仮面ライダー Rainbow of the oblivion―忘却の虹― 19話 |
「(…… 明日……か…)」
ツナは眠れずにいた。
明日はT世が言っていたシモン=コザァート復活の日……そしてリトが死ぬ日。
数日前からリトをどうにかできないかヴェルデやシャマルに相談したが二人とも首を横にふるだけ。
出会って間もないリトでも死なせたくない、それが今のツナの心境だった。
「(やっぱりダメだ!リトが死ぬなんて……でも、どうすれば…)」
リトを救いたいのは山々だがなにも思い付かない。
ツナは考えながらも寝ようとした。
明日に備えて…。
――――――――――。
「(………………。)」
リトは空を見上げていた。
どうやらリトも眠れずにいるようだ。
「…俺……死ぬのか……」
死ぬ、なんてことはリトにとって実感がわかない。
自分が経験したことは身の回りの人間より短い。
そんな人間がその身の回りの人間より早く死ぬのはすこしおかしく感じられた。
「…誰なんだろう……俺って…」
記憶喪失となったあの日から、リトは疑問に思ってきた。
自分は何者なのか?
ツナとリボーンにあった日に自分の名前は分かった。
だが『平沢梨斗』だけでは自分のことはわからない……。
「…寝よ…」
これ以上考えてもしょうがない… そう思いながらリトはモモタロス達が寝ている場所へ行く。
リトがちょうど布団に手をかけたとき、12時の合図をアパートの大時計が知らせる。
―そしてこれが開戦の合図だった。
ドォン!!とアパートの外から爆発音がし、リトを含めたアパートの住人が目を覚ます。
「な、なんだぁぁぁぁ!!!??」
「目覚まし……にしてはうるさすぎるね…」
「zzzzz…」
「くまちゃんまだ寝てる〜」
「誰だ……?私の眠りを妨げる無礼者は?」
「おい!外燃えてるぞ!!」
「ええ!?」
ユウトのいう通り、リト達のいる部屋からは爆発したと思われる場所から炎があがっているのがわかる。
「…デネブ、炎真達連れて逃げて…」
「逃げるってなにから?」
「まさか未確認か!?」
「…多分」
そういってデネブはユウトとジークを連れて炎真達の元に向かう。
残ったメンバーは騒がしくなっている外に向かった。
そしてリト達は信じられないものをみる。
「おい!アイツリトが倒したはずだろ!?何で生きてやがんだ!?」
「別の未確認?にしては似すぎてる…」
そう、爆発の原因は以前リトが倒したはずの未確認生命体21号によるものだった。
リトはすかさずクウガ・タイタンフォームに変身し、近くに落ちていた金属の棒をタイタンソードに変化させ、【カラミティタイタン】を打ち込んだ。
当然21号は爆散し、リュウタロスはやった!と喜んでいた。
だが、爆散した21号の体が再び集まり、元に戻ろうとしていた。
「なんやあれ!?またくっついてるで!」
「ちょっとセンパイ……ヤバイよ、この状況…」
「あ?…なっ!?」
ウラタロスに言われてモモタロスは回りをみる。
するとそこにはいままで倒してきた未確認生命体が集まっていた。
「いっぱいいるね……」
「こりゃあ骨がおれるわ」
流石にいまいる人数では未確認生命体とまともに戦えない、と判断したがキンタロスはやる気だ。
だがそんな彼らの上空から巨大な物体が移動してくる。
「ん?…あれは…」
『ギャァアァァァァアン!!!!』
「「「「なんじゃありゃぁぁぁぁぁ!!!??」」」」
「白蘭とこのやつか」
その巨大な物体…キャッスルドランは近くにいた未確認生命体を吹き飛ばしながらリト達のもとへ近づく。
モモタロス達はリトからその存在を聞いていたが実際に目にするのは始めてなのでかなり驚いている。
「お、おいなんか近づいてるぞ!?」
「ま、まさか…ねえ?」
「口開けたで…」
「おっき〜」
そして予想道理か、キャッスルドランはその巨大な口を開き、
『ハグッ』
「「「「「あ」」」」」
リト達を飲み込んだ。
「はあ!!」
ここは沢田家。
今ここではDファイズに変身したツナが未確認生命体と戦闘していた。
今から数分前、家の近くで悲鳴やものが壊れる音をきき、ツナとリボーンは外に出た。
するとそこには以前倒したはずの未確認生命体が人を襲っている光景だった。
ツナはすぐに変身し、人々を逃がし戦闘する。
奈々やフゥ太、イーピンといった非戦闘員はビアンキが連れて逃げている。
ランボはリボーンによって縛られている。
どうやら警察が並中に避難するようにいっているらしい。
「クソ…きりがない!」
「気張れよ、ツナ……家壊してーのか?」
流石に戦い慣れてきたものの、すぐに復活する相手にDファイズは仮面の奥で疲労した顔を歪ませる。
だがそれに終止符を打つものが現れる。
「!?あれは…」
Dファイズはうしろからバイクのエンジン音がし、振り替える。
そこにはマシンキバーに乗ったキバがいた。
「はあ!!」
「グゲ!!」
「白蘭!!」
「やあ♪綱吉クン♪突然だけど一緒に作戦会議してもらうよ♪」
キバはマシンキバーから飛び降りながら、近くにいた未確認生命体に飛びげりを放つ。
そしてキバが一言言った瞬間、上空からキャッスルドランが現れる。
「こっちこっち♪早く来なよ♪」
「取り敢えず一回引くぞツナ…ホッと!」
「こらー!はなせー!」
「ああ……でもその前に!」
『Attack Ride AUTOVAJIN!』
Dファイズはマシンディケイダーをオートバジンに変形させ、キャッスルドランの方向へ向かう。
ホイール型のガトリングで攻撃されたら流石に追いづらいだろう。
その間にDファイズはキャッスルドランの口の中へ飛び込んだ。
「!ここは…」
いつのまにかDファイズは部屋のなかにいた。
キャッスルドランの口からどうやら城の中へ入ったようだ。
Dファイズは安心し、一回変身を解く。
「十代目!ご無事で!?」
「ツナ!」
「おお!沢田もきたのか!」
「獄寺君!山本にお兄さん!それにみんなも!」
そこには先程飲み込まれたリト達とボンゴレの守護者達が集合していた。
ツナが来る前から飲み込まれたらしい。
「はいはーい♪みんな注もーく♪解析できたってさ♪」
「解析?」
「ええ、ヴェルデが未確認のことを調べたらしいんです」
「とっとと話せ、ヴェルデ」
「そう慌てるな、リボーン…そうだな、まずいうべきなのはやつらはあらゆる物理攻撃や内部からの攻撃を受けても何度も再生するいわゆるゾンビと言ってもいい存在だ。」
「ゾンビですか…ということは倒せないと?」
「最後まで話をききたまえ、手段がないことはない」
「それってどんなこと!?」
「やつらが復活する根元は富士山にある。そこから膨大な量のエネルギーが未確認生命体に送られ再生を可能にしているのだ。つまり…」
「そこにいってエネルギー原を潰せばいいってことだな」
「おお!それは簡単だな!ではさっそく…」
「まて了平、富士山にはツナとリトだけで行く」
「何!?」
「…俺も?」
「リボーン?」
「恐らくエネルギー原ってのはシモン=コザァートのことだちょうど今日復活するって言ってたからな。だとすればこの役割はボンゴレの血を引くツナとリトが奴を倒すべきだ」
「むう…それもそうだな」
「じゃあほかは未確認とやりあうって訳だな?」
「僕には関係ないね、強いやつと戦いたいから富士山に行くよ」
「だがいいのかヒバリ?俺の推測だと並中にも未確認が出るぞ」
「……!」
「このままじゃ並中がメチャクチャになるけどいーのかなー?」
「………やっぱり並中に行くよ」
「そうこなくちゃな」
リボーンはニッと笑い計算通り、と言った顔をする。
その場にいた複数名は心の中で腹黒と思っているだろう。
「それじゃあバラけるぞ。山本は鏡の中から未確認を探して俺達に知らせろ。そこに手の空いてそうな白蘭やタロウズを送り込む」
「おっしゃ!」
「重要だね♪」
「やっと暴れるぜぇ!」
「まあ、やりますか…」
「おっしゃこーい!」
「いっえーい!」
「並中にはヒバリと骸、それに人数が足りないときはランボを使う」
「足を引っ張らないようにお願いしますよ?」
「誰にいってるの?」
「グピャ??」
「残りの獄寺と了平は並盛から出ようとする未確認をみつけしだい戦闘しろ」
「了解っす!」
「ヒバリ!骸!京子を頼んだぞ!」
各割当てが決まり、ツナは一呼吸してから一言言った。
それは短くても意志のこもった強い言葉。
「みんな……行こう!」
「皆さん!ここからは我々の指示に従って速やかに行動してください!」
ここは並盛中の校庭。
そこには並盛町のほぼ全ての住人と警察がいた。
さらに並盛中の回りを警察の特殊部隊が警備し、今まさに未確認生命体と戦闘中だ。
「はひぃぃ…すごく怖いです、ツナさん…」
「は、ハル!そんなに近づくなよ!」
「テメェ十代目に近いんだよ!」
「でも怖いよね…お兄ちゃんは平気?」
「おお!全くだ!」
住人のなかには勿論ハルや京子、そしてここにはいるはずのないツナや獄寺、了平といった守護者達がいる。
「………………………っ!」
「クローム…頑張ってちょうだい…」
「クロームさん、頑張って!」
「アツアツ、肉まん……タベル?」
いまいるツナ達はクロームが作り出している幻覚…リボーンはこの日が来る前にツナ達の幻覚を作り、周りの人間から心配されないようにしてほしいとクロームに言っていたのだ。
しかしかなりの人数を幻覚で作っているため体力的に負担がかかっている。
そんなクロームにビアンキ達は声援を送っている。
そんな中、周りがざわめき始めた。
「おい…空になんかいるぞ…?」
「鳥……?」
「あれは…未確認じゃねえか!」
そう、空には未確認生命体14号といった飛行系の未確認生命体がいた。
住人はそれに気づくと混乱し、我先に逃げ出そうとする。
そして21号は針を放つ体制に入る。
「―はあああぁぁぁっっっ!!!!!!」
「グゲ!?」
――だがしかし、それは金色の羽をもつものによって防がれた。
「ふっ!はっ!」
「グエ!!!」
「グゴ!?」
それだけではなく、『それ』は回りを飛んでいた未確認生命体をも地面にたたき落とす。
「ふう……ここまで多いと骨が折れますね」
そこにいたのは仮面ライダーブレイド・ジャックフォーム。
ブレイドJFは空にいた未確認生命体を【スラッシュ】で叩き落とし、地上に降りる。
何体かは先程の攻撃で倒したがすぐに再生している。
だがそれに追い討ちをかけるように銃弾と火炎が当たる。
「早くしなよ……………噛み殺すから」
「やれやれ、相変わらず怖い人が雲雀氏は」
「か、仮面ライダー!?」
放たれた先には仮面ライダーカブト・マスクドフォームと仮面ライダー響鬼がいた。
警察の特殊部隊は突然現れた仮面ライダーに目が向き未確認生命体の何体か校庭の方へ移動する。
未確認生命体の標的はカブトMFとなり、彼の周りに集まるが彼は動じていない。
「「「「グオオオオオォォォ!!!!」」」」
「………キャストオフ」
『Cast Off』
「「「「グギャアアアアァァァ!!」」」」
『…Change Beetle』
未確認生命体達はカブトMFに攻撃するがギリギリのところでカブトMFはキャストオフする。
装甲が飛び、当然未確認生命体達はそれに当り吹き飛ぶ。
カブト・ライダーフォームとなりトンファーを構える。
「君たち…僕の邪魔したり、校舎を壊したりしたら噛み殺すよ」
「クフフ、怖いですね……まあ、僕は好きなようにやりますけど」
「六道氏に賛成です、あなた達と連携をしたくないとは思っていませんがあとが怖いので」
そう言いながら三人は背中を預けている。
「では始めましょうか」
「好きにすれば…」
「果たして、俺は生きて帰れるのだろうか……」
――ここは高速道路の交差点…
十数体の未確認生命体が並盛町から出ないように警察の特殊部隊と二人の仮面ライダーがそこにそびえ立つ。
「おい、芝生……あんまり突っ込み過ぎてバテんなよ」
「む?なぜだ?」
「バカかテメェ!?相手はゾンビだ、何回倒してもキリがねぇ!それにこれは十代目とリトさんがシモン=コザァートを倒すまで終わらねぇ持久戦だ!」
「おお!そうなのか!」
そこには仮面ライダーアギトと頭を抱える仮面ライダーファイズがいた。
「いいか?あくまでも俺達の役割はコイツらを町から出さなければいい」
「つまり足止めということだな!」
「わかったんならやるぞ!十代目達に胸はって帰れるようにな」
ファイズはそう言うとオートバジンをバトルモードにし、そこからファイズエッジを抜き出しミッションメモリーをセットする。
アギトはこれまでの戦闘で武器の扱いに慣れてきたのでオルタリングからフレイムセイバーをとりだし、フレイムフォームとなる。
「極げぇぇぇぇぇぇん!!!!!」
「お前人の話聞いてんのかぁぁぁぁぁぁ!!!??」
アギトFFはそのまま突っ込み、それを追うようにしてファイズも突っ込む。
一機だけとなったオートバジンはヤレヤレといったポーズをとりながらも戦闘しにいった。
――――――――。
商店街…ここでは破壊を繰り返す未確認生命体がいた。
恐らくここにいる未確認生命体の数は各戦闘地域よりも遥かに多いだろう。
「――うりゃぁぁっ!!」
近くにあった窓ガラスから時雨金時をもった龍騎が現れる。
龍騎は近くにいる未確認生命体をしたから切り上げ、それに反応したほかの未確認生命体に斬りかかる。
「んじゃよろしくな、ドラグレッター」
『ADVENT』
『グオオオオオンッ!!」
龍騎は未確認生命体を凪ぎ払いながらもドラグレッターを召喚する。
なぜドラグレッターを召喚する必要があったのか?
それはこの事を白蘭達に伝えるためであった。
『ギャオオオオオオオオオオオン!!!!』
そしてそれに反応するようにキャッスルドランが表れ、中からキバや電王各フォーム、さらには真六弔花が現れる。
「俺、空から参上ォォォォッ!!」
「センパイうるさいよ…」
「泣けるでッ!!」
「うわー、いっぱーい」
「はは♪じゃあ最初はザクロ、行こうか♪」
『ガルルセイバー!』
電王達は次々降りていき、キバはガルルと融合したガルルフォームとなる。
さらに遠くから三台のバイクがやってくる。
――炎真達を連れて逃げたユウト達だ。
「俺達を忘れてんじゃねぇよ!!」
「このような場所……私には似合わないのだがな」
「まあまあ、どのみちやらないといけないんだから、ね」
ジークの腰には細部が違っている電王ベルトが、ユウトとデネブの腰には機械的なベルトが巻いてあった。
「「「変身!!」」」
『Altair from』
『Vega from』
『Wing from』
ユウトとデネブは電王と似た変身の仕方をする。
「最初に言っておく!俺はかーなーりッ!強い!!」
ユウトは牛の電仮面をした仮面ライダーゼロノス・アルタイルフォームに。
「降臨…満を持して…!」
ジークは白鳥のような電仮面をした仮面ライダー電王・ウイングフォームに。
「最初に言っておく!………胸の顔は飾りだ!!」
「関係ないだろ!」
「あだッ!?」
デネブはドリルのような電仮面をした仮面ライダーゼロノス・ベガフォームとなる。
「取り敢えず全員でクライマックスだ!行くぜ行くぜ行くぜぇぇぇぇぇぇ!!!!」
――――――。
「ついたな……」
「ああ……ここに…いるのか」
富士山……ボンゴレT世はここで未確認生命体……グロンギと戦った場所。
ここにシモン=コザァートがいる。
クウガとディケイドは超直感によるものなのかなんとなくわかっていた。
「リト、行こう……シモン=コザァートを倒すんだ」
「ああ…全部、終わらせよう」
数分……たった数分歩いた場所で、二人は目の前の『異形』と向き合っている。
それは最初のグロンギ。
現代では未確認生命体1号はすでに存在する。
だとすれば、目の前の『異形』はその前の数字…0号といったところか。
「……………………」
未確認生命体0号“シモン=コザァート”は静かに……二人の仮面ライダーの前に立っていた。
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かなり不定期でスミマセン…… | ||
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