IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者?
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episode178 驚愕の事実

 

 

 

 

 しばらくして出港準備が終わって、メンバー全員はネェル・アーガマに乗り込んでいた。

 

 

 

 

「それにしてもここのドッグの設備は相変わらず凄いな。もう直ってる」

 

 隼人はネェル・アーガマの甲板から修復された中央格納庫の隔壁を見る。

 

「それに、よくあれだけの機体を作っていたもんだ」

 

 格納庫にあった無人機を思い出しながら、そのまま右格納庫の方へと歩いていく。

 

 

 

 

 格納庫に入れば各ISの水中戦仕様の調整が束によって施されていた。

 

「ようやく来たね、はっくん♪」

 

 束は後ろに振り返ると隼人に手を振る。

 

「もう調整を始めたのですか?」

 

「そりゃすぐにでも出撃できるようにね。それがプロって言うものだし」

 

「プロって・・・あんたは科学者でしょ」

 

 隼人は束の近くまで歩いて来ると、格納庫の壁にあるハンガーに安置されている十体のフォビドゥンブルー・ヴォーテクスを見る。

 

「そういや、このヴォーテクスは俺が提供したデータから作ったんですか?」

 

「もちろん!中々いいアイディアがあるし、何より性能がいいしね」

 

「それはそれで凄いですが、よく全部の機能を再現しましたね。特にとかはかなり特殊なはずですが?」

 

「さすがにそれは結構手が掛かったけど、そこは天才科学者篠ノ之束に掛かれば問題ナッシング!」

 

「は、はぁ」

 

 凄いのやら凄くないのやら・・・

 

「それと併用して水中調査組の機体を水中戦仕様に改装中だよ」

 

「そうですか。その改装はどのくらい掛かりますか?」

 

「そうだねぇ・・・」

 

 束は静かに唸りながら計算する。

 

「ざっと一日かな」

 

 数秒も掛からずに即答する。

 

「さすがに早いですね」

 

「まぁね。今はジェスタ・キャノンに水中装備を施している途中」

 

 束は前の方を向くと、コンソールでアームを操作してジェスタ・キャノンに専用装備を搭載させていく。

 

「残りはGモードで運用を想定した武器と装備を施せば完璧♪」

 

「完璧・・・ですか」

 

 隼人は片方の眉をピクッと上げる。

 

「はっくんはどうするの?バンシィの装備?」

 

「そりゃ実弾をメインにした装備で出撃しますよ。まぁあんまり実弾装備が多くはありませんが」

 

「そっか」

 

「それでも、問題はありません」

 

「さっすが♪それじゃぁ作業手伝ってくれるかな?」

 

「どういう流れでそうなるんですか!?」

 

「まぁまぁ細かい事はいいから♪」

 

 束はほとんど隼人の意見を無視していた。

 

「・・・はぁ」

 

 ため息を付いて渋々束の手伝いをする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうか。そっちは何も起きていないか」

 

『はい』

 

 その頃千冬はネェル・アーガマ内にある通信室でIS学園の山田真耶と通信をかわしていた。

 

『厳重警戒中ではありますけど、バインドの襲撃が無いので時間の大幅な短縮を行い、政府より神風綾瀬二尉とその部隊の警護があってIS学園は何とか再開となっています』

 

「綾瀬の部隊の警護つきか」

 

『ですが、織斑先生が旅立った後に様々な所より苦情が殺到しているんです』

 

「生徒の両親や各国からか?」

 

『えぇ。ただでさえ世界中にバインドの存在が知れ渡り、更にIS学園に何度も襲撃があったとなれば、尚更の事です』

 

「確かにな」

 

『世界各国からはやはり戦力を集中させているのが原因ですね。特に中国政府より猛批判を浴びました』

 

「・・・・」

 

 批判を浴びる原因は言わずとも分かっている。

 

 

『最近では世界各国バインドの襲撃に備えて代表候補生を召還すると言う話が出てきました』

 

「そうか」

 

『ドイツ以外は召還する考えみたいなので、代表候補生がIS学園に居ないと言う事になれば少しまずいです』

 

「・・・・」

 

 千冬は表情を険しくして顎に手を当てる。

 

『どうしましょうか?』

 

 

「次の調査を終え次第、そちらに戻る。もう少し待ってもらえ」

 

『分かりました。お気をつけて』

 

「そっちもな」

 

 そして通信が終わってモニターが消えると、千冬はため息を付き、席を立って通信室より退室する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでさぁ、はっくん」

 

「なんですか?」

 

 しばらく作業をしている間に、束が隼人に問い掛ける。

 

「最近ヴィヴィオちゃんの様子はどうなの?」

 

 疑問味のある声で束が聞いてきた。

 

「ヴィヴィオでしたら至って元気ですよ。最近じゃよく話して来る事が多くなって、表情も多く見られるようになりました」

 

「そっか。やっぱり子供は元気だねぇ」

 

「そうですね」

 

 

「じゃぁ、ヴィヴィオちゃんとはどういう風に接しているの?」

 

「どうって言われても・・・普通に接していますけど?」

 

「やっぱそうだよねぇ」

 

 と、束は何か引っ掛かるような言い方をする。

 

「・・・・?」

 

「はっくん的には、ヴィヴィオちゃんをどう見てる?」

 

「ヴィヴィオを・・・ですか?」

 

「うん。例えば・・・妹とか、そんな所」

 

「・・・・」

 

 隼人は少し顔を下に向ける。

 

 

「・・・考えた事ないけど・・・何だろう」

 

「・・・・?」

 

 隼人の言葉に束は首を傾げる。

 

「なんて言うか・・・親しい感じで接していたのかな」

 

「と、言うと・・・?」

 

 束は怪訝な表情で隼人を見る。

 

「家族として、接していた・・・かもしれませんね」

 

「家族、か。やっぱり・・・そうなのかな」

 

「・・・・?」

 

 束は何か引っ掛かるような言い方をしていた。

 

「はっくん」

 

「な、何ですか?」

 

 と、束は真剣な顔になって見ると、隼人は少し驚く。

 

「実はね・・・ある大切な事を伝えないといけないの」

 

「大切な事・・・ですか?」

 

 

「うん。ヴィヴィオちゃんの事なんだけどね」

 

「ヴィヴィオの?ヴィヴィオがどうかしたんですか?」

 

「うん。ヴィヴィオちゃんを保護してから色々と調べていたの。

 最近になって、遺伝子データを調べていたらね――――」

 

「・・・・」

 

 隼人は息を呑む。

 

 

「ヴィヴィオちゃんと・・・はっくんの遺伝子データに・・・共通する点が見つかったの」

 

「俺と・・・ヴィヴィオに・・・?」

 

 少し驚き、声を震わせていた。

 

「そのパターンだと・・・信じられないけどはっくんとヴィヴィオちゃんは・・・遺伝子上親子になるの」

 

 言いにくかったも、束は何とか言い切った。

 

「親、子・・・?俺と・・・ヴィヴィオが?」

 

 さすがに隼人はショックを隠し切れず、目を見開いていた。 

 

「もちろんありえないから徹底的に調べ直したんだよ。でも、結果は同じだった」

 

 束は困惑した表情を浮かべる。

 

「俺とヴィヴィオが・・・親子・・・」

 

 隼人は未だに信じられず、何度も瞬きする。

 

「で、でも、あくまで遺伝子上の親子だから・・・実の親子だって言うとまだ確証はないよ?」

 

「・・・・」

 

 

「で、でも、ヴィヴィオちゃんがはっくんにしか懐かないのは・・・それがあるからなのかな」

 

「・・・・」

 

「ヴィヴィオちゃんは知っているのか、それとも本能的な何かで父親だって言うのが分かるのかな」

 

「・・・・」

 

「はっくん」

 

 

 

 

 

 

 

ドォォォォォォォォォォォンッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

「「っ!?」」

 

 すると突然轟音と共にネェル・アーガマが揺れる。

 

「な、何だ!?」

 

「・・・・!」

 

 束はとっさにコンソールで状況を確認する。

 

「っ!?そんな・・・馬鹿なっ!?」

 

 それを見て束は驚愕の表情を浮かべる。

 

「この秘密ドッグの場所を突き止めるなんて!?」

 

「ここを襲撃する!?バインドですか?」

 

「・・・いいや。あいつらじゃない」

 

 束は表情を険しくする。

 

「バインドじゃないとしたら・・・まさか」

 

 バインド意外で自分達を襲うとなれば、思い浮かぶ勢力は一つしかない。

 

「そのまさかだよ。亡国機業とナンバーズだよ」

 

「あいつらか。なんてしつこい連中だ」

 

 少し怒りの篭った声で言葉を漏らす。

 

「今回の連中の目的は恐らくこの施設の奪取だろうね」

 

「何が目的でここを・・・」

 

「大半は恐らくナンバーズが関わっているんじゃないかな」

 

「ナンバーズが・・・」

 

 思い当たる節があるので、静かに唸る。

 

「これほど優秀な施設は他に探しても無い。だから前線基地にでも使うんじゃない?」

 

「・・・・」

 

「まぁどちらにしても、ここを襲撃されている以上黙って見る訳には行かないね。出られる?」

 

「もちろん。ですが、このまま連中の襲撃がまだあると言うのなら、今後の支障をきたします」

 

「どうする気なの?」

 

 束は怪訝な表情を浮かべる。

 

「ここであいつらとの因縁を断ち切ります」

 

 と、隼人はバンシィ・ノルンに変身するとアームドアーマーDEのスラスターを噴射して飛び出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、よく篠ノ之博士の秘密施設を見つけれたものだな」

 

「そこは色々と情報が入ったもので」

 

 秘密ドッグがある無人島の上空にナンバーズのISと無人機が空を覆い尽くしていた。

 

 

「ドクターの命令はあの施設の奪取です。無論迎撃部隊が出てくるでしょうが、そこはあなた達のご活躍を期待しますわよ」

 

「気楽に言ってくれるな」

 

「あなた達でしたら問題は無いはずですけど?」

 

「ふん」

 

 と、リアスは不機嫌そうに島の方を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 すると海中の中より強力なビームが突き抜け、リアスとシスターはとっさに横に飛んでかわす。

 

「今の攻撃は・・・」

 

「おやおや」

 

 

 

 海中が爆ぜると、そこから水飛沫を上げてビームマグナムを構えたバンシィ・ノルンが現れた。

 

「まさかタイプゼロがここに居たとは・・・予想外でしたわね」

 

「・・・・」

 

 リアスは少し息を呑む。

 

「だが、最初から分かってナンバーズ全員と無人機を大量に連れてきたのだろ」

 

「それはどうでしょうかね?」

 

(わざととぼけたフリをして・・・)

 

 リアスは内心で舌打ちをする。

 

 

 

 

 

 

 すると海面が次々と爆ぜてそこから専用機持ち全員が隼人の近くに並び止る。

 

「しかし、やつらのやる事が未だに理解できんな」

 

 ラウラは不機嫌そうに言うとナンバーズの一人リアスを見る。

 

「全くだね」

 

 シャルロットも怒りの篭った声でナンバーズを見る。

 

「・・・・」

 

 颯はスタングルライフルを上に上げてグリップを握り締める。

 

 

 

「シノンは別の機体で来たのか」

 

「えぇ。ちょうどジェスタが改装中だったので、空きの機体を拝借しました」

 

 シノンはあるISを身に纏っていた。 

 

 それは千冬がエピオンに乗り換えた為にそのまま秘密ドッグにて安置されていたレッドフレームであったが、グリーンフレームにも施されている両肩のミサイルポッドを搭載し、背中にはブルーフレームセカンドリバイが装備しているタクティカルアームズをフライトモードにして搭載し、腰の両側にガーベラストレートとその兄弟剣である『タイガーピアス』を装備していた。

 更にブルーフレームセカンドリバイの装備の一部が突貫作業で追加強化された『レッドフレーム改』である。。

 

 

「しかし、またやつらが現れるとは」

 

「あまりにもしつこすぎるね」

 

「全く」

 

 隼人の両側にユニコーンとバンシィがそれぞれの得物を構える。

 

「あぁ。だが、その因縁もここで断つ。リインフォース」

 

『はい』

 

 と、リインフォースが隼人の隣に来ると、二人はそのままユニゾンインを行い、エクセリオン・ゼロへと姿を変える。

 

「行くぞ!」

 

 隼人の合図と共に全員はナンバーズの大群へと向かって飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!

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ユニコーン バンシィ ガンダム インフィニット・ストラトス IS 

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