マブラヴ オルタネイティヴ RETURN OF START 三十話 精鋭部隊実情
[全5ページ]
-1ページ-

マブラヴ オルタネイティヴ RETURN OF START

 

 

三十話 精鋭部隊実情

 

 

アスカ SIDE

 

 

「ふぁ〜〜〜」

 

ヨーロッパから来て一週間以上経った

さすがに連日説明するのはキツイ

世界共通なのか、質問攻めされ2時間で終わるところが6時間もされてしまった

さらにツェルベルス大隊には電磁兵器を体験して貰い、電磁兵器と通常兵器の違いを認識させてもらった

すぐに乗りこなせる人はいなかったが、2〜3日で慣れ始めて5日後には手足のように動かしている

熟練者の経験だろうか?

 

「サクラザキ、休憩したらどうだ?」

 

声が掛けられ振り向くと電磁兵器の資料を持つシルヴィオがいた

年下相手に敬語を使われ背中がムズムズしていたが、日が経つごとに敬語を使わなくなったが、警戒されているのか少し堅苦しい態度を取っている

 

「だいじょーぶ、このあと一時間ごとに各国の説明するから」

 

「そのスケジュールは昨日だ、今日は新人に説明会だ」

 

「ダニ?」

 

どこかのプライドが高い王子みたく答えながらもスケジュール表を見ると昨日のスケジュールだった

 

「あれ?」

 

「・・・日本人の仕事熱心は本当だったのか」

 

シルヴィオがため息をつくと片手で俺を拾い上げ歩き出す

離れようとするが疲れなのか頭の回転が遅く離れられない

 

「シルヴィオ、歩けるから下ろしてくれないか?」

 

「壁に25回、激突したのは誰だ?」

 

「うぐ!?」

 

たしかにドーバー基地に来てから日が経つごとに壁に当たりやすくなった

これもナノマシン停止の影響・・・・・・俺ってかなりナノマシンに依存していたのか・・・・・・

 

「分かったなら、今日はそのまま休め」

 

「ほーい」

 

「それとアイツはどうした?」

 

「アイツって、ケニーのこと?」

 

「そうだ、昨日から姿を見ていない」

 

そういえば・・・

ヨーロッパに来て、わずか3日でヨーロッパ各国の女性(一部)に口説き、イタリア人も顔面蒼白した

もちろん全て玉砕し、最後にツェルベルス大隊のベスターナッハ中尉を口説いたら男性陣から敬礼されていた

今日も再度口説きに行ったな

そのチャレンジ精神は尊敬するよケニー

 

「サクラザキも苦労するな」

 

「いや〜自然と慣れたから苦労はしてないよ」

 

その4日後、知らない人に応援されて周囲から俺に対する隔たりが無くなったな

ま、残り期間を国連として嫌われて過ごすよりもマシとなったわけだ

もしかして香月博士は四番目とヨーロッパを緩和させるために、ケニーを送り込んだのか?

 

「まさかな・・・」

 

「どうした?」

 

「なんでもない」

 

「なら篁中尉がいる司令部に急ぐぞ」

 

「えっ?」と言おうと瞬間、誰もいない通路を駆け抜けていく

それも俺と資料で両手が塞がれても平然し、スピードを殺さず階段を登る

 

「ちょっ!金の玉がスボンにーーー」

 

 

アスカ SIDE END

 

-2ページ-

 

ドーバー基地 SIDE

 

 

演習場に複数の砲撃が周囲の音を掻き消し跳躍ユニットの稼働音が大小様々響き渡り大地を揺らす

さらに砲撃が続き、“訓練通りに撃つ”のを司令部で見物していた唯衣は訓練時代の懐かしさを感じる

だが、地球の反対でも自分と年齢に近い若者が部隊に配属されるほどかなり緊迫していると伺えた

 

「((A|アントン))命中率63.7%、((B|ベルタ))命中率75.6%、((C|ツェーザー))命中率70.3%」

 

「・・・国連の評価票に嘘はないようだな」

 

国連訓練校から送られたファイルと大型モニターを比べながらブリギッテ・ベスターナッハ中尉はポジション適正試験を次の段階に移行するために指示を飛ばす

 

「―――続いて、原因不明の自動制御措置が停止したと想定し、システムを解除する!」

 

「了解、システムを解除します」

 

演習場にいる全ての機体は敵味方識別装置や砲身過熱防止用自動制御システムというあらゆるサポートが外されると、柔軟な動作がブリキのおもちゃのように鈍くなる

突然の出来事に驚くイルフリーデ達の心拍数上昇がモニターに表示された

 

「これは一体・・・?」

 

「タカムラ中尉、我々は緊急即応部隊として最優先に任務が回ってくることがあり、満足に整備出来ない状態で出撃する時がある―――これはいかに機体を把握し通常戦闘レベルに持っていくかが目的としている」

 

「いくらなんでも・・・」

 

「ま、こんなことは日常茶飯事なんだぜタカムラ」

 

自信に満ちた態度をとるウォルフガング・ブラウアーだがロープで捕縛されているため説得力がない

その隣には殴られた跡が残りながらも幸せそうに気絶するケニーがいるが唯衣はアスカ同等の噂を知っているため無視して再びモニターを見た

複数のタイフーンは徐々に立て直し攻撃を再開するが、ララーシュタインとベスターナッハは小声で「初陣で1〜2分である」「いえ、すでに全滅です」と厳しい評価される

とくにイルフリーデは味方までも被弾させ、オペレーターまでも呆れ果てた

 

「既に10機も被弾させているわ」

 

「こんな新人見たことないわね」

 

「あら〜やだー味方のケツばかり追いかけるなんて危険な子ね」

 

「「アンタがそれを言う?」」

 

「私は両性類だから関係ないのよ」

 

「だったらあそこの((ヤツ|ケニー))を狙いなさいよ」

 

「嫌よ、アレは女性を追うから好みじゃないの」

 

「それじゃ、相方は?あの少佐だったら迫れるわよ?」

 

「あのボーヤは予約済みよ」

 

「えっ?」

 

「あ〜あ、そうよね」

 

「何が?何が?」

 

「ほらほら」

 

オペレーターが唯衣に見えないように指を指す

もう一人が小声で「うそ?」と言い、一瞬だけ唯衣を見た

 

「本人は自覚はないけど、かなり気にしているわね」

 

「アナタ、よく見てるわね〜」

 

「両性類なのよ」

 

「ねぇねえ恋のライバルはいないの?」

 

「ん・・・今のところ無しよ」

 

「面白くないー」

 

「今後の期待としておきましょう――――((A|アントン))さらに2機((味方誤射|フレンドリーファイア))」

 

恋バナから仕事に戻るオペレーターをよそに、ベスターナッハは跳躍ユニット故障やプログラムにバグなど発生させさらに危機的に追い込む

ヘルガは邪魔な荷物となった跳躍ユニットを強制排除させプログラムを再起動させる

ルナもヘルガ同様に跳躍ユニットを強制排除させつつバグのコツを掴み援護射撃

そんな二人に対してイルフリーデは、悪戦苦闘しながらもそのままの状態で戦闘を継続させる

だが、制限がかかったタイフーンは応えず、さらに味方に被弾させてしまう

 

『CPよりA、敵と味方が識別できないほど寝ぼけているのか?なら自室に戻れ、明日朝一番に訓練校行きの列車を手配してやる』

 

「・・・・・・くっ、このままだと・・・」

 

突撃前衛になると宣言したはずが、なんとも不甲斐ない

このままだと突撃前衛なるどころが後衛に回されてしまう

そんな気持ちを切り替えるためイルフリーデは息を飲み込み力強く操縦桿握る手を緩めた

しかしレーダーには嫌味と捉えるほどの増援が表示される

 

「ここで音を上げるわけにわいかない!」

 

 

 

ドーバー基地 SIDE END

 

-3ページ-

 

アスカ SIDE

 

 

司令部に入ると俺に注目していた

ま、シルヴィオに抱えられ入ってきたら不思議がるのも無理はないか

おまけに白目向いているし、口から白い泡が出てきてる

 

 

 

ん?!

 

 

 

何か変だぞ?

俺が自分を見えてる

足元を見ると薄く透けて白い煙が口から伸びていた・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

 

「桜咲少佐!」

 

「やばいぞ脈がない」

 

「至急担架を用意しろ!それとドクターだ!」

 

なんで幽体離脱!?

ナノマシンがなければマ○オ以下か!

 

「・・・・・・」( ゜−゜)b

 

え?

ララーシュタイン大尉、俺(魂?)にGJって、なにやっているんですかー

普通注目するのは体でしょ?

心があれば幽体離脱でも読めるんですかーって生と死の境を簡単に越えないでください

 

「むっ、このままではいかん」

 

ララーシュタイン大尉は中国拳法みたいな構えを繰り返す

「大尉、なにを?」と篁さんが喋ろうとするがベスターナッハ中尉に止められる

ブラウアーもこの後に起きることを知っている

 

「ふんっ!」(  ̄ー ̄)=○() ̄O ̄)「ギャン!!」

 

ううっ〜痛い

古いテレビの直す方法で斜め45度から手刀が入り、脳が一瞬だけ裏返るのと両目が飛び出しそうになり体が動けない

 

「ゲルマン流忍術の蘇生術である」

 

えええ〜〜〜!?

あれって覆面ファイターが使っていたような?

いや第二次大戦中に枢軸国として日本から伝わったのか?

 

「少佐!しっかりしてください!」

 

はう!

篁さん、顔に胸を当てるの止めて、男の本能が起動するから!

それと胸が口と鼻を塞いで窒息する!

凶器か!その胸は凶器なんだな!

殺し損ねても「少佐の変態!!」と言って俺の立場を無くすつもりなんだな!

 

「これぞ心パイ停止である」

 

ララーシュタイン大尉うまく纏めないでください・・・・・・ってそろそろ不味くなってきた・・・・・・

 

「少佐!?少佐ーーーーー!!」

 

 

アスカ SIDE END

 

-4ページ-

 

ドーバー基地 SIDE

 

 

アスカが唯衣の天然攻撃を受けてから数分後

イルフリーデたちは適正試験を終え、機体を格納庫に搬入させていた

 

「はぁ・・・・・・」

 

「気を落とさないでイルフリーデ」

 

「私、味方を18機も落としたんだよ」

 

「それは再起動させなかったお前が悪い」

 

「えー」

 

ルナは苦笑いし、ヘルガは呆れてイルフリーデは頬を膨らましているとベスターナッハが現れ三人は敬礼をした

 

「本日の適正試験はこれで終了する―――本来ならこの後、電磁兵器に関する説明会を行いたいが技術官が体調不良を起こしているため無しとする、以上だ」

 

ベスターナッハがその場から離れると、ルナは目を輝かせ電磁兵器の知識を喋り始めイルフリーデは戸惑う

そんな二人に対し、ヘルガは自分の((相棒|タイフーン))を見つめた

 

「(電磁兵器・・・・・・壊滅寸前の日本が開発したといわれる新兵器、従来の機体に組み合わせることにより攻撃・機動力が格段と上がると言われている、それがあの時あれば・・・)」

 

幼かったころ目の前で祖国が失われていくのを思い出しながらも、本土を守った日本に軽く嫉妬してしまった

だが日本は欧州よりもBETAの進行が台風と重なって避難すら出来ずに大勢の命が亡くなったとと知っている

気分を変えようと格納庫を歩いているとタイフーンが並ぶ中に一際目立つ黒いファントムの姿があった

第一世代の特徴である重量感の装甲がなく第三世代機に近くスリム

背部にはマウントが排除され二つの大型ブースターが取り付けられている

機体の横には大型のブレードにトリガーが付けられた武器

そして機体の回りには様々な色のハロが作業していた

自分が見た黒い機体はこれだったんだろうか?と思っていると一体のハロが近づく

 

「この球体は・・・?(かわいい///)」

 

「ハロ!ハロ!」

 

「そうかハロと言うのか、ヘルガだ」

 

「ヘルガ、ヨロシクネ!ヘルガ、ヨロシクネ!」

 

ヘルガがキョロキョロと誰もいないことを確認してハロを抱きしめた

 

「おやおや、ヘルガローゼ少尉にも乙女チックなこともあるのですね」

 

「イ、イルフリーデ!?」

 

「ま、この球体は誰もが抱きしめたいとと思いますわ」

 

「おまえ達、一体どこから見ていた・・・?」

 

「えーと、この球体は・・・から」

 

「始めのほうじゃないか・・・・・・」

 

ヘルガは次からは用心することに心に決めた

二人はヘルガを弄るのをやめ、黒いファントムに目を向ける

 

「これはファントムよね・・・?」

 

「細かな部分には名残はありますが、各部フレームは第三世代機の特徴がありますわ」

 

「黒い機体と言うことは黒き狼王の乗用機か・・・」

 

「でもツェルベルスの紋章が入っていませんわ」

 

「この機体はいったい誰のだろう?」

 

 

ドーバー基地 SIDE END

 

-5ページ-

 

欧州連合 SIDE

 

 

BETAがいない世界では海に佇む美しい姿あったモン・サン・ミシェルは、今はなくBETA進行を防ぐため要塞化されていた

そこに所属する部隊は哨戒任務のため複数のトーネードが飛び回る

衛士らはいつもの哨戒で終わると思っていたが、その日だけは違っていた

コクピット内と外気は10度以上もがもあり外が寒い

哨戒任務の基点ポイントとされている場所だけは上空の雲は大きく引き裂かれるように穴が開いていた

 

『なんだ、これは?』

 

『各機、周囲を警戒しろ!』

 

『『『了解ッ!』』』

 

部隊長は杞憂であってほしいと願いながらもレーダーと周囲を警戒

そんな彼をあざ笑うようにコード991が表示される

 

『5時の方向にBETAかく・・・にん・・・した?』

 

『おい、あれはなんだ?』

 

彼らの視線の先に要塞級と同じサイズの物体が地面から現れる

見た目はクモように見え、背中にはカマキリと同じ二本の鎌を持つ

大きな昆虫と捉えるのが妥当だろう

 

『新種だと!?』

 

異様な姿に彼らが戸惑っている中、新種のBETAは二本の鎌を空に掲げて跳躍

一瞬でトーネードの前に立ち、鎌でなぎ払う

なぎ払われた場所にはトーネードの脚部だけを残して沈黙

コクピットから上部は空いていた鎌で串刺しにされてしまう

 

『アドルフーー!!』

 

『クソッ!このヤロウ!』

 

残った部隊は36mm弾で全方位から射撃

彼らが思っている以上に装甲は硬く全て弾かれてしまった

 

『コイツいままでのヤツとは違う!』

 

射撃が無理なら固定武装のクローで斬りつけようと背後に回り接近する

それを黙って受けるつもりはない新種のBETAは要塞級以上の強度を持つ装甲脚でコクピットを射抜いた

 

『・・・バァ・・・カ・・・な・・・?』

 

新種のBETAは刺したトーネードを引き抜くとS―11が誤作動をはじめ爆発に巻き込まれる

だが煙が晴れると無傷のまま姿を現した

 

『S―11まで通用しないだと!?』

 

『それじゃあ、いままでのBETAは何だったんだよ!』

 

『HQ応答せよ!ポイントB−29にて新種と思われるBETAを確認!部隊の半分は失い壊滅状態、至急援軍を!』

 

『・・・・・・は・・・・・・せよ・・・』

 

『通信が繋がらない?』

 

『隊長、((新種|ヤツ))から長距離通信と同じ電波が発しております!』

 

『なに!?』

 

隊長は悟った

この新種のBETAは自分達の部隊を周囲から孤立させ罠にはめたと・・・

だが腑に落ちない点がある

集団で行動するはずが新種のBETAだけしかいない

 

『まさか・・・・・・』

 

何かに気づいた隊長さきほどの戦闘記録を基地に送信を始め、残った部隊に離脱の指示を飛ばす

部隊がレーザー照射されないように地面すれすれを飛行し戦場を離脱するが、新種のBETAは動く気配すら見せない

その様子に隊長は寒気を覚える

 

『各機、全速力で離脱しろ!!』

 

『隊長なにを言っているんですか?たとえヤツがレーザーを持っていても照射範囲外17―――』

 

突然通信が途切れ、”全ての機体が墜落した”

何が起こったのか分からない隊長は機体を確認すると各部にエラーが表示され行動不能になっている

新種のBETAの攻撃と思いレーダーを確認すると同じ場所にがいた

 

『ヤツは一体何をしたんだ!?』

 

映像に映る新種のBETAは、体を持ち上げ宝石のような3つの目からレーザーを照射した

数分後、総合司令部に偵察部隊壊滅の報告が入る

その新種のBETA出現が人類にさらなる絶望へ誘うことになるとは誰も知らなかった

 

 

 

 

あとがき

 

PCを新しく買い、汚物は消毒だーというヒャハーな状態になっている作者です

アベノミックスめ、輸入品のパーツ高騰させやがって・・・

 

今回はアスカ弱体化とイルフリーデ適性試験に加え、ほんの少しだけファントム・アスカ機の再登場!

これに前でたタンクを組み合わせればガチタンに・・・

 

そして新種のBETAはレーザーに鎌を持たせ接近と遠距離が可能にしました

ヨーロッパでの中ボスという位置になり、ガンダムと同等な強さでアスカたちを苦しめます

設定はまだ出ていませんのでご了承ください

ではまた会いましょう

 

説明
一ヶ月に一回出すと決めて、ぎりぎり間に合った・・・
ごめんパトラ●シュ、僕、眠くなってきたよ・・・
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
6832 6531 3
コメント
一様エクシアvs新種という構造になっていますがアスカが怪我しているので決着はかなり遅いと考えています(モアイ像)
感想ありがとうございます 新種はアスカが介入した結果として出現させました (モアイ像)
なんというか最初ほのぼの後シリアスですな。あの新種は明らかに対エクシアを意識してますな(アリアン)
タグ
駄作 マブラヴ クロニクルズ ガンダム00 オリ主 TE 00 

モアイ像さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com