新・戦極†夢想 三国√・鬼善者を支える者達 第012話 |
新・戦極†夢想 三国√・鬼善者を支える者達 第012話「黄巾討伐(前篇)」
黄巾の乱起きて一年の時が過ぎようとしていた。
漢王朝の腐敗により起こった小さな百姓一揆は小さな火の粉から、大陸を埋め尽くす大きな業火へと変わろうとしていた。
汚職に埋もれた王朝の宦官達も、いつ自分たちに火が飛んでくるか不安になり、遂にその重い腰を上げ、漢王朝の名の下、各国の刺史達に『黄巾討伐』の命を下す。
重昌率いる西涼軍も参戦の意を示し、虎率いる北騎隊・西涼騎馬軍団を含めた二万の軍が、黄巾討伐の為に、軍が集結する洛陽へ目指す。
ここの所隣国である五胡の動きは大人しくなり、臣下からはもっと軍を連れて行き、西涼の力を思い知らせればよいのではないかとの声もあったが、重昌曰く「少なき数で他軍を出し抜き大軍を打ち破る。それが出来ればさぞ痛快であろう」とのことだ。
それに彼は何も賭け的な意味でこの編成にした訳ではない。
西涼兵の精度、将の質、相手の力量を考慮して”これで十分”と判断したのだ。
今回、西涼軍の将は大将に上杉謙信(虎)、副将に関椿(愛紗)、軍師に北郷颯馬(一刀)、以下の将に徐庶元直(香蘭)、姜維伯約(故花)と並んだ。
三葉や瞳達は自国防衛の為留守番となった。
………
洛陽外より数里程離れた場所。
そこに黄巾討伐軍の本拠地があり、最悪の事態の時の為に洛陽には皇甫嵩率いる王朝兵士5万が待機している。
???「徐州刺史、陶恭祖。皇帝陛下の命に赴き参上いたした!今回の黄巾討伐の際、何進大将軍の下に加えて頂きたい。何卒ご配慮下さいますよう、よろしくお願いいたしまする」
何進「徐州が刺史殿、そなたの気持ちはしかと受け取り参加を許可するぞよ。皇帝陛下の名の下、決して恥じることない戦いをするがよい」
無精髭を伸ばした武将はお辞儀をして参加の礼を済ませる。
その後も続々と討伐軍に参加する刺史は、大将軍と呼ばれる者に参加の表明示す。
その中には劉備軍や曹操軍の姿もあった。
そして大将軍と呼ばれる者の名は何進。
腰まであるロングヘアーの銀髪で、着ている服は大事な部分が見えるか見えないかで際どく、まるで遊女だ。
それでも見た感じ、((煌|きら))びやかな胸当てなどや最低限の防具はしているものの、ほとんど意味はない。
兵士「失礼します!西涼軍を率いる大将殿がお目通りを願っていますが、いかがいたしましょう?」
何進「かまわぬ。通してもよいぞよ」
兵士は指示に従うために一度幕舎を出る。
曹操【遂に見られるのね。私が唯一認めた男の主に――】
彼女は――曹操はこの日を来るのを待ちわびていた。
彼があの日に行った言葉。
「我が主は貴女より遥かに巨大」、この言葉を片時も忘れたことは無く、あの日から今日まで、自身により厳しく徹してきた。
しかし幕舎に入ってきた者により、彼女の期待は裏切られる。
諸葛亮「桃香様!こ、こっちでしゅ!早く早く!」
劉備「待ってよ朱里ちゃ――『ドン!』」
仮面の男?「ん?」
劉備はぶつかったのは頭を残した全身を布はおり、尚且つ顔の鼻より上半分は赤色の不気味な仮面を被った二人組であった。
彼女が見た感じだと、一人は独特の低い声の感じで男性だとわかり、もう一人は腰まで伸びる黒髪の長髪と、口元を見て女性?と判断したが、二人組の付けている仮面が何とも異様で、実際に”鬼”などがいれば、姿かたちはこの様な人物のことだと思ってしまう。
だが、仮面の男が紳士的に「大丈夫か?」とそっと手を伸ばしてくれると、若干たじろいでしまうが”悪者”ではないっと認識し腕を引っ張って貰い立つことができた。
仮面の女「ゴメンナサイお嬢さん、びっくりしたでしょ。私たちは昔顔を火傷してしまって、こんな物を付けているのよ」
仮面の男「いやいや、怖がらせて申し訳ない」
劉備「い、いえ!そのような事情も知らず、偏見を持ってしまったのは私ですから!むしろ謝るのは私の方です」
仮面の男「そうですか。いやはや、それなら良かった。……ここに居るということは、お嬢さんは何処かの軍の者かな?」
劉備「え、あっ、はい。平原から来た劉備って言います。よろしくお願いします」
彼女は深々とお辞儀をすると、遠くより諸葛亮の催促の声が聞こえてくる。
仮面の女「あら?いかなくていいのかしら?」
劉備「そ、そうですね!えぇっと――」
仮面の男「私のことは”重さん”とでも呼んでくれればいいさ。こっちは妻の”歌さん”だ。西涼軍で軍医をしている」
劉備「わかりました。s「桃香さまぁ。いしょいでくださ〜い」待って〜、朱里ちゃ〜ん。重さん、歌さん、それでは失礼します」
何進「――なんじゃと!わらわの指示が聞けぬと言うのか!」
虎「何度も申している通り、この作戦のままでは我らは敗退します。指示を受けないとは申してはいません。ただ作戦を変えてくれと進言しているのです」
連合軍幕舎では怒りに震える表情の何進と、それを呆れて返す虎の姿があった。
ことの発端は何進の提示した策案であった。
このままでは黄巾党の集団は都である洛陽を襲うことは明白。
何進は黄巾党を正面から迎え撃ち、逆襲をしかけようと考えた。
しかし虎は「それは敗策だ」と一蹴。
確かに黄巾党の兵の質は低く、このまま当たっても十分蹴散らせる事は出来るだろう。
だがここ最近は、各領主たちも力を挙げて黄巾党討伐を行っている為、大陸の黄巾党の数は減っており、実質これが最後の黄巾党の集団であろう。
彼らは追い込まれ、決死の最後の覚悟で都を目指している。
蹴散らせたとしても、こちらの被害は尋常ではなくなり、なにより日本で百姓一向一揆を重昌たちと経験している虎は追い込まれた者の恐ろしさよく知っている。
そこで彼女が述べた(一刀が考えた)策は、まず黄巾党と軽く一戦交えた後、こちらの状況が不利と見せかけて各自四方、東へ西へと撤退する。
そしたら黄巾党はそのまま洛陽に入ろうとするので、皇甫嵩率いる王朝5万の軍勢は皇帝陛下を引き連れ洛陽より北へ撤退。
そして黄巾党の領主、張角の洛陽占拠を確認すれば、撤退した全軍反転で黄巾党が占拠した洛陽を攻める。
こうして敵軍を四面楚歌にもちこみ、張角を一気に討ち取る。
何進「主は皇帝殿下の住いを、汚らわしい賊の手に委ねろと言うのかえ!?恥を知るがよいぞ!!」
周りの諸将も何進の言葉に釣られる様に、発言した虎を罵倒する。
一刀「黙れ名声と言う光欲しさに((集|たか))ってきた蛾共!」
武将1「なっ――」
武将2「蛾だと!?」
一刀「俺は数年この大陸を巡って旅をしてみたが、貴様らがやってきたことは、重い税をかけ、その税の割には自らの国の内政を改めないところばかりだった。その貴様らが綺麗ごとなど……反吐が出る。いいか、戦は”勝たなければ”意味は無い!例え都が盗られようと、皇帝が生きていれば”再起”は計れる。こんな統制の取れていない連合で、今の敵に当たっても、俺の見立てで勝てる確率は五分と五分だ。そんな綱渡りをするぐらいなら、確実に勝てる策を見出すのが軍議というものだろう。ましてや馬鹿正直に正面から向かい討つ?頭から蛆が湧いているとしか思えないz」
何進「だまれだまれだまれ!!――貴様、皇帝殿下より全指揮権を承っているこの妾を侮辱するのかえ!?」
一刀「侮辱?そんなことはしていない。ただ蔑んでいるだけですよ」
その一刀の言葉を聞き、何進はワナワナと体を震わせて先ほどから持っていた軍配を机に向けて叩き折る。
何進「えぇい、西涼の者はこの連合より出て行け!この戦が終われば、貴様らの主共々打ち首にしてくれるわ!」
虎「そうですか。ならばその時まで、首を洗って待っているとします。それでは失礼します」
そう言い残すと、虎と一刀はその陣幕を出ていき、その後を追う様に劉備だけが外に出て二人を引き留める。
劉備「待ってください!一刀さん、上杉さん!今ならまだ間に合います。何進さんに謝って戻ってきてください!」
彼女がそう言うと一刀のみが歩みを止めて、虎に先に行っておくように伝える。
一刀「元徳……お前は、この戦どう思う?ただ正面切っただけの戦いで、本当に勝てると思うのか?」
劉備「で、でも相手と比べても、こちらは精鋭揃いの兵士達ですよ。多少即席で連携が取れないとしても、まさか負けるなんてことh「それは諸葛亮が言ったのか?」――えっ?」
一刀「まぁいい。俺は何進の言う通り、首を洗って待っているから、せいぜい頑張ってくれよ。もしお前たちが勝つことがあれば、俺たちは逆賊となり、次に連合軍は俺たちを狙うかもな。その時は相手をしてやるよ」
一刀はぴらぴらと手を振りながらその場を離れ、西涼軍は自らの帰路である西へと軍を進めた………それに加えて、東に向けてもう一軍、帰路に向けて進軍していた。
説明 | ||
皆さんお久しぶりです。 昨日、一昨日と風邪をひいていて体調は9割程回復しました。 さてワタクシ最近ロウきゅーぶ!を読んでおりまして、友達にあれオモシロいよねって言ったら、見下した目で「このロリコンが!」と言われました。 純粋に面白いのに。 そして同じ奴に「キャラは五人の中では誰が好きなん?」と聞かれ、私はそのとき愛莉と答え、そしてその次に「葵√とかって出来ないのかな?」と私が言うと、その友人は「ゴメン、お前はロリコンじゃなかったわ」と言うのです。 全く、ホントにどういう意味だ。 さて、今回は二部構成となっております。 ただ今後編を作成中ですので、皆さんお待ちになって下さい。 |
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コメント | ||
カモメさん>修正しました(*´ω`*)ハヤル 妾に関しては、調べれば童でも同意義らしいのですが、これからはわかりやすいように妾を使いますねww(IFZ) 族→賊、童→妾、誤って→謝って(西湘カモメ) nekuさん〉皆様の応援が私のオイルとなります。兵器的な意味でww(IFZ) デュークさん〉嬉しいこと言ってくれるじゃないのww(IFZ) 久し振りに読めて嬉しいです。これからも頑張ってください。(デューク) |
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