獣使い 5章分かれ道part3
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殴った瞬間、あの巨大な物体に亀裂が走った。

しかし、亀裂は一瞬で消えてなくなった。

 

 

「へ?」

 

【あぁ、言い忘れておったのぅ。その物体は一発で粉砕しないといかんのじゃ】

 

 

なんてこった。

今の一発は自分でもギリギリまで力を入れて殴った。

これでダメならどうしろというのだろうか。

 

 

【今のは、京の力だけで殴ったから粉砕できなかったのだ。

わらわの力がほとんど使われてない。

武器化というのは獣と人間とが同調し、その同調具合によって力が異なるものだ。

つまり同調すれするほど力が強くなるのだ。

まずは瞑想して、同調してみるといい。なんとなくはおぼえてるはずだろうからな。】

 

 

とりあえず、そこに立ち尽くし、目を閉じて瞑想してみた。

心を限りなく無にしていく。

真っ暗な世界が広がっていく。

そのとき、ふと何か青白いものが見えた気がした。

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その青白いものに意識を集中していく

すると、無意識に雪原をイメージしていた。

どこまでも白い雪・・・・

いや正確には青い雪原といった方がいいだろう。

さらに奥に進もうとしたとき、突然、意識が戻った。

 

 

【今はそこまでじゃ。京】

 

 

元の場所に俺は立っていた。

どこからともなく、回転音がする。

おもむろに左腕を見てみると、手首のリングが回転している。

 

 

【もう一度やってみるのだ。】

 

 

俺はもう一度、左腕に力をこめた。

その瞬間リングがひじ近くに移動した。

さらに回転をましている。

僕は、その物体めがけて拳をぶつける。

物体に触れた時リングが手首に戻ったのとともに、

物体全体に大きな衝撃が走る。

そして、あの物体が粉砕された。

 

 

【ふむ、上出来じゃな。京】

 

 

そして、ねぇさんは元に戻った。

 

 

「うむ。これでわらわは向こうにいけるようになったな。」

 

 

笑顔でいった。いっぺんの曇りのない笑顔で

 

 

「っと、それはそうと早く戻らないといかんな。いくぞ。京」

 

 

そのとき意識が突然飛んだ。

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目が覚めたときには、さっきの拷問部屋のようなところにいた。

隣には、白いイタチがいた。

コツコツという靴の音がした。

 

 

「イタチ・・・か。という事は・・・・。」

 

 

レベッカがいった。

 

 

「ほぅ。まさかお主がとは。何の因果かの。」

 

 

雛乃ねぇさんは、笑って言った。

すると、レベッカは、深くお辞儀をした。

 

 

「お久しぶりです。雛乃さん。」

 

「うむ。ひさしいの。レベッカ。

少し見ないうちにずいぶんと成長したようじゃ。」

 

 

どうやらお互いに知ってるらしい。

ふと、周りを見ると、汀と響、意外に2人いる。

一人は黒色肌で髪の赤いとてもラフな格好をした長身。

もう一人は青い短髪で黒い背広を着た少し背の低い人。

いずれも女性のように見える

その二人もお辞儀をしていた。

黒色肌の方が話かけてきた。

 

 

「なんだなんだ?誰かと思えば京じゃないか。ひっさびさじゃないの!!!」

 

 

ものすっごく愉快な感じで話しかけてきた。

若干低めの声で、どこか少年のような声だ。

話し方もボーイッシュだ。

 

 

「リリア、京はまだ記憶が完全じゃないぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

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