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第二十四話 嘘と真実を入れ混ぜる悪魔
高志視点。
アリシアが((緑の鎧|エメラルダン))をグラナガンの海の藻屑に加工している最中。
街中に侵入してきたガジェットを破壊しながら次の現場に向かって行く途中でゼクシスからアリサ。機動六課からティアナとヴィータ。リインの三名と合流した俺達が地下道を進んでいると、一番会いたくない人物と出会った。
「…アサキム」
「…ん。君か。タカシ。あの子の事は見捨ててきたのかい?」
アサキムは俺が近づいてきたことに今気が付いたかのように振り向いた。
その手には小さなケースのようなものが二つ。それをキャロと同じくらいの女の子に渡している。
・・・お前、本当にロリコンじゃないよな?
別にロリコンでもいいよ。ノータッチなら、別にいいんだよ。
「また、なにやら変なことを考えているようだけど…。ここ最近よく会うね」
お前もそうだが周りの人間は何故俺の考えがわかる?
少女にケースを渡したアサキムは俺と向き合うように俺達の前に立ちふさがる。
「…ひ」
「「「「…っ!」」」」
一歩。
たった一歩踏み込んだだけでフォワード陣のちびっ子たちは後ずさる。キャロなんかは悲鳴を上げていた。
アリサやギンガもアサキムから発せられるプレッシャーに押されて後ずさる。
後ずさらなかったのはヴィータと俺。
リインの場合は既にヴィータとユニゾンしているから後ずさりようがなかったが、もしユニゾンアウトしていたらヴィータの後ろにでも隠れていただろう。
「…ここは見なかったことにしてほしいんだけどね。…君達は立場上出来ないだろうけど」
「…アサキム。てめえ、ここで何していやがった」
ヴィータは自分の身を守るようにグラーフアイゼンを構えながらもアサキムにくってかかる。が、それが気にいらなかったのかアサキムからのプレッシャーが膨れ上がる。
「…君に用はないよ。鉄槌の騎士」
「…くっ」
これ以上アサキムの興味をこいつ等にひかせるわけにはいかない。
俺はヴィータよりも一歩前に出る。
「じゃあ、俺にならあるのか」
「…そうだね。タカシ。君も見ただろう。あの森の中でこれか起こりうるだろう未来の映像を」
火に飲まれた街。泣き叫ぶ人達の映像。
正直思い出すのも嫌になるあの時見た映像のことを思いだす。
「このままの調子で過ごしていけばそれは現実になる。…あの予言騎士が語るような未来にね」
「…何言ってんの。あんたが関係しているくせに」
フォワード陣と同じくらいの距離まで後ろに下がっていたアリサが毒づく。
「僕が。いや、僕達『放浪者』がいなかったとしてもそれは起こりうることだったんだよ。この世界には必要な事だ」
「…それって、どう言う事ですか」
アサキムの言葉に疑問を持ったギンガの言葉にアサキムは赤黒い剣を何もない空間から引き抜く。
「…おしゃべりはここまでだ。それじゃあ、始めようか。タカシ。君達の力を見せてもらう」
今にも斬れそうな殺気を放つアサキムの動向に身を固くして待ち構える。
そして…。
ドンッ。
スバル視点。
目の前にいるアサキムと呼ばれる男から発せられる殺気は、今まで遭遇してきた相手の誰よりも鋭く、冷たく、恐ろしいものだった。
それを当てられたフォワード陣の私達やギン姉は思わず後ずさる。
私の命の恩人のアリサさんやヴィータさん。そして、六課の主力メンバーのはやてさん達すらも倒したタカシさんですらも緊張で体を固くして身構えていた。
だけど、さすがはやてさん達を倒した『傷だらけの獅子』のタカシさんは私達の前に出て、私達を守るように立ちふさがってくれた。
その背中に私は心強さも感じた。
(…スバル。あんたはタカシさんが飛び出したらあの紫色の少女にとびかかりなさい。目の前の男。アサキムがレリックを渡したとか言っていたから確保しないとっ)
ティアから念話で連絡を受けた私はそれに黙って頷いて返事をする。
そして、アサキムという男が一歩前に踏み出したかのように見えた次の瞬間、私の目に信じられない光景が映し出されていた。
ドンッ。
「…え?」
それは一瞬だった。
鋼が鋼を貫く音。
アリサさんの持つフレイム・アイズがガンレオンの鎧を貫く光景が…。
確かに映し出されていた。
???視点。
((殺|と))った!
鋼の体を纏っていたからか、それともアサキムが目の前だったからか。
『傷だらけの獅子』は油断していた。
だから、こうも、簡単に殺せた。
「あ、アリサさん!い、一体何を!?」
「待ちなさい!スバル!」
青髪の。…あれはナカジマの娘だったか?
…母親のクイントに似ているな。
姉の方は妹がこちらの方に近付いてくる妹を制する。
「あ、あああ…」
「タカシさん!」
フォワード陣のエリオとキャロ。は目の前の光景に衝撃を受けて動けないでいた。
「ハハハハハ!貰うぞ『傷だらけの獅子』のスフィア!」
そう叫ぶとアリサの体全体に黒い靄がかかる。
その靄はアリサの姿が見えないくなるほどの濃霧になる。そして、更にその靄からは体の各関節部分に((紅の水晶|・・・・))を纏った人間のようなモノがいた。
その姿は一見すると人間の様に見えたが、その首から上はまるでエイリアンじみた頭部。また、正面の胴にあたる部分の殆どは紅の水晶に覆われていた。
そして、大腿部や二の腕にあたる部分もまるでえら呼吸をする魚の様に微弱に動く。
『偽りの黒羊』。その力を原作で大いに振るっていた機体。アリエティス。
嘘と真実を入れ混ぜる邪悪な姿を持った悪魔がそこにいた。
説明 | ||
第二十四話 嘘と真実を入れ混ぜる悪魔 | ||
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コメント | ||
雷光さんへ。誤字訂正しました。ありがとうございます(たかB) 誤字報告 アリサの姿が見えないくなる程→見えなくなるほど エメラルダンが分からなくて牛角イメージだった私orz(雷光) ここにきてアリエティスだとおおおおおおおおお!?いつの間にアリサとすり替わっていた!?(孝(たか)) |
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