに好き勝手させていいのか?』と。
「わ、私も帰るわ!パパとママに心配掛けるといけないし!」(ガタッ!)
「私も!お姉ちゃんに用事があるんだった!」(ガタッ!)
「リ、リニスに勉強教えてもらうの忘れてたよ!」(ガタッ!)
「ア、アルフと散歩する予定だったんだ!」(ガタッ!)
「きょ、今日は魔法の訓練しようと思ってたの!」(ガタッ!)
皆一斉に席を立って会計を済ませ、翠屋を後にしていく。
…高町さんは残ってても良かったんじゃないのかな?ご両親は((翠屋|ここ))で働いてる訳だし。
残ったのは僕と椿姫だけ…。
「亮太……グッジョブ!」
親指を立ててサムズアップする椿姫を見て
「(ゴメン勇紀…僕、余計な事を言ったかも)」
心の中でここにいない親友に対し謝罪するのだった………。
〜〜亮太視点終了〜〜
自然保護隊から俺は新しい仕事場である『救助隊』へ異動し、何の変哲もないまま時間が過ぎ、2月を目前にしたある時、神様からメールでダイダロスに連絡が入った。
以前俺が神様に頼んだ(というより貰ってほしいと頼まれた)ユニゾンデバイスが遂に完成したとの事。
俺はいつも通り本局にある鳴海少将の執務室へ向かっている。
実は少し楽しみだったのでやや浮かれ気味だという事が自分でも理解してるのだが、僅かに浮かぶ笑顔を止められない。
「〜〜♪〜〜♪」
やや軽い足取りで移動し、鼻歌を歌う俺。
…いかんね。本当に浮かれてるわ。
シュテル達やなのは達には既に俺がユニゾンデバイスを貰う事を伝えてある(もっとも、製作者は神様とは死んでも言えないので以前言われた通り『鳴海少将に作って貰った』という事にしている)。
ただ、その旨を伝えた際にリンスとリインがやけに不機嫌になってこう言われたんだよな。
『『勇紀(勇紀さん)は私と(リインと)ユニゾンするのが不満なのか?(不満なのですか?)』』
別に不満て訳じゃ無いけどリンスもリインも守護騎士であり、はやてのユニゾンデバイスなんだから。
あとリイン。俺、お前とユニゾンした事1回も無いからな。
見慣れた廊下を歩きながら、リンスとリインの機嫌を直す方法を考える。
リインに関してはヴィータ同様に東雲堂のアイスを数個プレゼントすればいいだろうけど、リンスはどうしたもんか…。
「(………何も思い浮かばねぇ)」
…この問題は今度本人を前にした時に改めて考えるか。
今は完成した2体のユニゾンデバイスの事だけ考えよう。
やがて見覚えのある扉が視界に映り、その扉をノックする。
「長谷川勇紀陸曹です。鳴海少将はいますか?」
『ああ、入ってくれたまえ』
「…失礼します」
軽く深呼吸してから扉を開けて室内に足を踏み入れる。
室内には部屋の主である鳴海少将とディスプレイに映る神様の姿が。
『やあ勇紀。よく来たね。それと随分待たせたね』
「いえ…それよりもユニゾンデバイスは何処ですか?」
室内を見回すが、それといったのは見当たらない。
『君が頼んだ2体は理の机の上に置かれている物の中に入っているよ』
神様にそう言われ、机の上を見る。
そこに置かれているのは2個のピンポン玉サイズの大きさの球体。
カラーリングは上半分が赤色、下半分が白色で真ん中にボタンの様なモノがついている。
……モンスターボールじゃん。
「…何でモンスターボールなんですか?」
『ポケモンのDVDを見て衝動的に作ってしまった。後悔はしていない!!』
…まあ、いいけどね。
しかしこの中に入ってるのか?まさかアニメみたいに『戻れ』なんて言ったら…
『うむ。君の想像通り、戻したいユニゾンデバイスに向けてボールを構え『戻れ〇〇!』と叫ぶとボールから赤い光線が放たれ、この光線がユニゾンデバイスに当たると戻るよ。ただし、光線が当たらないとユニゾンデバイスを戻せないため、遮蔽物があったり、対象に高速で移動されるとユニゾンデバイスの収納が困難になるからね』
そこまでアニメを忠実に再現せんでも…。
『そして出す時もボタンを1回押して手のひらサイズにし、その状態で投げると地面にぶつかるか空中でボールが開いて中からユニゾンデバイスが出るからね。勿論ユニゾンデバイスが出た後はボールが勇紀の元に戻ってくるから』
いや、だからね…。
『ふふふ…会心の出来と言っても過言じゃないね』
…ハア〜、もういいや。
「それで、早速呼び出してみてもいいですか?」
『今出そうが後で出そうが君の好きにするといいよ』
じゃあ、早速呼び出してみますか。
俺は鳴海少将の机から2個のモンスターボールを手に取り、1個目のボールのボタンを押して手のひらサイズにする。
「せいっ!」
モンスターボールを投げ地面に当たった瞬間…
パカッ…
モンスターボールが開き、中から1体目のユニゾンデバイスが現れる。
臀部まで伸びている艶やかな黒髪に黄昏色の瞳、漆黒の翼と闇色のドレス。まさに『闇』を象徴するかのような黒一色で染められている。
性別は女性…少女の姿をしている。
「………初めまして。貴方が私の『マスター』ね?いえ、この世界の呼び方で『マイスター』または『ロード』と呼べばいいかしら?」
彼女と目が合い、すぐに聞かれたので俺も答える。
「いや、俺の事は名前で呼んでくれ。俺の名前は長谷川勇紀だ」
「そう…よろしく勇紀」
「ああ、これからよろしくな((レスティア|・・・・・))」
そう……彼女の容姿は俺が前世で読んでいたライトノベル、『精霊使いの剣舞』に登場する闇精霊『レスティア・アッシュドール』そのものだ。
このキャラを選んだ理由は単純に『精霊使いの剣舞』に登場するキャラの中で1番好きだからな。
レスティアと握手を交わした後、俺はもう1個のモンスターボールを手に持ち、手のひらサイズにしてから
「(せっかくだし、投げる際に名前を呼んでみるか…)」
アニメのポケモンキャラみたいに
「((サイザー|・・・・))、君に決めた!!」
キャラの名前を呼んでモンスターボールを投げた。
2人目は『ハーメルンのバイオリン弾き』に登場する主人公ハーメルの双子の妹『サイザー』だ。
これは俺が前世の時、初めて読んだマンガだからちょっと思い入れがあったり…。
モンスターボールが地面に当たり開き出す。
「(そういえばサイザーの中の人はアニメ版か劇場版かどっちだろう?)」
俺はワクワクしながら出てきたユニゾンデバイスを見るが…
「フ、フハハハハ…」
低い笑い声と共に現れたのは金髪のオールバックに短い前髪を一房垂らしている((男だった|・・・・))。
ムキムキマッチョの肉体を持ち、十字星の装飾を施されたタンクトップのような衣装を着ており、また、ゴツイ肩パットの付いたマントを羽織っている。
「貴方が俺の((お師さん|・・・・))ですか?」
男は俺を見て尋ねてくる。
しばらくは放心していたが…
「…ハッ!?」
何とか意識が戻って来たので聞き返してみる。
「そ、そうだけど…お師さんって?」
「お師さんはお師さんです。この世界において唯一俺が頭を下げ、敬う人の事です」
頭を下げ、男は丁寧な言葉遣いで喋る。そして…
「俺は((サウザー|・・・・))…帝王の星『将星』を司る一子相伝の拳、『南斗鳳凰拳』の伝承者、『聖帝』サウザーです。これからよろしくお願いします、お師さん」
自己紹介してくれた。
……あるぇ〜?
何でサウザーなんか出てくんの?
『どうだい勇紀。満足いってくれたかな?』
ディスプレイの画面の向こうではニコニコ顔の神様が。
「か…神様?何でサウザーなんですか?」
「何でって…君が頼んだんじゃないか」
「いえ、俺が頼んだのは((サウザー|・・・・))じゃなくて((サイザー|・・・・))なんですけど?」
『え?』
俺の言葉を聞いて疑問符を浮かべる神様。
「それと俺、作品名もちゃんと言いましたよ?『ハーメルンのバイオリン弾き』って」
『……………………』
「……………………」
しばらくお互い顔を見合わせたまま無言で時が流れる。そして…
『……ゴメン、聞き間違えたみたいだ。それと作品名は聞き逃してた』
…………おい。
どうやら今回も神様のミスが原因なのだった………。
〜〜あとがき〜〜
『精霊使いの剣舞』から『闇精霊レスティア』、『北斗の拳』から『聖帝サウザー』がこの作品にログインしました。
レスティアはともかく聖帝様をユニゾンデバイスにする二次小説なんてこの作品ぐらいのものでしょう。
説明 | ||
神様の手違いで死んでしまい、リリカルなのはの世界に転生した主人公。原作介入をする気は無く、平穏な毎日を過ごしていたがある日、家の前で倒れているマテリアル&ユーリを発見する。彼女達を助けた主人公は家族として四人を迎え入れ一緒に過ごすようになった。それから一年以上が過ぎ小学五年生になった主人公。マテリアル&ユーリも学校に通い始め「これからも家族全員で平和に過ごせますように」と願っていた矢先に原作キャラ達と関わり始め、主人公も望まないのに原作に関わっていく…。 | ||
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神様ってさ、ミスしやすいんじゃなくて年食いすぎて痴呆入ってんじゃないの?作品名聞き逃すとかもうなんというか・・・・(ーー;)(海平?) 唯我独尊を更に強化して外部からのコピー等などを受け付けないようになるとゆうのはどうでしょう?(ya) しまったぁぁぁぁぁ!そしてどうする勇記!(ケリー・衛宮) 椿姫は「完成ジ エンドのスキル」を持ってる為にレアスキル以外の魔法や技、武術をコピー可能だった筈ですよ?現に亮太の覇気と六式を習得してますし。(俊) 南斗鳳凰拳はあくまで武術、レアスキルには含まれないからコピーされないはずなんだけど。(ケリー・衛宮) 南斗鳳凰拳は椿姫に覚えて欲しくないな〜。いっそ覚えられない様に神がプロテクトを掛けれれば良いのに。(俊) なんという予想外のユニゾンデバイス。聖帝サウザーがいるなら六式もいらない気がしないでもない。折角なのでサイザーの方も出して欲しいけれど、流石に無理でしょうか。(chocolate) なのは達の進路はどうなるのか。あんまり押すと勇紀の方が引いてしまうので、たまには引くことも必要ですよ。(chocolate) ↓赤ヘルが双剣を振り回すんですね。わかります(匿名希望) 自分的には声優繋がりで赤ずきんがくるかと思った。(匿名希望) ユニゾンデバイス…癒し要素どころか心労ブースターの予感がひしひしと…勇紀の人生マジ心折設計ワロス…ワロス…(匿名希望) 亮太ェ・・・なんということを・・・それとサウザーだと!?ISTD!!(slash) 我等がサウザー様の活躍を心より御祈念申し上げます………ってか、普通に無双できそうやね(てんぺす党) 確かに・・・でも椿姫には逃げられそう。(ケリー・衛宮) と言うか、勇紀をお師さんと呼んで尊敬してるサウザーが勇紀を侮辱する銀髪3人組を見かけたらあの3人は地獄を見るんじゃないだろうか?勿論勇紀の女難を観て喜ぶ椿姫にも地獄を見せそうだな。(俊) 今回はツッコミ所が多すぎ はやては確実にユウキを追いかけるな。なのは達が黙っておくはずがないだろう・・・・・・・・・・・・・・・・(匿名希望) サウザー・・・こいつをバカ三人に押し付けtら万事解決な気がする(竜羽) まぁ、ユニゾン2人が銀髪バカ3人+ハーレム候補+椿姫より常識人ならいいんですが・・・椿姫を見てると、恋愛アンチの夏川真涼や浮気癖のアト子が可愛くに見える。 (ケリー・衛宮) はやては、ボッチだから海鳴中に編入できるだろうが、その他は親が許すかしら?(匿名希望) 2体のユニゾンデバイスと言うからてっきりすずかとアリサとユニゾンして、2人のミッドデビューかと思ったら、サウザーとか予想の斜め上すぎる(kaji) 相変わらず椿姫とは趣味が合わない。(匿名希望) 相変わらずな神のミス、サウザーて…頑張れ勇紀(色々な意味で)(匿名希望) しかし、現在聖祥に通ってるなのは達が海鳴中に入学したら確実に勇紀のストレスが限界を超えるんじゃないだろうか?出来たらなのは達はそのまま聖祥付属中学にエスカレーター式で通って欲しいですね。(俊) サウザーは阿部さんの標的にされるんですね。(匿名希望) 相変わらず椿姫は実に椿姫だな…亮太も最早敵でしかないし…最近の個人的評価がアルピーノ親子>>(如何ともし難い壁)>>ヒロインズ+亮太>銀髪>>>(論外の壁)>>>椿姫で固定されてる。「俺はお前等の精神安定剤じゃない」って台詞はどいつもこいつも右から左か…って神ェ…(匿名希望) なのは達に紹介する時が楽しみで仕方ない 後ユウキの出世コース、ハンパない。Sts時には、准将ぐらいになてるかも(匿名希望) 確かにサウザーがユニゾンデバイスになることは、他の小説ではないな。何と言う発想力 (匿名希望) サウザーとユニゾンすることで北斗系と南斗系の技が使えるかもw(tenryu) 聖祥中、終了のお知らせ(匿名希望) リィン達は、レスティアを見て不機嫌になり、サウザー様を見て唖然とする(ohatiyo) サウザー単体で無双していくんじゃ‥‥(タバサ) 何か波乱な予感が…そして、椿姫が最近静かすぎる(アラル) サウザーってwwwwしかも、お師さん(にゃん死神) 聖帝様+なのは達が海中に入学=海中男子の世紀末化フラグですね、分かります。ヒャッハー!(矢崎 竜樹) ↓あ、それ有りそう!(FDP) サウザーとユニゾンして大人になんないかな?(匿名希望) 自分的にはなのは達には入って欲しくないですね。(匿名希望) サウザーw下手したら魔導師より強いかもw(匿名希望) 勇紀が引かぬ!媚びぬ!省みぬ!とか言い始めるわけですね、わかります(アヌビス) サウザーだったら、勇紀パパに勝てるんじゃ・・・・(FDP) ま、まさかの人達がログインしたwwwwwwwwwwwwwwwやべえ腹痛えwwwwwwwwwwwwwwww(アリアン) このウッカリのお詫びは如何なるんだろうか?(俊) ・・・まさかサイザーをサウザーと聞き間違えるなんて、何処までウッカリなんだ?神様。サウザーとユニゾンして南斗鳳凰拳が使える様になったりするんだろうか?なんか、リインフォース姉妹が「男とユニゾンするんだったら自分としてくれてもいいだろ」とか言ってきたりして。(俊) 神様何してるん!?ユニゾンしたらえらいことになりそうだ・・・・(汗)(Fols) 神様ェ、ハマってるからってなにもモンスターボール仕様にしなくても(頭翅(トーマ)) サウザーとユニゾンしたら鳳凰呼闘塊天も使える!?使って欲しいかもw(鍾馗) サウザー…まさかの!?www(匿名希望) まさかすぎる人がログインしました(笑)(K.K.) てかなのは達が海小に来たらあの3馬鹿も来るんじゃね?(匿名希望) 聖帝・・・これまた槍投げに高い補正が入りそうな・・・(天城) 椿ェ…(カルピスソーダ) 神様なにしてるん!(biohaza-d) サウザーww意外すぎるww 馬鹿三人始末するのによさそうだww(青髭U世) 神ぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!???? (アサシン) てかなのは達はなんだか海中に入学するのかな?(妖精の尻尾) まさかのサウザーw(妖精の尻尾) 伝えただけで不機嫌か…実物見たら憤死しないだろうな、リンスとリインwレスティアはまだしもサウザーてw(プロフェッサー.Y) サウザー・・・ということは、原作同様内臓やらがあちこちあべこべなんでしょうか?(make) |
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