仮面ライダー Rainbow of the oblivion―忘却の虹― 20話
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それは未確認生命体としてはおとなしい。

 

 

 

 

 

それは美しい白い体に金の装飾をしていた。

 

 

 

 

 

そしてそれは――――クウガと同じクワガタのような姿だった。

 

 

 

 

 

「「………………」」

 

クウガとディケイドはシモン=コザァート……いや、未確認生命体0号を見ていた。

いままでとは違う雰囲気に二人は飲み込まれつつある。

 

「…………………」

 

0号は静かに右腕をクウガに向ける。

何をするのかクウガは警戒していた。

 

――そして次の瞬間、クウガの体から炎が燃えていた。

 

「うあああああああああぁぁ!!??」

 

「リト!?…クソッ、ヤメロォォォ!!!」

炎に苦しんでいるクウガから離れ、ディケイドはライドブッカーをソードモードにし、0号に斬りかかる。

だがその剣撃はクウガに向けていた腕で、いとも簡単に止められてしまう。

ディケイドはそのままローキックを放つが0号は見向きもしないで反対側の腕で受けとめ、そのまま放り投げてしまう。

 

「うあっ!!」

 

「ツナ……ッ超変身!!」

 

クウガは近くに落ちてあった木の枝を拾い、ドラゴンフォームに超変身する。

――腕を向かれなければ発火しない

そう思ってクウガDFは速さで勝負しようとした。

 

「………………………」

 

相変わらず0号は無反応。

背後に回りきようとしていても見向きもしないのだ。

…だが、背後に回りきる前に0号は一瞬で消えてしまう。

――いったいどこへ?

そう思った矢先、クウガDFは無意識に右に飛ぶ。

 

 

「………………………」

 

 

そこにはさっきまで目の前にいたはずの0号がいまクウガがいた場所にパンチしていた。

それだけならよかった。

0号が拳を振るった先にあった岩が粉々に砕けたのだ。

そう、0号はその拳圧だけで岩を割った。

 

『Final Attack Ride DE-DE-DE-DECADE!』

 

「オオオオオォォォォォォォォォッッッッ!!!!」

 

そしていつの間にかディケイドは【ディメンションキック】の体制に入る。

0号はそれに迎え撃つようにディケイドの反対側から飛び蹴りをする。

そして両者の脚が激突しそこを中心に爆発。

煙の中からディケイドが飛び出し地面に激突。

一方の0号は無傷のまま着地していた。

 

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「うりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

0号が着地した瞬間、クウガはタイタンフォームに超変身して斬りかかる。

だがそれはただのタイタンフォームではない。

二週間ほど前、クウガは発電所近くで戦闘中に大量の電気を浴びてしまった。

人間だったら即死の電圧だったがクウガは逆にそれを吸収。

その電気の力を使い四つのフォームを強化することに成功した。

その一つがタイタンフォームの強化形態、ライジングタイタンである。

 

「…………………………」

 

「はぁ……はぁ………っ…!」

 

【ライジングカラミティタイタン】

【カラミティタイタン】の強化技であり、効果は通常の数倍。

それを腹部に食らったらひとたまりもないだろう。

これで決まった……そうクウガRTは確信した。

 

「………………………」

 

「なっ…!?」

 

だが0号は刺された場所を掴み、引き抜こうとする。

クウガRTはあわてて押し返そうとするが相手のほうが腕力はかなり上。

とっさにクウガRTは刺さっている部分を殴り付ける。

すると先程まで機械のように動いていた0号が急にクウガRTを殴り、近くの坂にめり込む威力で吹き飛ばす。

威力はかなりのもので、殴られた鎧の部分は無惨にも砕けていた。

 

『Attack Ride ILLUSION!』

 

「はぁ!」

 

「どりゃ!」

 

「「「せりゃぁぁぁッ!!」」」

 

ディケイドはイリュージョンで五体に分裂し、0号を追い詰めようとする。

だがそれは囮。

本命はめり込んでいたクウガであり、彼はライジングペガサスに超変身していた。

残り数秒しか変身を保ってられない……チャンスは一度きり。

ライジングペガサスボウガンのトリガーを引き絞り、狙いを定める。

 

「…………ッ!!」

 

そしてボウガンから放たれた空気弾が発射される。

そのまま0号に当たる……かのように思われた。

 

「………………」

 

「「ぐぁぁぁあ!!」」

 

「!ツナ!?」

 

だが0号は両側にいたディケイドニ体の首を掴み空気弾の盾にする。

その衝撃で分身したディケイドは一人に戻り、そのまま変身解除。

ツナは地面に倒れてしまう。

 

「……………………」

 

「!!?」

 

0号は瞬間移動し、クウガRPのもとへ移動する。

一瞬の隙をつかれてしまい反応が遅れる、そして――――

 

 

 

 

 

 

 

「………あ…ぁ…」

 

 

 

 

 

0号の拳が彼の腰に打ち込まれる。

そして拳が離れると、クウガの腰についているアークルに、ヒビが入っていた。

 

「りっ……リトォォォォォォォォ!!!!」

 

叫び声が響くなか、クウガはその姿をリトに戻し、0号の足元に倒れた。

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「ここまでとは………少々甘く見ていたようですね……」

 

「…………ッ…!」

 

「ヤレヤレ…ゾンビとは、……やりあいたくないものだ…」

 

並中では数時間と数十分という長い時間、カブト達と警察特殊部隊が未確認生命体から住人を守りながら戦っていた。

休みなしの戦い……カブト達は疲れはて、特殊部隊は持っていた特殊弾をすべて使いきってしまった。

 

 

 

――――――。

 

 

「――ォォォォォォオオオオオオオオ!!極限太陽ッッッッ!!!!」

『Exceed Charge』

 

「果てろォォォォオォォ!!」

 

ここ、交通道路の交差点ではグランドフォームに戻ったアギトと高速形態・アクセルフォームとなったファイズが戦っていた。

 

『3…2…1…Time Out Reformation』

 

「クソッ……なんで十秒しか使えねぇんだよ!?」

 

「むう……万策…尽きる………か?」

 

こちらは肉弾戦が主体なのでかなり体力を消耗していた。

その上、ファイズAFは通常形態に戻ってしまう。

背中合わせになりながら、二人は周りの未確認生命体と戦っていた。

 

 

――――。

 

「でりゃぁぁッ!!」

 

『ドッガバイト!』

 

「とりゃぁぁぁぁ!!」

 

商店街……ここでは各地域で戦っている仮面ライダーと未確認生命体の数が最多の場所。

店が壊れ、公園はメチャクチャ……そんな中、キバ・ドッガフォーム達は苦戦していた。

 

「もう使えるカード……なくなっちまったな…」

 

「やはりここは、私には似合わなかったな…」

 

『バーロー……しゃべってる暇あったら戦え!』

 

『ハハン!……そう言ってもゾンビが相手では、気力が持てないものですよ?』

 

「も〜〜……しつこすぎ!!」

 

最多の人数がいても相手はゾンビ……いずれは心が折れてしまいそうである。

それでも、彼らは戦い続ける……リトとツナが勝つと信じて――

 

 

 

 

 

 

 

――――――――。

 

 

 

 

 

「リト…………」

 

ツナは倒れているリトを見ていた。

場数ならば仮面ライダーの中でも上位に入るリトが、手も足も出ずにいる。

目の前の敵はいままでとは桁が違う。

“圧倒的”……この言葉がいやというほど染み込む。

 

「…………………」

 

0号はリトが動かないことを確認すると標的をツナにし、一歩一歩歩いていく。

ツナは再び変身しようとするが、手が震えてうまく変身できない。

恐い……それだけで頭が一杯だった。

誰か助けてほしい……だがいまいるのは自分だけ。

絶望しかかっていた――――

 

 

 

 

 

グサッ

 

 

 

 

 

 

 

「……………えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ッ…ッ…!?」

 

0号のバックル部分が後ろから刺さっている。

それはツナにとって見覚えがあるもの……タイタンソード。

そして指しているのは……

 

「…はぁ……ッ…やっと………隙をついたな…」

 

「リト!」

 

先程まで地面に倒れていたリトだった。

だがそれだけではない。

リトの両腕がタイタンフォームのときと同じものとなっている。

つまりリトは部分的に変身したのだ。

 

「…お前………俺が殴った時、…少し焦ったろ?」

 

先程の戦闘……クウガRTが戦闘していた時、彼はとっさに腹部を殴ったのだ。

その時の0号はリトが言うようにすぐに攻撃していた。

すぐに攻撃したのは攻撃されては不味い場所がある。

ということは、弱点がある……そう考えたリトは思い出した。

0号はアマダムを埋め込まれて出来た存在。

クウガと似ている、ということだ。

現在、アークルにはヒビが入っていてとても痛い。

だからこそ、同じ構造の0号も弱点のはず。

 

「………!!」

 

0号はリトを振り払おうと手を伸ばす。

だがそれよりも前にリトはタイタンソードを奥にやる。

それにより、埋め込まれていたアマダムがバックル部分から半分ほど出てくる。

リトはそれを掴み、

 

 

「ぉぉぉおおおおおお!!」

 

 

一気に引き抜いた。

 

 

 

 

――――――。

 

「!?これは!?」

 

「やったんですね…十代目、リトさん!!」

 

「ハハハハ♪……本当にやっちゃったんだね♪」

 

それと同時に各地域で未確認生命体が消滅していく。

その場にいた仮面ライダー達は作戦が成功した、そう考えていた。

 

 

 

――――――。

 

 

「リト…………」

 

「はぁ……はぁ……ッ…」

 

リトとツナの目の前には0号……いや体が砂のように崩れていき、中から人間が現れる。

炎真と瓜二つの顔をしている青年……この人物は人目で分かる。

“シモン=コザァート”は静かに目を開ける。

 

「………こ…こは…」

 

「あなたが……シモン=コザァート…」

 

「君らは……ああ、そうか……ジョットの子孫だね」

 

「…ああ………覚えているか?…いままで何をしていたか…」

 

「わかっている……わかっているさ……何もかも…」

 

シモン=コザァートは目を閉じ、涙を流す。

 

「すまなかった……君たちを…傷つけて…」

 

「そんな!……あなたは操られていただけで…」

 

「それでも、だよ……僕は…心の闇に負けたんだ」

 

「闇…」

 

「クウガ……そのアマダムは君のアマダムと一つになって始めて……真の力を発揮する」

 

「真の……力?」

 

「だが…自分を見失うな……激しい感情は自らを滅ぼし、周りを滅ぼす…………ただひとつだけ………ただ一つだけのことを考えて……使うんだ」

 

「でも……もう戦いは終わったんじゃ…」

 

「いいや……まだ終わってはいない………僕が倒れたことで、奴は………こちらに仕掛けてくるだろう」

 

「奴って…………まさか」

 

「もう………僕は逝くよ………君たちを…ジョットと……皆と共に見守って…いる……よ………」

 

そう言い残し、シモン=コザァートは砂になり消えてしまった。

 

「…………………」

 

「リト…」

 

「帰ろう、皆の所へ…」

 

シモン=コザァートが言っていたことは気になる。

だが今は勝利したことを仲間に知らせるほうが先だと考えた。

 

 

静かに空を見上げる。

太陽はまだ登りかけているのを見るとまだ朝の7時前だと分かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

だが運命は彼らに休息を与えない。

 

 

 

 

 

 

空にヒビができ、それが割れる。

 

 

 

 

 

その空いた空間から巨大な何かが次々に出てくる。

 

 

 

 

それが出会いと、戦いの合図だった。

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どうも、XXXです。

 

まず最初にスンマセン!

前話の投稿が三週間以上過ぎて。

いや…ちょっと体調崩してたんでできませんでした。

まあ、言い訳にならないんですけどね

20話が早くできたからいいんですけど。

 

 

それと次から後半やるんですが、クロスする作品の設定を少し変えたいと思っています。

あと、クウガに若干能力を追加します。

それやるとチートっぽいって言われそうだけどやります。

 

なぜかと言われると……俺のなかではクウガが最強だからです。

 

 

 

説明
正直……前回詰め込み過ぎたと思うんだ………
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