焔の魔導師 第7話 |
第7話
クロストside
キーンコーンカーンコーン。
「終わったー。」
「お疲れ様です、お嬢様。」
授業も終わり、後は帰るだけ。
のはずが。
「アリサちゃん、今日私の家に遊びに来ない?」
「なのはの家に?」
「うん、お母さんが新作のケーキの試食してほしいって。それと。」ちらちら
「?」
なのはさんがちらちらと僕を見る。
なんだか嫌な予感が。
「お父さんたちにクロ君のこと紹介したいし・・。//////」
「はあぁ――――――!?」
「ええぇ――――――!?」
「・・・え?」
今、なのはさんはなんと言った?
家族に、僕を紹介?
「・・クロ。」ゴゴゴゴゴ
「ひゃいっ!?(涙)」
「あなた、いつからなのはとそんなに仲良くなったのかしら?」
「そうだよ、クロ君・・。」
「い、いえ!私にもまったく身に覚えが。それよりも何ですずかさんも!?」
「言い訳はしなくていいわ。」
「「ちょっとOHANASHIしようか。」」
あぁ、終わった。
この後起こったことは口にできない程悲惨だった。
「えっと、友達を紹介するって意味だったんだけど。」
なら最初に言ってくださいよ。
「まったく、なのはが変な言い方したから勘違いしちゃったじゃない。」
「そうだよー。」
「にゃはは、クロ君大丈夫?」
「これで大丈夫に見えたらすごいですよ。」
普段のOHANASHIが今回は2倍ですからね。
それにしても。
「アリサお嬢様はわかりますけど、すずかさんは何故?」
「はぅ!?そ、それは・・。////」
「それは?」
「ほ、ほら!翠屋が見えて来たよ!!//////」
すずかさんが話を逸らせた。
まぁ、人は誰しも秘密がある物ですから気にしませんけど。
「お母さーん、ただいまー!」
「あら、おかえりなさい。」
「「「お邪魔します。」」」
「あら、アリサちゃんにすずかちゃんいらっしゃい。そこの男の子は?」
「初めまして、クロスト・マスタングと申します。アリサお嬢様の執事をさせて頂いております。」
「あらあら、本物の執事さん?よろしくね、クロ君?」
「はい、よろしくお願いします。」
「じゃあ、席は空いてるところに座ってね。なのは、運ぶの手伝って。」
「はーい。」
僕達は空いている席に座り、なのはさんが来るのを待った。
「お待たせ〜。」
「おいしそう。」
「チョコレートケーキですか。」
「ふふん、私の舌に敵うかしらね。」
運ばれてきたのはシンプルなチョコレートケーキ。
翠屋がこの辺りで有名なのは知っていたが、実際に食べたことは無いから楽しみだ。
「「「「いただきます。」」」」
みんなで1口。
「「「おいしい!!」」」
「おいしいですね。」
たしかにおいしい。
でももう1つアクセントを加えられる気がする。
「なのはさん。」
「どうしたの、クロ君?」
「お母さんに厨房を借りて良いか聞いてきてくれませんか?」
「へ?良いけど、どうして?」
「ちょっと、やってみたいことがあるので。」
「うん、わかった。ちょっと待ってて。」
その後、なのはさんのお母さん(桃子さん)に許可を貰い僕は厨房に入った。
10分後
「遅いわね、クロのやつ何してんのかしら?」
「なのはちゃん、聞いてないの?」
「聞いてないの。お母さんは?」
「私も待っててくださいって言われて。」
「お待たせしました。」
僕が持ってきたのは桃子さんが作ったのと似たチョコレートケーキ。
「クロ、もしかして作ってきたの?」
「はい。」
「ええっ!この短時間で!?」
「少し食べればどういうつくりなのかわかりますから。」
「なんでもできるんだね、クロ君。」
「とにかく食べてみましょうか。」
桃子さんが最初に1口。
少し間があって、桃子さんが口を開いた。
「クロ君。」
「はい。」
「ここで働いてみないかしら。」
「・・・はい?」
「どどっどうしたの、お母さん!?」
「なのは、クロ君にはパティシエの才能があるわ。こんな所で埋もれさせるにはもったいないわ!!」
「おお落ち着いてお母さん!」
「そうです!クロは私の執事です!!」
「でもなのは、クロ君がうちで働くようになればほぼ毎日一緒にいられるわよ?」
「ふえっ!で、でも・・あうぅ・・・。」
「そこで悩んじゃうの、なのはちゃん!?」
「あの、私はアリサお嬢様の執事をやめる気はありませんので。」
その後、偶に翠屋に来て手伝うことに。
この平穏がずっと続くと思っていた。
少なくともこの時までは・・。
おまけ
帰る時になのはさんのお兄さん(恭弥さん)に会い、襲われそうになったが。
桃子さんに「OHANASHIしよう。」と言われて奥に連れて行かれた。
南無南無。
後書き
皆さん、お久しぶりです。
更新遅れてすみませんでした。
今回は日常編をお送りしました。
これからも『焔の魔導師』をよろしくお願いします。
説明 | ||
日常編です。 更新遅れてすみません。 |
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さすが錬金術を学んでいるから、食べただけでわかって改善するとは(アサシン) | ||
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