一刀の晋王転生録 第四章三十一話
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 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:ケ  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

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  第三十一話

   「劉備・孫権の乱 赤壁の戦い 思わぬ援軍」

 

 

 馬騰軍、現る。

 

 その報告を受けた瑠理は戦勝気分から一転、血の気が引き、表情が真っ青になる。

 

 瑠理はてっきり馬騰軍は、今劣勢に立たされている劉備軍に混ざっているものと思い込んでいた。

 

(しまった……先入観と思い込みは軍師の最大の敵なのに……)

 

 馬騰軍は瑠理の軍略を過剰に恐れ、劉備軍と孫権軍とは別に動いていた。結果的にそれが功を奏したのだ。戦場を把握した馬騰は江

 

里香や澪羅、曹操軍が瑠理と離れている隙を伺い、奇襲を掛けた。

 

 全てではないがある程度把握した瑠理は急いで陣形を変えることを伝えるよう、複数の伝令に指示を出す。

 

 だが、この状況を見逃すほど、諸葛亮と鳳統は甘い軍師ではない。

 

「! あれは! 皆さん! 予定を変更です!」

 

「馬騰軍が駆けつけてくれました! 馬騰軍が司馬師を討つまで敵を足止めしてください!」

 

 二人の指示により、劉備軍は逃げから攻めに転じる。

 

 瑠理の危機を知った江里香達は瑠理のところに向かおうとするが、劉備軍の足止めのため、上手く動けなかった。

 

 そうして手間取っていく内に、ついに馬騰軍が瑠理のいる本陣に到達してしまう。

 

(行ける! このまま一気に!)

 

 だがそんな馬騰にある人物が妨害する。

 

「困りますね、今、司馬師殿に死なれては」

 

 その人物とは鐘会だった。彼はまだ新参者で顔が覚えられておらず、劉備軍にさほど警戒されていなかったため、江里香達より足止

 

めの兵が少なく、優れた将を当てていなかった。

 

「お前は!?」

 

「私は鐘会と言います」

 

「! あの鐘家の神童も司馬家に就いたのか!?」

 

 馬騰はこの時初めて鐘会が司馬家の側の人間だと知った。さらに言えば劉備軍も孫権軍も今だ鐘会が此処に居ることを知らない。も

 

し知っていれば彼を警戒し、足止めの兵をもっと増やし、優秀な将を当てていただろう。

 

「お前が司馬家側に就いた理由は何だ!?」

 

「それを知ってどうなると言うのです? 私からすればむしろどうして貴女が未だに漢を庇うのかがわかりませんが?」

 

「なるほど……確かに無意味な問答だったな」

 

「それにしても本当に困りましたね、貴女の娘達は今頃司馬師殿の所ですか?」

 

 ずばり言い当てられたことに驚く馬騰。

 

(こいつも随分と切れ者のようだな……そしてこの落ち着き、どうやら既にいくらかの戦力が司馬師の所に戻っていると考えるべき

 

か……だが!)

 

 馬騰は特に焦らなかった。何故ならば信じているからだ。

 

(俺の娘達は、それで止まるほどやわではない!)

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「猪々子さん! 斗詩さん! ここが正念場ですわよ!」

 

「分かってますって!」

 

「これからの私達のためにも、ここは譲れません!」

 

「七乃! 妾達も行くのじゃ!」

 

「はい、お嬢様!」

 

 馬超と馬岱が瑠理まで後一歩というところで袁家の妨害に合う。

 

「くそ! もう戻っていたのかよ!」

 

「いくらなんでも早くない!?」

 

 袁家にも多くの兵に妨害を食らっていた。しかし、瑠理のところに向かう途中の鐘会が現れ、その助力があったため、素早く此処に

 

来る事が出来たのだ。

 

「けど、だからって止まる訳にはいかない!」

 

「うん!」

 

 馬超と馬岱は勇んで突き進み、袁家の軍とぶつかる。

 

 二人を直接止めるのは文醜と顔良だ。

 

「へぇ、中々やるじゃん!」

 

「もう一度言います! ここは譲れません!」

 

 そして二人の配下の兵を止めているのは張勲の指示だ。

 

「皆さん! あちらの小隊を止めてください。あとそちらの援護へ!」

 

(くそ! このままじゃ、時間切れになっちまう!)

 

 此方と敵では、唯でさえ兵力差があるのだ。劉備軍の足止めもそんなに持たない。それが分かっているので馬超は次第に焦っていく。

 

(ん?)

 

 そんな時、馬岱が目で何かを訴える。

 

(分かった、任せる!)

 

 姉妹のように育ってきた二人だ。何を言いたいのかすぐに分かった。

 

 馬超は強引に文醜と顔良を突破しようとした。

 

「! させるか!」

 

 文醜、そして顔良はすぐに馬超を追いかけようとするが、馬岱がそれを阻む。

 

「わたしじゃあんた達二人を倒せないけど、足止めくらいは出来るよ!」

 

「く!」

 

「しまった!」

 

 馬岱が懸命に二人を止めている間に、馬超が瑠理の所に到達する。

 

「うら!」

 

 馬超の剛撃が、瑠理を襲う。

 

「ぐ!」

 

 瑠理はバランスを崩しながらも何とか耐える。

 

(護身程度に出来るだけでそんなに大したことないな!)

 

 そう確信した馬超はさらに攻撃の手を増やす。それも何とか防いでいく瑠理だが。

 

「うく!」

 

「貰ったぁ!」

 

 ついに均衡は破れた。

 

「あぁぁぁぁ!」

 

 瑠理は直撃は避けたが、左目を斬られてしまい、そこから血が吹き出る。

 

「うぐ……」

 

 左目を押さえまま、瑠理は動けなくなった。

 

「今度こそ!」

 

 この攻撃で獲れる。そう確信した馬超の一撃が瑠理に迫る。

 

(これまで……)

 

 流石にこれには瑠理も死を覚悟する。彼女は迫り来る刃をただ見つめた。

 

「うおぉぉぉぉ!」

 

 その時、瑠理の耳に聞き覚えのある声が響く。

 

(え……?)

 

 そんなまさかと思っている間に、馬超は吹き飛ばされる。

 

「姉上! ごめん! 遅くなった!」

 

「一刀……」

 

 来ることは無いと思っていた弟が自分を助けに来た。そのことに瑠理は思わず泣きそうになった。

説明
全ては思惑どうりと思っていた矢先、思わぬ綻びが……。
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コメント
コメントありがとうございます。どうなるかは見ていただけると幸いです。(k3)
……やっぱり馬騰が文欽、馬超が文鴦役でしたね。それに目もそうですけど、この話限定でもう一つ司馬師には爆弾があります。それも合わせて爆発したら……。(h995)
司馬と馬超は互いに憎しみ合うのかな?(ohatiyo)
このままでは史実どおりになりますね。この目の傷が原因で司馬師は死に至ったわけですので・・・(Fols)
目の部分を切られた、まずいな。これは本格的に・・・、一刀の救援が来たところで瑠理は・・・。(BLACK)
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