IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者?
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episode182 変わらぬ結果

 

 

 

 

「いやぁそれにしても、立場が逆転したっすねぇ、ゼロ」

 

「全くだな」

 

「ふん」

 

「・・・・」

 

 ウェンディは床に胡坐を組んで座り込んでポジティブに言い、リアスは壁にもたれかかって腕を組み、ノーヴェは不機嫌そうに鼻を鳴らし、ノインはイスに座っているが、何も言わない。

 

 戦闘後拘束した戦闘機人はネェル・アーガマの捕虜室に入れられて監視されていた。

 調べた所危険物が体内に危険物は無く、特に危険視する箇所も無い。

 

 

(戦闘機人を犠牲にしてまでネェル・アーガマを破壊する気が無くてよかったよ。

 まぁ仮にあってもバンシィ・ノルンのサイコジャックで完全停止させるけどな)

 

 

 透明な壁の向こうに隼人が腕を組んで四人を見ていた。

 

「そんで、私達をどうするんっすか、ゼロ?」

 

「このまま私達を置いているわけでは無いのだろ?」

 

「まぁな。俺の権限でお前達の処分を決められるものじゃない。だが、今お前達の処分を決める暇が無い。

 だから、このままずっと大人しくしてもらうぞ」

 

「そう簡単に大人しくしていられるはずが無い、と言いたいところだか・・・今の状況で仕方無いな」

 

「そうっすね」

 

「ちっ」

 

「・・・・」

 

 拘束後四人の戦闘機人のISは接収され、更に調査の為にコアを含め全てが解体されているので反抗手段は無い。

 仮に手段があっても、ネェル・アーガマは次の目的地である大西洋へと出発している為に空を飛んでいる。なので逃げ場など無い。

 

「まぁゆっくりと考える時間はある。それぞれ今後どうするか考えるがいい」

 

「考えるって言ってもっすねぇ」

 

「・・・・」

 

「ふん」

 

「・・・・」

 

 

「まぁ、考えてみるだけ考えてみろ。別に内容を笑う事はない」

 

 そう言って隼人は捕虜室より出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次に隼人が向かったのは中央格納庫。

 

「・・・・」

 

 腕を組んで静かに唸る視線の先には、天井のクレーンで吊らされたゴールドフレーム天であった。

 

 右腕のトリケロス改と背中のマグノクイチは失い、左手と左足も失い、それに各所の装甲を失っており、金色に輝いているはずのフレームも傷だらけになって輝きを失っていた。

 

(モジュールが全部大破し、しかも内部機器の損傷が激しい。すぐに修復できるレベルじゃないな。

 ここまで来ると一層の事改装した方が早い気がするな)

 

 あまりもの修復する課題の多さに頭を悩ませる。

 

(・・・やっぱりゴールドフレーム天と楯無さんの戦闘スタイルと合わないのか。その点だとあいつに敗北した要因の一つかもしれんが、最もの要因は楯無さんの状態か)

 

「うーん」と首を傾げて唸る。 

 

(やっぱりミステリアス・レイディの様な機体じゃないと楯無さんとうまく合わないのか。だけど、それを可能とする機体が他にあるかどうか・・・)

 

 水を使う事に関連するMSがうまく思い浮かばなかった。

 

 

 

 

(いや、それ以前にレギルスのビーム兵器の対策が無いとどうしようもないな)

 

 赤いレギルスの攻撃に対して楯無が一方的にやられていた事を思い出す。

 

(コーティングを施そうにも相手の出力的に弾けない。ビームを減衰させる何かを通してなら防ぐ事は可能だろうが・・・)

 

 しかしただの水では蒸発してしまうし、かと言って蒸発する前にビームを減衰させる程の分厚い水をわざわざ纏わせるわけにもいかない。

 

「・・・・」

 

 

 

「・・・っ!」

 

 深く考えていると、突然左目があった場所より痛みが走って左手で眼帯を押さえる。

 

(っ・・・またか・・・。ここ最近になって多くなってきたな)

 

 しばらく押さえていると、痛みが引いていく。

 

「・・・・」 

 

 それから少し咳き込みながら色々と考えてから、格納庫を出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・」

 

 自室に戻ってからも考えていた。

 

(なるべく楯無さんの力になってやりたいけど、どうすればいいんだ)

 

 考えるにつれて表情が険しくなる。

 

(だが、今の楯無さんに力を与えて良いのか・・・)

 

 ドクターアルベルトを前にして憎しみに囚われた楯無の姿を思い出す。

 

(力を与えても、以前のままだったら・・・死にに行かせる行かせるものだ・・・)

 

 考えても今の楯無の状態では、負けるのが目に見えている。

 

「・・・・」

 

 

 

 

 

「・・・・?」

 

 すると制服の上着の裾が引っ張られ、隼人は右の方を見ると、ヴィヴィオが不安そうな表情を浮かべて裾を掴んでいた。

 

「どうした、ヴィヴィオ?」

 

「・・・怖い顔して・・・どうしたの?」

 

「・・・あ、えぇと、少し怖かったか?」

 

 思い当たる節があったので問い返した。

 

「・・・・」

 

 こくりとヴィヴィオは縦に頷く。

 

「そうか。それはすまなかったな」

 

「・・・・」

 

 

 

 

 

 

「・・・なぁ、ヴィヴィオ」

 

「・・・・?」

 

 しばらくして隼人が聞くと、ヴィヴィオは目をぱちくりとさせて隼人を見る。

 

「ヴィヴィオは・・・俺の事をどう見ているんだ」

 

「・・・・?」

 

 怪訝な表情を浮かべて首を傾げる。

 

「別に変な事を聞くわけじゃないんだが・・・ちょっと気になる事があってな」

 

「・・・・」

 

「そうだな・・・・・・例えば・・・お父さんとか、そんな所だな」

 

「・・・・」

 

 

 ヴィヴィオは少し考えるも、ゆっくりと頷く。

 

「・・・・」

 

 内心で少し驚くも、どこか分かっていたような自分が居た。

 

「どうしてだ?」

 

 平然を保ちつつ問い返す。

 

 

「・・・わからない」

 

 少ししてヴィヴィオは口を開く。

 

「・・・・」

 

「ただ・・・そんな気がするの・・・」

 

「そうか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・じゃぁ、ヴィヴィオは・・・俺の事をどう呼びたいんだ?」

 

「・・・・」

 

「呼び名がある方がヴィヴィオにとっても良いと思うから」

 

「・・・・」

 

 しばらくヴィヴィオは考え込む。

 

 

 

 

「・・・・・お・・・父さん」

 

「・・・・」

 

「そう・・・よんでも・・・いい?」

 

 上目遣いでヴィヴィオは隼人を見る。

 

「・・・ヴィヴィオ」

 

 何となく想像は付いていたけど、隼人は戸惑う。

 

「・・・だめ・・・なの?」

 

 

 

「・・・いいよ。そう呼んでも」

 

「・・・・」

 

 隼人は一旦イスから立ち上がると、ヴィヴィオと視線を合わせる為に前に片膝を床に着けてしゃがみ込む。

 

「ヴィヴィオがそれを望むのなら、俺は否定はしない」

 

「・・・・」

 

「俺も・・・ヴィヴィオが安心して頼れる父親になれるように・・・努力するよ」

 

 隼人はヴィヴィオの頭を優しく撫でる。

 

「・・・お、お父・・・さん」

 

「何だ?」

 

 

 するとヴィヴィオは隼人に抱き付く。

 

 

「・・・・」

 

 そのままギュッと抱き締める。

 

「ヴィヴィオ・・・」

 

 隼人は優しくヴィヴィオの髪を撫でる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・?」

 

 すると扉横にあるモニターより呼び出し音が鳴る。

 

 隼人は一旦ヴィヴィオを離してから立ち上がり、頭を軽く撫でてからモニターの前に来てパネルに触れる。

 

 

 

『・・・わ、私だけど・・・隼人君』

 

 モニターに自室の前に立っている楯無の姿が映っていた。

 

「楯無さん。何か用でも?」

 

『え、えぇ。少し、話せるかしら?』

 

 少し表情が暗く、どこか落ち着きが無かった。

 

「構いませんよ。少し待ってください」

 

 と、一旦モニターを消すと、ヴィヴィオの方を見る。

 

「ヴィヴィオ。ちょっとだけ出かけるからな。大人しくしているんだぞ」

 

「う、うん。・・・・・・い、行って・・・らっしゃい・・・・・・お、お父さん」

 

「あぁ」

 

 そうして隼人は振り返ってから扉を開け部屋の外に出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、話とは?」

 

「・・・・」

 

 隼人は楯無に連れられて、ネェル・アーガマ内にある外が見える展望デッキに来ていた。

 

「その・・・あの時はごめんね。・・・あんな醜態を晒して」

 

 あんな醜態。言わずとも憎しみに囚われた自分の姿だろう。

 

 

「俺は別に気にはしていません。あぁなる事は・・・ある程度予想は付いていました」

 

「・・・・」

 

「いくら事前に警告を入れていたとしても、その時になったら感情を操作がうまくいかなくなるものです」

 

「・・・・」

 

「楯無さんだって、人間ですからね」

 

「・・・そう、ね」

 

 楯無は俯く。

 

「私だって・・・何とか抑えていたんだけど・・・でも、どうしてもあいつが・・・早瀬の仇が目の前に居ると考えたら、怒りが込み上げて来て・・・」

 

 と、拳を握り締める。

 

「憎い・・。あいつが本当に憎い。殺してやりたいほどに・・・」

 

 少しずつ声に怒りが篭り出していた。

 

「・・・・」

 

「でも、そうやって復讐をしたって・・・何も変わらない。私が救われる事はない。

 早瀬だってそんな事は望んでない。それは分かっているんだけど・・・・・・分かっているんだけど・・・それを認めたくない自分が居る・・・」

 

 同時に悲しみがこみ上げて来て、何らかの拍子で泣き崩れるかそんな所だった。

 

「・・・・」

 

 

 

 

 

 

「・・・それと・・・もう一つ謝らないといけないわね」

 

「・・・・」

 

「・・・あの時・・・怒りに呑まれて隼人君に酷い事を言ってしまったわね」

 

「・・・・」

 

 

 

『想い人を目の前で失った事の無いあなたに何が分かるって言うのよ!』

 

 

 

 隼人はあの時の言葉を思い出し、感情が高ぶりそうになるが、何とか堪える。

 楯無だって故意で言ったわけじゃないの分かっている。だが、分かっていても感情が高ぶってしまう。

 

 

 

「あなたにとっては・・・とんでもない事を言ってしまった。

 いくら謝っても・・・許されるものじゃない」

 

「・・・・」

 

「隼人君・・・私は――――」

 

 

 

 

 

「もういいんですよ」

 

 と、楯無が言い終える前に隼人が言葉で遮る。

 

「で、でも・・・」

 

「何度言っても、もう過ぎ去った事です」

 

「・・・・」

 

「過去の事を何度も嘆いても、その結果が変わる事は無い」

 

「隼人君・・・」

 

「今は・・・前を見てください。今やらねばならない事を・・・」

 

「・・・・」

 

 

 

「・・・もし、まだあの状態が続いてしまうのなら、俺は楯無さんが戦う事に反対します」

 

「・・・・!」

 

「今度ばかりはあなたの命令でも、これだけは変えません」

 

「・・・・」

 

「もしあなたが無理に戦うと言うのなら――――」

 

 

 と、感情を抑えていたが、ついに右目の瞳の色が金色に変化する。

 

 

「その時は本気であなたを叩き潰します。気持ちを歪ませる事になっても」

 

「・・・・」

 

「これも・・・あなたを死なせない為です」

 

「・・・隼人、君」

 

 楯無は俯く。

 

 

「では、俺はこれで」

 

 隼人は頭を下げてから、後ろに振り向こうとした――――

 

 

 

 

 

「・・・・?」

 

 すると、楯無は振り返られる前に隼人に寄り添う。

 

「楯無さん・・・?」

 

 突然の事に隼人は戸惑う。

 

「・・・ごめんなさい。少しだけ・・・私のわがままに付き合って・・・」

 

「・・・・」

 

 楯無は少し震えていた。恐らく静かに泣いているのだろう。くっ付いたのも泣いている顔を見せない為なのだろう。

 

「・・・・」

 

 隼人は何もせず、楯無の気が済むまでそのままの状態でいた。

 

 

 

 

 

 

 

説明
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!

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ユニコーン バンシィ ガンダム インフィニット・ストラトス IS 

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