IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode181 憎しみ
簪は飛来するビームをヘヴィーハンマーを振るって打ち消すと、背中のビームキャノンをエリアルに向けビームを放って牽制する。
ウェンディはビームを右腕のボード型シールドライフルで防ぐと、先端を向けてビームを放つが、ハンマーを振るってビームを打ち消し、両脚の増加アーマーよりミサイルを放つ。
「ちっ!でっかい武器を使っている割には器用っすね!」
背中のスラスターを噴射して後退しながらボード型シールドライフルと胸部ビームキャノン、左掌のビームマシンガンを放ってミサイルを撃ち落す。
直後に背面ユニットのスラスターを噴射して飛び出すと左掌よりビームサーベルを出して振り下ろすも、簪はヘヴィーハンマーを振るい先端部の打撃面と刃を交える。
両者押し合いになるも、直後に弾かれるように離れ、ボード型シールドライフルとビームキャノンを同時に放ち、ビームが衝突して大爆発を起こす。
「くっ!」
ウェンディはボード型シールドライフルを前に出して爆風を防ぐが、その間に簪は爆風の中を飛び出し、そのままウェンディの方へと飛び出す。
「っ!」
気づいた時には簪はヘヴィーハンマーを振り被って迫っており、とっさにボード型シールドライフルを前に向けてビームを放つが、そのままヘヴィーハンマーが振り下ろされてビームを打ち消していく。
ウェンディはすぐに後退し、ボード型シールドライフルを前に出して防ごうとするが、ヘヴィーハンマーの打撃面がボード型シールドライフルにぶつかった瞬間ボード型シールドライフルが粉々に粉砕された。
「ぐあっ!?」
更にボード型シールドライフルが砕けた瞬間に右腕に激痛が走り、そのまま思い切って吹き飛ばされる。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
スラスター全開で飛び出すと、身体を回転させながらヘヴィーハンマーを振るい、エリアルの胸部のビームキャノンに殴りつけて破壊すると同時に無人島の方へと勢いよく吹き飛ばした。
「・・・ここまで威力があるなんて」
簪はその威力を見て改めてヘヴィーハンマーの威力を知る。
だが、同時に危機感を覚えていた。
(普段じゃ・・・強すぎて使えない・・・)
機械相手だから容赦なく出来るが、これが生身の人間だったら恐らくとんでもない状態になりかねない。
「・・・・」
そのまま無人島の浜辺に墜落したウェンディの方へと向かう。
「・・・・」
無人島から少し離れた所に、シナンジュを纏うスコールがいた。
「あなたから赴くなんて、珍しいわね」
顔を前の方に向けると、ダークハウンドを纏うアーロンがやって来る。
「よく飽きないものだな、スコール。仲間を二人も死なせて置いてよくまだ襲おうとするとは」
「・・・・」
「お前だって今世界で起きている事は分かっているはずだ。なのになぜ俺達を襲う」
「・・・・」
スコールは何も言わない。
「・・・それほど亡国機業の目的が優先か。それとも、やつらの傘下に入ったのか」
「まさか。あくまでナンバーズは亡国機業の別働攻撃隊。主権は私の方にある」
「・・・・」
「・・・むしろ私達にとっては、この状況は好都合なのよ」
「・・・・」
「シャドウによって世界は恐怖に陥った。そして対抗する為に一つへとまとまり出している」
「・・・・」
「・・・つまり、力による世界のコントロール。それがお前達亡国機業の目的か」
「半分はその通りよ、キャプテンアーロン」
「・・・・」
「あなただって知っているわよね。この世界が腐敗していくのを」
「・・・・」
アーロンは何も言わない。
「元より腐敗されていっているのがISの登場によって更に促進された。
それによって世界中で何が起きていたか」
「・・・・」
「亡国機業は大昔から世界を見続けた。そしてどんどん腐敗していく世界を見てきた」
「・・・・」
「だからこそ、世界は変わらなければならない。力を持つ者によって統括する世界に・・・」
「・・・・」
「あなたはその腐敗を取り除くべく、海賊として活動していた。その時点では私達と同じ行動目的だったのに・・・」
「お前達と一緒にするな。力で物を言わせ、世界をコントロールしょうとする組織とは違う」
「それはあなただって同じはずよ。篠ノ之博士と共に行動している時点で、あなたは最強の力を持っている。
それこそ力で物を言わせているのと同じ事よ。違うかしら」
「・・・・」
アーロンは何も答えず、リアアーマーよりビームサーベルの柄を両手に持って抜き放つと、ビーム刃を出す。
「俺は世界の不正を正す為に力を得た。それが正義とは呼べないから、俺はあえて悪として海賊の道を選んだ」
そのまま身構えると、スコールもシールドよりビームアックスを出す。
「それが世界中より忌み嫌われてもな」
「・・・・」
「そして、今も後悔はしていない」
そして二人は同時に飛び出すと、得物を振るいビーム刃を交える。
戦域の空中を二つの閃光が駆け巡る。
赤いレギルスはXトランスミッターより光の球を出して隼人に向けて飛ばすも、隼人はサイコフィールドを放って光の球を消滅させるとビームマグナムを二発連続で放つも、スラスターを噴射してかわす。
直後に背中と両肩のビームキャノンを一斉に放つが、隼人はフィールドでビームを弾きながら左手にマグナムのマガジンを展開して装填する。
そのまま前に向け、リボルビングランチャーよりビームランチャを放つも、赤いレギルスは上昇してかわす。
「やるな」
隼人はスラスター全開で飛び出し、ビームマグナムを収納すると両腕にアームドアーマーBSとアームドアーマーVNを展開して装着すると、サイコフレームを発動させてアームドアーマーBSを展開してビームを照射する。
赤いレギルスは照射されるビームをかわすと、Xトランスミッターより大量の光の球を出して飛ばすも、サイコフィールドを発生させて一気に飛び出すと、光の球を打ち消す。
その直後に左腕のビームトンファーを展開して振るうも、赤いレギルスも左掌よりビームサーベルを出して振るい、ビーム刃を交える。
直後に両者は弾くように離れると、赤いレギルスは腹部のビームキャノンを、隼人は右腕のアームドアーマーBSよりビームを照射し、両者のビームが衝突して大爆発する。
しかし爆風や衝撃をお構いなしに両者は一気に上昇しながら接近し、得物を振るいビーム刃を交える。
「さすがだね、タイプゼロ。以前より更に力を増しているようだね」
「・・・・」
「素晴らしいよ。実に素晴らしいよ」
「知るか」
隼人は赤いレギルスを押し返すと左腕のアームドアーマーVNを牙の様に展開して突き出すも、赤いレギルスは一瞬の速さで後退する。
「お前に何を言われてもちっとも嬉しくも何とも無い」
すぐに右腕のアームドアーマーBSを向けビームを照射するが、そのまま急上昇してかわすも、その直後に背中に背負うアームドアーマーDEのビームキャノンを放つ。
しかし左腕のシールドを前に出してビームを防ぐと、Xトランスミッターより大量の光の球を放つと、一気に飛ばす。
隼人はサイコフィールドを最大にして放つと、光の球を消滅させると一瞬の速さで飛び出し、赤いレギルスの右を通り過ぎると、右肩のビームキャノンを切り裂く。
「っ!」
更に急旋回して戻ってくると、背中右側のユニットを切り裂くと、右膝のアーマーも切り裂いた。
「・・・さすがに試作段階の『レギルスR』でタイプゼロが相手では分が重すぎたか」
アルベルトは冷静に分析すると、後ろに下がって隼人の攻撃をかわす。
「ちっ」
舌打ちをすると赤いレギルスの方を向く際にアームドアーマーBSを照射しながら振るうが、アルベルトは宙返りをしてかわす。
「これ以上君と戦うのはこちらにとっては分が悪いようだ」
「・・・・」
「目的は果たせなかったのは残念だが、ここを奪取する重要性はそれほど高くはない」
「・・・・」
「次に会えるのを楽しみにしているよ、タイプゼロ」
と、アルベルトが後ろに振り返って戦域を離脱すると、それに続いて無人機とナンバーズのメンバーも続いていく。
アーロンと交戦していたスコールは弾かれるように離れるとビームライフルを放って牽制し、直後にシールドより閃光を放って視界を遮り、そのまま戦域を離脱する。
「退き際がいいな」
撤退していく敵機を見ながらサイコフレームの輝きが消えると、装甲が閉じていってユニコーンモードに戻る。
「・・・・」
隼人は周囲を見渡して状況を確認する。
(ナンバーズの戦闘機人を四人も拘束したか。まぁあんまり情報が得られると期待はしてないが)
遠くで無人島に拘束された戦闘機人四人を確認する。
(リアスに・・・確かウェンディとノーヴェ、それにノインだったか?)
捕まっていた時の記憶を浮かべて四人の名前を思い出す。
「・・・・?」
隼人はとっさに左の方を見ると、ふらつきながらもボロボロになったゴールドフレーム天がアルベルトが逃げて行った方に向かおうとしていた。
「楯無さん!」
とっさに楯無に近寄ると左肩を掴んで留める。
「・・・離してよ、隼人君」
いつもの調子では出ないような憎しみに囚われた声を出す。
「何を言っているんですか。そんな状態で追いかけるなんて――――」
「そんな・・・関係ない。あいつがいるのよ。早瀬の仇が目の前に!」
楯無は手を払い除けると振り返って隼人を見る。
「・・・・」
隼人は殺気を向けられても動じない。
「ずっと、ずっと探し続けたあいつがいるのよ!それなのにこのまま逃がすなんて私には耐えられないのよ!」
あまりにも憎しみに囚われて、いつもの楯無とは思えない状態にまで陥っていた。
「・・・・」
「あなたには分からないでしょ!目の前で想い人を殺された私の気持ちなんか!」
「・・・・」
同時に周囲の事が見えない状態までになっていた。
「想い人を目の前で失った事の無いあなたになんか――――」
「・・・失礼します」
と、隼人は楯無に近づくと、右拳を突き出してゴールドフレーム天の腹部に叩き付ける。
「っ――――」
楯無は言葉を発する事無く、そのまま気を失ってうな垂れる。
「・・・・」
うな垂れる楯無をそのまま抱き抱える。
「・・・らしく無い・・・らしく無いですよ、楯無さん」
少し悲しそうな声で呟くと、気を失った楯無を抱えたまま無人島の方へと向かう。
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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