IS 革新の光 12話 漆黒の狂戦士 |
IS 革新の光 12話 漆黒の狂戦士
大変長らくお待たせいたしました!やっとクラス代表戦終結でございます!!
ティア「ハァハァハァ!」
全くなんなのよ!いきなり叫び始めたと思ったらISが鎧のフルスキンになっちゃうし!
試合は中止だし生徒は避難してるし
コイツむちゃくちゃ強いし速いし!
軌道は今まで戦っていた人と同じとは思えない程違うし!
どうなってるのよ!
とティアが内心愚痴を零していると
「ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
黒い全身鎧とかしたシュヴァーツが雄叫びを上げ短剣を振りかざし突進してきた
ティア「はやっ!!」
あまりの速さにティアは思わず目を瞑ってしまった
ガギィン!!
しかし自分を襲おうはずだった痛みと衝撃はいつまでたっても訪れず
自分の前から硬い何かがぶつかり合う音が聞こえた
ティア「ん・・・えっ!?」
メルティア「ふぅ、ギリギリセーフだな」
ティアの前には手甲で短剣を受け止めているメルティアの姿があった
ティア「ビスト・・・先生」
メルティア「あぁ、今だ!射真!!!!」
メルティアが叫ぶとシュヴァーツの背中にビームが数発命中し
ティア「!!!」
シュヴァーツは離脱したがそれを追撃したメルティアのバーストナックルによる爆発を共なった拳撃で吹き飛ばされアリーナの壁に叩きつけられると
そこに射真が多数のGNミサイルを撃ち込みシュヴァーツは爆炎と煙に包まれた
メルティア「よし、今のうちにリトアルトは退避して他の専用機持ちと合流しろ」
ティア「大丈夫です!私もたたかえ「バカも休み休み言ってください」射真・・・」
射真の一言がティアの言葉を遮るように放たれた
射真「今まで散々戦ってSEを使い込んでいる人は大人しく下がってください、ここから先は僕とビスト先生で片付けます」
メルティア「射真の言う通りここは退け、お前がいつまでもここにいたらアイツとアタシが安心して戦えない」
ティア「でもっ!」
二人がティアを説得しているとき管制室から通信が入った
千冬「こちら管制室、リトアルト聞こえるか」
ティア「織斑先生・・・」
千冬「リトアルト現状は把握できているな?」
ティア「・・・はい」
千冬「なら今お前がするべきことは解っているはずだ、」
ティア「分かりました・・・・」
千冬「聞き分けが良くて助かる」
そう言い残して通信が切れた
ティア「後はお願いします」
メルティア「おう、任せとけ」
射真「お疲れさまです、あまり気を落とさないでください」
ティア「うん・・・・・ありがとう、射真」
射真に励まされたティアの顔は感情が入り混じった表情だった
メルティア「アイツには優しいんだな?」
射真「クラスにとっての功労者を労うのは当然でしょう」
メルティア「まっ!それもアイツのせいでおじゃんだけどな」
射真「手加減無しで叩き落とす・・・」
メルティア「なんとまぁ、気持ちの籠った呟き(これが食物の恨みか)」
射真「さて折角の彼女の努力を無駄にした責任とスイートパスをなくしてくれた責任をとってもらいましょうか」
メルティア(コイツの甘い物好きには困ったもんだ)
とメルティアは呆れ顔でため息をついていた
射真達は未だ土煙の晴れないアリーナの内壁を見つめていた
射真「奴の足を止めます、先生は止まった所にガンガン突っ込んでください」
メルティア「言われなくても!お前こそアタシに当てんじゃねーぞ!」
射真「それこそいらない心配ですよ、僕を誰だと思っているんですか?」
メルティア「はっそれもそうだな、ならとっとと終わらすぞ!」
射真「来ますよ・・・」
「ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
言ったなり聞けば誰もが耳を塞ぎたくなるような雄叫びをあげ黒い狂戦士が復活した
メルティア「・・・・行くぜぇ!!!!」
「ガァアッ!!!!」
二人の間に沈黙が降りたと思うと二人は一斉に動き出した
交差する寸前メルティアの拳をスライドして躱しそのまま射真に突撃した
メルティア「なに!?狙いは射真か!」
射真「仕方ない」
射真は対象を撃ち落とす為にGNスナイパーライフルを構え射撃を開始するが
その全てを躱されて距離を縮められた
射真「ちっ」
「がぁああああああ!!!!」
相手の間合いに入ってしまった射真はスナイパーライフルをしまい
攻撃を交わしてから足のホルスターに収納されているGNピストルを取り出し
牽制しつつ距離をとっていた
射真「僕が狙いなのか」
しかし狂戦士は牽制射撃を掻い潜り再び距離を詰める
メルティア「オラァアッ!!!!」
ドゴォオオオオオン!!!!!!
しかし真上からのバーストナックルによる攻撃で狂戦士は地面に叩きつけられた
メルティア「アタシを忘れるなよ」
射真「・・・・・・・」
メルティア「どうした射真?」
射真「いえ、僕の射撃を避けたのが少し腑に落ちないんです」
メルティア「どういうことだ」
射真「以前のバーサーカーシステムの完成度はココまで高くありませんでしたから」
メルティア「後でそこんトコロ詳しく聞かせてもらうからな」
射真「ハイハイ、動きますよ」
射真気の抜けた返事を返した
そして見下ろすと狂戦士は立ち上がり射真達を見上げていた
その目は紅く光黒い鎧は太陽の光を吸い込むほどに暗い靄を帯びていた
メルティア「なんだ?いきなり大人しくなったな」
射真「油断しないでください」
メルティア「ハイハイ」
するとただ射真達を見上げていただけだった狂戦士に異変が起きた
それはIS全体を覆っていた黒い靄が脈打つようにして会場全体を何度も何度も駆け巡った
すると会場に集まった全ての生徒と教師の脳に直接声が響いた
ユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ
その言葉は呪詛の様に何度も何度も何度も何度も繰り返される度に憎しみが増幅していった
射真(おかしいとは思っていましたがここまでとは・・・これは以前のものとは別物とした方が良いかもしれませんね、たかがシステム如きが人間の精神に干渉して来るなんて)
その時観客席で避難誘導をしていた海人達は
海人「頭の中に直接声が響くなんて」
アリーナの中央部を見ているとプライベートチャンネルで通信が入った
朱武{海人、そちらの避難はあとどのくらいで終わル?}
海人「まだかかる、しかしなんだこの現象は?」
凛久{多分今あの起動しているアノシステムが原因・・・・と考えられる}
海人「厄介なもん積みやがって」
凛久{多分アレは此処にいる全員の精神に干渉または感応してくる恐れがある・・・・・あの感情に当てられたら普通の人はどうなるか分からない・・・・}
ノエルside
ユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ
アイツハゼッタイワタシガコロス!!!!
トウサントカアサンノカタキィィイイイイイイイイイ!!!!!
アァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!
射真「・・・・・今のはもしかして・・・・・ハロ」
ハロ「ドウシタ!ドウシタ!」
射真「機体制御を一旦切ってIS学園にある戦時中の報告書を調べてください特にオランダでの戦闘時の記録を」
ハロ「リョウカイ!リョウカイ!」
メルティア「大丈夫なのか?」
射真「何がです?」
メルティア「ハロのサポート無しで大丈夫なのかって聞いてんだ」
射真「大丈夫です、問題ありません」
メルティア「ならいい・・・行くぞ」
射真「えぇ」
二人はまた構え直すと狂戦士に突っ込んでいった
それから数分間戦闘は膠着状態に陥った
管制室
真耶「長いですね、これではシールドエネルギーもいつ底をつくかわかりません」
千冬「しかし奴が何の考えもなしに戦闘を長引かせるとは思えん、何かあるはずだ」
真耶「纏君・・・・」
千冬(また・・・見ているしかできないのか)
千冬は拳を強く握った
メルティア「おい!まだなのか!?」
射真「まだです、今稼働している全てのハロを使って調べていますが手古摺っています、なにせ量が多いいので」
メルティア「そうか、なら仕方ねぇな!」
ハロ「ミツケタ!ミツケタ!」
射真「有難うございます、すみません先生少しの間彼女を抑えてください」
メルティア「こっちもSEはそう多くねぇ、早く戻ってこいよ」
射真「了解です」
射真は一度ピットに戻りSEの回復作業をしている間にハロが見つけてきた
資料を読んでいた
射真「山田先生、SEの回復を出来る所までやってください」
真耶「分かりました」
そして射真はISに乗ったまま資料を読んでいた
そこには
オランダ首都近辺の市街地にてIS学園独立部隊「ソレスタルビーイング」
と亡国企業との戦闘が勃発
この戦闘によって戦闘区域内の街は崩壊
激戦の末亡国企業を追い詰めるも敵増援の為撤退
約一名の追跡も虚しく反応をロスト
怪我人・死者共に多数
と今必要のところだけを読むと射真の目のハイライトが消えた
そうか、彼女があの時の
そう呟きSE供給を停止しカタパルトに接続するした
すると射真は管制室に通信をつなげた
射真「織斑先生、一つ報告があります」
千冬「なんだ」
射真「GNドライヴ及び武装のリミッターを50%まで解除します」
真耶「えぇ!?」
千冬「まず理由を聞こうか」
射真の言葉に山田先生は驚きの声を上げるが千冬は表情一つ変えずに聞き返した
射真「この事態を早急に解決するためです」
射真はひと呼吸入れてから答えるとこれまた千冬から即答で帰ってきた
千冬「了解した、好きにしろ・・・だが大怪我はさせるな」
射真「了解、ハロGNドライヴ及び武装のリミッターを50%までの限定解除」
ハロ「リョウカイ!リョウカイ!」
千冬との通信をきりハロにリミッターの解除を指示すると
GNドライヴが今まで起動した時の倍の粒子を放出し始めた
射真「さて・・・ビスト先生聞こえますか」
メルティア「あぁ!聞こえてるぞ!なんだ!」
射真「今から狙撃を開始します」
メルティア「待ってたぜ!なら今から一発打ちこんで動きを止める、あとは頼んだ!」
射真「了解です」
デュナメスの頭部カメラを展開しGNスナイパーライフルを構えて待つ
メルティア「そろそろ終いだ!真っ黒黒助!!オラァ!」
メルティアはスタンナックルで相手に電流を打ち込むと動かなくなり無防備な状態で浮いていた
射真「堕ちろ」
たった一言、ただの言葉だったがそれでも憎しみに満ち満ちた「たった一言」だった
グギギギギギギギコロ ス・・・・ゼッタイニ
しかし地面に落ちはしたがまだ射真に向かって這い蹲りながら手を伸ばしていた
射真「しつこい」
追い打ちを書けるように射真は攻撃を続けた
しかしただ這いつくばっている相手への攻撃にしては余りにも激しかった
グガァアアアアアアアアアアアア!!!!
観客席サイド
海人「何をしてんだアイツは!」
朱武「こちらの生徒の避難は完了しタ」
凛久「同じく・・・・」
海人「こっちも完了した、それよりも射真を止めねぇと」
生徒の避難誘導を終えた海人達は集まっていた
そこへ2年生ズも合流した
一夏「おーい!海人!凛久!朱武!」
海人「一夏、そっちの避難は?」
一夏「大丈夫だ、もうこのアリーナの観客席には誰もいない」
ラウラ「なら教官のところへ行くぞ!そこで指示を仰ぐ」
すろと射真の攻撃が終わるとノエルのISは解除され、射真がノエルを確保しに向かった
その直後館内放送が始まった
千冬「現時点を持って緊急警戒態勢を解除避難誘導をしていた専用機もちはそれぞれの教室にて待機
戦闘に参加したメルティア・ビスト、纏 射真の両名は管制室に集合せよ」
一夏「一件落着・・・か」
セシリア「そのようですわね」
ラウラ「それでは我々は指示通り教室に戻り待機だ」
専用機持ちはそのまま自分たちの教室へと戻って行った
ただひとり海人だけは他の専用気持ちとは違う感覚を持ちながら
射真side
僕は回収したノエル・スティアートを医療室の先生に任せて
そのまま管制室に向かうと
そこにはビスト先生と織斑先生がいた
千冬「ご苦労だったな纏、ではバーサーカーシステムについて報告を聞こうか」
射真「はい、ではまずあのバーサーカーシステムは僕が前大戦時の敵の幹部のISに搭載されていたシステムでした、そこで集めたバーサーカーシステムと今回のシステムとを照合した結果異なる部分が確認されました」
メルティア「前のシステムとどこが違うんだ?」
射真「前大戦時に搭載されていたバーサーカーシステムは機体性能を引き上げた上で操縦者の身体能力をある程度底上げするものであったのに対し今回のバーサーカーシステムはISの機体性能の一時的かつ飛躍的な向上、武装・外装強化及び出力アップそして尚且つこれが一番の違いである操縦者の理性を封じ込めて闘いのみに特化させる機能」
千冬「操縦者を闘いの道具としか見ていない、こんなものが存在するとは」
メルティア「あぁなんか嫌な感じだ」
射真「まだ・・・わからないことがあります」
千冬「なんだ?」
射真「このシステムを誰がココまで強化したのかそして誰がこのシステムを彼女のISに搭載したのかです」
千冬「・・・・現時点では憶測の域を出ないな」
メルティア「あぁ」
千冬「だが可能性はもう一つある、バーサーカーシステムの暴走だ」
射真「えぇそれは僕も当然考えました、ですが不自然です」
メルティア「何がだ?」
射真「仮にシステムの暴走が原因だというならタイミングが出来すぎています、あのシステムが起動したのは彼女が窮地に追い詰められた時です。
暴走にしてはタイミングが良すぎます」
千冬「では、お前はどう見る」
射真「もしバーサーカーシステム((起動引き金|トリガー))が彼女の感情や精神なのだとしたら、それならあのタイミングで彼女が敗北ではなく勝利を渇望したとしたら?ティアさんより強い力を強く望んだとしたら?これらの感情が((引き金|トリガー))となりバーサーカーシステムが起動した、こう考えたほうがすっきりします」
メルティア「確かにそのほうが不自然はないな、アイツは表情にこそ出さないが負けず嫌いなところがあるとアイツの担任が言っていたからな」
千冬「この件に関しては一般生徒と一部の専用機持ちへの口外を一切禁じる、この件は学園でももう少し調べるあとは任せろ」
射真「分かりました」
千冬「今回はご苦労だったな、夜はゆっくり休めそれまでお前も教室で待機だ」
メルティア「クラスの奴らにはある程度大人しくしてろと言っとけ」
射真「了解です、失礼します」
そう言って射真は管制室を出ていった
メルティア「はぁ、色々面倒な事になりそうだな」
メルティアは( ゚Д゚)メンドクセーとため息混じりに言うと手に持っていた水を一気に飲み干して管制室を出ていった
射真はISスーツから着替えるため更衣室に入ったところで誰かの声がしたので近くまで行ってみるとティアがベンチに座って涙を流していた
射真「ティアさん・・・」
ティア「射・・真」
ティアは鼻水や涙で濡れた顔を上げると射真を見てまた視線をしたに戻した
ティア「今・・・ダメだし、されたらッ・・・立ち直れないから、また今度にしてよ」
ティアは泣きながら言葉を絞り出していた
射真「こんな状態の人にダメ出しをするほど酷い人間じゃありませんよ、ほら顔を上げてください」
ティア「イヤ、こんな顔射真に見せられないよ・・・」
射真「気にしませんから」
ティア「私が気にするの」
射真「関係ありません、じっとしててください」
ティア「んっ・・・わぷっ!」
射真はティアの顎を少し強引に押し上げると手に持っていたハンドタオルでティアの顔を拭き始めた
射真「これで良し」
ティアの顔を拭き終えるとそのままティアの隣に座る
そのまましばらく二人の間を沈黙が支配する
ティア「射真は・・・何も言わないの?」
射真「ダメだしされたいんですか?」
ティア「そうじゃなくて・・・その、えっと」
射真はしばらく間を置いてティアに話し始めた
射真「ティアさんはよく闘ったと思いますよ、まだ粗いところや苦手な事甘い部分もありますがそれでも僕と最初に闘ったときより強くなっています、まぁ要訓練ですが」
射真はティアの頭を撫でて言ったその言葉を聞いたティアはまた俯き涙を流していた
ティア「ありがとう、ありがとう、」
と何度も繰り返して
射真はそのままティアが泣き止んで落ち着くまで近くに寄り添っていた
この時だけティアは暖かい温もりを肌で感じていた
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クラス代表戦終結ですっ(`・ω・´) おまたせしましたm9( ゚Д゚) ドーン! |
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