春の日に思うこと |
この道を 全然道じゃないんだけど
この農道を いや獣道を?
ずうっとずうっと行きますと森があるんです
硝子みたいな空の下にひらひら光る黒い森
そこに居るのは一人の娘
娘はつい先達て死んだのだ
霙の様に透通る脚で
松の葉の爽やかな香りさせて
娘が歩いて居る
娘の頬は林檎の様
赤く甘やかで
娘はあるものを見付けた
蛍か?いいや幼子だ
幼子が蹲ってぼんやりと光っている
幼子はつい先達て死んだのだ
幼子はただぼんやりと空を見詰めていたので
娘は幼子を抱き上げた
(娘と幼子が何処へいきましたかって?
きっと今頃は星の国へ入ったと思います。
何も無い良い場所です)
道じゃない その道には
行き掛けて止めた足跡が
二人分付いている
きっと詩人の足跡だと思う
(そうして足跡はもう一つ増える)
説明 | ||
20130531/きっとただの妄想なんだけど。 | ||
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