【獣機特警K-9UG】ミライ暴走!?ドローア研究室の罠(後編)【交流】 |
前回のあらすじ。
ドローア研究室の開発した装置によって電子頭脳を狂わされ、
吸血鬼ならぬエネルギー吸い取りロボットにされてしまったK-9隊・9号機の筑波未来。
彼女はより多くの女性ロボットを狙い、ラミナ市内にあるメインストリートのひとつ『ドクトラン通り』に出ていた。
そんな彼女を尾行し、様子を見ていたのはドローア研究室の大ボスたるドローア教授と、そのよき相棒タイニー・アージェント。
「…さて、ここからが恐ろしいショーの始まりぢゃわ」
「ワクワク」
と、怪しげな笑みを浮かべるドローア教授とタイニー。
そんな彼らとはよそに、瞳を赤々と怪しく輝かせてターゲットを探すミライ。
すると、その視線の先に一組の夫婦が歩いてきた。
「…でさ、今度また『カラテマスター』のMVS(ミニビジョンスティック。DVDとかブルーレイに変わる媒体のようなもの)が出るんだけどさ」
「はは、ジャックったら相変わらず空手バカだなぁwよし、ちょうど僕も隊員たちを訓練しようと思ってたとこだし、参考までに見てみるかな!」
歩いてきた夫婦は空手界にその人ありといわれた格闘家、ジャック・ココノエと、その妻でありK-9隊1号機の久遠・ココノエであった。
二人が話しながら歩いていると、突然その進路をふさぐかのように何者かがやってきたのだった!
「…な、なんだ?」
「あぁ、新しいK-9隊の隊員の筑波未来だよ。こんなところで会うなんて…」
しかし目の前に現れたミライはどこか様子が違う。
クオンを睨みつけるなり、喉をうならせるばかり…。
「ミライ?おーい、どうしたんだよ?」
「……吸ワ…セロ…吸ワセロ…」
その明らかにおかしい様子に、ジャックが気づかないはずもなかった。
「…クオン!こいつ様子が変だぞ!!」
「へ!?」
次の瞬間、ミライはクオンめがけ突進する!!
「待てミライ!僕がわからないのかっ!!」
「吸ゥゥゥワァァァセェェェロォォォ!!!!」
必死に叫んで訴えるクオン。突進してくるミライの前にジャックが立ちふさがるが…!
「やめろ!クオンの後輩ならおとなしく…」
「ドケ!野郎ニ用ハナイ!」
「うわ!!」
いとも簡単に突き飛ばされてしまうジャック。ミライがいかに暴走しているかがうかがい知れよう。
やがてミライはその怪力でクオンを押さえつけ、あの時と同じようにエネルギーを吸い取ろうとその唇を近づけた。
「ミライ…本当にどうしちゃったんだよ…どこか故障して…!」
絶体絶命、クオン危うし!?まさに…あと数センチのところであった。
「いてて…なんて馬鹿力だ。本気でかからないとこりゃあ…」
ジャックがなんとか立ち上がると、そこにあった光景は一変していた。
「グワァァァァッ!!」
「へ!?」
「く、クオン!?」
なんと、あと数センチでクオンのエネルギーを吸い取ろうとしていたミライが突然苦しみ始めたのだ!
「クオン!大丈夫か!?」
「さ、さぁ…近づいてきたと思ったらミライのヤツ、突然苦しみだして…」
すると頭を抱えていたミライは思わぬ言葉を口にした。それは…。
「十字架イヤダァ!嫌イダァァァァッ!!!」
「「じゅ、十字架!?」」
「クオン、もしかして今君がつけてる…」
「ああ、このチョーカーの十字架?でも十字架が嫌いって吸血鬼じゃ…吸血鬼!?」
ふと、クオンの頭脳回路の中で何かがひらめいた。
「そうか!ミライは今ロボット吸血鬼になってるんだ…だったらとくと拝ませてやる!!」
と、チョーカーを外し、十字架の部分をミライに突きつけるクオン。
「ほらほら、これが嫌いなんだろ!」
「ヤメテ、助ケテ、十字架、キライ、キライ…アァ、アアアアアアア!!!」
どんどん近づいていくクオンに対し、ミライは頭を抱えながら後ずさっていたが、
やがてその場にひざを突くや、大空を仰ぎ悲鳴を上げる!!
…そしてひとしきり叫ぶと、クオンの胸の中に崩れ落ちた…。
「ど、どうだ?」
「落ち着いたよ…どうやら効果は抜群みたいだネ」
一方、ミライの様子を見ていたドローア教授たちは…。
「おい!十字架でやられちゃったぞじっちゃん!」
「うーむ…テンプレ的な吸血鬼を再現したのがいかんかったかの」
「そ、それってまさか…」
「うむ。『十字架』は弱点のひとつぢゃ」
「なーるほど…って言ってる場合かーっ!!」
と、漫才を繰り広げている二人組の後ろに、一人の影が歩み寄ってきた。
「…へぇー、ずいぶん大人しくなったなと思ってたら…まだこんな悪事を働いてたんだ…?」
「バ、バカモン!お、お、おまえが大声出すからK-9隊が来てしもうたぢゃろ!」
「じっちゃんが余計なことするからだろ!」
「ふ、ふん!だがここに来たのは間違いぢゃなK-9よ。こいつでお前も吸血ロボットにして…」
と、例の装置を取り出し、クオンに向けて発射しようとしたそのときだった!
「あ、あれ…?」
どこからともなく飛んできた一条の光線。それは装置を突き抜け、一瞬のうちに破壊した!
『こちらナタリア。目標の装置を撃破しました』
「はい、ご苦労さん。さぁて、覚悟はできてるよね二人とも」
「おいじっちゃん、どーすんだよ?オイラ今日は武器積んで来てねーぞ?」
「そ、そうぢゃな…ここはひとまず…退却ぢゃあ!!!」
「あっ!こら待てー!!!」
…ドローア教授たちが逃げさって数分後。
「あ、あれ…あたしは…?」
「ミライ、気がついた?」
目を覚ましたミライの瞳は、本来の色であるバイオレットに戻っていた。
「そ、そうだ、あたしあそこの川沿いを歩いてたら突然変な光が当たって、それで…あれ、あれ…」
「クオン、どうやらこいつ記憶がないみたいだぞ」
「ムリもないよ…電子頭脳を狂わされて吸血ロボットになってたんだから」
「きゅ、吸血ロボット!?そんな!あたしもしかして誰かの血を!?」
「もっとも、血じゃなくってロボットさんたちの電気エネルギーを吸ってたみたいだがな」
「じゃ、じゃああたし…あたし…」
「ミライ、泣くことないって。ミライを吸血ロボットにしたのはドローア教授たちなんだから」
と、クオンが事情を説明した途端、ミライの瞳に怒りの炎が灯った!
「なんですってぇぇぇ!?…おのれドローア…見つけ次第ボコる…!」
「え!?ちょ、ちょっとミライ?ドローア教授はもうとっくに逃げ…」
「ドローアァァァ!!あたしを吸血鬼にしやがってーーーー!!オラっ!出て来いドローアーーー!!!」
…夕日に染まるドクトラン通りに、ミライの怒りの雄たけびがこだました…。
なにはともあれ、K-9隊員を襲ったしょーもない事件はこれにて落着したのであった。
「落着してぬわーい!ドローアめっ、引きずり出してギタギタにしたるからなーっ!!覚えとけチクショーッ!!!」
説明 | ||
吸血ロボットにされてしまったミライが、クオンを襲う! 果たしてどうなるこの(しょーもない)事件! ミライ:http://www.tinami.com/view/568457 ドローア教授:http://www.tinami.com/view/582695 クオン:http://www.tinami.com/view/551025 ナタリア(セリフのみ):http://www.tinami.com/view/551658 ジャック(TG):http://www.tinami.com/view/544844 タイニー(TG):http://www.tinami.com/view/380053 |
||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
1335 | 1293 | 2 |
コメント | ||
むしろ迷惑かけたのドローア研究室なんですがねw(古淵工機) ミライがご迷惑をおかけしておりますwww 怒らせると吸血鬼より面倒かもしれないですねー(ネオペディ) どうも、名前お借りしちゃいましたwちなみに前編には謎ちょうちんおにぎりも出てますwww(古淵工機) なぜそこまで忠実に吸血鬼の能力をコピーしたしwww そして通りの名前www(Ν) |
||
タグ | ||
【獣機特警K-9UG】 【K-9UG】犯罪者 【K-9UG】ドローア研究室 【K-9UG】一般 【K-9UG】交流 【K-9UG】K-9隊 【K-9UG】 | ||
古淵工機さんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |