現代恋姫演義 『指輪協奏曲もとい狂想演舞曲』
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 ――君が傍にいてくれるのなら何がおころうとも、世界のどこであっても大丈夫。

 

 ――だって俺は、権力という名の重圧に耐える姿に。

 

 ――本当はとても優しく、他人を気遣える不器用なところに。

 

 ――南海の蒼い海を連想させる、深い瞳の眼差しに。

 

 ――微笑んだ君の姿は、誰よりも穏やかで。

 

 そして、民や家臣、亡き母や姉の想いを継いで、ひたむきに頑張る姿を見続けて俺は君に惹かれたのだから――

 

 

 

 ――あなたが一緒にいてくれるのなら私は、頑張れる。

 

 ――これまでも、いつも影で私を支えてくれた。

 

 ――私にだけじゃないけれど、時折、向けてくれるあなたの優しい眼差し。

 

 ――私の名前を呼んでくれる暖かな声音。

 

 ――落ち込んだ時に髪を梳いてくれる優しいあなたの手。

 

 ――すべてが、とても心地よい。

 

 そんな天の御遣いではなく、ただひとりの異性としてのあなたに私は惹かれたのだ――

 

 

 

 ――だから、この世界に還ってきた時、君が傍にいてくれて本当に嬉しかった。

 

 

 

 ――別離を迎えようとした時、勇気を出した結果、あなたの居た世界に辿り着けて本当に良かった。

 

 

 

 俺は――

 

 

 

 私は――

 

 

 

 「「もう、君が(あなたが)いないと心が満たされないのだから――」」

 

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 ひとつの物語が終わりを迎えた。

 

 そして想いは形となりて、新しい外史が生まれる。

 

 天の御遣いとしての物語を終えた北郷一刀はもとの居た世界に戻り、一介の学生としての生活を――取り戻せていなかった。

 

 何の因果――と言うよりは互いの絆の深さから、北郷一刀は、『みんな』と一緒に戻ってきてしまったのである。

 

 現代の世界において、何もあても身よりもない少女達が何十人も量産された事により、一刀は学業に戻る前に彼女達の身分証明や生活できる環境を整える事に奔走する事となった。

 

 台東区に住む両親に連絡し、一時的に彼女達を預かって貰う事に。

 

 無論、一軒家だけでは収まらないので、不動産経営をしている親戚に格安で空きのある賃貸住宅を借りて、分散し一時的に凌いだ。

 

 その時かかった、金銭については、何故か一緒についてきた貂蝉がどうやって用意したかは不明である金で事なきを得ていたりする。

 

 ちなみに余談だが、一刀の両親は息子が大量の嫁候補を連れて帰った事に大興奮。

 

 母は、身分証明が出来るまで暇を少女達にこの世界での常識や、家事などを教え、父は、毎晩、美少女達にお酌をして貰い、終始御機嫌である。

 

 一刀は、そんなおおらかな両親に感謝するのであった。

 

 そして、この期間に於いて社会情勢を把握した華琳は、貂蝉から軍資金を借り受け、一刀の父の名義で株価が大暴落するのを見計らって、株を空売りして不景気の世の中で巨万の富を得た。

 

 華琳はその天井知らずの資金で、経営危機にあったグループ会社にテコ入れし、その会社が所持していた伝手を最大限に利用して僅か、数ヶ月で代議士までに影響力を及ぼす人物になったのである。さすがは、乱世の奸雄は現代においても伊達じゃなかった。

 

 普段、秋蘭の膝枕で居間のソファーに寝転がり、テレビを鑑賞している姿からとても想像は出来ないが。

 

 だが、その甲斐もあってみなの身分証明がスムーズに進み、華琳の献金により、皆、一刀の進学している聖フランチェスカ学園に入学したり、講師として招かれるのであった――

 

 戦争に明け暮れていた世界から解放された少女達は、青春を謳歌する為、聖フランチェスカの女子寮に移り住む。

 

 その時、一刀達の両親がへこんだのは言うまでもない。

 

 挙げ句の果てには、一刀に対して、少女達の誰かと一緒に帰ってこない限り、家の敷居をまたがせないと言い切る始末であったのは余談である。

 

 一刀は、久々に聖フランチェスカ学園の男子寮であるプレハブ小屋に戻る事が出来た。

 

 ――彼は、まだ知らない。

 

 翌日から、彼を慕う少女達が男子寮に押し寄せて、男子生徒達の嫉妬を買い退寮する羽目になる事など――

 

 

 

 学園長命令により一刀は退寮した。

 

 先にも述べた理由により、実家にも戻れない一刀は路頭に迷う事となった。

 

 だが、貂蝉の援助により(華琳の場合、何か取り返しのつかない事になりそうなので)学園の近郊にあるアパートを借りる。

 

 他に候補者として、紫苑が名乗りを上げ、学園から借り受けているマンションに一緒に住まないかとの提案があったが、他の少女達の反対意見により、却下される。

 

 そして、母の口から、一刀と一緒に住めると思っていた璃々は、ショックを受けて拗ねてしまった。

 

 一刀が何とか璃々を宥め、「一週間に一回は必ず璃々のお出迎えをする」という約束を取り付けて、その場は何とか事なきを得る。――恐るべき未亡人。

 

 それは兎も角として、援助により鉄筋構造八畳一間の1K、トイレ・バス別、エアコン付きという学生にしては、破格の待遇の物件で生活する事になった一刀であった。

 

 まあ、アパート仲介業者が既に華琳が会長となっているグループ傘下の企業である事を彼は、知らない。――上手い話には必ず裏がある。けど、それを知らずにのほほんと生活する一刀はある意味、大物である。

 

 一刀がアパートに住む事によって少女達は、互いの牽制も含み、三〜四人一組で、平日五日間のサイクルにおいて一刀の生活の補佐にあたった。

 

 特に食事面で、彼の心を掴もうとしている少女達が多く各自、思う存分に腕を振るって一刀を助けてくれた。

 

 よって、一刀は朝食から昼食時のお弁当、夕食にいたるまで、少女達の愛の籠もった食事を貰っていたので、食費が節約出来ていたのであった。

 

 まあ、グループの中には、桃香、愛紗、鈴々のように食事が作る事が苦手な少女達が一緒になる組もあったりして、そのグループの中で唯一、白蓮が普通に料理を行い一刀の窮地を救い、彼の中で彼女の信頼が上がったり、いきなりアパートに黒塗りの車が横付けし、黒服に身を包んだグラサン姿の春蘭・秋蘭コンビに拉致され、気が付いたら、高層ビルの中にある高級料理店のディナーしかも個室の中でいつの間にか着せられた礼服の姿で、ドレスに身を包んだ華琳の接待をさせられたり、紫苑、桔梗のアダルトタッグに無理矢理、酒を飲まされて妖艶な魅力で攻められて、身の危険を感じる事もあったが、璃々のおかげで助かったりと、平穏とはかけ離れた、けど、楽しい毎日を一刀は過ごしていたのである。

 

 

 けれど、一刀も、この世界においては一介の男。

 

 心に秘めた気持ち。所謂、ある特定の女性に秘めた恋慕を抱えていた。

 

 彼女との時間は、何よりも一刀にとって貴重で楽しく、大事な時間であった。

 

 無論、一刀の気持ちに気付いている者も多いのだが、彼女達もまた、一刀を好いているのである。

 

 故に、邪魔する事はないが、自分の想いも知って欲しいと一刀にアピールし、一刀自身、少女達の想いを無下にする事など出来ずにうやむやな関係を続けている現状にあって一刀は想い人と過ごせる時間は必然と少なくなってしまう。

 

 一刀は、自分なりに頭を悩ませて、その想いが本当であるという形を、想い人に示したかった。

 

 そこで、彼は思い付く――

 

「そうだ! これだ!」

 

 アパートの中で、お茶碗を片手にご飯を食べながらではあるが。

 

「だよなぁ。アニキ! 斗詩の作るメシは最高だぜ!」

 

 一刀の横でホッペにごはん粒をつけながら、カチャカチャと音を立てながら凄い勢いでごはんを胃の中にかきこんでいる猪々子。

 

「――どうか、されましたか。ご主人様?」

 

 甲斐甲斐しく猪々子の世話をしている斗詩は聖フランチェスカ学園の制服の上にエプロンという姿で一刀に微笑みかけていた。

 

「……あ、うん。何でもない」

 

 不覚にも斗詩の笑顔に見惚れてしまった一刀は、気まずい様子で身を縮める。

 

 一刀の心の中では今、だらしのない己に対して想い人である少女が、冷徹な瞳で自分を責めている姿が浮かんでいた。

 

(……あっ、猪々子の言う通り、ほんとうに美味しいな)

 

 そんな中、一刀は斗詩の手料理に無意識に餌づけされているのであった――

 

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 かつての世界で孫権仲謀として名を馳せていた少女は、聖フランチェスカの制服姿で学園の校舎を歩きながら悩んでいた。

 

 そう、彼女こそが、北郷一刀の想い人の蓮華である。

 

 彼女の想い人である北郷一刀に会う為に彼の所属しているクラスを訪ねてみたのだが、タイミングが悪かったらしく、お目当ての人物は不在であった。

 

「はぁ」

 

 蓮華は、美しく整った容姿に悲しみの感情を浮かべ、やりきれない溜め息を吐く。

 

 かつていた世界で、共に自分達の想いを告げ、相思相愛の仲になったのだが、一刀を慕う少女達は星の数。

 

 彼を慕う少女の中には戦友や親友も多く、さらに消極的な性格も災いして、自分の我が侭で彼を独占する事も叶わない日々が続いていたのだ。

 

 それでも一刀は、なるべく蓮華に時間を合わせて、数分の間であっても毎日必ず、顔を合わせていた。

 

 華琳をはじめとした、一刀の感情に聡い者達が、二人を引き合わせてくれていた助けもあるのだが。無論、必要以上の接触には、介入するのは難しい乙女心ではあるのだが。

 

 余談もあったが、そうやって短くとも一刀と一緒に過ごしていたのだが、ここ一、二ヶ月の間、彼と会える機会が激減していたのであった。故に、蓮華はフラストレーションを溜めると共に不安を感じているのであった。

 

「蓮華さまー」

 

 そんな蓮華のもとに現れたのは、かつていた世界で自分の護衛役であった少女。周泰幼平こと明命であった。

 

 彼女は小柄な身体で軽やかに蓮華の傍に駆け寄ってきた。

 

「今日は、もうご帰宅ですか?」

 

「ええ、そうしようと思っていたところよ」

 

 自分の表情を下から笑顔で覗いてくる明命の天真爛漫な態度に蓮華は苦笑しながら、微笑んだ。

 

「それでは、よろしかったら少し、私にお付き合いくださいませんか?」

 

「――わかった。明命につきあうわ」

 

 明命が自分を気遣ってそう提案してくれた事に何となく気付いた蓮華は彼女の誘いに乗るのであった。

 

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「――着きましたぁ!」

 

「ここは……黎明館?」

 

 明命が蓮華を連れてやってきた場所は、学園の敷地内に併設された喫茶店。黎明館であった。

 

 聖フランチェスカ学園の生徒達は、憩いの場としてここを良く使用するのである。

 

「さあ、さあ、蓮華さま。入って、入って」

 

「み、明命!?」

 

 立ち止まって黎明館の建物を見上げている蓮華の背を明命が少々強引に押して促す。

 

 黎明館の中は、生徒達であふれて、店内は喧騒に包まれていた。

 

 座る席が少なそうなので、蓮華は明命に諦めるように言いかけたのだが、当の本人は、人混みの中をスイスイと進む。

 

 そして、ある席の前で立ち止まり、「蓮華さまーこっちですよー」と促した。

 

 蓮華は、明命に大声で呼ばれた事に恥ずかしくなったが、店内は喧騒に包まれていたおかげが幸いし、注目を浴びる事はなかった。

 

 明命の許に蓮華が赴くとそこにいたのは、朱里、雛里、鈴々、恋の四人組がいた。

 

「皆さんに頼んで相席にして頂きました」

 

「――ここでよろしければ、ご一緒してください」

 

 明命の言葉に雛里がおずおずといった様子で、蓮華に語りかけた。

 

「ええ。せっかくだし、お言葉に甘えるわ」

 

 蓮華は、雛里達の好意に従い相席をするのであった。

 

 店の人が注文を取りにくるのを待っていた蓮華は、明命に何故、ここへ連れてきたのかを訪ねてみた。すると彼女は、向日葵の咲いたような明るい笑顔で、

 

「それはですねー。あれです」

 

 そう答えて明命は視線を蓮華の後ろへと向けた。

 

 蓮華は、その視線を追って後ろに振り返る。そこで見たのは――

 

 

 執事服を身に纏い、ウェイターの仕事をしている一刀の姿であった。

 

 

「――!?」

 

 思わぬ所で想い人の姿を見て、褐色の頬を紅潮させ驚く蓮華。

 

「えへへ〜。一刀様――じゃなかった、一刀さんがここで働いてる事を今日、クラスのお友達から聞いたんですよー」

 

 笑顔で明命は、蓮華にそう告げる。

 

「はわわ〜」

 

「あわわ〜」

 

 その言葉に反応して、朱里と雛里も蓮華と同じく頬を朱色に染めた。

 

 どうやらこの二人もお目当ては一刀のようである。

 

「朱里と雛里。ほっぺが赤いけど、どーかしたの?」

 

 ほっぺたに生クリームを付けた鈴々がフォークを手に首を傾げながら、二人に問い掛けた。

 

「な、なんでもないですよー鈴々ちゃん」

 

「あわわ、鈴々ちゃん。わたしのショートケーキよかったら食べて!」

 

 慌てて誤魔化すチビッコ軍師ズ。

 

 鈴々はそれに気が付かず、雛里から差し出されたいちごの乗ったショートケーキに目を輝かせて「雛里、ありがとうなのだ!」と言って喜び、隣にいた恋と仲良く半分ずつ分ける。

 

 恋の無言でモコモコと食べる愛らしい姿に明命は、とろけきった表情を浮かべ、「はわー」と呟きながら、お猫様を愛でるような視線を彼女に送っていた。

 

 蓮華も恋の姿に一瞬、意識を遠のかせるが、頭を振って思いとどまる。そして、視線を逸らした先に朱里の持っている雑誌が目に映る。

 

「? 朱里、それは――「いらっしゃいませ」―― 一刀!?」

 

 注文を取りに来た一刀に吃驚して蓮華は、朱里への問いかけを放り投げてしまう。

 

 突然、大声をあげられた一刀も驚き、後ろに身を退いていた。

 

「一刀さん、こんにちわー」

 

「ああ、いらっしゃい明命。何か注文は決まった?」

 

 明命の声で意識を取り戻した一刀はウェイターとして注文をたずねる。

 

「あっ、はい。私は、ホットのカフェラテを――蓮華さまは何になさいますか?」

 

 一刀を見ながらまだ、呆けている蓮華に明命は声を掛けた。

 

「――あっ、そうね……私は、オリジナルブレンドコーヒーをホットでお願い」

 

「カフェラテとブレンドをホットで……以上でよろしいですか」

 

「はい」

 

 一刀と明命は、笑顔で微笑みあう。

 

 そして、一刀は視線をふと、ケーキを食べている妹分鈴々へと向け、苦笑を浮かべた。

 

「ほら、鈴々。ほっぺにクリームついてるぞ?」

 

 一刀は、トレイを脇にはさみ、ポケットからハンカチを取り出して、鈴々の頬についていた生クリームを拭き取る。

 

「お兄ちゃん、ありがとうなのだ!」

 

「どーいたしまして」

 

 暖かな空気が一刀と鈴々を中心に流れたその最中――

 

「あんた! いつまで油を売ってんのよ!」

 

 突如現れたメイド服姿のウェイトレス、詠が一刀の鳩尾貫く。

 

「ぐほっ!」

 

 一刀は、情けない姿をさらして床に膝をつく。

 

「え、詠ちゃ〜ん。ダ、ダメだよ。ごしゅ……一刀さんに暴力を振ったりしたら」

 

 さらに続いて詠と同じメイド服を着た月も現れる。

 

「月! こいつが仕事をサボっているのが悪いんだから、これくらいは当然よ!」

 

「もー詠ちゃんったら、一刀さんが鈴々ちゃんと仲良くしている姿が羨ましかったからって、そんな事しちゃ駄目だよ?」

 

 月の天使の姿をした悪魔の囁き。

 

「うっ! なななな、何でボクが――「はいはい。今は、お仕事中だから後でね?」――ゆ、ゆえぇー!」

 

 笑顔で仕事に戻ってゆく月を慌てながらも一刀を忘れず回収し、彼の襟を掴んで引き摺りながら追いかけゆく詠であった。

 

 蓮華は、その光景に「ははは」と乾いた笑いを浮かべる事しか出来なかった――

 

 

 「所で話を戻すのだが、朱里。その手に持っている雑誌は、何なの?」

 

 一刀が運んでくると何か一悶着ありそうだと感じたホールチーフである那岐沢千砂(なぎさわ ちずな)さんの手により運ばれてきたブレンドコーヒーに砂糖を入れ、スプーンでかき混ぜながら、蓮華は朱里に問い掛けた。

 

「――あっ、これの事ですか?」

 

 朱里は、手にしていた雑誌を蓮華に差し出す。

 

 それは、結婚を控えた女性が読む雑誌、ゼク○ィであった。

 

 蓮華は、肯定し頷く。

 

「えっと、ですね。雛里ちゃんとその、この世界における男女の契りというか結婚式における作法をちょっと勉強したいなーと思いまして……」

 

 朱里とて恋する少女。そういった事に興味が津々なのであろう。恥ずかしそうにしながらも蓮華にそう、うち明けてくれた。

 

「そ、そう」

 

 何となしに尋ねた事が、思わぬ結果になり蓮華もつい、どもってしまう。

 

「それを見て何かわかったことってあるんですか?」

 

 話を聞いていた明命が、興味ありそうな表情で朱里に質問をする。

 

「えっと、ですね。この国では現在、西洋からの文化を取り込んで指輪を夫婦の契りの証として交わし、左手の薬指にこうやって結婚指輪をはめるそうです」

 

 朱里は自分の左手を目の前で開いて、右手の親指と人差し指で輪っかをつくって指輪を表現し、左手の薬指に重ねて見せた。

 

「……なるほど、そう言われると学園の先生方につけていらっしゃる方が何人かいたような気がするわね」

 

「後、結婚を約束した人達が交わす、婚約指輪というものもあるそうです」

 

 雛里が、頬を赤く染めながら朱里の説明に補足を入れてくれた。

 

「へぇーやっぱり、天の世界には、私達が居た世界とは異なる文化があるものなのですねー」

 

 明命が関心したように頷く。

 

(――指輪か)

 

 朱里の見せてくれた写真を見ながら蓮華は想う。

 

 もし、一刀が指輪をくれたなら――と想像を浮かべていたのであった。

 

「あっ、でも、この輪っか、ちゃんと大きさを考えないと、着ける事ができませんね?」

 

 明命の言葉に朱里は、雑誌のページをペラペラとめくり、ある表を見せる。

 

「ここに関節の外周りを糸で測って目安を求めることができる表の一覧があるんですよー」

 

「へぇー」

 

「明命ちゃんも測ってみます?」

 

 興味ありげな明命に雛里は、ポケットからミニ裁縫セットを取り出す。

 

「本当ですか? ――じゃあ、蓮華様も測って貰いましょうよ」

 

「……えっ? ああ、そうね。やってもらおうかしら」

 

 少女達は、お茶をしながらそんな会話を黎明館で続ける。

 

 かつて、戦乱の世に明け暮れていた少女達にとってそんな日々は、とても貴重なものであった――

 

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 それから数日後。

 

 すっかり夜の帳が降りて、今日も黎明館でのアルバイトを終えた一刀は、チーフの千砂に呼ばれていた。

 

「はい、一刀君。今日までのアルバイト代だよ」

 

 笑顔で千砂は、給料袋を一刀の前に差し出す。

 

「今日までのアルバイト。本当に助かったわ―― 一刀君さえよかったら、今後も続けてみない? そうしてくれると私個人としても嬉しいんだけどなぁー」

 

 ニコニコと微笑む千砂に一刀は苦笑する。

 

「那岐沢先輩がそう仰るという事は、既に、来月のシフト組んでますね?」

 

「当たり! お願い、来月も手伝って!」

 

 アルバイトでお世話になった彼女にこうまで頭を下げられては、一刀に断る理由はない。

 

 部活は朝練と土日が主流となってしまうが、両親に頼らずとも自由に使えるお金が今後も欲しい。

 

「――こちらこそお願いします」

 

 故に、一刀は頭を下げる。

 

「ありがとう一刀君! これからもよろしくね!」

 

 一刀から了承を得た千砂は、一刀の手を取って華やかな笑顔を浮かべるのであった。

 

 そんな彼女に一刀が見惚れてしまい、頬を朱に染めていたのはお約束。

 

 ちなみに余談だが一刀は、こういった感じで千砂に何故か頭が上がらない。無論、年長者で頼れる先輩であるのだが――何故だがわからないが、彼女に叱られると愛紗に怒られている気分になるからである。(cv:本山美奈さん)

 

 兎にも角にもこうして一刀は、二ヶ月間で稼いだアルバイト代で目的のものを購入する為にひとり意気込むのであった。

 

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 アルバイト代を貰った日から、数日経った日曜日。

 

 一刀は、私服に着替え、ある街へと出かけていた。

 

 そして、お目あての店の前にたどり着いた。

 

 そこは、指輪などを専門に扱うジュエリーショップで、一刀は悪友である及川の助言により、ここに指輪を買いに来たのである。

 

 一刀は、異性として恋慕している少女、蓮華に自分の誠意と気持ちを込めて指輪を彼女にプレゼントする為にアルバイトを頑張っていたのであった。

 

 そして、一刀は緊張感と共に店の中に入り、ショーケースに並べられた商品を確認する。

 

 その中で、デザインがシンプルな指輪を見付け、一刀は店員のお姉さんに購入の意志を告げた。

 

「はい、畏まりました。それでは、指輪の『サイズ』をお願いいたします」

 

 お姉さんのその言葉に一刀は凍り付く。

 

 ――そう。一刀は、蓮華の指のサイズを知らなかったのである。

 

 画竜点睛を欠く。

 

 男、北郷一刀の野望はここに消えるのであった。

 

「ありがとうございましたー」

 

 店員さんの言葉を背に一刀は項垂れながら店を出る。

 

「はぁ」

 

 情けない溜め息を吐く。

 

「にゃ? お兄ちゃんこんな所でどーしたのだ?」

 

 そんな意気消沈の一刀の目の前にワンピース姿の鈴々が現れた。

 

「――鈴々!?」

 

「どーかしたの?」

 

 吃驚した声を上げる一刀に、鈴々はマイペースに声を掛ける。

 

「いや、何でもないよ」

 

「お兄ちゃんが鈴々にウソをついているのだ!」

 

 鈴々は、怒った表情を浮かべて一刀を責めた。

 

「――そんな、悲しそうなお顔をしてたら、言ってる事がウソな事ぐらい鈴々にでもわかるのだ」

 

 そう言って鈴々は、一転して悲しそうな表情を浮かべる。

 

 彼女は、一刀に嘘を吐かれた事ではなく、彼が辛そうな表情をしているのが悲しいのであった。

 

「――ごめん」

 

 一刀は、鈴々の優しさと自分の不甲斐なさを恥じ、彼女を抱き寄せる。

 

 時間が少し経ち落ち着きを取り戻した鈴々を連れ、一刀は場所を変えのであった。

 

 ジュエリーショップから少し離れたショッピングモールの一角にあるベンチで、兄妹は店で買ったクレープを片手に仲良く座る。

 

 そして、互いにクレープを食べながら、一刀は、鈴々に事の経緯を包み隠さず語り、指輪の購入する時になってはじめて、蓮華の指のサイズを知らない事に気が付き、困っていたと話した。

 

 それを聞いた鈴々は、「鈴々、蓮華お姉ちゃんの指輪のサイズ知ってるよ?」と答えたのである。

 

 一刀は、おもいもよらない鈴々の言葉に目がテンになった。

 

「にゃ?」

 

 そんな一刀に鈴々は可愛らしく首を傾げる。

 

「鈴々!」

 

 一刀は、自分のクレープを鈴々に持たせ、ガシッと彼女の両肩を掴む。

 

「今の話本当か?」

 

「うん。この前、れいめーかんで朱里達と一緒に蓮華お姉ちゃんとお茶した時にみんなで指輪のサイズを測り合いっこしたのだ」

 

 それを聞いた一刀の表情に活気が戻った。

 

「なあ、鈴々。悪いけど、さっき会った所にあるお店に一緒に付いてきてくれないか?」

 

「――合点承知なのだ!」

 

 蓮華の為に一刀が一喜一憂する姿は、幼くとも彼を慕う鈴々としては、辛い部分がある。

 

 けれど、鈴々にとって大事なのは、妹としてとても大事にしてくれる兄的存在の一刀が、笑顔でいられる事が何よりも大事なのだ。

 

 だから、自分の想いに蓋をして、兄の不器用な恋を応援するのであった。

 

 

 二人は連れ添って、一刀が先程、立ち寄ったジュエリーショップに戻ってきていた。

 

 先程、気落ちしていた少年が、再び店にやってきた事に気が付いた店の店員は、彼が少女を連れている事に目を丸くして驚いていたが、二人の会話からどうやら兄妹であるとわかり、納得した顔に戻す。

 

 そんな店員さんに、一刀は鈴々から教えて貰った指輪のサイズを伝え、商品を購入する。

 

 ショーケースから出されたその指輪を鈴々は、目を輝かせて見つめていた。

 

 やっぱり、鈴々も立派な女の子なので、指輪というものにとても興味がわいているようである。

 

 そんな鈴々の姿を見た一刀は「うっ!」とうなってしまう。

 

 鈴々のそんな表情を見てしまったら兄貴分としての甲斐性が――簡単に言うとシスコン魂が働いてしまうのであった。

 

 一刀の手持ちのお金では、蓮華の為の指輪しか購入できない。だが、助けて貰った鈴々に何かの形で報いたいという気持ちも存在する。そんな事を葛藤していると――店員のお姉さんがクスッと笑ったのである。

 

「ねえ、君。ちょっと、勘違いしているみたいなんだけど、この商品は、ペアリングとしての値段だよ?」

 

 その言葉に一刀は、凄い勢いでお姉さんへと顔を向けた。

 

「だからね。もう一つは、君が着けるんじゃなくて、妹さんが着けるのならプレゼント用に分けて箱に入れてあげるわよ?」

 

「本当ですか?」

 

「ええ。お兄ちゃんとしては、こんな可愛い妹さんを悲しませる事はしたくないもんね……けど、同じものだから、それはそれで、彼女さんが嫉妬しちゃうか――そうだわ!」

 

 店員のお姉さんは、一人で考え込み、問題点を呟いていたが、何かを閃いたように声を上げる。

 

「妹さんにはファッションリングとして小指のサイズに合わせるのはどうかしら? 左の小指にはお守りとしての意味も含まれるしね?」

 

 一刀は、店員のお姉さんの言葉に頷いた。

 

「鈴々。今日のお礼にこの指輪をプレゼントさせてくれるかい?」

 

「にゃ! り、鈴々が貰ってもいいのお兄ちゃん!」

 

 兄からの思いもよらなかった提案に鈴々は驚きの声を上げる。

 

 一刀は、笑顔で頷く。鈴々は、嬉しさで一杯になり太陽のように明るい笑顔で瞳を輝かせた。

 

「うん、うん! 鈴々っ! とっても、嬉しいのだ!」

 

 そう言って、一刀の首に飛びつく鈴々。一刀は、吶喊してきた彼女を何とか支える。

 

 そんな兄妹愛に、店員のお姉さんは、商品を渡し終え、二人が店を出た後も、その日は終始笑顔であった。

 

 こうして一刀は、指輪を購入し、蓮華に渡す準備を整えたのである。

 

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 翌日の放課後。

 

 一刀は、蓮華をなるべく人目の付かない校舎の裏側に呼び出した。

 

 蓮華は、一刀からの滅多にない誘いに高鳴る心を抑えつつ、指定された場所へと向かう。

 

 そして、蓮華は一刀の姿を見付けた。

 

 彼は、蓮華に気が付くと、駆け寄ってくる。

 

「蓮華。こんな所まで呼び出してすまない」

 

「ううん。そんな事ない。一刀から誘ってくれるなんて久しぶりだし、嬉しかったから……」 

 

「蓮華……」

 

「一刀……」

 

 二人は、熱の籠もった視線を交わし合う。

 

 だが、一刀はそれに流されず、首を振って思い留まる。

 

「きょ、今日、こんな所に呼び出したのは、蓮華に是非、受けとってもらいたいものが、あって」

 

「――何かしら」

 

 肩透かしを喰らった風になった蓮華は、ちょっと不機嫌そうに答えた。

 

 そんな彼女の態度に気が付かないまま一刀は、ポケットからひとつの小さな箱を取り出してズイッと蓮華の目の前に差し出す。

 

「これを蓮華に受け取って欲しいんだ!」

 

 目の前に差し出された小箱を蓮華は、一刀の顔と見比べながら、おそるおそるといった感じで手を伸ばし受け取る。

 

 一刀からのプレゼントにより、胸の鼓動は高鳴り、体温は上昇し、顔が火照る。

 

 そして、深呼吸をしながら心を落ち着かせて、受け取った小箱を開けた。

 

 中には、シンプルなデザインの指輪がひとつ。

 

「! 一刀これは!」

 

 驚いて、一刀を問いただす蓮華。

 

「あ、うん。ここでは、異性との絆を示す証としてこのゆび――「知ってる!」――そ、そうなんだ?」

 

 蓮華は、顔を俯かせながら、一刀の言葉を大声で遮り、小箱を胸に抱く。

 

「――れ、蓮華?」

 

「ううん、心配しないで。ちょっと、突然の事で驚いただけだから――けど、これを私が貰っていいの?」

 

「蓮華が貰ってくれないと、俺が困るんだけど……」

 

 一刀のその言葉に蓮華は顔を上げる。その瞳には、嬉しさで涙が溜まっていた。

 

 蓮華の瞳から溢れている涙を親指で拭い取る一刀。

 

「――嬉しい。ありがとう一刀」

 

「うん」

 

 互いの想いを再確認し、二人は抱き合う。

 

 久方ぶりの抱擁に心は安らぎ、共に想いを交わし合う一刀と蓮華。

 

「よかったら、指輪をつけて見せてくれないかな?」

 

 蓮華を自分の胸に抱いたまま、一刀がそう提案してきた。

 

「うん。わかったわ」

 

 一刀から身を離し、蓮華は小箱から指輪を取り出す。

 

 小箱を一刀に預け、震える右手で左の薬指を目がけて指輪を――

 

 

 

 

 

 

「あれ?」

 

「ん?」

 

 突如、間の抜けた声を上げる蓮華。

 

 

「? どうして?」

 

 少し、混乱している蓮華に一刀は、首を傾げる。

 

「蓮華?」

 

「かずと〜この指輪、わたしの指に入らないの〜」

 

 さっきとは違った意味で涙を浮かべる蓮華。

 

 余りの出来事に口調も少し、幼くなっている。

 

「えっ! そんな筈は……鈴々からちゃんと蓮華の指のサイズを聞いたんだから間違えはないと思うんだけど」

 

「でも〜やっぱり、はまらないよぉ〜」

 

 蓮華がついに泣き始める。

 

 どうして、こんな事になったのか?

 

 初々しいカップルは、懸命に指輪をはめようと試行錯誤を続けるのであった――

 

-8ページ-

 

「これが、お兄ちゃんに貰ったゆびわなのだ〜」

 

「へぇー」

 

「いいなぁ、鈴々ちゃん」

 

 所変わって、黎明館に集まった鈴々、朱里、雛里の三人は、先日、鈴々が一刀に買って貰ったという指輪を見ていた。

 

 その指輪は――鈴々の『左薬指』にぴったりと収まっている。

 

 鈴々の左手にある指輪を見ながら、朱里と雛里は、そろって熱い視線を向け共に「はふぅ」と溜め息を吐いていた。

 

「――けど、ちょっとおかしいのだ」

 

「何がですか?」

 

 鈴々の言葉に雛里が首を傾げる。

 

「うん。お兄ちゃんは、これは『ふぁっしょんりんぐ』だから鈴々の小指のサイズに合わせて貰ったって、言ってたのにぶかぶかで、はまらないから試しに薬指につけてみたら、ピッタリだったのだ。どうしてかなぁ?」

 

「はわわっ、も、もしかして、ご主人様――じゃなかった、一刀さんからの鈴々ちゃんへの遠回しのプロポーズ?」

 

「あわわ! 『この指輪が鈴々の小指に丁度いい大きさになったら、結婚指輪を改めて贈らせてもらうよ』、とゆーことなのかなぁ?」

 

 賢いが故にその想像力が、桃色乙女回路と合わさって爆発的な妄想を生む、伏龍と鳳雛。何か、それだけで新しい外史が出来るパワーを感じるのはきっと気のせいである。

 

「にゃー。鈴々、嬉しいけどちょっと恥ずかしいのだ」

 

 二人の言葉を真に受けた鈴々は、照れてふにゃふにゃの笑顔を浮かべた。

 

 だが、突如、目の前に居る二人が、まるで狼に睨まれた子ウサギのように、顔面蒼白になって手を取り合って「はわわ」「あわわ」とぷるぷると震え出す。

 

「どーしたの?」

 

 鈴々の問いかけにも二人はただ、震えているだけで答えない。

 

 

 

 

 

 

 その刹那――鈴々の背中に冷たい殺気が奔る。

 

「――鈴々。先程から、何やら楽しそうな話をしているようではないか?」

 

 この世界においてもアイシャゴンは相も変わらず、健在のようであった――

 

 

-9ページ-

 

 後日談

 

 愛紗の嫉妬により、重傷を負った一刀は何とか一命を取り留めた。

 

 そこで、蓮華と鈴々の指輪が手違いで逆になって事に当事者達は気付いたのである。

 

 鈴々は、その事を知ると、蓮華との指輪を交換し、指輪は本来の人物の手に渡り、事なきを得た。

 

 蓮華は、そんな鈴々の素直さと心の広さにとても感謝するのであった。まあ、鈴々も指輪を一刀から貰っているのだから、他の者達とは違い心に余裕があるのだろう。

 

 こうして指輪狂想曲は、無事に幕をおろすかのようにみえたのだが――

 

 

 

「一刀! ズルイやんか! 蓮華と鈴々だけに指輪をプレゼントするなんて! ウチも一刀からの指輪欲しいねん!」

 

 愛紗から受けた傷が癒えた後、学園に登校した一刀は、いの一番に教室に駆け込んできてそう叫ぶ、張遼こと霞によって撃沈。

 

 机に頭をぶつけて項垂れる一刀。

 

 いっその事、ひとおもいに殺して欲しかった。――『張来々』の名は伊達じゃない。意味、違うけど。 

 

 霞の発言により一刀は、事情を知る及川他、友人数名以外のクラスメイトから白い目で見られる事になる。

 

 桃香や愛紗を始めとした女性陣も不機嫌だし、踏んだり蹴ったりの一刀であった。

 

 

 

 

 まあ、そんな日常の中、裏で華琳が手駒にした代議士達を使って、法改正の手続きの下準備を秘密裏に進めていた。

 

 何かって言えば、ぶっちゃげ『一夫多妻制』の容認を国会で認めさせる事。

 

 やっぱり、華琳様はどう転がっても、どんな世界にいても『曹孟徳』なのであった。

 

 どっちにしても、一刀と蓮華の未来は、ある程度定まっているようである。

 

 狂想曲は演目を変えて続く――

 

 

 おしまい

 

 

  

説明
この作品は、当サイトで1,000,000Hitのキリ番をされた方(何故か二名いました)の要望によるキリ番SSです。ヴァレンタインネタとかじゃあ、他のみなさんに太刀打ち出来ないので、IQ78の頭で必死に考えた外史です。楽しんで頂けたら幸いです。
キャラクターの設定が無印と真がごちゃまぜなのはご容赦してくださいませorz
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コメント
明命が出てるのに雪蓮がでてこない(rababasukan)
>雪蓮さん メッセージありがとうございました。サイトの方でもブログにて蓮華が主役の短編が1本ございますので、まだお読みでないのなら、是非そちらもお願いいたします。(藤林 雅)
>ウィンドさん ガイアさん りばーすさん お褒めの言葉ありがとうございます。華琳様は、登場シーンが少なくとも存在感がある。そういったイメージが表現出来ればいいなぁと常々思っています。 (藤林 雅)
藤林さんのSSは最高です!蓮華が主役って所がまたいいですね。(雪蓮)
やっぱり藤林さんのSSはすばらしい。今作(個人的に)影が薄かった華琳さま。やはり覇王ですね。(りばーす)
目指せ、世界の黒幕華琳様。(ガイア)
久しぶりに 無印恋姫アフター的なネタ見せてもらいました! いやぁおもしろい!そして華琳様裏でなにやらこそこそと楽しそうではありませぬか(ニヤソ(ウィンド)
>HM-6さん コメントありがとうございました。華琳様の暗躍には『照れ隠し』と『何が何でも一刀を手に入れる』というエッセンスが含まれています。……アイシャゴンは当サイトの代名詞みたいなものなので愛紗には悪いと思いますが、オチによく使用しています。(藤林 雅)
回天さん 一刀君にはみんなに対しての責任があるのだから、これくらいは耐えていただかないといけませんよね?(藤林 雅)
>Poussiereさん 猫神さん 書き込みありがとうございました。華琳様の活躍がご期待にそえたのなら幸いです。(藤林 雅)
『アイシャゴン覚醒』、『華琳様暗躍』は藤林さんの恋姫小説には外せませんね、最高です。(HM-6)
一刀は女に振り回されてこそ一刀という感じでとても楽しかったです。(回天)
華琳さま・・・流石というかなんというか・・・・一刀の自我が失われるのは目に見えるなw(猫神)
華淋なら、やってくれるだろうと思ってましたwwww (Poussiere)
>タタリ大佐さん 凍傷さん MiTiさん @@さん コメントありがとうございます。正直、後半がまとまりが無い作品になってしまった事に反省をしています。……けど、華琳様最高という事でお許し頂けたら幸いです。(藤林 雅)
なんというか…一刀達らしいですね。良かったです(MiTi)
さ、最後の華琳様に愕然としてしまった……流石(タタリ大佐)
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