IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode172 調査の終わり
「ここにもエレベーターがあったとは・・・」
隼人はカプセルを担いだまま扉の前に立つと、扉が開き、エレベーターの乗り場があった。
イソイダホウガ・・・イイトオモイマス・・・
「なに?」
隼人はカプセルの方を見る。
アナタノタイセツナナカマガ・・・オソワレテイル・・・
「っ!」
ソレモ・・・ココヲマモルサイキョウノシュゴシャニ・・・
「それを先に言え!」
隼人はエレベーターに乗り込むと扉を閉め、上へと上がる。
「っ!」
ユニコーンはブラスタービットを一斉発射するも、アルテマは素早い動きでビームをかわしていくと、その速さでユニコーンの目の前まで来る。
ユニコーンはとっさにエクサランスカノンを振るうが、アルテマは目の前から消える。
「っ!?」
ユニコーンはとっさに周囲を探すが、アルテマはユニコーンの背後に現れると、右膝で背中に叩き込む。
「ぐっ!」
その直後にアルテマはユニコーンの目の前に回り込むとドラゴンハングを突き出しユニコーンの腹部を殴りつける。
「っ!?」
勢いよく吹き飛ばされるもとっさに体勢を立て直してエクサランスカノンの後部コンテナを展開してミサイルを放つが、アルテマは床を右拳で前斜めに叩きつけると衝撃波で前方の床が盛り上がり、それにミサイルがぶつかって爆発する。
「エクサランス・・・!」
ユニコーンはとっさにエクサランスカノンのカートリッジを二発リロードし、フォアグリップを右手に持つ。
「バスタァァァァァァァァッ!!!」
引き金を引き、バレルから強力なビームが放たれ、盛り上がった床を貫いて後ろに壁にぶつかり爆発を起こす。
「・・・・」
エクサランスカノンの後部から排熱がされると、ゆっくりと下ろす。
「これなら・・・」
ユニコーンは爆煙を見つめるが、盛り上がった床が吹き飛び、その奥より爆煙の中からアルテマが現れる。
「・・・なんてやつなの・・・」
ユニコーンは息を呑むと歯を食いしばる。
「いや、あの程度でやられる相手じゃ無かった」
気を引き締めると、エクサランスカノンのトリガーを握り直す。
リインフォースは右手のバスターライフルを放つが、オメガは横に飛んでかわし、左腕のダブルガトリングを放ってくる。
『っ!』
とっさに背中の翼を羽ばたかせて弾丸をかわすが、その直後にオメガは胴体上部よりマシンキャノンを出して弾丸を放つ。
すぐに翼より赤い羽根を飛ばして弾丸を弾いていくと、右手のバスターライフルを放つがオメガは横に飛んでかわす。
オメガは右手のビームシザースを収納し、バスターライフルを出すとリインフォースに向けて強力なビームを放つが、とっさに下降してかわす。
『漆黒の翼・・・!』
リインフォースはとっさに四枚の翼を後ろに曲げると、勢いよく翼を羽ばたかせて衝撃波を放つ。
しかしオメガはその衝撃波を受けても微動だにしない。
『・・・くっ!』
歯を食いしばると翼を羽ばたかせて飛び上がる。
オメガは左腕のダブルガトリングと両肩のマシンキャノン、右手のバスターライフルを一斉に放ってくるが、リインフォースはとっさに右へと飛んでかわすと四枚の翼より赤い羽根を飛ばすも、オメガは一瞬の速さで赤い羽根を全てかわす。
(何と言う強さだ。攻撃をしても全くダメージを与える事が出来ないとは・・・)
その絶望的な強さに、リインフォースは息を呑む。
(二人だけで勝てる相手ではない。倒されるも時間の問題か・・・)
(一時撤退って言う選択もあるけど・・・それは隼人君の流儀に反する行為だよね・・・)
ユニコーンはジリジリ迫るアルテマに警戒しながら後ろに下がる。
(それに、あの二体が付いてくるって言う可能性もある。そのまま上に出たりしたら・・・上で待っている仲間たちも巻き込んでしまう)
アルテマはドラゴンハングの牙の部分を展開すると、ゆっくりと身構える。
(だったら・・・・・・ここに留めておくしか・・・)
すると奥より駆動音がしてくる。
「・・・?この音は・・・」
ユニコーンはチラッとそこを見ると、アルテマやオメガもその方向を見る。
『エレベーター?』
リインフォースも音がする方向を見ると音が止み、直後に扉が開く。
「・・・・」
そこからカプセルを担ぐ隼人のバンシィ・ノルンが現れる。
「隼人君!!」
『隼人!』
「少し待たせたな・・・」
隼人はユニコーンとリインフォースを確認すると、倒れている仲間たちを見て生きている事を確認する。
「お前らか。みんなをやったのは・・・」
平然を装っているが声に怒りが混じっており、左手にビームマグナムを展開する。
(しかし、よりによってあの最強チート機体二体がいたとはな・・・。まぁここの名前からいそうな気がしたが・・・)
そう思っていたが、チラッとカプセルを見ると、隼人はカプセルを隣に下ろして二体を睨む。
「隼人君!その二体の強さは桁違いだよ!」
「あぁ・・・分かっている」
ビームマグナムを右手に持ち直してフォアグリップを左手に持って構える。
「・・・・?」
「・・・・?」
『・・・・?』
しかしなぜか一向にアルテマとオメガは襲い掛かろうとしない。
(何だ?なぜ動こうとしない・・・)
隼人は警戒しながら状況を探る。
すると二体はカプセルを見ると、隼人を見てからそれぞれ左右に跳び分かれるとそこから離脱した。
「逃げ、た?」
ユニコーンは呆然とする。
『さっきまで倒す気でいたはずなのに・・・なぜ・・・』
リインフォースも唖然とする。
「・・・・」
隼人は周囲を警戒してからビームマグナムをリアアーマーにマウントする。
『っ!それより、ご無事でしたか!?』
リインフォースはとっさに隼人に駆け寄る。
「あぁ。大丈夫だ」
『そ、そうですか・・・』
リインフォースはホッと一安心する。
「それより、それって一体何?」
ユニコーンは隼人の隣にあるカプセルを見る。
「俺があそこから落ちた場所はどうやらここの最深部に繋がっていたらしい」
「最深部?」
『そんな深いところまで・・・』
「そこで見つけたのが・・・この子なんだ」
「ここの最深部に・・・」
『こんな小さな女の子が・・・なぜ・・・?』
「分からん。だが、この子が俺に助けを呼んでいたようだ」
「この子が?」
「あぁ。とりあえず、今はここから出よう。あいつらがまた襲い掛かる前に」
と、隣に置いているカプセルを担ぎ上げる。
「それに、この子の容態も気掛かりだ」
「それはそうだけど・・・」
「その前に起こせるやつを起こすぞ」
「う、うん」
『分かりました』
それからして三人は倒れているメンバーを起こしに入る。
「しかし・・・お前も中々無茶な事を言ってくれるな」
起こして目を覚ましたのは輝春、楯無、シャルロット、簪、バンシィだけで、その他は気を失い、千冬は輝春が背負い、一夏と箒はリインフォースが抱え、ユニコーンはバンシィの腕を首の後ろに回して支えていた。
「できるだけ持てるだけの物は持ち帰ります。そうじゃないと今回の割りに合いませんからね」
と、隼人は破壊されたリゲルググのビームキャノンを左手に持って持ち上げる。
「でも、普通怪我人に残骸を回収させて運ばせる?」
楯無は首筋を切られて機能停止している滅茶苦茶硬いザクVを抱える。
「俺だって本当ならさせたくは無いのですが、何せ貴重なサンプルです。持ち帰れるものは出来るだけ持ち帰ります」
「・・・まぁ、隼人君の気持ちは分かるんだけどねぇ・・・」
「・・・本当なら増援を求めたいですが、通信が繋がらない以上呼べませんからね」
「・・・・」
「まぁ、隼人の言う事は分かるけど・・・やっぱり怪我人にさせるものじゃ無いと思うよ」
シャルロットはダブルガトリングを収納してジムとドムの残骸を持ち上げる。
「そりゃ悪いとは思ってる。怪我人にこんな事をさせるのはな」
「でも、貴重なサンプルだから、仕方が無い?」
「そういう事だ」
「・・・・」
「見方によっては悪い方に見えるかもな」
「・・・・」
「・・・ごめん、ユニコーン。こんな情け無い姿になって・・・」
「別にいいよ。バンシィが無事でよかった」
バンシィはユニコーンに申し訳なさそうに言葉を発する。
「やっぱり噂どおりだった?」
「えぇ。手も足も出せなかった・・・」
「・・・・」
「まさに・・・闘神に相応しい強さだった」
「そうだね」
「・・・・」
すると、簪は破壊されたグフの手に残されていたハンマーを少しふらつきながらも持ち上げる。
「・・・・」
そのハンマーをまじまじと見つめる。
「どうした?」
その様子の簪に隼人は疑問が生じる。
「あ、ううん。なんでもない」
とは言うものも、簪は興味津々でハンマーを見つめる。
「・・・・?」
そんな簪の様子に少し違和感を覚える。
それからどういうわけかアンノウンの襲撃は無く、多少迷いながらもポインターを辿って何とかGシステム78から出られた。
「オオゥ・・・外は真っ暗か・・・」
隼人は真っ暗な中周囲を見渡す。
「行きと違って帰りは苦労するなぁ・・・」
「何他人事の様に言っているの?」
「・・・・」
ユニコーンに突っ込まれるも、隼人は頭頂部のカメラより光を出して目の前を照らす。
『――――』
すると上に上がっていくにつれて通信機のノイズが無くなっていく。
(ノイズが無くなっていく?やはり中では電波が遮断されていたか・・・)
「こちら隼人。ネェル・アーガマ。応答――――」
『良かったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!ようやく繋がったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
と、通信機が壊れるかも知れないほどの束の声量が放たれて隼人は頭を押される。
その声量に他のメンバーも驚き、気を失っていた一夏と箒、千冬までもびっくりして目を覚ました。
『もう心配したんだよぉぉぉぉ!!はっくぅぅぅぅぅぅんっ!!!』
束は物凄い声量で半泣きな声で発する。
「・・・束さん。声のボリュームを落としてもらえませんか」
擬似的に耳から激痛が襲っていた。
『だって!!もうかれこれ六時間以上不通なんだったんだから!!めっちゃくっちゃ心配したんだよぉぉぉぉぉ!!』
「それについてはすいませんでした。内部じゃ通信が出来ない状態だったので」
『やはり内部では通信が出来ない状態だったか』
と、アーロンが通信に入ってきた。
「えぇ。それに加えてアンノウンの襲撃がありました」
『バインドじゃないのか?』
「えぇ」
『そうか・・・』
『あいつら以外って言うと?』
「遺跡を守る守護者って所ですね」
『あぁなるほどね』
「かなり手強かったので、想定外の損傷を受けました」
『そうか・・・』
『それはそれで、何か得られた?』
「まぁ、色々と手に入りました」
『おぉ!』
「あと、迎えの寄こして下さい。怪我人や回収したものがありますので」
『わかった』
それからしてラウラたちが降りてきて千冬と一夏、箒、バンシィを抱え、残りは残骸を持ってワイヤーで引っ張り上げられて、ようやくGシステム78の調査が終わった・・・
「どうやらマテリアルは彼らを選んだようだな」
「うむ」
そしてフリーダム、グリッター、ノアは高高度からその様子を見ていた。
「とりあえずは一安心だな。連中の手に渡らなかっただけでも良しとしよう」
「例の装置も彼らによって回収されている。まぁ悪いように使うとは思わんが・・・」
「・・・・」
「・・・やはり・・・お前はやるのか?」
「あぁ。やらねばならんのだ・・・」
「・・・・」
「もう私に残された時間は少ない・・・」
フリーダムは自分の右手を見る。
「そうか・・・。まぁ、部外者である我々が関わるものではない」
「これはお前とその血筋の戦いなのだからな・・・」
「すまんな、グリッター、ノア」
そうして三体はその場から一気に飛び出して離脱する。
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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