真・恋姫†無双〜家族のために〜#12課題
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 今日はいつもより早い時間に起きた。

 いよいよ新兵の訓練に参加するからだ。読み書きは夜の予定だ。

 

 完全に目が覚めたら、いつも通りに少女と空を起こす。少女は若干着衣が乱れていたが、意識してそちらを見ないようにしながら起こす。これもいつものことだ。空は大体起こそうとすると起きる。なんか気配でも感じてるのだろうか……。

 

 

 まずは屋敷の掃除だ。これはすでに僕の仕事になっていて、諳は全く手伝ってくれない。

 次は諳や門下生達が使う墨や筆の準備だ。墨の準備は結構大変だったりする。慣れたけどさ。

 それらを終えてようやく訓練の時間となった。

 

 

 たしか集合場所は兵舎の近くにある訓練場だったはずだ。そう思い、向かおうとすると……服の裾が引っ張られた。まぁ予想通りだったかな。

 振り向くと、そこには俯いている少女と、少女に寄り添うようにしている空がいた。

 

 「……どうしたの? 」

 

 一応聞いてみたのだが、彼女は首を横に振るだけだった。

 まぁ、ここは無理に喋らす必要はないかな。

 

 「付いて来る? 」

 

 そう言ってあげたら彼女は顔を上げ元気に頷いた。

 

 「よし! じゃあ一緒に行こう」

 

 裾を掴んでいた手を取り、僕らは歩き出した。

 

 

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 「遅いぞ!! 」

 

 「……え? 」

 

 開口一番がそれだった。

 

 「え? じゃない。遅いと言ったんだ」

 

 「だってまだ時間じゃ……」

 

 「馬鹿者! 新兵たるもの誰よりも早くに来て、自主鍛錬の一つでもせんか! とは言ったものの、お前は今日が初日だからな……今日だけは許してやる。一番最後というわけでもないからな」

 

 そうだ。これは自分から頼んだことだ。周りの新兵の人達には、僕が理不尽に怒られているように見えるだろうけど、僕が鍛えてくれと言ったんだ。自分から率先して動かないでどうする。

 

 「……分かったよ。明日からは早く来てやる」

 

 そう宣言すると、千寿は笑い、すぐに少し顔を顰めた。

 

 「そうだ、それでいい。……それとその口調はどうにかならんか? 諳には敬語を使うだろう? 」

 

 「出会いが出会いだからなぁ。諳はそもそも何されるかわかんないし……」

 

 「まぁ今すぐにじゃなくていい。私のことを尊敬してくれたら敬語を使ってくれ」

 

 「武だけは尊敬してますよ。武だけは」

 

 「お前! そうか……よほど扱かれたいらしいな……覚えておけよ」

 

 ゾクリと背筋が寒くなるような感じがしたが、むしろ好都合だ。僕は強くならなきゃいけないのだから。誰よりも強く……。

 

 

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 訓練が始まった。少女と空には少し離れた場所で見学してもらうことにした。近くだと危ないらしい。

 

 まずは城壁の上を、千寿が『止め! 』と言うまで走り続けた。

 大体十周目ぐらいから何人か脱落者が出始めた。正直僕にとっては屋敷の掃除のほうが辛かった。

 二十周目になると残っているのは三人だった。僕は最後尾。父さんが昔、一番前は風が当たるから大変なんだって教えてくれたからだ。

 二十三周目で僕の目の前の人が脱落した。僕も結構苦しくなってきた。

 二十八周目。先頭の人の速度が目に見えて落ちた。僕はその人を抜かした。

 三十周目。ここで千寿が『止め! 』と号令をかける。振り向くとそこには地面に寝そべる新兵の人達がいた。

 

 あとで、最後まで残ってた人に聞いたんだけど、こんなに長く走ったのは初めてらしい。千寿め……本気で僕を潰しにきてたのか……。

 

 

 少し休憩をとったあと、新兵達はそれぞれ槍を持ち、近くにいる者と打ち合いを始めた。

 

 僕は千寿に呼ばれ、少し離れたところで向き合っていた。足元には大量の武器が置かれている。

 

 「これからはお前にも槍を教える。これは新兵の訓練に組み込まれているからな。だが、私の見たてではお前の得意な武器は槍ではないと思う。ということで、城にあるあらゆる武器をここに揃えてみた。一通り振ってみて、しっくりきたものがあれば言ってくれ」

 

 そう言われて、足元に置いてある武器を眺めてみる。短戟、戟、戦斧、長槍などなど、僕が名前を知らないものまで置いてあるみたいだ。

 

 とりあえず片っ端から手に持って振ってみた。

 

 

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 「う〜ん……」

 

 「どれも、これといったものがないか? 」

 

 「短刀はやっぱり一番しっくりくるんだけどな……」

 

 「まぁ全ての武器がここにあるわけではないからな。そのうち見つかるだろう。それまでは違和感があるかと思うが槍と、あとはそうだな……その短刀の使い方を教えていこう。とにかく、今日はここまでだな」

 

 これだけ親密になって考えてくれているんだし、少しはお返ししないとな……。

 

 「あぁ。頼んだよ、((お師匠様|・・・・))」

 

 「っ! お前、今! 」

 

 千寿は一瞬で顔が赤くなっていた。諳が千寿を弄るのも、なんか分かる気がした。

 

 「明日はお前よりも早く来てやるからな! 」

 

 そう誤魔化して、僕はずっと待っていた彼女と空のもとへ駆け寄ると、来た時と同じように手を取り、駆け足で去っていった。

 

 

 次は諳と、一対一で読み書きを教えてもらうんだ。遅れるわけにはいかない、と。

 

 

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 家に帰り、すぐ暗に教えを乞うた。

 諳はそれを読んでいたかのように、すぐに準備を整えると、まだ僕の手を握っていた少女に話しかけた。

 

 「あなたも、この子と同じことを学んでみるかしら? 」

 

 「……同じ? 」

 

 「ええ、同じよ」

 

 「ん……やる」

 

 彼女が僕以外と喋ったことにも驚いたが、自ら主張したのにも驚いた。

 諳は即座に彼女の分の椅子などを準備して、私塾と同じく教鞭をとった。

 

 

 諳に渡されたものは孫子だった。

 

 「あなたはまず、そこに書かれているもの全てを読めるようにしなさい。詳しくはそれからよ。この屋敷内にはかなりの数の書物があるわ。分からなければそれらを読んでもいい。ただし、私に質問をするのは三回まで許可します。それ以上質問をするようでしたら、((お仕置き|・・・・))が用意されてますからね? 」

 

 『お仕置き』の部分を言われたとき、凄く嫌な予感がした。もとより聞くつもりはないのだと、そう自分に言い聞かせ、今は孫子のみに集中することにした。

 

 

 諳は少女に近寄ると、何冊かの絵本を渡した。そして、彼女の耳元で何事かを呟くと笑顔のまま元の位置に戻っていった。

 

 「ああ、一つ言い忘れていたわ。期限は十日とします。二人ともね。それまでに終わらなかった場合も……楽しみね。ふふふっ」

 

 

 僕と彼女は必死に解読を始めた。

 

 

 

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【あとがき】

 

遅くなりましたが、こんばんわ。

 

九条です。

 

 

 

半分ほど昨日の段階で書き終わっていたので

30分ほどで書ききりました!

 

 

 

そして今、ハム公の人気に嫉妬しています……。

 

まず、一つ目

彼女のおかげ(せい)でお気に入りユーザが倍以上になってました。

こんなの不遇ちゃんじゃない!←

 

そして、二つ目

TINAMI 小説タブのTOPを見てみると、HOTに載っていたのですよ! ハムの話が!

 

なんかまじめに書いたものよりネタのほうが人気が出るとか……、若干泣きました。

それだけ皆さんが救済を求めている、ということなんでしょうね……。

活躍している姿が思いつきませんけど!

 

 

 

 

そして嬉しいお知らせ!

 

真・恋姫†無双〜家族のために〜(以下、族ため)の#8それはやさしさが

支援数10を達成致しました!!

 

いやー、ありがたいです、ほんと。

 

 

読者様から支援されているのだ! 俺からは何かないのか! 

ということを考えまして……。

 

次回。拠点パーt……じゃなくて(汗)

 

 

次回は、少女視点で物語を進めてみようと思います。

そろそろ真名も交換させなきゃなーとも考えていますのでね。

 

 

 

最後になりましたが、いつも閲覧してくださっている方々

それと、支援やコメントを残していってくださる方々に

私から、感謝を述べさせていただきます。

 

『いつも、ありがとうございます! 』

 

 

これからも頑張っていきますので、楽しみにしていてくださいね〜

説明
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ちょっと誤字の確認があまくなっているかもしれません。
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