真・恋姫無双 刀蜀・三国統一伝 第七節:一時の休息、開戦の兆し
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まえがき コメントありがとうございます。六月スタート!梅雨になるのかならないのかはっきりしてください。と心の中でぼやくsyukaです。雨嫌いです。というか雷が嫌いです。PCつけれないから・・・。覇王軍のうち四名が成都に残りました。管轤さんと祝融さんの二名にもスポットを当てながら進めていきます。それではごゆっくりしていってください。

 

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 婆ちゃんたちが現代に戻った。とりあえず、一時は五胡が襲来しにくることはないだろう。俺は愛紗、祝融さん、管轤さん、百合、明里と市を散策している。桃香も一緒に来たそうにしていたが、月に料理を教えてもらうということで薔薇と共に厨房に向かった。

 

「前も来ましたが、やはり活気づいていますね〜。朝廷付近はこんなに栄えていませんから。」

「いえ、そのようなことはありませんよ。私も前に行きましたが、今の成都と同じくらい栄えていたでしょう。」

「あらら、私の行ったところがたまたま栄えていなかったのでしょうか?」

「いやいや、百合が外出してたとなると必然的に護衛がつくでしょ?」

「そういえばそうでしたね〜。」

「流石に護衛、しかも皇帝の娘ともなれば皆萎縮しちゃうよ。」

「そういうものなのですか?」

「うん。」

「ん〜、私ももっと勉強しなければなりませんね〜。」

 

こればっかりは勉強したからどうにかなる問題じゃないんだけど・・・まぁ、いっか。

 

「かずくん、どこかにゆっくりくつろげるところってある?」

「疲れました?」

「疲れてはいないんだけど、ちょっと小腹がすいたなぁと思って・・・。」

「一刀様、祝融はこう見えて大食漢なのですよ。食い意地が汚いとも言いますね。」

「・・・財布の中身、大丈夫かな?」

「た、足りなかったら私も出しますよ!」

「いや、明里のお財布を軽くする訳には・・・。」

「流石に恋ちゃんや鈴々ちゃんほどは食べないわよ?」

「そ、それもそうだよね。大食漢って聞くと恋か鈴々しか思いつかないから・・・。」

 

ちょっと安心した。三人目が現れようものなら、食費だけでうちの国庫がどんどんスカスカになるところだった・・・。

 

「鈴々の大食らいについては、私からもどうにかならないかと聞いてみたことはあるのですが・・・無理のようです。」

「まぁ、鈴々がいきなり少食になったら、それはそれで心配になるよ。」

「それは天地がひっくり返ろうとも有り得ないですけどね。」

「鈴々ちゃんは私と同じくらいなのに、どこにあれだけの量が不思議です・・・。私もあれだけ食べれば体が強くなれるのでしょうか?」

「・・・明里、それだけは止めておけ。義姉の私が言うのもなんだが、あれが特別なだけだ。」

「明里があんなに食べたら絶対に体調壊すから・・・。いや、明里だけじゃなく鈴々と恋以外全員ね。それに、明里が体調を崩しでもしたら俺が心配で寝れなくなるよ。その時は俺が付きっきりで看病してあげるけどね。」

「は、はい//(それはそれで良いかも//)」

「けど、看病だったら華佗がしそうじゃない?お医者様だし。」

「それでもさ、大事な子が寝込んでるときは一緒にいてあげたいよ。これは俺の我侭なのかもしれないけど。」

「やはり一刀様はお優しいのですね。私の目に狂いはありませんでした。」

「恐縮です。」

「世間話は移動先でしましょう。それで、どこか良さげなお店はある?」

「そうだなぁ・・・甘味処で良い?」

「大丈夫だよ。」

「楽しみです〜♪」

「ご一緒します。」

「私も構いませんよ。」

「食べ過ぎないように注意しないと・・・。」

「ん?明里、何か言った?」

「い、いえ!なんでもありません!//」

「そう?ならいいけど。」

 

 ということで、俺たちは甘味処の花より団子に向かった。

 

・・・

 

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「いらっしゃいませ〜。これは北郷様、いつもご贔屓にありがとうございます。」

 

 もはや常連となってきた花より団子。俺だけでなく、将や兵も度々利用させてもらっているうちに店員さんとも顔見知りになっていた。

 

「いえいえ。いつも大勢だったり大食いを連れてきたりで、迷惑を掛けていないか心配で心配で・・・。」

「くすっ、そこはお気にされなくとも大丈夫ですよ。皆様が美味しそうに食べてくださるので店主も作り甲斐があると言っていました。」

「そうですか。なら良いのですが。」

「それに、売れ行きの半分は北郷様方の注文によって成り立っている。と言っても過言ではないので、従業員の私たちとしてもありがたいのです。」

「あ、あはは・・・。」

 

 思わず苦笑いを浮かべてしまう。・・・一度、鈴々と恋でラーメン屋の在庫を切らせたことがあるからなぁ。その時のおっちゃんの苦笑いと、その後の愛紗のお説教はトラウマになっている。まぁ、喜んでくれてるのなら良いか。

 

「いつも通り、外のお席へのご案内でよろしいですか?」

「はい。」

 

 とまぁ、手馴れた感じで外のテラス席に座った。

 

「それでは料理表を置いておきますので、注文が決まり次第お声かけください。」

「分かりました。」

「失礼します。」

 

 さて、何を注文しようかな。・・・ん?どこからか視線を感じる・・・。

 

「お館様もここに来ておられましたか。」

「おっ、桔梗じゃないか。それに紫苑に焔耶、璃々ちゃんも一緒なんだ。」

「ご主人様、こんにちは〜。」

「こんにちは。それにしても、桔梗が焔耶も一緒にいるのは意外だよね。」

「儂と焔耶は鍛錬しておったんじゃがな。」

「お館様は璃々にお願いされて断れるか?」

「無理。」

 

 なるほどね。それは納得だ。俺も璃々ちゃんにお願いされたら無理だもん。

 

「あ、熊さんと仲良しのお姉ちゃんだ〜。」

「く、熊?」

「卑弥呼のことだよ。」

 

 おそらく・・・というか絶対に流琉の影響だよな。あの漢女を熊呼ばわりするのは流琉しかいない。

 

「私とあの筋肉ダルマが仲良し?本人がそう言っていたの?」

「うん。同じカマの飯を食べた友って言ってた。」

「・・・一度、私の怖さを体に教えたほうが良いようね。」

「むしろ、あなたと戦えることに喜びそうですが。」

「うっ・・・それもそうね。」

 

 卑弥呼のことだ。間違いなく喜ぶだろう。むしろ張り切って・・・

 

「祝融との手合わせか。実に久しぶりのことよ、儂も腕がなるわい。ほれ、かかってくるがよい。」

 

 とか言いそう。

 

「私でしたらあの漢女より一刀様のことをもっと知りたいですね。」

「あれ?婆ちゃんや母さんと知り合いなら色々と知ってると思ったんだけど。」

「えぇ、知っていますよ。特に一刀様が幼少の頃はお二人だけでなく、霧刀様と影刀様も親バカでしたから。毎日のように報告を聞いていました。」

「・・・聞かないでおくよ。」

「そうですか?劉弁様と明里さんと愛紗さんは興味津々そうですか?」

「わ、私はそんな・・・。」

「お館様の幼少の頃の話か。それは儂も興味があるな。」

「えぇ、どんなお子様だったのか興味がありますわ。」

「普通だよ、普通。どこにでもいるような子供。」

「どこにでもいる子供が、敵兵二万を一瞬に消せる豪傑に育つとは思えぬのだが。」

「今それを掘り返すのは卑怯じゃないか?焔耶。」

 

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「思い出したことをそのまま口に出しただけだ。」

「それで、ご主人様はどんなお子様だったんですか?♪」

「明里、何か嬉しそうだね。」

「はい♪」

 

 何故か俺の幼少時代のことを語りだす管轤さん。そして皆がその演説に耳を傾けている。・・・俺の身に覚えのないことまで知ってるんだろ?気にしたら負けなんだろうけどさ。

 

・・・

 

「おーい!ご主人様―!」

「ん?」

 

 店の外から声を掛けられたと思ったら、翠がこちらに向かってきているではないか。

 

「そんなに慌ててどうしたの?」

「市の中央で賊が出たんだけどさ、それに紛れて華蝶仮面とかいうのが出てきて・・・その他にも色んなのが出てきて大変なんだ。加勢に来てくれ!」

「わ、分かった。」

「そろそろ頃合じゃし、儂らも見に行くとするかの。」

 

 俺たちは会計を済ませると、駆け足で市の中央まで向かった。

 

「・・・。」

「お母さん、あの華蝶仮面さん、格好良いね〜♪」

「え、えぇ・・・。」

 

 開いた口が塞がらないとはまさにこの事だ。百合と璃々ちゃんは瞳を輝かせながら羨望の眼差しを華蝶仮面たちに向けているが・・・。

 

「星たちは一体何をしているんだ・・・。」

「にゃわわ・・・朱里ちゃんまで・・・。」

「あのダルマ、絞めた方が良さそうね。」

 

ものの見事に身内ばかりが騒動の原因となっている。星に朱里に恋、貂蝉に白蓮に麗羽、斗詩に猪々子と来て南蛮兵たちに美以と来たもんだ。あの真面目な白蓮が関わっているのは意外だが、その他の面々はおおよその予想は付く。

 

「にゃ、祝融にご主人様だにゃ。こんなところで何してるにゃ?」

「その言葉、そっくりそのまま貴方に返すわ。美以たちは何でこんなことをしているのかしら?」

「美以たちは麗羽がご飯をくれるって言うから、麗羽たちの加勢をしているだけにゃ。」

「・・・はぁ。」

「祝融さん、言いたいことは凄く分かりますから落ち着いてください。」

「えぇ。・・・頭が痛くなってきた。」

 

 美以たち、完全に買収されてるじゃないか。いや、この場合は餌付け?

 

「麗羽様、文ちゃん、流石に星さんと恋ちゃん相手は無理だよ〜。」

「斗詩さん!やる前から諦めるなど、三公を輩出した袁家の家臣として許しませんわよ!」

「麗羽様の言うとおりだぜ!斗詩、やってやろうぜ!」

「はぁ、分かったよ〜。」

「あの白馬鹿面にも、目にもの見せておやりなさい!」

「白馬だ!白馬!区切るとこを間違えるな!」

「白馬仮面も白馬鹿面も大差ないですわ。そんな細かいことを気にしているからいつまでも普通のままなのですわね。」

「それは関係ないだろ!」

「白蓮、余所見は禁物だぜ〜!」

「言われなくてるとも分かってる!」

 

 あーあー、切り結び始めちゃった・・・。斗詩は斗詩で星と始めちゃったし・・・収集つかないよ、これ。

 

「・・・朱里ちゃん、何してるの?」

「はわわ!こ、これはですね・・・(ぼとっ。)」

「ん?」

 

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 朱里の服の中から何か落ちてきたぞ?・・・本?明里がそれを拾った。

 

「えーと、不純同性愛・男性編。朱里ちゃん、これ・・・。」

「はわわぁ!!」

 

 明里から凄い勢いで八百一本をひったくり、背中に隠す朱里。うーん、隠す以前にバレバレなんだけどなぁ・・・。

 

「まだ集めてるんだ、艶本・・・。」

「こ、これは・・・そう!これは雛里ちゃんに頼まれたものなんでしゅ!!」

 

あ、噛んだ。というか、ちゃっかり雛里のせいにしたよな。

 

「きゃー!華蝶仮面様〜♪」

「と、桃香・・・。」

「はぁ、阿呆らしい。」

「あ、あははは・・・。」

 

 民衆に紛れて桃香が星・・・今は華蝶仮面か。華蝶仮面に声援を送っている。薔薇と詠は桃香の姿に頭を抱え、月は思わず苦笑い。

 

「皆さん、楽しそうですね〜。」

「そう?」

「はい。何だかんだ言っても、皆さん笑顔ですから。」

「・・・それもそうだね。」

 

 改めて見ると、切り結んでいる子たちも民衆も笑顔だ。恋はいつもの無表情を貫いてるけどね。

 

「何よ、私に知らせないで面白そうなことやってるじゃない。」

「鈴、珍しく出てくるの遅かったね。」

「少しばかり昼寝をな。ところで、これを何の祭り?」

「祭りじゃないよ。華蝶仮面たちと麗羽たちが争ってるんだ。一種の見世物のつもりらしいんだけど、収集が付かなくなっちゃってねぇ。」

「それだけじゃ済みそうにないが?」

「へ?」

 

 翠と愛紗、それに蒼と鈴々が兵を引き連れて来た。

 

「やばいにゃ!愛紗に捕まったらお尻ペンペンの刑になるにゃ!麗羽たちが捕まってるうちにこっそり・・・。」

「美以〜、私は見逃さないわよ〜。」

「し、祝融、美以と祝融の仲にゃ。今回は見逃して(がしっ)」

「うふふっ・・・。」

「わ、笑ってるのに怖いにゃ・・・。」

「かずくん、私は美以と話があるから先に城に戻ってるわね。」

「う、うん。美以、ご愁傷様。」

「さて、行くわよ。」

「痛いにゃ!耳は止めてにゃー!!」

 

 ずるずると引っ張られていく美以。強く生きろよ・・・。

 

「はははっ!悪は滅びた!では、さらばだ!」

「くっ、貴様!正々堂々と勝負しろ!」

「なーに、近いうちにでもまた顔を出すさ。はーっはっはっは!!」

「うーっ、逃げられたのだー。」

「チクショー!」

「・・・な、なぁ、兄貴よー。」

「ん?どうかした?」

「今逃げていったのって・・・。」

「あぁ、うん。言いたいことは分かる。けど、桃香や璃々ちゃんたちみたいに気付かない子たちもいるからさ。内緒にしておいてあげよう。」

「兄貴が言うなら俺は何も言わねぇが・・・。」

 

 蒼が頭をボリボリと掻いている。どうも不完全燃焼で終わって納得がいかないようだ。

 

「事は落ち着いたみたいだし、俺は華佗のとこに顔を出してくるよ。今回の騒動で怪我人が出なかったとは限らないから。」

「了解。事後処理は俺たちに任せといてくれよ。」

「助かる。」

 

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俺は踵を返し華佗の診療所へと向かった。ちなみに、麗羽たちが愛紗にお説教を食らっていたのはまた別のお話。

 

・・・

 

「華佗―、いるかー?」

「お、一刀か。いいぞ、入ってくれ。」

 

 華佗の診療所に入ると数人の男たちがいた。腕には小さめの湿布がちらほらと見受けられる。

 

「もしかして、皆さっきの騒動で?」

「あぁ。つい先ほど、流琉がこの者たちをここに連れてきたんだ。まぁ、大した怪我でもないし、明日には完治しているだろう。」

「けど、悪いね。うちの子達のせいで小さくても怪我させちゃったわけだし。すみませんでした。」

 

 俺は誠心誠意を込めて皆さんに頭を下げた。

 

「い、いや!御使い様!頭を上げてくだせぇ!」

「いや、けど・・・。」

「俺たちは柄が悪いっつうだけで臭いものを見るような目で見られてきたはみ出し者よ。そんな俺たちに面白い事を考えたって声を掛けてくださったのが趙雲様だ。」

「まるで悪戯を思いついた子供のような目だった。俺らはそれで少なからず救われた気分になったぜ。」

「だから、御使い様が頭を下げるこたぁねぇ。」

「俺らもよ、久しぶりに悪ガキに戻った気分を味わえて良かったぜ!」

「皆・・・ありがと。」

 

 けど・・・あれ?この柄の悪い大男たち、どこかで見たことあるような・・・。

 

「ここにいる皆って市の裏で料理店を開いてるよね?」

「おぉ、御使い様が俺らの事を知ってくださるたぁ光栄だぜ。」

「何回か流琉・・・典韋と食べに行ったことあるからね。」

 

 思い出した。ここにいるのは皆、地方から成都に流れ着いてひっそりと料理店を構えている店主ばかりだ。有名ではないが、それはそれで隠れた名店として、一部の客層には人気となっている。味の方は流琉のお墨付きということもあって保証済み。

 

「うちの子たちの遊びに付き合ってて良かったの?店の方は?」

「あぁ、そっちの方は大丈夫ですぜ。俺らの店は今、典韋様と韓飛様で切り盛りしてもらってる。客もそれほど多くねぇし、あのお二人なら安心して任せられるからな。」

「そっか。それなら安心だ。」

「ついでに、厨房の奴らには技術を可能な限り盗むように伝えてあるからな。俺らは息抜きが出来て、一石二鳥ってやつだ。」

「なるほどね。それは俺も今度行く時が楽しみだな。期待しとくよ。俺も料理をする身としては他の人の料理を食べるのも楽しみの一つだからね。」

「ほう。御使い様も料理人なのか。これは美味い酒が飲めそうだぜ。」

「今度、良い酒を持って立ち寄らせてもらうよ。」

「へい!お待ちしております!」

 

 料理人たちは晴れ晴れとした表情で診療所を後にした。うん、楽しみが一つ増えたな。

 

「華佗にも手間を掛けさせて悪かったね。」

「なに、俺は医者だ。どんな形であれ、怪我人を癒すのが五斗米道の継承者たる俺の役目。当然の事をしたまでさ。」

「当然のこと、か。当たり前のことを当たり前のようにする。これって想像以上に難しいんだ。もっと誇って良いのに。」

「俺は医者としての誇りは持ち合わせている。しかし、俺とて全知全能の神ではない。万人の命を救いたいとは思ってはいても、叶わぬのがこの世の理だ。それに加え、俺は誰かに誇張するために五斗米道を学んだわけではないからな。」

「つまり・・・誰かに認められなくとも、自分の中に誇りを持っているから良いということ?」

「まぁ、そう言うことだな。」

「なるほどね。」

「それは一刀、お前にも言えることだろう?」

「まぁね。俺だって自慢するために剣を学んだ訳じゃないし。」

「分かってるじゃないか。・・・とまぁ、それは置いておいて、良い機会だ。一刀、お前に頼みがある。聞いてもらえるか?」

 

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 突然真剣な表情を見せる華佗。どうしたんだろ?ついさっきまで穏やかな表情で話してたんだけど・・・。

 

「どうしたの?」

「俺は今まで一刀たちを陰ながら見てきた。医者として、仲間として、友として。そしてようやく俺の真名を預けられる相手を見つけられた。お前だ、一刀。俺の真名は親を除いて生涯に俺が真に認めたもの、一人にしか預けられないと五斗米道の教えで決められているからな。少し前から預けようとは思っていたのだが、なかなか二人になる機会がなかったからな。」

「・・・そんな重要なものを俺に預けていいのか?」

「あぁ、俺が長らく熟考した出した結果だ。お前の下で働き、人柄を知り、言葉を交わした上で下した判断、間違っているとは思わんさ。」

「そっか。そこまで言うのなら、俺も決断しないとな。・・・華佗、あなたの真名、我が魂魄に刻み込もう。」

「ありがとう。」

 

 華佗は静かに立ち上がり、俺の目を見据えた。その目には確かな情熱の炎が宿っていた。

 

「北郷一刀殿、五斗米道継承者の名の下に、貴方を我が真名を預けるに足る英傑と信じこの華佗。艶火(えんび)を預けます。」

「艶火・・・しかと受け取った。」

「これからもよろしく頼む、親友。」

「おう。こちらこそよろしくな、艶火。」

 

 俺たちはがっちりと握手を交わした。今思えば天の御使いと五斗米道、会うべくして会ったような、運命的なものを感じる。

 

「さて、俺も診療を終えて腹が減った。飯でも食いに行こうと思うのだが、一緒にどうだ?」

「良いね。・・・そうだ、さっきのおっちゃんたちのとこに行こう。あそこの料理は絶品なんだ。」

「ほう、一刀のお墨付きなら安心だ。よし、急ぐぞ!」

「おい、そんなに焦らなくても・・・行っちまった。」

 

 俺は駆け足で艶火を追いかけた。空は快晴、降り注ぐ日光はまるで艶火の情熱のように思える俺がいた。

 

・・・

 

 その頃、呉では・・・

 

「母様、隊の準備も完了したわ。いつでも動けるわよ。」

「承知した。よし、これより我らは魏へと進軍する!全隊、全速前進!」

「おおおおおおおお!!!」

「穏、蜀への早馬はどうなっている?」

「既に送りましたよ〜。今、愛璃様が成都に向けて出発しました〜。」

「でかした。」

 

 後は一刀たち、蜀がどう動くか。後は天命のみが知るか。

 

「よし、わしらも前線に出るぞ!雪蓮、ついて来い!」

「えぇ♪」

 

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あとがき 読んでいただきありがとうございます。第七節もこれで終了となります。第七節、最後の拠点編はいかがだったでしょうか。華蝶仮面登場に華佗の真名と色々イベント発生しました。華佗の真名、艶火については華佗のイメージより決めさせていただきました。艶美を文字ったのも少しありますね。それでは次回 第八節:開戦、呉vs魏・・・邂逅する義王と江東の虎 でお会いしましょう。次回もお楽しみに。

 

説明
何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。
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コメント
艶火・・・良い♪恋姫ワールドで唯一┌(┌ ^o^)┐ホモォじゃない漢男w(らっしぃ)
ええっと…とりあえず、頑張れ白馬鹿…もとい白馬仮面。そして遂に魏VS呉の始まりですね。続きを楽しみにしております。(mokiti1976-2010)
我等が華蝶仮面の登場でしたねw 相も変わらず一部の人間以外には気付かれないのが恋姫シリーズ永遠の謎ですよねww(本郷 刃)
でましたね。華蝶仮面・・・みんな馬鹿騒ぎするのは好きですねぇ。後、誤字発見です。義王→魏王じゃないですか?(Fols)
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真・恋姫†無双 一刀 華蝶仮面 百合 華佗 桃香 水蓮 刀蜀伝 

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