英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 476
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〜アルセイユ・ブリッジ〜

 

「あれ………今、何か聞こえなかった?」

「そう?レンには何も聞こえなかったけど。」

ギルバートが悲鳴を上げながらドラギオンから逃げて行くその頃、エステルは首を傾げて呟き、エステルの言葉を聞いたレンも首を傾げ

(………………)

(やれやれ………)

(まあ、ここは黙っておいた方がよさそうね………)

(アハハ………)

(フフ………せっかく自分から囮を申し出たのだから、望み通り囮になってもらえばいいでしょう………)

(そうだね。キャハッ♪)

(……………自ら囮になった彼の名誉の為にも、ここは黙っておいた方がよさそうですね………)

ギルバートの悲鳴が聞こえていたリウイとリフィアは呆れた表情をし、カーリアンとプリネは苦笑し、ファーミシルスとエヴリーヌは口元に笑みを浮かべ、ティオは静かな様子で目を伏せた。するとその時、ティオの前にある装置が赤く光った。

「!前方120セルジュに巨大な構造物を感知………!どうやら目的地のようです!」

「そろそろ目視できそうだな………ヨシュア君。カメラを回してみてくれ。」

「了解しました。最大ズームで目的地を補足開始……………………………………………!捉えました!モニターに回します!」

ティオの報告を聞いたユリアの指示によってヨシュアは装置を操作し、モニターに目的地を映した。するとそこには巨大な城が映っていた!

「な、なにあれ!?」

「城……なのか!?」

モニターに映った光景を見たエステルとアドルは驚き

「わあ………おとぎ話の光景みたい………!」

「………宮殿…………いや、どちらかというと城と呼ぶべきでしょうか………」

「茫漠たる荒野にそびえ立つ”影の王”の居城か………」

幻想的な景色にティータは目を輝かせ、クローゼは考え込んだ後リシャールと共に真剣な表情で呟き

「フッ、なかなかロマンをかき立ててくれるね。」

「まさに最終決戦の地として相応しい場所だな………」

オリビエとヴァイスは静かな笑みを浮かべて呟き

「あそこに姉様が………」

「ああ………間違いないやろ。それにしても………ずいぶんゴッツイもんを築き上げたもんやな………」

リースは真剣な表情でモニターを見つめ、ケビンは頷いた後苦笑した。

「さて………ケビン殿、どうする?」

「そうですな………注意しながら近付いては入れる場所を捜してみましょう。多分、”影の王”の方でもオレ達を待ってると思います。」

「………了解した。――――アルセイユ、減速開始!目標地点に到達したら周回飛行に入るように!」

「イエス、マム!」

その後アルセイユは幻想的な巨大な城に近づき、周りを周回していた。すると城に付いてある時計が動き、一定の場所に止まると鐘がなり、巨大な扉が音を立てて開き、アルセイユは扉の奥へと進み、アルセイユを停泊させ、ケビン達は城内に降り立った。

 

〜???〜

 

「それにしても広い入口だったね………」

「まさか船まで停泊できるなんて思ってもいなかったの………」

城内に降り立ったナユタとノイは驚きの表情で周囲を見回し

「ここが………”城”の玄関みたいだね。」

「な、なんかやたらと入口があるんですけど………」

「…………全て合わせて7つありますね………」

ヨシュアは周囲を警戒し、エステルは入口の数が多い事に気づき、エレナは入口の数を数えて呟いた。

「この造り………アルテリアにある大聖堂の意匠と似ていますね。」

「…………………………」

一方景色を見回したリースは真剣な表情で呟き、ケビンは考え込んだ。

「……ケビン………?」

ケビンの様子に気づいたリースが不思議そうな表情をしたその時

「ルフィナ姉さん………いや――――”影の王”!中にいるんはもうわかってる!オレはもう………逃げも隠れもせぇへん!いい加減、このあたりでケリつけようやないか!」

ケビンは一歩前に出て大声で叫んだ!すると!

 

フフ……よくぞ来た………わが”幻影城”へようこそ…………もはや多くを語る必要もあるまい………いざ、最後の遊戯を始めるとしようか。

 

”影の王”の声が広間全体に響き渡ると同時に鐘の音が聞こえ始め、閉まっていた入口全てが音を立てて開いた!

 

”贖い人”とその共らは上にそびし大門へ………それ以外は均しく6つの門へ………それぞれ終点には趣向をこらした贄応を用意させてもらっている。フフ、それでは互いに大いに愉しむとしようではないか。

 

「…………………………」

「姉様……………」

”影の王”の声がなくなった後、ケビンは真剣な表情で考え込み、リースは不安そうな表情をし

「最後まで”ルール”に拘るつもりのようですね。おそらく、その通りにしないと”影の王”の元には決して辿り着けないでしょう。………ですがある意味彼女自身も”ルール”によって成立しているとも言える存在。おそらく罠のたぐいは仕掛けられていないと思います。」

セレストは静かな様子を纏って説明した後、口元に笑みを浮かべて助言をした。

「………あくまで正々堂々とあたしたちを叩き潰すつもりね。」

「うん………そうみたいだ。」

セレストの助言を聞いたエステルは口元に笑みを浮かべて呟き、ヨシュアは静かに頷き

「うふふ………なかなか素敵な招待ね。なんだかレン、ワクワクしてきちゃった♪」

「あはは………ちょっとわかるかも。私はワクワク半分、ドキドキ半分だけど………」

レンは不敵な笑みを浮かべ、アネラスは頷いた後苦笑し

「フッ………正面から俺達を相手に叩き潰す事がどれほど愚かな行為か教えてやる………」

「ああ………ここにいるみんなが力を合わせれば、俺達に敵はない………!」

「みんなが一つになってここまで一緒に来れた………例えどんな強敵が待ち構えていようと、今の私達なら大丈夫………」

リウイは不敵な笑みを浮かべて呟き、セリカは頷いた後真剣な表情で入口の先を睨み、サティアは静かな表情で呟いた。

「ま、こうして巻き込んでくれたお礼をしなきゃとは思ってたし。」

「ケンカを売ろうってんなら喜んで買ってやろうじゃねえか!」

「ええ!楽しませてもらおうじゃない!」

シェラザードの言葉にアガットとカーリアンは不敵な笑みを浮かべて頷き

「ア、アガットさんってばぁ………」

「全く、この戦闘狂共が………」

2人の言葉を聞いたティータは苦笑し、リフィアは呆れた。

 

「いずれにせよ………避けては通れぬ道だろう。」

「この”影の国”が果たしてリベールに災厄を及ぼし得るのか………」

「それを見極める意味でも捨て置くわけには参りません。」

「ピュイ!」

リシャール、ユリア、クローゼはそれぞれの決意を改めて呟き、3人の言葉に頷くかのようにジークは鳴き

「ボクは………早く兄貴たちの所に戻って安心させてあげないと。」

「はは、俺もあんまり帰りが遅くなっちまったらキリカにどやされそうだぜ。」

ジョゼットは溜息を吐いて呟き、ジンは豪快に笑って呟き

「フッ………ボクとしてはこのまま皆と一緒にいるのは望むところではあるのだが………ま、さすがにそうも言っていられないだろうね。」

「当たり前だ、阿呆。」

オリビエはいつもの微笑みを浮かべた後表情を戻して呟き、それを聞いたミュラーは顔に青筋を立て

「俺達も早く戻って、溜まっている政務を片付けないとな………」

「ええ………それに皆さんに新しいメンフィルの仲間であり………私にとって初めての友人を紹介しませんとね………」

リウイは静かな笑みを浮かべて呟き、リウイの言葉に頷いたイリーナはシルフィエッタに視線を向け

「はい………」

視線を向けられたシルフィエッタは微笑みでイリーナを見つめた。そしてケビン達は振り向いて仲間達全員を見回し

「皆さん………」

「………どうやらみんな気持ちは一つみたいですな。それなら門ごとに7つの組に分かれましょう。そのうちの大門は………オレとリースが受け持ちます。」

リースは微笑み、ケビンは頷いた後提案した。

 

「ええ………それがいいでしょう。おそらく大門の先はもっとも危険で困難な道のはず。それを含めて、振り分けは慎重に決めた方がいいと思います。」

その後ケビン達はそれぞれの門を担当するメンバーを編成した。

 

1つ目のメンバーはアドル、フィーナ、エレナ、ティータ、ジョゼット、レン、ティオ、ラグタス、ラテンニール、テトリ

 

2つ目のメンバーはシェラザード、オリビエ、クローゼ、ジン、ユリア、ミュラー、リシャール、ニル、パズモ、エリザスレイン、フィニリィ

 

3つ目のメンバーはアガット、アネラス、ミント、ツーヤ、プリネ、レーヴェ、サエラブ、ペルル、アムドシアス、ウィル、セラウィ

 

4つ目のメンバーはセリカ、サティア、ハイシェラ、エステル、ヨシュア、フェミリンス

 

5つ目のメンバーはエクリア、マリーニャ、シュリ、サリア、レシェンテ、リタ、ナベリウス、シュヴェルトライテ、ラピス、リン、ティファ―ナ

 

6つ目のメンバーはリウイ、イリーナ、カーリアン、ファーミシルス、ペテレーネ、ティナ、リフィア、エヴリーヌ、ディアーネ

 

そして大門を担当する7つ目のメンバーはケビン、リース、シルフィア、ヴァイス、リセル、ナユタ、ノイ、マーリオン、セオビット、シルフィエッタに編成した。

 

「これで………準備は全部整ったね。」

メンバーを編成し、装備や道具を確認したリースは呟き

「ああ………そろそろ行くとしようか。」

ケビンは静かに頷いた。

「………御武運を。ギルバート殿が辿り着いたら私から事情を説明しておきます。」

「はは………よろしく頼みますわ。」

そしてセレストの言葉に頷いたケビンはリースと共に仲間達に振り返り

「………この期に及んで水臭いこと言うのもなんや。だから一つだけ………オレの方から言わせて欲しい。」

仲間達を見回して静かな様子で言った。

 

「…………………」

 

ケビンの次の言葉を待つように仲間達は黙ってケビンを見つめ

 

「みんな、また後でな!全員無事で………絶対にまた会おうや!」

見つめられたケビンは笑顔で号令をかけ

「応!!」

ケビンの号令に仲間達はそれぞれ力強く頷き、それぞれが担当する門へと次々と入って行き、攻略を開始した!

 

こうしてそれぞれのチームは最終決戦地、”幻影城”の攻略を開始した…………!

 

 

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という訳でラストダンジョン”幻影城”のチーム分けはこの振り分けになりました!エステルのチームだけ、他と比べて数は少ないですがその分、数を補えるキャラ達が固まっていますので十分かと(大汗)つーか、エステルのチームだとよりにもよってヨシュアが一番弱い事になってしまう気が(大汗)原作では主力の一人なのに(泣)次回、それぞれのチームのラスボスが登場します!ちなみに”幻影城”のフィールド、戦闘BGMは原作通りです♪………感想お待ちしております。

説明
第476話
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コメント
感想ありがとうございます。 Mr.ハリマエ様 まあ、門の数は多い、メンバーも多いで大変でした……… 本郷 刃様 エウボスが誰かは今回更新した話を見てもらえばわかるかとww(sorano)
原作以外のエウボスが特に楽しみです(本郷 刃)
これひとつの門終わるのに結構かかると見た・・・・作者さん・・・・ファイト・・・(黄昏☆ハリマエ)
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