超次元ゲイムネプテューヌmk2BURST
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「おじさーん、モンスター倒してきたよ」

青年に依頼終了の報告をしようとし、最初の言葉がそれだった。その言葉に青年はガクッと体制を崩しそうになるも、何とか持ちこたえた。

 

「お、おじさん? 私はまだ20代で…」

 

「いいから早く! 情報情報!」

青年が言葉を続けようとするも日本一によって遮られてしまい、諦めたように話し始める。

 

「あ、ああ…こほん。私が血晶をみたのはセプテントリゾートと言う場所だ。おそらくそこに棲むテコンキャットが落としたものだと思う」

 

「セプテントリゾートですね。ありがとうございます!」

ネプギアは情報を教えてくれた青年に礼を言い、血晶を落とすというテコンキャットを討伐しにセプテントリゾートに向かおうとする。その時、シンヤはユニの事を考えていた。

 

(ユニは血晶を手に入れたのだろうか?それとも……いや、それよりもあの二人が仲直りしてくれれば良いのだが……)

 

シンヤはこの後何事もなく事が過ぎてくれるよう祈りながらセプテントリゾートへと向かっていった。

 

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セプテントリゾート。リビートリゾートの近くに存在し、リビートリゾートとは違う入口から入る事が出来るダンジョンである。大きさはリビートリゾートとさほど変わらず、建物の形状などもあまり変わっていない。変わっているとすればモンスターの種類や強さだろう。

 

青いチューリップの様なモンスターに青い幽霊のような形のモンスター、それにピンク色のリボンを付けたモンスターなどが見られた。その他に先ほど倒したシ―ハンターに似たモンスターの姿も確認した。アイエフ曰く『ドルフィン』という危険種の一体らしい。が、もちろんシンヤの敵ではなく、襲ってくるモンスター全てをなぎ倒しながらテコンキャットを探していた。

 

そしてついに、それらしきモンスターを発見した。

 

「いた。きっとあれが探していたモンスターよ」

テコンキャットはモヒカンを生やしたリスの様なモンスターだった。

 

一体何処がキャットなんだ?という突っ込みが出てきたのだが、今は血晶を手に入れるのが先と考え突っ込みを放棄する。

 

「あれを倒せばゲイムキャラの情報がもらえる…よし!」

ネプギアがモンスターを倒す決意をした直後、数時間前に聞いた事のある声が耳に入った。

 

「見つけたわ! さあ、とっとと血晶を落としなさい!」

 

「え?」

ネプギアは間の抜けた声を出しながら声のした方向を向く。その視線の先に立っていたのは……

 

「ん? わああ!? ネ、ネプギア!?」

そう、ユニだ。

 

シンヤからアドバイスを貰ったまでは良いものの、肝心な血晶が何処にあるのか見当もつかず途方に暮れている時、ケイから情報を貰ったのである。セプテントリゾートに棲むテコンキャットが血晶を落とす、と。警戒はしたものの、途方に暮れていたユニにとって願ってもない情報だったため、急いでセプテントリゾートまで向かい、テコンキャットを発見したのだが、偶然にもネプギア達と遭遇してしまい、現在に至ると言う訳である。

 

「ユニちゃん! ユニちゃんも血晶を探しに?」

 

「そ、そうだけど、なんでアンタが…! あ、えと、そうじゃなくて、この間は…いやいや、いきなり謝るのも…大体、急に出てくるから心の準備が…」

と、そんな呟きが聞こえてきた。どうやらユニもユニで血晶が手に入らなかった時の事を考えて、勇気を持って謝る覚悟をしていたらしい。

 

「よかった、ずっと気になってたの。あんな別れ方しちゃったから……ユニちゃん、この間は、ごめんなさい!」

ネプギアはユニに頭を下げ謝る。

 

「え!? ネ、ネプギア!?」

 

「私、ユニちゃんの気持ちも知らないで、一緒に戦おうとか、お姉ちゃんを助けようとか、無責任なことばっかり言って、本当にごめんなさい!」

次に会ったときにちゃんと謝っとけよ。ネプギアはシンヤに言われた事を実践した。ネプギアもネプギアで反省しているのだ。

 

「ネプギア……。アタシもアンタに言いたい事があるの。えとね、い、一度しか言わないからよく聞いて…」

 

「うん」

 

「えっと、その、あ、アタシも、アンタにひどいこと言って…その……」

ユニが言葉を続けようとしている中、少し離れた場所から何者かが監視している。その何者とは……

 

「アイツ等、何やってんだ?…ひょっとして、またとねぇチャンスか?」

そう、またも下っ端だ。

 

「今なら女神候補生を纏めてブッ潰せるぜ。どこかに手ごろなモンスターは…お、いるじゃネェか」

軽くあたりを見回すと、ネプギア達の近くにテコンキャットを3体確認した。

 

「行っけえ! 思う存分暴れやがれ!」

 

「ぐぁ!? ぐ…グアアアアアアァ!!」

下っ端が指示を飛ばすと、テコンキャットが突然目を赤くし暴れだしたのだ。

 

「凶暴化した? 何でいきなり……って、そんなこと考えてる場合じゃないな。ネプギア、ユニ! 話の続きはコイツ等を倒してからだ!」

 

「え? わああ!? ものすごく暴れてる! い、今行きます!」

 

「ア、 アタシも!」

モンスターの凶暴化とシンヤの言葉により、ユニの話は中断され、代わりにモンスター討伐の手伝いをさせられる事になった。

 

「ネプギアとユニはそっちの一体を! アイエフとコンパ、日本一はもう一体を! 後一体は俺が倒す、いいな!?」

シンヤが指示を飛ばすと全員が頷いた。それを確認し戦闘を開始する。

 

「よし、行くぞ!」

その言葉と共にテコンキャット一体がシンヤに跳びかかってきた。それを余裕で回避し神機を振り上げ反撃するも空中で横にずれて回避される。攻撃が回避された事により一瞬だけ隙が出来てしまい、その隙を見逃さずテコンキャットが距離を詰めてくるが、逆に近づいてきたところを振り上げた神機を振り下ろしテコンキャットを一刀両断する。すると、消滅したテコンキャットから赤い十二面体の結晶が落ちていた。恐らくこれが血晶だろう。シンヤは血晶を拾うと、ちらりと周りを見回す。テコンキャットに少し苦戦はしているもののもうすぐ片がつきそうだった。

 

(……俺が手伝う事もないかな?)

シンヤの予想道理、ほんの十数秒後、アイエフが一体を、ネプギアがもう一体を討伐した。

 

「チッ、やっぱ急ごしらえじゃうまくいかネェか…仕方ネェ、今日のところは見逃してやるぜ!」

と三流のセリフを遠くから吐き、セプテントリゾートから去っていく下っ端であった。

 

「……終わったみたいだな」

 

「ええ。……あれ、それって」

アイエフがシンヤの手に持っている物に視線を移す。

 

「あぁ、血晶だ。さっき落としたんだ」

 

「ちょっと手間が掛かったけど、何とか手に入ったわね」

 

「あぁ。……だが、行く前に……」

とユニに話の話題を移す。

 

「ユニ。さっきの話の続きをしたらどうだ?」

 

「え? あ、う、うん……」

いきなり話を振られ若干動揺したが、すぐに気持ちを落ち着かせ先ほどの話の続きをする。

 

「ネプギア……さっきの話の続きだけど……その、ごめんなさい!」

ユニもネプギアと同じように頭を下げる。

 

「アタシはアンタに嫉妬してた。3年前から、ずっと……。だからあんなひどい事言っちゃって……」

 

「ユニちゃん……ううん、悪いのは私、ユニちゃんは悪くないよ」

ネプギアは微笑みながら言葉を発する。

 

「ネプギア……アタシを、許してくれるの?」

 

「うん。……ユニちゃん、ごめんなさい」

 

「……アタシも、ごめんなさい」

その光景を見ていたシンヤ達は

 

「よかったです、二人が仲直りできて」

コンパは普通に感度しており

 

「熱い展開だよー! 仲が裂かれていた二人が仲直りした! これで仲間になってくれたらサイコーだよ!」

日本一はまたもヒーロー物にたとえて物を言っており

 

「仲間になるかどうかは別として、良かったわね」

アイエフは日本一に突っ込みを入れながらも、素直に感動していた。

 

「あぁ。これで……」

一件落着だな。と言おうとしたところで、ユニが光に包まれた。そして光が収まると、そこにはユニが変身した姿―――――ブラックシスターが目を閉じ巨大な銃を構えて佇んでいた。

 

「ユニちゃん……?」

ネプギアが心配したように声をかけると、ブラックシスターは意を決したかのように目を開ける。

 

「アタシと戦って、ネプギア」

 

「……何?」

 

「なんでそんな事を? アンタ今ネプギアと仲直りしたでしょ?」

首を縦に振りアイエフの言葉を肯定する。

 

「それとこれとは話が別。アンタと一対一で戦いたいの、ネプギア……」

 

「……分かった、いいよ」

と言ってネプギアもパープルシスターに変身する。

 

「ギアちゃんまで、何言ってるです?」

 

「いーじゃん。一対一の真剣勝負! 燃える展開だよー!」

コンパが驚いたように声を上げ、日本一はまた訳のわからない事を言っているが、ブラックシスターはそれを無視し話を続ける。

 

「…ありがとう。本気できなさいよ。手加減なんてしたら、本気で怒るからね!」

 

「言われなくても本気だよ。そっちこそ、全力で来て!」

お互いに武器を構え、戦う準備は十分のようだ。そんな中、コンパはシンヤに尋ねる。

 

「シンヤさん、良いんですか?」

 

「あぁ。ユニもそれなりの覚悟があるに違いない。俺にはそれを邪魔する事は出来ないさ」

と言い、戦う気満タンな二人に体を向ける。

 

「ま、もしもの時は俺が止めに入る。もしもの時以外は手を出さないさ。アイツ等が納得するまでやらせよう」

視線を二人に移す。二人はお互い武器を構えたまま動かないでいた。一瞬の静寂。そして、二人同時に駈け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女神候補生と女神候補生の戦いが、今ここに始った。

説明
第十一話 素材集めその5 再開、そして……
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